韓国外換銀行

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韓国外換銀行(韓国国内)のデータ
英名 Korea Exchange Bank
統一金融機関コード 005
代表者氏名 Larry A. Klane(CEO
店舗数 354店
従業員数 8000人
設立日 1967年1月30日
所在地
ソウル市中区乙支路(ウルチロ)64
(旧住居表示:乙支路2街181番地)
外部リンク http://www.keb.co.kr/
(朝鮮語、英語、中国語)
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本店の様子
韓国外換銀行(日本国内)のデータ
英名 Korea Exchange Bank
統一金融機関コード 0423
SWIFTコード KOEXJPJT
代表者氏名 朱 在仲(日本における代表者)
店舗数 4店(内、支店2店舗)
(日本国内)
貸出金残高 653億7700万円
預金残高 339億1300万円
設立日 1967年1月30日
所在地
〒100-0005
東京都千代田区丸の内3-4-1
新国際ビル1階(東京支店)
外部リンク http://www.koex.jp/
(東京支店/大阪支店のページ)
(日本語)
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韓国外換銀行
各種表記
ハングル 한국외환은행
漢字 韓國外換銀行
発音 ハングク=ウェファヌネン
(ハングッゲファヌネン)
英語 Korea Exchange Bank(KEB)
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韓国外換銀行(かんこくがいかんぎんこう)は、韓国ソウル市中区に本店をもつ銀行である。通貨金融機関(特殊銀行)であったが、1989年に市中銀行(普通銀行)に転換した。韓国内では一般に外換銀行もしくはKEBと呼称されている。

日本においても銀行業務を認可されており、日本国内に2支店2出張所を展開している。

概要[編集]

沿革[編集]

  • 1967年1月30日韓国の貿易政策の一環として成立した韓国外換銀行法に基づき、通貨金融機関(特殊銀行)として設立。韓国銀行の国際金融部門を母体とする。日本においては、東京都千代田区に東京支店を開設。
  • 1975年1月、証券業務を認可され、銀証併営を開始。
  • 1978年4月、連結子会社「KEB外換カード」(Korea Exchange Bank Credit Service Co.,Ltd) を設立。韓国の金融機関としては初めて信販業務VISAカード提携)の取扱いを開始。
  • 1981年3月、本店ビルを現所在地に新築し移転。
  • 1983年3月、VISA提携のトラベラーズチェックの発券を開始。
  • 1989年、韓国外換銀行法廃止。
  • 1990年、同法廃止にともない民営化され市中銀行(普通銀行)に転換。社名は、普銀転換後も旧来認知度が高かった「韓国外換銀行」を継続して使用。
  • 1994年4月、韓国証券取引所コスダックに上場(KRX:004940)。
  • 2003年10月、アジア通貨危機の影響から国際取引が多い同行の経営が逼窮、米私募ファンドローンスターキャピタルが救済出資介入。
  • 2004年2月、リストラ策の一環としてKEB外換カードを吸収合併、信販事業を同行本体に受入れ。
  • 2006年5月、韓国最大手市中銀行国民銀行が、ローンスターの同行保有株式全株の買収合意を発表。
  • 2006年11月、ローンスターが国民銀行への保有全株売却の白紙撤回を発表。
  • 2007年9月、欧州最大手行HSBCホールディングスがローンスター保有の同行発行済株式51%全株の取得合意を発表。
  • 2008年7月、新CIを導入改訂。
  • 2008年9月、HSBCホールディングスが、同行株式の買収の白紙撤回を発表。
  • 2009年5月、韓国政府系金融機関韓国産業銀行(KDB)が、ローンスター保有の同行株式を買収する可能性を示唆。
  • 2010年11月、ハナ金融グループが、ローンスター保有の同行株式を買収することを発表。
  • 2012年1月、ハナ金融グループへ売却、同グループ入り。

業容[編集]

韓国の金融委員会ないし金融監督院による現在の分類では「市中銀行」(日本で言う「普通銀行」に相当)とされており、銀行コードは05を付与されている。韓国外換銀行法に基づく国営の通貨金融機関(日本で言う「特殊銀行」)として設立されたが、同法の廃止とともに市中銀行に転換、民営化され株式上場された経緯を持つ。

日本で言えば、横浜正金銀行→(解散再編)→旧東京銀行→(独占経営基盤の環境変化)→三菱東京UFJ銀行の経緯・形態に良く似た銀行である

本店は、ソウル市中区乙支路64 所在(いまだに旧住居表示を使う人も多いため、旧表記の「乙支路2街181番地」を併記している)。店舗数は354店(2009年2月現在)。

預金高は、韓国国内で第6位を誇る。

韓国内で放送されるテレビCMには、イメージキャラクターとしてチ・ジニを起用している。

国際業務[編集]

