闇のイージス
| 闇のイージス AEGIS IN THE DARK | |
|---|---|
| ジャンル | ハードボイルド・護り屋アクション |
| 漫画 | |
| 原作・原案など | 七月鏡一 |
| 作画 | 藤原芳秀 |
| 出版社 | 小学館 |
| 掲載誌 | 週刊ヤングサンデー |
| レーベル | YSコミックス |
| 発表期間 | 2000年 - 2006年 |
| 巻数 | 全26巻 |
| 話数 | 全264話 + Extraエピソード2話 |
| その他 | 本編の他に、 単行本書き下ろしエピソードと 外伝エピソードが1話ずつ有り。 |
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| 暁のイージス AEGIS IN THE DAWN | |
|---|---|
| ジャンル | ハードボイルド・護り屋アクション |
| 漫画 | |
| 原作・原案など | 七月鏡一 |
| 作画 | 藤原芳秀 |
| 出版社 | 小学館 |
| 掲載誌 | 週刊ヤングサンデー~ スピリッツ増刊 YSスペシャル |
| レーベル | YSコミックス |
| 発表期間 | 2007年 - 2009年 |
| 巻数 | 全6巻 |
| 話数 | 全48話 |
| その他 | 闇のイージスの 第2部・完結編である。 |
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『闇のイージス AEGIS IN THE DARK』(やみのイージス アイギス イン ザ ダーク)は「週刊ヤングサンデー」2000年48号から2006年34号まで連載された漫画作品である。単行本は全26巻。
『暁のイージス AEGIS IN THE DAWN』(あかつきのイージス アイギス イン ザ ドーン)は「週刊ヤングサンデー」2007年42号から2008年35号(最終号)を経て「スピリッツ増刊 YSスペシャル」VOL.1からVOL.5まで連載された漫画作品で、『闇のイージス』の第2部・完結編である。単行本は全6巻。
本項では両作品について解説する。
目次 |
[編集] 闇のイージス AEGIS IN THE DARK
[編集] 内容
戸籍上死亡した事になっており、イージスの楯と呼ばれる最強の「護り屋」(ボディーガード)・楯 雁人(たて かりと)が、殺し屋やテロ集団など強敵から単独で依頼者を護衛する物語である。
本作では、楯の出自と護り屋になった経緯が徐々に描かれていく。
[編集] 補足
同じコンビによる作品『ジーザス』と同じ世界の物語で、『ジーザス』の数年後が舞台である。従って、ジーザスを始め一部の登場人物も登場し、世界観を共有している。
[編集] 暁のイージス AEGIS IN THE DAWN
[編集] 内容
「闇のイージス」最終話から1年後、楯 雁人が海外で依頼者を護衛しながら宿敵である「蝶(バタフライ)」を追い、自身の復讐と運命に全ての決着を付ける物語である。
本作では、謎に包まれていたテロリストメイカー「蝶(バタフライ)」の正体が徐々に明らかになる。
[編集] 補足
作品世界の時間で、『闇のイージス』第1話から本作の第1話までに7年が経過している。また、プロローグではさらに1年後の主人公と蝶の最終対決直前の光景が描かれており、本作は第1話からプロローグに至るまでの1年間の物語が描かれていく[1]。
掲載誌の「週刊ヤングサンデー」が2008年7月31日に休刊したため、以降は「スピリッツ増刊 YSスペシャル」へ移籍してVOL.1からVOL.5まで連載された[2][3][4]。
本作のエピローグにおいて、たかしげ宙原作作品『死がふたりを分かつまで』とのクロスオーバーが開始されている。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
[編集] 登場人物・キーワード(共通)
『闇のイージス』および『暁のイージス』に登場したキャラクターを、その人物にまつわる用語と共に解説していく。
[編集] 主人公
- 楯 雁人(たて かりと)
- 本作の主人公。闇社会では「イージスの楯」と呼ばれる凄腕の“護り屋”。鋼鉄の義手で音速の銃弾を弾き、依頼を受ければ犯罪者でも守り抜く。「殺しをせず、殺しに荷担しない」ことを信条とし、自らを「死者」と称する。
- 天涯孤独の身で、高校時代は人と馴れ合わず自棄的な不良だった。恩師・加納俊作の体当たりの教育で生きることを学び、警察官を志す。警察学校時代は正義感は強かったものの融通は利かず、協調性のない性格であった。後に義兄で無二の親友となる甲斐影一の抜擢でSATの隊員となり、近接格闘と爆弾解体能力に優れたトップクラスの隊員として活躍する。機動隊時代に遭遇した事件を通じて、妻の晴美と出会い、雅人が生まれた事で彼が求めてやまなかった「家族」を得る。
- 結婚後は指導教官に転属して隊を離れていたが、SATの情報が漏洩し連続テロ事件(「SAT狩り」)が発生した際に標的となって家族を狙われる。「蝶(バタフライ)」によって背中に十字傷を刻まれ、妻・晴美を殺される。息子・雅人に仕掛けられた爆弾を自ら解体するが、果たせずに雅人を死なせ、右腕を失う。その後表向きは殉職した[5]とされ、「蝶」への復讐のための力を求めて世界をさまよう中、イタリアのシチリア島に住んでいた先代護り屋・「アイギス」から教えを受け「護り屋」となった。
- 基本的に銃器・刃物は使わず鋼鉄の義手と中国拳法をベースとする格闘術で相手を無力化する。夏場でもケブラー入りの防弾コートを纏う。生身の左腕の腕力も凄まじく、義手を失った(あるいは事情により使えない)際には左腕一本で強敵に立ち向かう場面も多かった。数々の拷問にも耐え抜く人並み外れた精神力を持つ一方、最大の弱点は炎を見ると雅人と右腕を失ったトラウマから「幻痛」[6]を引き起こすことで、劇中幾度となく敵に利用された。
- 『闇のイージス』後半、日本の「海ほたる」において「蝶」と対峙した時、胸の奥底に秘めた「蝶」への激しい憎悪から不殺の掟を破り、完全に修羅の道へ入り込みかけるが、すんでの所で踏み留まり、「蝶」を道連れに海中に沈む。結局、楯も「蝶」も生き延びる結果となった。
