顎関節症

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顎関節障害
分類及び外部参照情報
Temporomandibular joint
ICD-10 K07.6
ICD-9 524.60
DiseasesDB 12934
MedlinePlus 001227
eMedicine neuro/366 radio/679 emerg/569
MeSH C05.500.607.221.897.897
プロジェクト:病気Portal:医学と医療
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顎関節症(がくかんせつしょう,Temporomandibular joint disorder)とは、顎関節部や咀嚼(そしゃく)筋等の疼痛、関節音、開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする慢性疾患群の総括的診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、関節包・靭帯障害、関節円板障害、変形性関節症などが含まれる。

症状[編集]

一般に、顎運動障害、顎関節痛や関節雑音が単独もしくは複数合併して発現する(これを顎関節症の主要3症状と呼ぶ)。疼痛は主に顎運動時に生じる。 雑音には、ゴリゴリという低い音のcrepitusと、カクンという弾撥音であるclickingとがある。その他にも、耳の痛み、耳閉感、難聴、めまい、眼精疲労といった眼や耳の症状、頭痛や首、肩のこり等のさまざまな症状を呈するとも言われている。

高い治療実績を掲げたり、完治可能、専門治療といったもっともらしい広告を出す病院などもあるが、現在のところ治療法は確立されておらず医師や所属機関によって見解も違いこれといった治療法は存在しない。

疫学[編集]

子供から大人まで幅広く発生するが、20歳代から30歳代の女性に好発する傾向がある。

原因[編集]

現在、ハッキリとした原因はわかっていないが、頬杖をついたり、柔らかいものしか食べないという、生活習慣が原因の一つなど様々なことが言われている。診断は医師によりまちまちであるが、原因となる状態を惹起し、症状が出現する場合もあるなど、複合的な要因によって発症することが多いとされ、異常な開閉口運動や、ブラキシズムなどの顎に加わる異常外力、補綴物異常など多様な原因による咬合異常や筋緊張に起因するといわれている。大きく開口するあくび、笑いといった常日頃の何気ない動作や、歌唱、寝違え、頬杖など生活習慣や、仕事の変化と肉体的心理的ストレスの相乗作用によって起こるとされる。

分類[編集]

主病変が咀嚼筋障害による「筋性」と、顎関節(下顎窩、関節円板、下顎頭、関節包)障害による「関節性」の二つに大別される。日本において顎関節症の多様な病態に対応するため、有限責任中間法人日本顎関節学会はI〜V型に分類を行い、広く臨床に使用されている。

  • I型:咀嚼筋障害を主徴候とし、その病理は筋緊張と筋スパズム、筋炎である。顎関節部の運動痛と運動障害を僅かに生じることがあり、筋痛を強く生ずる。
  • II型:関節包、関節靭帯、円板後部組織の慢性外傷性病変を主徴候とし、顎関節部の運動痛と圧痛を強く生じ、関節雑音を生ずる。筋痛は弱い。関節鏡下で病変を認める。
  • III型:関節円板の転位や変性、穿孔、線維化を主徴候とする。クリッキングと呼ばれる関節雑音が顕著である。筋痛はなく、顎関節部の疼痛は弱い。
    • III型a:復位性関節円板転位:関節円板の位置関係が復位する時に関節雑音(クリック音)が確認できる。
    • III型b:非復位性関節円板転位:関節円板の位置が復位しない。ひっかかりのための開口障害や顎関節の疼痛がおこる。
  • IV型:変形性関節症。関節軟骨の破壊、下顎窩や下顎頭の骨吸収や変性・添加、関節円板や滑膜の変形異常などの退行性病変を主徴候とし、クレピタス音と呼ばれる関節雑音が顕著である。X線所見上も大きな異常を認めるようになる。
  • V型:上記のI~IV型のいずれにも該当しないが、顎関節領域に異常症状を訴える、心身医学的な要素を含むもの。

診断[編集]

基本的に顎関節症の主要3症状を検索することによって診断する。顎関節部の画像診断(エックス線撮影法、エックス線CT、MRI)や、顎運動検査を行う。関節鏡による診断も行われる。

診断を進める手順は、

  1. 変形性関節症(IV型):X線写真において、下顎頭の骨棘形成、エロージョン、骨硬化像、骨皮質の肥厚、多角化などが認められる。
  2. 関節円板障害(III型):関節雑音、関節雑音に後発する開口障害や閉口障害がみられる。
  3. 咀嚼筋障害(I型):筋の圧痛がある。
  4. 関節包、靭帯障害(II型):大開口および噛み締め時の関節痛。
  5. 上記のI~IV型のいずれにも該当しないもの。(V型)

という順がとられる。

治療法[編集]

顎関節症の治療は原則として、原因や誘因の除去する治療法が主となり、顎の安静や咬合異常の整復を目的とした様々な治療法が存在する。潜行型の場合、薬物療法や、原因となる噛み合わせの調整のためスプリントや矯正を行う。関節腔内を洗浄することや、内視鏡下での外科的手術を行なうこともある。

スプリント療法はいわゆるマウスピース等のものを利用することで噛み合わせを調整する。いわゆる「前噛み」「奥噛み」などによる顎への負担を減らす効果があり治療法として一般的であるが、顆頭の位置を把握した上で入れなければ危険である。

顎運動を診査するためには、患者の顎運動を阻害しないように、口腔外に設置された機器により診査する必要がある。現在、いろいろな方法でセンサーを口腔内外に設置し、コンピューターなどを利用して、記録する方法がある。

診療科[編集]

  • 歯科
    • 診療は、補綴科矯正歯科口腔外科など複数の領域の専門分野が共同して当たるのが一般的である。全国の歯科大学歯学部の附属大学病院の多くは、顎関節専門の診療科、専門外来等を開設し専門的治療を行っている。一部歯科医院では設備機器などの不備で診療できない場合もある。なお、法律上、顎関節症治療に関する標榜科はない。

予後[編集]

多くの場合、顎関節症における臨床症状は時間の経過により緩解ないし消失に向かう。しかし、10〜15%の症例では臨床病状の遷延化ないし悪化をきたす。この少数だが重要な患者群についての研究が、今後の課題とされている。

認定資格[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]