闇先案内人

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闇先案内人』(やみさきあんないにん)は、大沢在昌ハードボイルド小説である。大沢はこの作品の構想・執筆に8年を費やした。2001年9月、文藝春秋より単行本が刊行された。2004年1月に光文社よりノベルス版、2005年5月に文春文庫版(上・下)が刊行された。

ストーリー[編集]

「逃がし屋」とは、何かの理由で亡命をよぎなくされた人物のボディガード、隠匿、亡命を請け負う集団のことである。逃がし屋「チーム」のリーダーである葛原は、多彩な能力を持ち合わせる仲間を持ち、東京・関東地区でもかなりのベテランとして見られている人物だ。

ある日、自宅に警察を名乗る男二人が現れ、自身の過去について言われさらに近所の会館に呼び出される。そこで話されたこととは葛原の殺人の罪について。そのことについて取引をかけられる。その内容とは、某国から密入国してきた林忠一(りん・ちゅういち)という男を発見せよというものだった。林は、関西の「逃がし屋」のプロフェッショナルに匿われている。

期間は3日間。葛原は行動を開始するものの、某国国家安全部、在団特務などの存在が明らかになりやがて死者・負傷者を出すほどまでにことは激化してゆく。

作品観察[編集]

林忠一という名前から作品で指されている「某国」とは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)もしくは極東付近の国の人物と考えられる。作品中に工作員なども登場することからも窺える。

登場人物[編集]

  • 葛原(くずはら)
  • 北見春彦(きたみ・はるひこ)
  • 康美鈴(こう・びれい)
  • 米島哲哉(まいしま・てつや)
  • (かん)
  • 河内山(こうちやま)
  • 咲村恵美子(さきむら・えみこ)
  • 大出圭(おおいで・けい)
  • 成滝恭一(なるたき・きょういち)
  • 林忠一(りん・ちゅういち)
  • 林剛哲(りん・ごうてつ)
  • 金富昌(きん・ふしょう)