おもに外国為替を取扱う銀行としては韓国国内最大の銀行であり、世界120カ国以上の通貨に対応している。国際金融・外為業務に強く、韓国の輸出入に係る資金移動の50%近くを担っている。韓国内のニュースでは、外国為替関係の報道がなされる場合、外換銀行本店のディーリングルームの映像がよく使用される。

KEDOのメインバンクとして朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に出張所を置いているほか、2004年にはイラクザイトゥーン部隊にも出張所を設置した。企業向け金融にも強かったが、アジア通貨危機の影響を受け、ドイツコメルツ銀行の救済出資を受けている。

経営[編集]

2003年アジア通貨危機により国際取引占率が高い同行は甚大な影響をこうむり、経営が逼迫し破綻寸前とまで目された。これに対し、米国系私募ファンド(プライベート・エクイティ)ローンスターキャピタルが救済出資介入を行い、同行ならびに連結子会社KEB外換カードの発行済株式の50・53%を当時レートで約1兆4千億円の格安価格で買収した(ローンスターは、国際的に出資を行っているファンドで、日本においても東京スター銀行(旧:東京相和銀行)や目黒雅叙園などに多数出資している)。

2004年チェース・マンハッタン銀行アジア太平洋部門を統括しコロンビア大学でも教鞭を取っていたロバート・ファロンが会長に就任し、2007年までの4ヵ年で10億ドルの利益を出すことを目標とする事業再生計画を推進した。

その後、積極的なリストラが進められたが、地元韓国の商習慣や文化に配慮しつつ、経営資源の統合・再配分を行い財務内容を整理して、同行の黒字転換に成功した。

2006年5月、経営改善が一段落したと見たローンスターキャピタルは、投資利益を確定させるため、韓国最大手行である国民銀行に対して所有する同行の全株式を売却することで同意したと発表、同行は国民銀行グループ傘下に入る予定となった。しかし、ローンスターによる韓国外換銀行および連結子会社であった旧KEB外換カードの株価不正操作疑惑が持ち上がり、同行を不当な低価格で買収した容疑・脱税容疑・外貨密輸入容疑で検察庁が捜査介入、株価操作による不当買収容疑について起訴された(所謂OINK最大の事象であるローンスター事件。1審有罪、2審無罪、現在最高法院で係争中)。起訴に伴い、2006年11月、国民銀行への全株売却は白紙撤回された。

2007年9月、欧州銀行最大手である英HSBCホールディングスが、ローンスターから所有する韓国外換銀行の発行済株式51%を63億ドルで取得することで条件付きの合意をしたと発表した。付帯条件の内容は、ローンスターによる旧KEB外換カード株・韓国外換銀行株の株価不正操作疑惑などの裁判の解決、ならびに韓国行政当局によるHSBCの同行全株式取得についての同意であった。これにより、ローンスターは同行から完全に撤退して、同行はHSBCグループ傘下に入る予定となり、2002年にソウル銀行、2004年に韓美銀行、1998年および2005年に韓国第一銀行の買収を手がけながら不調に終わっていたHSBCは、香港と並ぶ将来のアジア拠点のひとつと目していた念願の韓国大手銀行のHSBCグループ導入をかなえるかと思われた。

しかし、2008年9月、HSBCホールディングスは、取得先交渉先のローンスターと取引額の見直しで合意に至らなかったことを理由に、ローンスターが保有する韓国外換銀行の株式買収を取りやめる方針を発表した。

2009年5月、韓国の政府系金融機関韓国産業銀行(KDB)が、ローンスター保有の韓国外換銀行株を買収する可能性を示唆したが、ローンスターからの売却先は二転三転した状況が続いており、同行はなかなか安定基盤に軟着陸できない状況を続けている。

現行、ローンスター子会社であるLSF-KEBホルディングスSCAが51.02%出資している。

2010年11月、ハナ金融グループが、ローンスター保有の同行株式を買収することを発表。2012年1月、ハナ金融グループへ売却され、同グループ入りをした。

日本国内における営業展開[編集]

日本国内業務を認可した金融庁の分類では「外国銀行」とされ、統一金融機関コード0423を付与されている。在日支店のモットーは、『韓国と日本の架け橋』ならびに『お客様との出会いを大切に』。

行政処分[編集]

在日3店は、2005年12月の金融庁検査の際に、2001年-2005年の間、銀行法違反の無免許営業を行ういわゆる「地下銀行」と取引していたとして、2006年3月10日-6月9日の3ヶ月間、新規の法人海外送金業務を禁止する業務停止命令を受けた[1]

また、2010年1月には、東京と大阪の支店が「不正に利用されることを知りながら顧客が暴力団関係者から借りた4億円を入金して預金残高証明書を発行したこと」「2005年から支店経費数百万円を横領、流用していたこと」が原因で行政処分(3ヶ月間の新規取引業務の停止)を金融庁から受けている。[2]