- 『暁のイージス』では「蝶」の核心に迫る情報を求めてメキシコを訪れる。それ以降、かつて「蝶」と深く関わった人物達から情報提供と同時に仕事の依頼を受け、様々な事件に巻き込まれていく。
- なお、アフターワールドである『JESUS 砂塵航路』(小学館)及び、作者の友人であるたかしげ宙原作の作品『死がふたりを分かつまで』(スクウェア・エニックス)にも登場している。
- 「蝶(バタフライ)」
- 国際指名手配中のテロリストで、闇の世界で「テロリストメイカー」と呼ばれている男。楯の全てを奪った張本人で、ペルシャ語で「蝶」を意味する「ファラージャ」と呼ばれる事もある。彼自身が超一流の破壊工作員でありながら高いカリスマ性を持ち、彼が偶然見つけたか、もしくは自身が画策する事によって見出した、過酷な運命を辿った人物の背中に焼けたナイフで傾いた大きな十字傷を刻む事で、その人物は「蝶」もしくは「世界そのもの」に対して戦いを挑むテロリストとなる。これが彼の異名の所以である。楯やジーザスを始め「蝶の十字架」を背中に持つ人間は世界中に存在するが、「蝶」はその思想に屈しない楯に特に興味を持っている。
- 「闇のイージス」後半、自身の軍勢を率いて日本の「海ほたる」を占拠し、「蝶」の軍団を制圧すべく突入した日本警察の部隊と「蝶」との決着を付けるべく乗り込んできた楯やジーザス・ゼロ達と激しい戦いを繰り広げる。「海ほたる」の戦いの最終局面では楯と一対一で対峙し、楯が自分を殺して修羅に堕ちる事を期待していたが、「蝶」を手錠につないで自分と共に海中に没しようとした楯の選択に激しい否定の意思表示をし、海中において手錠につながれた右腕を自ら切り落として生き延びる。
- その後アメリカにおいて再び楯と甲斐の前に姿を現し、かつて自分が十字傷を刻んだある人物を利用して完成させた2個の小型核爆弾を入手する。核を手にした「蝶」は「私がもうすぐ世界を変える。お前も準備をしろ」と、宣戦布告の言葉を残す。そして『暁のイージス』において、2つの核と信奉者を武器に「完璧な世界」を取り戻すための最終決戦におよぶ。
- また「暁のイージス」では、その謎に満ちた経歴と素性が明らかとなっていく。「蝶」の過去を知る者や「蝶」自身の口から、彼は日系アメリカ人でかつては家庭も持っていたことが分かる。そして彼の「蝶」としての始まりは『闇のイージス』終盤の要所エピソードの舞台であった「マーキュリー刑務所」であり、ベトナム戦争の秘密作戦を経て、再びアメリカ国内において一人ボロボロの姿で放浪する彼が「2039」という謎の小隊と遭遇したところから、「蝶」というやがて世界を揺るがすことになる「怪物」の孵化がはじまる。
[編集] 日本警察
- 甲斐 彰一(かい しょういち)
- 警視庁公安部に所属する東大卒のキャリア組エリートで、階級は警視正。楯と同様に滅多に感情を見せない鉄面皮。現場では優秀な指揮官として部下たちからの信望も厚いが、出世頭として組織内では快く思わない者も多い。少年時代に遭遇した事件で自らの命と引き替えに人質の少年(甲斐本人)を守った巡査に憧れて警察官となる。
- 楯の亡き妻・晴美の実兄で互いに唯一無二の親友。心ならずも楯を「囮」としたことで「蝶」に妹と甥を殺された負い目と苦しみを抱く。楯と「決して互いの生命を顧みない代わりに、互いの死を見届ける」約束を交わし、晴美と雅人の命日には「命懸けの儀式」[7]を行う。公的には「死者」となっている楯に協力し、時として対立する。任務の為に米国のマーキュリー刑務所に潜入した時には自分の体に小型核爆弾を仕掛けられる絶体絶命の危機に陥るが、楯に助けられ無事日本に生還。
- 『暁のイージス』では下記の米内と共に第一話『サンタナの彼方』から登場。闇の世界にもぐった楯に対し、甲斐は表の立場から「蝶」を追い続けていた。警察組織の中で着実に出世し、「蝶」に便乗する相次ぐテロ事件の対処に追われながら「蝶」が持ち去った核の行方を追い続ける内、米国から提供された資料から「蝶」が楯に固執する「ある理由」を知る。その結果、彼は「全ての日本警察はお前(楯)の敵だ」と宣告し長年の盟友である楯との決別を選択するが、その真意は自身が既に病魔に蝕まれている故に、自身の命を武器に楯と交わした約束を果たすためであった。『暁のイージス』では、自身の抱える深刻な事情が理由で『闇のイージス』の時とは異なり強引さと焦りが目立つようになっている。
- 守渡 陽子(もりと ようこ)
- 警視庁南新宿署生活安全課に所属する女性刑事で、階級は巡査部長。正義感が強く度胸が据わっており、職務に強い誇りを持つ。時として犯罪者からの依頼も受ける楯を最低の人間と目の敵にしていたが、今も尚楯が持ち続けている「警察官としての誇り」に共感するようになり、その後は憎まれ口を叩きながらも楯を理解し、好意を示す様になる。「最も信頼できる警察官」として人を頼ることの少ない楯から信頼される。
- 捜査手法は強引で荒っぽく、時として違法行為[8]も行うが、階級や恫喝に屈せず、市民を守るために体を張ることを厭わない。『闇のイージス』後半ではアスラン・カディロフの凶弾から旧知の少女をかばって重体となるが、一命を取り留めた[9]。
- 『暁のイージス』では最終章「東京戦争編」より登場し、麻薬事件の捜査の為にハワイから帰国途中、搭乗している旅客機内で楯の身内と認識された理由で「蝶」により人質にされてしまう。
- 米内 星美(よない ほしみ)
- 甲斐の副官的なポジションの女性刑事で、階級は警部補。性格も風貌も清楚な美人といった雰囲気の女性であり、『闇のイージス』初期から常に甲斐をその傍らでサポートし続けている。自らもかなりの捜査力・行動力があり、甲斐が米国の刑務所で行方不明になった時には自ら米国に赴いてFBIと共に捜査し、銃を振るう場面もあった。「蝶」を追う余り自らを顧みない甲斐を密かに心配している。
- 名前とデザインからも判るように、元ネタはコメットさん。
- 火山 律子(ひやま りつこ)
