青姦

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青姦を描いた芸術作品『サテュロスとニンフ』 アゴスティーノ・カラッチ(1557-1602)

青姦(あおかん、英:outdoor sex)とは、屋外での性行為である。

概要[編集]

基本概念[編集]

俗語であり、「青」は青空を指しているが、夜に行っても青姦という。その際に行う性行為については基本的に和姦を指しており、強姦は含まれない。語源についてはいくつか説があるので、併記する。

  • 空の下での淫の略。
  • 屋根が無いことを「青天井」と呼んでいた名残から、天井下での淫の略。
  • 代の沈既済の小説『枕中記』に登場する「邯鄲の夢の枕」から枕の隠語として「邯鄲」が用いられた上に青空か青天井が加わり、「青邯」になったというもの[1]

住宅事情の悪かった時代においては、家族の目を避けるために屋外の(当然人目につきにくい場での)性交は、普通に行われていた[2]。現代の日本の社会においては、逆に他人の目に触れる可能性が高くなる行為であり、公然と行えば刑法174条公然わいせつ罪に相当する犯罪である。同意無く行為に及んだ場合は強制わいせつ罪、あるいは強姦罪も適用される場合がある。海外においては、より厳格な規定が存在する場合がある。男性が性的興奮を我慢できず女性に性行為を迫る場合が多いが、必ずしもそうであるとは言えない。女性から男性に迫る場合もあれば、男性同性愛者同士が公園などで行い(発展場も参照)、公然わいせつ罪で摘発されることもある。

歴史的背景[編集]

ラブホテルが一般に普及する1965年頃までは、若い男女が屋外で性行為に及ぶという選択肢は存在していた。そもそも日本の住宅事情の悪さもあり、家族の目に触れない場が住宅内に存在しないケースが多く、裕福な家庭や、夫婦2人だけの家族を除いては、たとえ夫婦であっても自宅での性行為は稀であり、自宅以外の場での性交が普通であった。

1955年前後の邦画で、男女が野山でのハイキングを楽しむシーンは当時の登山・ハイキングブームの反映であり、必ずしも屋外での性交を暗示するものではないが、既に肉体関係を結んでいるか、そうなることを望む男女が人の少ない山中で性行為に及ぶことは、ありえなくはなかった。

その後は、ラブホテルの普及と住宅事情の若干の改善により、次第に下火になっていった。近年では、特に刺激を求める男女が行う程度であり、その行為が目撃されることは当時ほど多くはない。また、自動車の普及により、カーセックスという選択肢も生まれている。その他、家庭的住宅理由や金銭的理由で大学生が、またはラブホテルに入れない小中学生や高校生が学校や公園などの片隅で行為に及ぶことがある。

場所[編集]

青姦を行う際は、性的興奮を煽るべくわざと周りに人がいる場所を選ぶ場合と、人目を懸念して全く人気の無い場所を選ぶ場合がある。

上述の通り、自宅以外の場での性行為が普通だった時代において、青姦は人目を避ける手段のひとつであり、当然ながら人気の無い場所、時間帯を選ぶのが当然であった。1980年代以前の漫画などでは、街灯が無い深夜の真っ暗な公園の繁みの陰など、他人の目につきにくい場で青姦をしているカップルが描かれるケースが多かった(例えば横山泰三は、人口増加のために、若者が性交しやすいように公園を整備する、というテーマの一コマ漫画を描いている)。

自宅やラブホテルでの性行為が普通の時代になると、青姦は人目を避ける手段ではなく、むしろ他人に見られるかもしれないスリルや、あるいは明白に見せることが目的になっていく。1980年代以降、成人向け漫画ポルノ映画では、夜の公園のベンチや、マンションベランダなどで、覗き見られていることに構わず青姦を行うカップルが描かれることが多くなった。また、青年誌や深夜番組など性的なメディアによって、屋外での、もしくは衆人環視の性行為が実態以上に喧伝される傾向にあり、タブーと見なさない層を生んでいる。近年では、若い男女が人目を気にせずに抱き合う、抱擁する、キスを交わすといった旨の行為も散見される。

体位[編集]

普通は着衣状態で行われることが多く、女性はスカート着用で下着を着けず、男性もズボンの下には下着を着けない状態(いわゆるノーパン)であらかじめ準備している場合もある。日本での青姦でよく選ばれる体位は、後背立位や対面立位などの立位と対面座位などの座位が多い。これは男女とも下着を下ろしてすぐに始められることや、男女とも股間のみの露出で済むため、万が一第三者に見つかりそうな際でもすぐに中止し逃げられるためである。さらに、全く人気の無い野山などでの全裸性交では、ハイキング用の装備としてシートなどを持ち込むことにより、正常位騎乗位も可能となる。

アダルトビデオについては、公衆の目に付く場所やそれに準ずる場所で撮影を行った制作関係者や出演者が摘発されることが相次いだため、全く人気の無い野山などで撮影することが多くなった。場所の性質上、作品の演出に幅を持たせることが可能となり、体位の制約をなくすためにシートを敷いて撮影を行うことが多い。よって、体位には特に傾向性が見られず、前述したものの他に屈曲位などもよく見られる。

後始末の問題[編集]

学校の校舎裏や公園、住宅地の暗がりなど特に好んで選ばれやすい場所では、精液付きのティッシュペーパーや使用済みコンドームが大量に捨てられていることがある。まず一般人に中を覗かれることは無いごみ箱などに捨てるならまだしも、わざと人目に付く場所に大量の精液が入った使用済みコンドームを置き去りにしていく者もいるため、後片付けを行う清掃業者や自治会などを悩ませている。

二次元における傾向[編集]

前述の成人向け漫画に加え、アダルトゲームアダルトアニメは媒体の性質上、刑法174条の懸念に縛られにくいため、青姦の登場は珍しくない。ただし、児童ポルノ問題が懸念されるようになった以降は、パッケージやマニュアル、アバンタイトルエンディングなどで作品内容がフィクションであることを強調したり、作中での性行為が現実では犯罪となることを文面で述べるなど、一応の警笛を鳴らしている。

脚注[編集]

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  1. ^ 青邯説は唐沢俊一唐沢なをき著、幻冬舎刊『原子水母』に記載されている。
  2. ^ 井上章一著『愛の空間』角川書店 ISBN 4-04-703307-3

出典[編集]

関連項目[編集]