店舗[編集]

国際業務展開に際して、東京ニューヨークロンドンに並ぶ重要市場と捉え、同行設立と同時に東京支店が開設された。その後、主に貿易関係のBtoBビジネスのみならず、リテール展開をも目して、日本国内で在日韓国人ならびに韓国系日本人の居住数が最も多い大阪市に大阪支店を、次いで多い東京都新宿区に新宿出張所(旧:新宿相談所)を展開している。2013年11月には、韓国釜山との定期航路を擁する九州福岡地区に、福岡出張所を開設した。

現在は日本国内に計4営業拠点を展開している。支店においては、預金・外国送金・両替・融資・それらに関連する付随業務を行う。支店においては、日本円口座、米ドル口座、韓国ウォン建て当座預金を開設することができる。出張所においては、普通預金・外国送金・両替(日本円・韓国ウォン間のみ)を行い、融資については相談受付予約のみで実務は支店に取り次ぐ。

  • 東京支店 (店番:1101) - 東京都千代田区丸の内3-4-1 (新国際ビル1階)営業時間:9:00 - 15:00
  • 大阪支店 (店番:) - 大阪市中央区今橋4-1-1 (淀屋橋三井ビル4階)営業時間:9:00 - 15:00
  • 東京支店新宿出張所 - 東京都新宿区百人町1-1-2 (職安通り「ドンキホーテ」・韓国料理店「大使館」 西並び)営業時間:9:00 - 15:00
  • 大阪支店福岡出張所 - 福岡県福岡市中央区天神1-1-1 (アクロス福岡イーストオフィス11階)営業時間:9:00 - 15:00

新宿出張所は旧名「新宿相談所」の名で、かつて韓国系の広域信組あすか信用組合の本店2階に空中店舗として所在し、韓国向け送金業務を取次していたが、2008年6月に現所在地に移転。東京支店の災害時代替店舗として指定されている[3]

2008年度の在日支店の業績は、資金運用環境の悪化から、何とか経常利益は63億9300万円を確保したものの、経常費用がこれを上回って20億2300万円の経常損失を出し、前期からの繰越利益剰余金ではこれを賄いきれず、本店から12億3000万円の損失補填を受ける苦しい決算となった[4]

口座・通帳・キャッシュカード[編集]

開設口座には、支店番号4桁と口座番号6桁が付与される。

取扱や手数料の一部には、東京支店口座・大阪支店口座で異なる部分が散見される。

同行の通帳には口座情報を書き込んだ磁気バーが付与されておらず、記帳のためには、営業時間内に4店舗のいずれかの店頭を訪問して窓口で記帳を依頼するか、口座を開設した東京支店または大阪支店に通帳を郵送して記帳・返送してもらう手段しかなく、利便性が高いとは言えない。通帳のデザインには、ソウル市乙支路の本店ビルの遠景イラストが配置されている。

在日支店の口座のキャッシュカードは三井住友銀行ならびに同行管理のアットバンクイオン銀行およびセブン銀行とATM提携をしている。入出金・残高照会のみ可能で、振込を行うことはできない。ATMにおける入出金額は1000円単位で、硬貨の取扱は行っていない。ATMの引出限度額は、1回につき50万円まで、1日につき総計180万円限度である。なお、同行店舗にはATMは設置されていない。

ATM利用手数料は、三井住友銀行提携ATMの場合は入金450円・出金350円、セブン銀行ATMの場合は無料となっていたが、利用者の公平性を勘案して、2009年4月より両行ATMとも入出金一律210円に統一された。提携ATM入金の際に手数料を課さない国内銀行が散見されることを考えると、決して利便性が高いとは言えない。一方、同様に日本国内に店舗を持つウリィ銀行の場合、ATM手数料は無料となっている。

満5年間にわたり利息付加以外の資金移動がない場合、休眠口座扱となって規制され使用できなくなる。また、同行が発送した郵便物などが宛先不明で返送されると、口座開設からの経過年数にかかわらず口座が規制されて使用できなくなる。本人確認書類を提示して住所変更届を提出することにより規制解除される。5年を超えて長期間未使用の口座は、雑益編入口に繰入れられ口座復活が不能となり、残高を払戻すには口座の解約手続が必要となる。

他金融機関からは、東京支店の口座へのみ振込でき、大阪支店の口座には振り込めない。三井住友銀行しらゆり支店に振込みの資金口となる仮想口座が準備されており、この口座に振り込むことによって同行東京支店の口座に連動して入帳される。ただし、三井住友銀行しらゆり支店の口座と同行東京支店の口座は自動連携しておらず、両行の行員が手作業で確認・資金移動を行うため、振込を行った時間帯によっては着金が翌営業日にすれ込むことがある。