- 警視庁公安部外事第3課(国際テロ専門部署)を統率する理事官で、階級は警視[10]。警視内閣情報調査室にも顔が利き、テロ犯罪に対しては手段を選ばない姿勢で臨む為、「魔女の婆さん」の異名を持つ。楯に対しては護り屋になった経緯と真実を全て知りながらも蝶(バタフライ)に付けられた背中の十字の傷を理由に「テロリストになりうる素質を持つ人間の中でも、最も危険な存在」と見なし、甲斐の度重なる説得に全く耳を貸さないほど敵視していたが、海ほたるでの「蝶の軍隊」との戦闘で楯の護り屋に徹する行動と甲斐の幾度もの説得を受け入れ、楯の逮捕を撤回する(但し、楯に対する認識は終幕まで全く変わっておらず、テロリストを殲滅するためならば警察内外を問わず楯と楯に関わる人物を陥れる事も辞さないほどである[9])。
- 「東京戦争編」では甲斐を警視庁公安部に新設された対テロ特捜課のチーフに招聘し、自身は「蝶」が楯に固執する理由を知った上で、内閣総理大臣・花沢の命に従い「蝶」と楯を追い詰める作戦を展開する。
- 葛原(くずはら)係長
- 警視庁南新宿署生活安全課に所属する飄々とした風貌の刑事。守渡陽子の上司で、階級は警部。捜査に対する姿勢は外見からは想像出来ないほどの熱い思いを秘めており、楯に対しては「警察の外にいながら、誰よりも警官である人間」と認めている。事件や関係者への対応を巡ってはしばしば上層部の意向に反対の姿勢をとり、楯や守渡を守って甲斐や火山と衝突することも。
[編集] Tea room セイレーン
- アナ・リドル
- 「セイレーン」、「魔女」を自称する黒衣黒髪の少女。楯のビジネスパートナーで且つ最初の護衛対象。子供ながら大人が舌を巻くほどの高い知性と理性を備えており、少々のトラブルにも微動だにしない。楯から依頼人との折衝を全面的に任されており、「リドル」という名前のとおり、依頼を持ち込んだ人間に「なぞなぞ」をかけ、答えられた者の依頼だけを聞き届ける。天才的ハッカーで情報収集能力に優れ、精度の高い情報を武器に楯を後方から援護する。
- 本名は“アナ・キタガミ・マドニア”。コーサ・ノストラの大幹部・ミケーレ・マドニアの孫娘。母・アメーリアと日本人医師キタガミがアメリカへと駆け落ちし、そこで誕生した。祖父が出資した研究機関“ゲイザー”で「不妊治療」と称する極秘実験により人為的に作り出された超天才児で実験そのものは失敗したが、アナは貴重な成功例として組織に狙われている。父はゲイザーを告発しようとした後に行方不明となり、母は何者かに狙撃され後日亡くなった。母が今際の際に残した「なぞなぞ」[11]の答えと父の行方を追い求めている。
- 自分では立派なレディだと思っており、楯に好意(恋愛感情?)を抱き、近づく女性を快く思わない。一方で、自分が亡くなった楯の息子・雅人のかわりではないかという恐れを抱いている。
- 『暁のイージス』では10代半ばとなったことで背も伸び、体つきも女の子らしく成長した。「北神アナ」として中学校(3年生)に通っており、そこで巻き込まれた事件から「蝶」の影響力が日本に予想以上に浸透している事を知り、来島ちひろと共に再び楯のもとへ向かう。ゲイザーとの取引により楯と因縁の深い人物を呼び戻すが、ある出来事の再現に利用され・・・。
- 彼女も楯雁人と共に『JESUS 砂塵航路』及び、『死がふたりを分かつまで』に登場し、楯の変わらぬパートナーとしての姿を見せている。
- 来島 ちひろ(くるしま ちひろ)
- 「天使」に運命をねじ曲げられた少女。母親は無実の罪で破滅させられた。ある日かかってきた一本の電話がきっかけとなり、母の復讐を遂げるために妹・野坂亜紀と共に暗殺者養成訓練を受けて才能を開花させる。元より復讐には賛同せず、強い良心を残しているせいで妹を止めようとするが逆に命を狙われる。以後は宿敵として幾度となく相まみえる。後に“護り屋”となるべくアシスタントとして楯に弟子入りする。最初は未熟さから失敗することもあったが、楯と共に戦ううちに一流の護り屋に成長してゆく。楯の足手まといになるまいとして決して出過ぎた真似をしない。
- 師と同様に自らに厳しく、本来は明るい性格だが、仕事中は滅多に感情を表に出さない。楯が冷酷な“復讐者”の貌を隠すように、ちひろは残忍な“暗殺者”としての貌を隠し、獣性と自制心の狭間に揺れ続ける。女の嫉妬から、アナに一方的に嫌われていたがまったく気にせず、ある事件を通じて和解した。楯の不在時は彼女の護衛を任されている。
- 楯と同じ防弾コートを着用するが、道具には頼らず、得意の格闘術と師匠譲りの拳法を駆使する。銃器も自在に扱えるが、「殺しをせず殺しに荷担しない」という楯の教えを忠実に守る。自らを襲った人物の所持していたスペツナズナイフを所持しており、いよいよ追い詰められたときにはこれを使って戦う。
- 『暁のイージス』では20代前半となり少女らしさが抜けた。「蝶」を追って渡米した楯にかわり“護り屋”として淡々と依頼をこなす。自らに課した10の依頼を成功させる目標を達成したことで、アナと共に再び楯のもとへ向かう。やがて、同じく運命に翻弄されて暗殺者となったオルガと対決する。
- ジョバンニ・ロッシーニ
- セイレーンのカウンターに立つ男。アナの祖父ドン・マドニアに命を救われた事があり、その縁で仕えている。楯の不在時はアナを護るボディガードを努める。
[編集] 楯のライバル・協力者
- ゼロ
- 新宿に存在するといわれるBAR「雁の巣」をねぐらとする凄腕の殺し屋。長身で、帽子にコート、無精ひげとサングラスが特徴。[12]二丁拳銃を巧みに操り、ナイフの扱いといった体術面も含めて、その実力は楯やジーザスと互角。ゼロは「体温ゼロ、血液ゼロ」を意味するコードネーム。殺しをする際に聖書から引用した言葉をつぶやき、「灰は灰に・・・、土は土に・・・」と唱える。
- 本名をはじめ殆どの素性が不詳だが、「雁の巣」の現オーナー、橿原七瀬が知るわずかな過去の経歴によると、10代で両親を殺され天涯孤独の身となった後、ドイツでルドルフ・カウフマンと言う人物に弟子入りし、彼から暗殺者としての訓練を受ける。その訓練中に、ルドルフの娘マリアをかばって頭部に銃弾を受けたことによって、痛覚が完全に麻痺する「無痛症」となる。さらに痛覚だけでなく、味覚や寒暖を感じる感覚など、人間が生きていると実感できる感覚を殆ど失ったようである。殺し屋となってからは、その「無痛症」を最大限に利用して戦っていた。
