電子化物

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電子化物の空隙とチャネル

電子化物(でんしかぶつ、: electride)は、アニオンとして電子を含むイオン性化合物である[1]。詳しく研究された最初の電子化物は、アルカリ金属の液体アンモニア溶液であった[2]。金属ナトリウムが液体アンモニアに溶解すると、[Na(NH3)6]+ と溶媒和電子からなる青色の金属色溶液となる。バーチ還元で示されるように、このような溶液は強力な還元剤である。この青い溶液を蒸発させるとナトリウム鏡が得られる。電子がアンモニアを還元するにつれて、溶液はゆっくりと色を失う。

[Na(NH3)6]+e + NH3NaNH2 + H2

[Na(NH3)6]+e の溶液に クリプタンド222を加えることで [Na(cryptand 222)]+e が生じる。この溶液を蒸発させると、化学式 [Na(cryptand 222)]+e の濃紺色で常磁性が得られる。[Ca24Al28O68]4+(e)4室温で安定しているが、通常の塩は240 K以上で分解する[3]。電子化物中では、電子はカチオン間で非局在化している。電子化物は常磁性で、モット絶縁体である。

ナトリウムとリチウムで新たに見出された絶縁性高圧形態に、電子化物の挙動に関する強力な理論的証拠がある[4]

出典[編集]

  1. ^ Dye, J. L. (2003). “Electrons as Anions”. Science 301 (5633): 607–608. doi:10.1126/science.1088103. PMID 12893933. 
  2. ^ Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5
  3. ^ Buchammagari, H. et al. (2007). “Room Temperature-Stable Electride as a Synthetic Organic Reagent: Application to Pinacol Coupling Reaction in Aqueous Media”. Org. Lett. (ACS Publications) 9 (21): 4287–4289. doi:10.1021/ol701885p. PMID 17854199. http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ol701885p. 
  4. ^ Gatti, M., Tokatly, I., Rubio, A. (2010). “Sodium: A Charge-Transfer Insulator at High Pressures”. Physical Review Letters 104 (21): 216404. Bibcode 2010PhRvL.104u6404G. doi:10.1103/PhysRevLett.104.216404. 

参考文献[編集]

関連項目[編集]