阪急甲陽線

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阪急電鉄 甲陽線
春の夙川橋梁を渡る甲陽線6000系
春の夙川橋梁を渡る甲陽線6000系
路線総延長 2.2 km
軌間 1435 mm
電圧 1500V 架空電車線方式直流
最高速度 70 km/h
停車場・施設・接続路線
WBRÜCKEq
神戸本線
WASSER
0.0 夙川駅
WASSER BHF
0.9 苦楽園口駅
WASSERl WBRÜCKE
夙川
KBHFe
2.2 甲陽園駅
夙川 - 苦楽園口間

甲陽線(こうようせん)は、兵庫県西宮市夙川駅から甲陽園駅までを結ぶ阪急電鉄鉄道路線

概要[編集]

西宮市にある甲山山麓の住宅街や、甲陽園駅周辺の学校を行き来するための通勤通学路線である。朝夕は私立甲陽学院高等学校夙川学院などの学生で賑わう。

阪急線内では、いわゆる「今津南線」(今津線西宮北口駅 - 今津駅間)をのぞけば単独の路線として最も路線長が短く、駅数も最も少ない。前述の「今津南線」と共に阪急線内では2例しか無いワンマン運転を行っている。全線が単線であるが、これもまた阪急線内では2例だけである(もう1例は嵐山線)。

戦前には神戸(本)線に対する支線ということで、「甲陽支線」の表記も見られた。

路線データ[編集]

  • 路線距離(営業キロ):2.2km
  • 軌間:1435mm
  • 駅数:3駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線)
  • 電化区間:全線電化(直流1500V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 最高速度:70km/h
  • 車両基地:西宮車庫

運行形態・車両[編集]

全列車6000系3両編成で、ワンマン運転に対応した専用編成6本が充当される。なお、これらの車両は今津線西宮北口駅 - 今津駅間との共通運用である。

線内折り返し運転のみで、開通以来神戸本線との定期直通列車が運転されたことはない。日中・平日夕ラッシュ時は10分間隔、平日朝ラッシュ時は7 - 9分間隔、土休日夜間は約15分間隔(1時間あたり4本)の運転である。早朝・深夜と土休日の夜間をのぞき苦楽園口駅で上下列車の交換を行う。

歴史[編集]

阪急の直系前身である阪神急行電鉄により開業した。

本来建設計画には無かった路線だが、戦前猛烈な競争をしていたライバル会社の阪神電鉄が、子会社として摂津電気自動車1922年大正11年)に設立し、香櫨園駅から苦楽園までトロリーバスの建設免許を取得したことに端を発し、対抗策として急遽、阪神急行電鉄が同年12月に軌道敷設免許を申請、甲陽線として1924年(大正13年)に開業させたといういきさつがある。だが、結局阪神のトロリーバスは具体化しなかった(ただし、のちに阪神バスによって甲陽園への乗り入れを果たした)。

開業時は沿線の甲陽園・苦楽園とともに行楽地であり、路線そのものも観光路線の色合いが強かったが、両者とも昭和期になると衰退し、代わりに今津線と同様、沿線に誘致された学校への通学客が多く乗る路線へと変化した。

長らく日中15分間隔での運転が続けられてきたが、2006年平成18年)10月のダイヤ改正で起点となる夙川駅に神戸線の特急が停車するようになったことに伴い、甲陽線でも特急に接続するダイヤへ改められて日中は10分間隔となった。これに伴い、平日は18往復、休日は15往復の増発となっている。また夙川駅の特急停車で西宮北口駅での乗り継ぎを要しなくなったことと接続改善の効果で、日中の甲陽園駅から梅田駅への最短所要時間はそれまでの27 - 31分から22分、逆も29 - 35分が22分へ短縮された。

なお現在では電動となっているが、開業後平成初期までは交換駅である苦楽園口駅分岐器(転轍器)は発条式となっており、また閉塞方式1956年昭和31年)に単線自動閉塞化されるまでは、関西の私鉄では珍しくタブレット閉塞を使用していた。また今津線とともに、1形電車など他線で使い古された車両が使われることが多かった路線でもあった。

年表[編集]

駅一覧[編集]

駅番号 駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線 線路
HK-09 夙川駅 - 0.0 阪急電鉄神戸本線
HK-29 苦楽園口駅 0.9 0.9  
HK-30 甲陽園駅 1.3 2.2  

地下化計画[編集]

都市計画道路建石線(兵庫県道82号大沢西宮線)の拡幅に伴って、苦楽園口駅 - 甲陽園駅間のほぼ全線を地下化し踏切を廃止する案が検討されていたが、夙川公園樹木の伐採による景観の破壊や、工事による環境への悪影響を憂慮した地域住民からの反対運動が根強く、2009年(平成21年)12月には事業休止の断が下された。

脚注[編集]

関連項目[編集]