降水確率

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

降水確率(こうすいかくりつ)とは、特定の地域で、特定の時間内に降水がある確率をいう。天気予報の中では、確率予報の1種に位置づけられる。

降水は大きく分けて雨の場合と雪の場合があり、この区別を明確にしたい場合は降雨確率、降雪確率などとも言が、普通は用いない。英語では、Precipitation ProbabilityまたはProbability of Precipitationというがこれは学術用語で、一般にはChance of RainfallあるいはChance of Snowfallなどと呼んでいる。

目次

[編集] 概要

1950年代以降の数値予報技術の進展を経て、各国の大学や研究機関、気象当局は、気象現象の発生する確率を予想する試みを始めた。これが確率予報の始まりで、雨や雪の降る確率が対象になり、やがて気象当局が業務として公に発表するようになった。

気象庁は、1980年より天気予報の一つとして降水確率を発表している。当初は主要都市のみだった。このほかに、1988年からは降水短時間予報1996年からは分布予報時系列予報など、多様な種類の予報が発表されるようになってきた。

降水確率は、予報区内で一定の時間内に1mm以上のまたは(融けたときの降水量に換算する)が降る確率であり、0%から100%まで10%きざみの値で発表される。予報区内であれば場所については特定せず、どこでも同じ確率である。降水量については予測していない。

降水確率の計算は、過去の降水の情報をもとに数値予報を行い、統計処理により確率を算出する。この際、1%の位は四捨五入するため、降水確率0%といっても実際には0から5%未満の値である(以前は三重県など一部の地域で5%未満という数値が存在したこともあったが、現在は10%単位となっている)。

例として、降水確率30%の場合、同じような天気の場合10回に3回は雨が降ることを意味する。降水確率30%の予報が出た場合、統計的には10回に3回の割合で雨が降る、と考えてもよい。

アメリカ合衆国の国立海洋大気圏局(NWS)、カナダの気象局、オーストラリアの気象局、韓国の気象庁、ヨーロッパ各国の気象当局など、先進各国では降水確率が発表されている。また、世界気象機関(WMO)などが世界全域の気象予報をカバーするために取り決めた世界気象監視計画(WWW)などに基づいて、有力な気象機関がそれ以外の国や主要都市においても降水確率の予報を発表している。

オーストラリア、カナダなどでは、日本のように1mm基準の降水確率だけではなく、0.2mm,2mm,10mm,50mmなどいくつかの基準における降水確率を提供している。また、時間の区分もさまざまである。

[編集] 気象庁の降水確率の発表

  • 当日から翌日までは全国の天気予報の発表区分である142区域を対象に発表される。
  • 通常は5時、11時、17時の3回発表され、翌日の24時までの6時間きざみの予報となる。なお、気象状況によっては随時発表される。
  • 降水確率には雨雪判別情報が付加され、「雨」、「雨または雪」、「雪または雨」、「雪」の4段階の要素がある。
  • 週間予報では府県予報区を対象に発表されるが、例外的に細分されることもある。
  • 週間予報は11時と17時に発表され、2日後から7日後まで24時間単位での確率となる。雨雪判別はない。

[編集] コスト/ロス モデル

降水確率が発表されるようになった背景には、コスト/ロス モデルの考え方がある。これは、予報が完全に的中しない場合に、確率の予報を出すことによって、長い目で見れば損失を最小限にできるというモデルである。

例えば、傘を持っていく労力を300円、傘を持たずに濡れることによる損失を1000円とする。(この労力や損失は人によって変わる。損失は、例えば背広のクリーニング代だったりする。)

この例では、降水確率が30%以上の場合、傘を持っていった方が良いことになる。降水確率40%の予報が10回出た場合を考えよう。10回のうち4回は雨が降ると考えられるから、

傘を持っていくと、労力は300円×10=3000円。損失は0円。 合計は3000円。
傘を持っていかないと、労力は0円。損失は1000円×4=4000円。合計は4000円。

従って、傘を持っていけば、持っていかない場合に比べて1000円得である。

一方、確率予報を行わない場合、すべて晴れまたは曇りと予報され、傘は持っていかないとすれば、

労力は0円。損失は1000円×4=4000円。合計は4000円。

という選択肢しかなくなる。

ごく単純な例を挙げたが、実際には0%から100%までの降水確率について上記のような考え方を適用することにより、労力と損失の合計を最小限にすることができる。

[編集] 関連項目

[編集] 降水確率の違い

  • 現在は0時→6時→12時→18時→24時である。
    • 以前は3時→9時→15時→21時→27時(3時)であった。

[編集] 出典

] National Weather Service

[編集] 外部リンク

世界各地の降水確率(公的機関によるもの)
  • 日本(週間天気予報)
  • アメリカ(12時間ごと、+/-12Hrsをクリックして予報時間を変える)
  • オーストラリア("Chance of Rainfall"欄にチェックを入れる必要あり)
  • カナダ("Precipitation"は24時間、"Precip accumulation"は数日間の積算)
  • 韓国(英語版、"Probability of Precipi-tation"の横の数字を参照、都市別。)
  • 台湾(地域名をクリックすると、翌日までの12時間ごとの降水確率"降雨機率"を表示)