- 師ルドルフ自身の依頼でマリアの殺害を命じられるが、逆にルドルフを殺害した。マリアからは密かに思いを寄せられているが彼自身は気づかぬ素振りをみせている。
- 楯の掲げる「不殺の誓い」に激しく反発。数々の依頼を巡って対立するライバルで、“楯を殺す。あるいは不殺の誓いを破った楯に殺される”ことを目的にしていたが、結果的に共闘した「海ほたる」での戦いや“カウフマンの生徒”の一人からマリアの危機を救うなどの経緯を経て、マリアがゼロ「無痛症」を治療するため欧州に渡る。
- 『暁のイージス』では終盤まで一切登場せず、ある事がきっかけで再び来日し、戦場に立つ。
- ジーザス
- 伝説の暗殺者。七月鏡一・藤原芳秀コンビの作品『ジーザス』の主人公。“ジーザス”の名は殺される相手が今際の際に叫ぶ言葉から取られた異名。
- 『ジーザス』においての彼の詳細は該当項目を参照のこと。
- 「24(トゥエンティフォー)」と呼ばれる国内の闇との戦いを終えた彼は、カダスで教師となる直前に2度目の革命戦争にも参戦し、ハジム政権打倒に活躍した模様。
- しかし教師としての生活もつかの間、生徒の内8名の子供達が拉致され、臓器売買を目的に海外に売り飛ばされる。ジーザスは生徒の救出と臓器ブローカー根絶のため、再び日本に舞い戻り、同じ「蝶の十字架」を持つ楯雁人と対面。更に、生徒を救出するために「天使」を巡る戦いに参戦した際に野坂亜紀と出会い、行動を共にするようになる。聖セイレム学園潜入の際には、再び教師「藤沢真吾」の肩書きと経歴を用いていた際に、深層意識で「砂漠の兎」の戦友達に加え、御堂真奈美を失ったショックを引きずっていることが明らかとなっていた。
- ジーザスは生徒の救出を考えながらも、「蝶」への激しい復讐心も胸に秘め、その手で仕留める事を諦めていない。「海ほたる」の戦いでは「蝶」との決着を付けるため単身突入し、結果的に苦戦していた楯や日本警察に突破口を開く事になったが、ジーザス自身は「蝶」を仕留められなかった。
- あくまで「蝶」を殺そうとするジーザスと、殺す以外の手段での「蝶」との決着を考える楯とは対立する関係にあり、さらにそれ以前に当人達が自覚している通り似た者同士であるためか、顔を合わせるたびに一触即発になる。だが時に「護る者」として共鳴し、共闘する時もあり、楯はそのジーザスの姿を「自分と同じく護る事と復讐の間に生きている」と見ていた。
- 『暁のイージス』では、第11話『修羅の歩む道』から登場。生徒の救出のため、単独で臓器ビジネスを仲介する「ファーム」と呼ばれる組織を追跡していたが、苦戦を強いられる。ジーザスは、ウリエルから生徒の一人の所在と「ファーム」についての情報を報酬にある依頼を受けて因縁の地へと赴き、「蝶」、そして楯との決着に挑む。
- 「ファーム」の正体、規模については彼が再び主人公を務める『JESUS 砂塵航路』、またそのクロスオーバー作品である『死がふたりを分かつまで』で姿を見せている。
- “天使”
- 神秘的な雰囲気を漂わせる美しき女性。その容姿とは裏腹に人々を滅びへと追いやる魔性の女。その本名や素性は一切が謎で、唯一つわかっていることは「ハウザー症」患者であること。人の嘘を見抜く才能があり、自らは人々の嘘による苦痛を強いられている。藍空医大で研究目的を含めた治療を受けていたが、担当医の相良清彦により研究ごと藤堂義明に売り渡された。自らを籠の鳥として愛玩する藤堂の手を逃れた後、多くの人々に悪の種子を植え付けて狂わせる。しかし、ちひろたち姉妹には“希望”を見出しており、その窮地にあっては自ら藤堂の元に舞い戻ると同時に、楯に救いを求めた。
- 再び藤堂の元を離れた後、聖セイレム学園に音楽教師・「霧野真由」[13]として赴任していた。自分の研究データを利用したある組織の所行を暴くため、巧みに楯を誘導した。その後は、宿命を逃れる術を求めて放浪の旅に出ている。
- 他の主要な登場人物たちが『暁のイージス』に登場する中、彼女は一切登場しない。
- レイチェル・雨宮・ハンター(- あまみや -)
- テロ対策を専門に請け負い全米で業界3位の実績を持つ民間警備会社「HSE(ハンター・セキュリティー・エンタープライズ)」の最高経営責任者。20歳にしてオックスフォード大で経営学の学位を取った才女。誇り高く聡明で責任感が強い。反面、駆け引きに長け、高圧的で人を見下した態度も見せる。依頼人を装って楯の力量を測りヘッドハンティングしようとしたため怒りを買うが、「蝶」の情報を餌にして協力を取り付ける。白人の父と日本人の母を持つ日系人。
- アメリカ同時多発テロで両親を失い自らも負傷し、鳩尾には事件の傷跡が大きく残る[14]。両親を奪ったテロリストたちを激しく憎み、父の遺産である株式を受け継いで経営者となり、「HSE」を対テロ組織とした。「十字架」を背中にもつムハンマド・サイードのテロ計画を楯と共に阻止する中で考えに変化が生じ、サイードが残した、彼が最も大切にしていたラピスラズリを預ることになる。
- 『暁のイージス』では「蝶」を追う楯に協力するが、銃撃を受けて瀕死となった楯を目の前で拉致される。さる国の施設に捕らえられた楯を救出すべく、下記のアーネスト・ロイドやウリエル達と共同戦線を張る。
- 野坂 亜紀(のさか あき)
- 来島ちひろの実妹。姉と同様「天使」との出会いをきっかけに、姉と共に暗殺者としての訓練を受けて才能を開花させるが、白兵戦を除くすべてにおいて姉に勝る。母の死後、姉のちひろとは別々に育ち、養父の陵辱を受けるなど過酷な境遇で育ってきたせいで人間性や良心をなくしており、母の呪縛に囚われ、復讐に固執するあまり唯一の肉親であるちひろとも決別してしまう。復讐を止めようとしたちひろに撃たれて重体となり医療施設に収容されるが、襲撃を機に脱走。護り屋となったちひろと対決する。その後、天使を呼び寄せる贄として姉妹別々に囚われの身となるが、「人間狩り」の獲物として樹海に放り出された際には凄腕の暗殺者として追跡者を悉く片付けた。命を賭した姉に護られたことや、共に逃げた少女たちを助けて感謝されたことで、人としての尊厳や何かを守ろうとする心を取り戻すようなる。
