陰部潰瘍

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Genital ulcer
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陰部潰瘍(genital ulcer)または生殖器潰瘍とは、陰部に生じた潰瘍である。また、下疳(げかん)は、陰部潰瘍の漢語的表現である。

通常、性器ヘルペス硬性下疳梅毒)、軟性下疳などの性行為感染症によって発生する。陰部の潰瘍以外にも、鼠径部におけるリンパ節腫脹や有痛無痛の小水疱なども徴候として挙げられる。陰部潰瘍をさらに分類すると、男性の陰部に潰瘍形成するもの(penile ulceration)と女性の陰部に潰瘍形成するもの(vulval ulceration)の二種類がある。

なお、性行為感染症以外でも、例えばベーチェット病全身性エリテマトーデスなどの膠原病でも陰部潰瘍を生じことがあるため、性行為感染症に特異的な徴候というわけではない。

鑑別[編集]

性行為感染症における陰部潰瘍の鑑別
区別 軟性下疳 硬性下疳 鼠径リンパ肉芽腫 鼠径肉芽腫 性器ヘルペス 性器カンジダ症
潜伏期 2~7日 3週間 1~2週間 10週間 2~10日 日和見
多発 単発 多発 多発 多発 多発
硬結 なし あり なし あり あり なし
疼痛 あり なし なし なし あり あり
鼠径リンパ節腫脹 片側性 両側性 片側性 なし 両側性 なし
病原体 軟性下疳菌 梅毒トレポネーマ クラミジア・トラコマチス カリマトバクテリウム 単純ヘルペスウイルス カンジダ
伊東反応 陽性 陰性 陰性 陰性 陰性 陰性
梅毒血清反応 陽陰性 陽性 陰性 陰性 陰性 陰性
頻度 僅少 少ない 僅少 僅少 多い 多い

参考文献[編集]

  • 熊本悦明ら 編『性感染症―症候からみた検査の進め方』医薬ジャーナル社、1991年、43-44頁、68-69頁。
  • 山本忠治郎 「軟性下疳」、国府達郎ら 編『感染症III』新内科学大系54巻、中山書店、1974年、237頁-239頁。