顔氏家訓

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『顔氏家訓』(がんしかくん)とは、中国北斉顔之推が著した家訓、つまり子々孫々に対する訓戒の書である。全7巻(の2巻本もあり)。

顔氏は、本来は山東省瑯琊の名族で、東晋以来、建康に移住して南朝に代々仕えた門閥貴族の家柄である。顔之推は、字は介、朝を滅亡へと暗転させた侯景の乱以後、都の建康を離れて流亡生活を送った末、北斉へと向かい、黄門侍郎、平原太守に任じられた。北斉が北周に滅ぼされて以降は、北周・に仕えて、開皇年間に太子の学士となったが、しばらくして病死した。

顔之推は『顔氏家訓』の中で、中国伝統の家族道徳を重視し、教養・学問・思想・信仰から、生活態度・言語諸芸から、処世法や交際術にまで及ぶ、自らの具体的な体験談や事例を挙げ、事細かく教えている。彼の理想は、質実剛健な家庭に見られる、調和と保守を重視した時勢の影響を受けない生活態度である。その背景にあるのは、彼自身のめまぐるしく境遇が変化した一生であろうし、なおかつ、それが一般的な中国の人士の生活態度の伝統にも通じていたことで、後世まで長く重視され、「家訓」といえば、本書を指すようになった要因でもあろう。

[編集] 構成

  1.  序致篇
  2.  教子篇
  3.  兄弟篇
  4.  後娶篇
  5.  治家篇
  6.  風操篇
  7.  慕賢篇
  8.  勉学篇
  9.  文章篇
  10.  名実篇
  11.  渉努篇
  12.  省事篇
  13.  止足篇
  14.  誡兵篇
  15.  養生篇
  16.  帰心篇
  17.  書証篇
  18.  音辞篇
  19.  雑言篇
  20.  終制篇

また、本書の中では、華美に流れた江南の貴族社会を、質実な気風のあった北朝士人の社会と比較しながら批判的に見ている。解体期にあった六朝貴族社会の政治、経済、社会を南朝・北朝の貴族の生活を通じて知ることができる重要な資料である。

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