- 洗脳によって殺戮マシンと化したちひろを身を挺して救ったことで母の呪縛から解放されるが、再び瀕死の重傷を負う。その窮地をジーザスに救われ、弟子として行動を共にするようになる。ジーザスとは、亜紀が手を血で汚す事になったときは代わりにジーザスが背負うという約束を交わしており、「不殺」を守ることを誓っている。
- 『暁のイージス』では最終話に登場し、姉のちひろと共に「蝶」との決戦に挑むジーザスや楯を離れた場所から見守る。
- なお、姉妹を訓練した暗殺インストラクターの法間孝之は「ジーザス」に登場したテロインストラクター法間亮介の血縁者と思われる。
- 沢渡 啓之(さわたり けいすけ)
- 藍空医科大学・沢渡研究室で次世代型筋電義手の開発・研究を行っている医師。楯に「本物の腕と同様に動き、なおかつマグナム弾の直撃に耐える義手」の製作を依頼される。最新式の義手を提供する見返りとして、楯から多額の研究資金と義手使用時のデータを提供されている。楯の要望で兵器さながらのギミックを備えた義手を開発しているが、その成果を基に「医者として多くの人間を救いたい」とも願っている。同時に楯に対し「いつか生者に戻る日が来る事」を心から願っている。
- 筋電義手を医療行為に活かしたいと願ってる一方、一振りで容易に人体を引き裂く殺傷力を持つ「クロムウェル」のような義手も製作しているが、これは楯の内心を沢渡なりに慮ってのことであった。しかし兵器のような破壊力を持つ義手を備えた事が楯にさらなる葛藤をもたらす。
- 『暁のイージス』では「クロムウェル」以降の最新型にして最終形義手「ミネルヴァ」が完成し楯に装着される。しかし一方、紆余曲折を経て「クロムウェル」の威力が今度は楯に対して向けられる事態となる。また、甲斐の抱える深刻な事情を知ってしまう。
- アーネスト・ロイド
- FBI特別捜査官。白髪の目立ち始めた年配の黒人で「テロ・ハンター」として恐れられる。同時多発テロを未然に防げなかったショックで酒に溺れるようになるが、後輩からの叱咤で「9.11」と名乗るテロリストを巡る事件を担当し「蝶」の暗躍を知る。イラク出身の少女ライラを巡ってアメリカの掲げる正義に疑問を抱くようになり、その後「蝶」を追って来日し楯と邂逅し、楯が「蝶」の意図したテロリストにはならない事を確信する。
- ベトナム戦争では通信兵として従軍した過去を持つ。また、横須賀に配属されていたこともあり、日本語も話せる。
- 『暁のイージス』ではレイチェル、ウリエルと共に「蝶」を追っている。レイチェルに対してはブラックサイトに拉致された楯を救出するために、「伝説」と呼ばれたある人物を雇うことを薦める。最終章では、アメリカの一都市が壊滅する危機に際し、自らテロリストの説得に当たる。
- ウリエル
- 『暁のイージス』に登場。「蝶」の過去を探るべくメキシコを旅する楯に、常に電話越しからコンタクトを取り続ける人物。ユダヤ系の白人男性でその正体は、エシュロンで情報分析をするCIAの分析官。楯に有益な情報をもたらすものの、情報を小出しにして楯を誘導する姿勢が怒りを買いコンタクトを断ち切られそうになると、ある人物の護衛依頼を楯に懇願する。その後、楯の危機に際しては、「耳」であることをやめて自ら踏み込んで手助けするようになる。
[編集] 2039
本作中において、1960年代に合衆国国防総省が秘密裏に創設した特殊部隊。第6話『柊の森にて』において、かつてそれに所属していたアルフレッド・クインの口からその実態が明らかになる。1970年代半ばに突如解散するまで、破壊工作や情報操作などによって、米国による世界秩序に都合が悪いとみなされた人物や組織を抹殺していった。リーダーの「蝶」を始め、各メンバーには昆虫のコードネームが付けられており、それぞれがある分野での超一流のプロである。後のテロリストメイカー「蝶」は、この部隊によって生み出される事になる。部隊のコードネーム「2039」とは、「ある人物」の暗殺事件の情報が公開されるとされている年にちなんで付けられたものと思われ、本作においては、その「ある人物」の暗殺も彼らの手によるものとされている。
- ジョナサン・ブレナン「蝶(バタフライ)」
- 米軍特殊部隊グリーンベレーの元大尉で、「2039」のリーダー。彼こそが本来の「蝶」のコードネームの持ち主で、米国内の荒野をさまよっていた後の「蝶」に入隊を許し、「蟻」(アント)のコードネームを与える。やがて米国政府から「後始末」を命じられ、部下と共に最後のミッションに赴く。
- イレーネ・サルドーニ「毒蜘蛛(タランチュラ)」
- メキシコのとある町の老修道女。町の人々に尊敬されているが、かつてはメキシコの裏社会の顔役で背中には十字傷が刻まれている。楯が「蝶」の情報を得るために最初にコンタクトをとった人物だが、イレーネは自分に代わり「蝶」の過去を話すことの出来る人物を紹介するのを報酬に、ある事件現場を目撃したために命を狙われている少年レオンの護衛を依頼し、自らも“かつての自分達の罪”である「2039」の封印を楯が解いてくれることを期して、楯とレオンの逃走を助けるために追っ手の迎撃に身を投じる。彼女は「2039」では紅一点で近接戦闘のスペシャリストであった。
- アルフレッド・クイン「蟷螂(マンティス)」
- イレーネの紹介で楯に「蝶」の過去を語る禿頭の小男。長年にわたりハリウッドに住む者たちを守り続けた人物としてVIP待遇で扱われている。道化師の扮して楯に接触を図り、彼が所有するスタジオのセットにおいて、現在においても恐怖の記憶で彼を捕らえ続ける「蝶」誕生の過去を楯に語って聞かせる。「2039」では狙撃を専門としていた。米国内の荒野で初めて後の「蝶」と遭遇したとき、その瞳の色から「純然たる恐怖」を感じ、早くからその底知れない危険を察知していた。養女のオルガを「蝶」に奪われ、楯に彼女の奪還を依頼する。
- フランク・ルーデル「蠍(スコルピオ)」
- 「2039」の情報工作専門家。やや軽薄な感じの、白人の美男子と言った風貌であった。「2039」が解散した時には、ルーデルは「2039」のメンバーの中でも最も「蟻」、すなわち本作の「蝶」に触発され崇拝する様になっており、「2039」を去ろうとする「蝶」にひざまづいてまで同行する事を申し出る。それ以後はルーデルが保持していると言われている莫大な財力と権力で「蝶」をサポートし、既存の組織に属さぬ「蝶」が世界に大きな波を引き起こす助けとなった。現在ではルーデルは、顔の半分が焼けただれて引きつった姿になっているが、「蝶」の支援者であると同時に、合衆国の政界、特に国防関連に強大な影響力を持つフィクサーとなっている。レイチェルの「HSE」の大株主でもある。
- このルーデルやクインにも、イレーネと同様に背中に十字傷がある。彼らは「蝶」に最初に傷を刻まれた者達と言える。
- カシアス・マシスン「甲虫(ビートル)」
- 「2039」における、爆発物による破壊工作の専門家。アフロヘアの黒人青年。
[編集] 「紋章」の戦士
- セラ
- 12、3歳位の少女だが、背中にはやはり十字傷が刻まれている。元々は人身売買により金持ちに売られそうになった所を「蝶」によって救われた過去を持つ。以来、「蝶」を全面的に信頼して「パパ」と呼び、自らの意思で「蝶」に最も近い立場に身を置いている。中性的な容姿の可憐な性格で、一人称は「僕」である。
- 「蝶」所有の古びた船をねぐらとしている事もあり、後述のアスラン・カディロフを救助し「蝶」の戦士に引き入れた。アメリカ南部の砂漠で楯と甲斐の前に「蝶」達と共に現れ、楯に「蝶」の宣戦布告のメッセージを伝える。
- ムハンマド・サイード
- 「砂漠の虎」の異名を持つ歴戦のイラク人傭兵。屈強な肉体を誇り、小口径の銃弾なら皮一枚しか通さず、筋肉を隆起させることで弾丸を体外へ弾き飛ばすほど。また、銃火器の他によく鍛えられたアラブ風のサーベルを操り、その膂力によるサーベル捌きは楯の義手をも破壊したほどである。
- 運命の悪戯により戦場で実の息子をその手で殺してしまい、その後「蝶」と出会い十字傷を刻まれる。過酷な運命と「蝶」との出会いによって生じた己の中の抑えきれない衝動から、風船爆弾によるウイルス散布計画「フゴー」を画策。それを阻止せんとする楯との死闘の末敗北し断崖から転落するが生存、己の暴走に区切りを付けたかに見えた。
- しかしアメリカで小型核爆弾を回収するため、「蝶」と共に楯の前に再び姿を現す。
- 「東京戦争編」では「蝶」に従い行動し、「完璧ならざる世界に対する復讐」を「蝶」に託す考えに変化はないが、彼自身は楯を倒そうとは考えておらず、せめて、ある少女だけは助けたいという思いを抱いており、その思いは少年少女を放っておけないある人物に託される。
- アスラン・カディロフ
- チェチェン共和国出身のスナイパー。長身で銀の長髪に紅い瞳を持つ女性と見紛うばかりの美男子だが、吹雪の中、肉眼の視力のみで数百メートルの狙撃を必中させる超人的な腕前を持つ。ロシアへの抵抗運動に参加し、北オセチア駐留のロシア兵を毎週木曜日に殺害していたことから、「木曜日の悪魔」の異名で恐れられていた。
- 少年時代、分離独立を図ろうとした祖国がロシア軍の弾圧を受けた際、爆撃により幼馴染の少女アイーシャを目の前で殺される(それが木曜日の出来事だった)。アイーシャの亡霊[15]に取り憑かれ、復讐鬼と化した。自らを「亡霊に取り憑かれ、死者に支配された人間」と称し、楯も同じだと言い放つ。
- カディロフは突如として来日。渋谷・新宿にて無差別狙撃殺人を繰り広げ、守渡にも重傷を負わせる。アイーシャの双子の姉・マリーカの依頼を受けた楯はカディロフを止めるべく行動するが、ロシア政府と密約を結びスワロフら元スペツナズの入国と行動の自由を認めた日本警察に妨害される。カディロフと仲間の復讐に逸るスワロフらの破壊活動により、東京はカディロフが望んだとおりの戦場と化す。
- 有明国際展示場での死闘の際、楯の言葉に心を打たれカディロフは暴走を止めるも、その直後にマリーカがスワロフの凶弾に倒れてしまう。カディロフはマリーカの亡骸を抱えて冬の海に消えるが、奇跡的に生存し「紋章の戦士」の船に救助された。そして、「蝶」の「完璧な世界を取り戻す」という言葉を聞き「紋章」の戦士となる。アメリカにおいて小型核爆弾を回収するため、「蝶」やサイードと共に楯の前に再び姿を現した。
- 名前のモデルは、ロシア連邦チェチェン共和国の政治家アスラン・マスハドフとアフマド・カディロフであると考えられる。ガンダムの某キャラとは無関係とのこと。[16]
- 『暁のイージス』では「東京戦争編」において「蝶」と共に再び日本に現れ楯と対決するが、その中で「蝶」の事を「自分や楯と同じ亡霊を背負った人間」であると楯に告げる。同じスナイパーという人種にあたるアンガスとは楯を巡って対立する。
- オルガ
- メキシコから幾度も楯を襲撃し、「蝶」の過去を知る人物達を消してゆく謎の少女。見た目は10代の白人の美少女で、首筋に傷跡を残しライダースーツに身を包んでいる。重火器も巧みに操るが、ジャンビーヤに似た宴曲ナイフの二刀流による格闘術を最も得意とする。
- その正体は「蟷螂」ことアルフレッド・クインの養女であり、素晴らしい声の持ち主で人の心を震わせる歌唱力を持つ少女だった。しかし不慮の事故により声を失った結果、自殺未遂を繰り返す様になり、彼女の悲しみと絶望に目を付けたルーデルによって誘拐され「蝶」と出会った事がきっかけで「蝶の十字架」を持つ戦士となってしまう。
- アンガス
- 「紋章」の戦士の1人で、初老のスナイパー。同業者のアスランを「若造」と呼ぶ。楯ですら感知出来ないほど、微塵の殺気も発生させず狙撃を行う。
- 「蝶」を狂信的に崇拝しており、「蝶」について行くことは共に死する事も厭わないことであると主張する。ゆえに彼自身が「蝶」にとって危険な存在と認識した者に対しては「蝶」の指示を無視してでも独断で行動する事が多く、楯が「蝶」に死をもたらす存在である事を認めていない。そのため、「完璧ならざる世界に対する復讐」を「蝶」に託している点は共通しているもののサイードやアスランとは意見の相違が度々見られる。
- レビア
- 「紋章」の戦士の1人で、アジア風の長身の美女。接近戦に長けており、ナイフやシミター等を武器にして戦う。
[編集] マーキュリー刑務所
潜入捜査中に音信を絶った甲斐を追って楯が潜入したアメリカの重犯罪刑務所。「蝶」の過去とも繋がりを持ち、世界を脅かす驚くべき陰謀が企てられていた。楯は身分を偽るため、スクールバス爆破テロ事件の犯人「コウ・ヤマガミ」を名乗る。
- ベルグマン
- マーキュリー刑務所の主任看守。賄賂が蔓延り腐敗しきった看守の中でも数少ない良識派で職務に忠実かつ公正、冷静沈着で気骨のある人物。所内の腐敗を密かに嘆いている。
- アルフレッド・ブラガ
- マーキュリー刑務所所長。小太り眼鏡の白人男性。権力に溺れ私腹を肥やす典型的な小悪人。彼と息のかかった連中により、麻薬や日常的な暴力が蔓延るようになる。マイクを溺愛しており、嫉妬からヤマガミ(以下、楯)の命を狙った。密かに進められている陰謀の中心にいる人物。
- ロペス
- 囚人の一人。受刑者の中では最も古株で、刑務所内のことは詳しい知恵袋的存在。楯に様々な形で助言を行う。長期の刑期により例え刑期を終えても社会に関する知識が乏しいため、社会復帰できないことを悩んでいる。食事に出されたリンゴを集めている。趣味はペーパークラフト。
- ベン・シスコ
- 囚人の一人で黒人グループのリーダー。元ボクシング・ヘビー級の世界ランカーだったが、ギャラを横領したマネージャーと浮気していた妻を殴り殺した。粗暴な男だが信義に厚い。黒人達のリーダーの面子にかけて公開の決闘をおこない、結果、左腕一本で自分に勝利した楯を「ブラザー」と認め、協力するようになる。
- 『暁のイージス』においてウリエルの手配で来日。窮地に陥った楯をサポートした。
- マイク
- 囚人の一人で白人の美少年。男娼としてマーキュリー内でも一日100$と言う高額で商売しており、ブラガ所長のお気に入り。「性同一性障害者」で周囲のいじめに耐えきれなくなって殺人を犯した。楯にすっかり惚れ込んでしまう。
- 『暁のイージス』においてウリエルの手配で来日する。
- ホセ
- 囚人の一人で中年のメキシカン。楯の隣の部屋になったことからなにかと世話を焼く。若い頃から問題を起こしては刑務所と一般社会を行ったり来たりしているが、実際は気の弱い臆病者で自らも「ビビリのホセ」と名乗っている。しかし仲間のためならば命を賭ける事に躊躇はなく、ベンもガッツのあるヤツと認めている。経験上逃げ回るのは得意で、逃走経路にただのワイヤーを張り巡らし「トラップ」と誤認させた。
- 『暁のイージス』においてウリエルの手配で来日する。
- クラウディオ・サルド
- イタリア系の老齢の囚人で、マルコという囚人が常に片腕のように付き従っている。「マーキュリー」内で勢力を築いている訳ではないが、その正体はコーザ・ノストラの武闘派といわれた幹部で、アナの祖父ドン・ミケーレ・マドニアの義兄弟でもある。シスコを倒した楯の戦いぶりから「アイギス」の後継者であることを見抜き、楯に助言、協力する。自分がマフィアであることから肉親を死に追いやった過去があり、後悔の念を抱えてきた。『暁のイージス』には登場しない。
- ジョナサン・ムライ
- 囚人の一人で、剃髪で精悍な雰囲気を持つ日系人だが、元軍人という以外は一切の素性が不明。所内では孤高の存在で、過去ムライにちょっかいを出した者は例外なく変死を遂げたため、他の囚人達とは一線を画している。ブラガ所長に対しても対等以上に振舞える立場にあり、特別待遇を享受している。
- ベンとの対決に勝利した楯に接触し、「俺とお前は同族か」と問いながらその背中の十字傷を見せる。すなわち彼も「紋章」の戦士といえるが、「十字架」を背負った経緯からムライは「蝶」への復讐を胸に秘めており、「蝶」の言葉によるとムライのような人間は「蟻」であるという。
[編集] その他、『闇のイージス』の登場人物
全264話に登場した人物は膨大になるため、複数のエピソードに登場した人物や主要キャラと密接な関わりを持つ人物に絞って紹介する。
- 橿原 十蔵(かしはら じゅうぞう)
- 「オールドギース」というコードネームで名高い、日本最高の情報屋。『ジーザス』では「雁の巣」のオーナーで、そこを拠点としていた主人公ジーザスの、組織「24」との戦いをその力量でもって支援していた。ジーザスがアメリカのハーレムで「J」と呼ばれていた少年だった時から知っており、彼を見守っていた。「J」がハーレムで出会い、後に「親父」と呼ぶ事になる男、リック・バウマンは戦友であった。
- ジーザスが「24」を打倒した後、「雁の巣」を娘の七瀬に任せ、世界を放浪していた。その中でシチリア島にも赴き、戦友で「護り屋」のルッソ・アルラッキと共に、楯がルッソの弟子になるための試練を乗り越えるのを見届ける。
- また、ルドルフ・カウフマンの事を「我が友」と呼び、その弟子である「教え子」達に兄弟弟子ゼロの窮地を知らせる。また、古くから築いていた彼らとのネットワークを動かして、欧州に渡ったゼロとマリアを「ゲイザー」から匿う。
- 橿原 七瀬(かしはら ななせ)
- BAR「雁の巣」の現オーナーでバーテンダー。20代の清楚な美女だが、闇の世界で生き抜く知性や度胸の持ち主で、オーナーらしい貫禄を感じさせる。
- 苗字から分かるとおり、「オールドギース」こと橿原十蔵の実娘である。父から店と共に日本最高の情報屋としてのネットワークを受け継いでいる。ゼロに「雁の巣」に舞い込んだ仕事を斡旋する一方、ゼロが窮地に陥ったときには楯達と共に奔走する事もあった。
- マリア・カウフマン
- 東京の、「租界」と呼ばれる外国人居留地で診療所を開いている外科医。二十歳前後の若く美しいドイツ人女性だが、その天才的な治療の腕と、患者に対する真摯な姿勢から、「租界」の住人から女神のように慕われている。
- ゼロの師匠ルドルフ・カウフマンの娘だが、実はアナと同じく「ゲイザー」の実験によって誕生した、人工的な天才児である。ゼロに対しては恋愛感情を持ちながらも、自分のせいで「無痛症」になったことに対して負い目を感じており、またゼロからルドルフの死に関する衝撃的な事実を告げられ、お互い決別していた。
- しかしルドルフの弟子の一人が起こした事件の中で真相を知りゼロと和解、彼の「無痛症」を治療するため共に欧州に渡る。
- ライラ