日本国内の同行店舗にはATMは設置されていないため、韓国国内の支店で発行された国際キャッシュカードでの預金引き出しや、クレジットカードでキャッシングを行うには、日本国内ではゆうちょ銀行セブン銀行シティバンク銀行などの「PLUS」提携ATMを利用しなければならない。

外国為替・国外利用[編集]

日本円韓国ウォンの為替レートは、東京支店・大阪支店が独自に設定しているため、支店によって異なる。また、日本の全国紙が掲載する為替レートは「三菱東京UFJ銀行レート」を記載することが多いが、同行では「ソウルレート」(韓国3大紙はこれを記載する)を用いているため、日本紙の報道と同行の為替レートは異なる。なお、同行国内支店のレートは、韓国内支店で用いるレートとは異なっている(韓国内よりレートは悪い)ものの、韓国ウォンを取り扱う民間両替所や一部銀行に比べ、顧客に有利なレートで両替できる。

日本円・韓国ウォン間の両替は、紙幣のみで原則500万ウォン相当まで受付ける。

外国送金手数料は、韓国ウォンでの送金(相手の受け取り額の確定が可能)の場合、日本円換算180万円以下一律3000円(180万円超は取扱不可)である。日本円での送金は、10万円以下の場合一律3000円、10万円超50万円以下の場合一律4,000円、50万円超300万円以下の場合一律5000円、300万円超の場合3500円+送金総額の0.05%となっており[5]、日本の国内銀行各行が設定している外国為替手数料と比較すると安価であるため、利用者にメリットがあると言える。なお、法人・個人を問わず取引のない顧客の送金や、不正疑念のある送金は謝絶されることがある。

送金先を事前に登録した送金専用の「送金カード」を発行してもらうと、上記の窓口扱送金手数料より安価な手数料が適用されるが、送金総額を日本円180万円以下に制限される[6]。送金カードを使用する際には、日本国内の提携ATMを利用して入金する必要があるため、円建て送金しかできない。送金カードの事前振込登録先は1枚につき1件しか登録できないため、複数の送金先に送金登録すると複数枚の送金カードが発行されることになり、非常にまぎらわしい。

以前は外貨宅配サービスを行っていたが、韓国通貨危機による為替変動の激化にともない2008年10月よりサービス提供を中止した。

東京支店で事前登録「グローバルオンラインサービス」をすれば、韓国に渡航した際に東京支店の口座のキャッシュカードを用いての入出金が可能となる。ただし、入出金のたびに別途グローバルオンラインサービス手数料が課金されるので、利便性が高いとは言いがたい。国内大手銀行の国際キャッシュカードと同様、韓国を訪問する観光客や一時滞在者むけのサービスにとどまるものである。

ダイレクトバンキング[編集]

顧客のPCを利用したインターネットバンキングサービスのみ提供している。オペレータ対応によるテレホンバンキングや、携帯電話によるモバイルウェブバンキングサービスは行っていない。

インターネットバンキングのためのサーバは日本に置かず、韓国の本店サーバを使用して運営している。複数台のPCでサービスを利用するには、認証キーを該当PCのHDD、あるいはPCがローカルにアクセスできるストレージ機器にペーストすることによってログインが可能となる。

セキュリティ対策には「SSL認証」ではなく、韓国製の暗号化ソフト「Xecureweb」を採用しており、nProtect Netizen等のActiveXアプリケーションの常駐によるセキュリティ方式を取っている。その為、逆にフィッシングやスパイウェア等の不正アクセス被害を受ける可能性が高く、また閲覧に適合するインターネットブラウザやOSが限定される(これは韓国外換銀行に限らず、他の韓国系外国銀行にも言える。詳細はActiveX項を参照)。また、nProtectに関しては不具合や脆弱性も含んでいるのが現状であり、万全の安全性を担保しているとは言いがたい。

脚注[編集]

  1. ^ 2006年3月3日付 金融庁プレスリリース 「韓国外換銀行在日支店に対する行政処分について」
  2. ^ [http://www.fsa.go.jp/news/21/ginkou/20100107-1.html 平成22年1月7日金融庁プレスリリース 「韓国外換銀行在日支店に対する行政処分について」
  3. ^ 韓国外換銀行 「災害時の代替店舗ご案内(東京支店)」
  4. ^ 2009年6月30日付 韓国外換銀行「2008年度・第43期決算広告」(PDFファイル・日本語)
  5. ^ 韓国外換銀行 「送金手数料 変更のご案内」
  6. ^ 「内国税等の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出に関する法律」改正にともなう国税庁への外国送金関係調書の提出金額引下げによる

関連項目[編集]

外部リンク[編集]