風が吹けば桶屋が儲かる

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索

風が吹けば桶屋が儲かる(かぜがふけばおけやがもうかる)とは日本のことわざで、ある事象の発生により一見すると全く関係の無いような思わぬ所・物事に対して影響が出ることの例えである。また、現代ではその論証に用いられる例が突飛である故に「あり得なくはない因果関係を無理矢理つなげて出来たこじつけの理論・言いぐさ」を指すことも多い。

風が吹けば箱屋が儲かる」「大風が吹けば桶屋が喜ぶ」などの異形がある。

目次

[編集] 由来

江戸時代浮世草子世間学者気質(かたぎ)』巻三(無跡散人著、明和5年、1768年)が初出である。ただしここでは、「」のかわりに「」であり、「風が吹けば箱屋が儲かる」などの成句の形では書かれていない。また、『東海道中膝栗毛』二編下(享和3年、1803年)に現れるのも有名で、ここでも「箱」になっている。

今日の大風で土ほこりが立ちて人の目の中へ入れば、世間にめくらが大ぶん出来る。そこで三味線がよふうれる。そうすると猫の皮がたんといるによって世界中の猫が大分へる。そふなれば鼠があばれ出すによって、おのづから箱の類をかぢりおる。爰(ここ)で箱屋をしたらば大分よかりそふなものじゃと思案は仕だしても、是(これ)も元手がなふては埒(らち)(あか)

無跡散人『世間学者気質』より, 慣用句辞典より転記。[1]

つまり、

  1. で土ぼこりが立つ
  2. 土ぼこりが目に入って、盲人が増える
  3. 盲人は三味線を買う(当時の盲人が就ける職に由来)
  4. 三味線に使う猫が必要になり、ネコが殺される
  5. ネコが減ればネズミが増える
  6. ネズミは桶を囓る
  7. 桶の需要が増え桶屋が儲かる

[編集] 俗説

一部の俗説では、「桶」は「棺桶」の意味で、何らかの理由で死者が増え、棺桶の需要が増えるとも言われる。風で火災が延焼し焼死者が増える、海や山が荒れて遭難者が出るなど、諸説ある。しかし、先述したとおり、「桶」より「箱」が古い形である。

ほかにもいくつか俗説がある。また、冗談大喜利として新説が考え出されることもある。

これらの背景には、オリジナルの因果関係が突拍子もないこと自体のほか、盲人が三味線を弾くこと、三味線に猫皮が使われることなど、当時の文化に関する知識が必要とされることがある。

北海道オホーツク海沿岸、特に紋別市, 網走市には桶屋が多く、三味線とは全く関係のない話が伝わっている。

  1. 北風により流氷が接岸する。
  2. 特に夜間には急激に気温が下がり、室内でも氷点下の気温となる。
  3. 漬物桶、風呂桶、漁具の桶が凍結し、破壊される。
  4. 桶の需要が増え桶屋が儲かる


[編集] 脚注

  1. ^ 原典は著作権保護期間満了につきPD。表記は文献により多少の違いがある。読み仮名は原典にはない。

[編集] 書籍

  • 『「風が吹けば桶屋が儲かる」のは0.8%!?』丸山健夫 PHP研究所 2006年(詳しい起源の解説あり) ISBN 4569654320

[編集] 関連項目

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス