阿三

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阿三(あさん)は、中国上海の旧共同租界地域で、中国人がシク教徒のインド人警察官に対して使った俗称。

概要[編集]

上海租界シク教徒警察官。1910年頃。

阿三は紅頭阿三(赤い頭のアサン)ともいう。当時上海の租界地域の治安を確保するため、欧米各国はインド人を警察官として雇用した。巡査はシク教徒でもあったので識別のために頭に赤いターバンを巻いていた。

中国人は、巡査たちが上司などとの応答でよく英語の「a sir」(中国人にはアサンに聞こえた。また「阿」には日本語の敬称「~ちゃん」という意味もある)を使っていたので「紅頭阿三」・「阿三」と呼ぶようになった。

現在でも一部の中国人がインド人を指すときにこの言葉を使う。また同様にインド人警察官が多かった香港では、インド人を指して「阿差(アチャー、差は広東語で差人=警官の意)」と呼ぶ言葉があるが、今日では蔑称とされている。

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