- 元FBIのアーネスト・ロイドが、NYの「グラウンド・ゼロ」跡で出会った中東系移民の少女。何らかの事情で口がきけないが、彼女との触れあいでロイドは精神的に再起する。しかし彼女の背中にもまた「蝶」の十字架があり、ロイドは彼女の目的と過去を知った上で彼女を救おうとしたが、その死を見届ける結果となる。その後ロイドは彼女の形見であるブローチを預かり、警官でありながらライラと同じく「蝶」と出会い、闇の世界で生きる楯を見極めようとする。
- マーティン・リガーディア
- FBI捜査官で、「テロ・ハンター」ことアーネスト・ロイドの後輩。新米時代からロイドの下につき、現在では捜査チームを指揮するチーフだが、「9・11」と名乗るテロリストの捜査のために既に退職していたロイドを頼った際、かつての覇気を失い失意の日々を送るロイドの姿を見ることになる。
- 『暁のイージス』にも登場。米国内での「蝶」のテロにチームを率い対処にあたるものの、不測の事態に苦慮している所にロイドが現れる。
- ジャガーノート
- 日本国内に誘拐をビジネスとして定着させるべく暗躍するプロの誘拐犯。民族風の奇妙な仮面で素顔を隠しており、誘拐計画の企画立案を行う知能犯。だが、組織が未成熟であるため陣頭指揮をとる。事件に関わった楯に興味を抱く。
- 痩せ型の男で高い戦闘技術を有しているわけではないが、先天性の特殊な皮膚疾患のため指紋・掌紋がまったく無い。
- ミオドコーパ(「蝶」の軍隊)
- 「蝶」の手足となって働く兵士達。「紋章」の戦士とは違い、全員が背中に十字架を持っているわけではない。同じ装備で規律正しく編成され、部隊単位で行動する事が多く、「蝶」に心酔している者達である。その一部を除く全員が、各国の軍や警察の特殊部隊出身という精鋭ぞろいである。リーダー格のオコーナーに率いられて「海ほたる」を占拠し、多くの一般人を人質に取る。日本警察が素性を特定できたのは25人だが、本来の総数は不明。劇中の「海ほたる」の戦いにおいて、オコーナー以下殆どの隊員は、楯、ジーザス、ゼロ、SAT(特殊急襲部隊)との交戦で戦死したと思われるが、ミオドコーパ側の生き残りも多く、おそらくその後新たに人数を増やした模様。『暁のイージス』でも多くのミオドコーパが組織されていた。以下では、『闇のイージス』で作中で顔と名前が判明した「ミオドコーパ」のメンバーについて述べる。
- ランス・カーマイン
- 「海ほたる」の戦いの前哨戦で、楯とホテルのレストランの中で対決する。後に判明したところでは元米軍特殊部隊デルタフォースの隊員で、見かけからは想像もつかないが実は女性だったらしい。
- オコーナー
- 上述した通り「ミオドコーパ」の司令官で、「海ほたる」の戦いにおける「蝶」の副官のような立場にあった。
- レイブン姉妹
- レイブンは、10代前半の少女でありながら白兵戦では「ミオドコーパ」の中で最高の腕を持つとされる。また、その姉妹である同年代の二人の少女も同等の腕前を持つと思ていわれる。覆面を取った姿は、それぞれ黒髪の短髪、ブロンドの長髪と短髪だが、そのうちの誰がレイブンに相当するかは明言されてない。彼女達は「蝶」に拾われ、その「愛情」の代償に「蝶」の命令には絶対的に服従し、その連携プレイで楯に迫る。
- フォアマン
- 元ニューヨーク市警のSWAT隊員という経歴で、レイチェル・天宮・ハンターのHSE社に入社するが、その正体は「海ほたる」の戦いにおける「ミオドコーパ」の生き残りであり、ある護衛依頼を共同で実行中に楯を奇襲するも制圧される。フォアマンは「蝶」の日本での作戦を阻止した楯の暗殺を狙い、ムハンマド・サイードの「フゴー計画」を支援していた。警察に拘留されたフォアマンは、サイードから指示されていた通り計画の全容を自白する。
- 劉 伊健(リウ・イーキン)
- 最古にして最大の中国系秘密結社「竜門幇(ドラゴン・ゲート)」の当主。十代の若者でありながら、何十年も闇の世界に君臨してきた者の風格を漂わせる。自らも優れた暗殺者だが、昼間は普通の高校生として新星高校[17]に通い、その生活に幸福を感じている。しかし幼少期からの訓練によるマインド・コントロールで、夜は自らの意志をも離れて組織のために活動する非情の暗殺者となる。また組織内で対立する異母兄弟達に日本人の母親を人質にとられており、当主の座を狙う兄の策略で高校の同級生の少女の暗殺を命じらる。伊健は楯に“自分から”その少女を護る依頼をして楯と戦った後、楯と共に同級生を護り切る。その後、伊健は「自らの意志で竜門幇を支配する《真の竜》になる事」を決意する。
- 加納 俊作(かのう しゅんさく)
- 元・高校教師(定年退職)の初老の男性で、かつての楯の恩師。孤児という境遇が原因で荒んだ高校生活を送っていた楯を、体を張って更生させた。武道の達人と見られ、熟練の柔道技で若き日の楯をいなす場面もある。家庭の事情が原因で荒んでいる少年を見ると放っておけない理由は、自分自身が原因でかつて5歳の息子を死なせてしまった為である。かつての楯のように道を外れかけ、窮地に陥っている教え子・眉村を救って欲しいと楯に依頼する。
- 許 芳鈴(ウー・ファンリン)
- 加納の生徒、眉村が東京の歓楽街で出会った中国人少女。中国系組織H・K(ハイカラット)幹部の息子で、眉村が父と親友の仇と付け狙う麻薬ディーラー林沢東に、何らかの事情で追われている。芳鈴は自分の父から窮地の際はある人物を頼るようにと遺言を託されており、彼女はそれに従い、自分と共にH・Kの手から逃げる眉村や救助に来た楯に、かつて彼女の父と義兄弟の杯を交わした伝説の暗殺者「修羅王」に会わせてくれと頼む。
- ルッソ・アルラッキ
- 楯の師匠で、先代護り屋・「アイギス」。若き日はミケーレ・マドニアの「盾」を務めていたが、ある日、護衛すべき人間を殺した者達を護り屋の不殺の掟を破って怒りに任せて惨殺して以来、自らの技を封印し引退する。引退後は楯と出会うまで1人のしがないコックとして生活しており、理不尽な暴力を受けても護り屋の素性を悟られない様に隠し通すほど徹底していた。
- 「蝶」に全てを奪われ、「蝶」への復讐の力を求めて放浪中の楯はルッソの素性を見破り、素手で銃に打ち勝つ「護り屋」の力を求めて弟子入りを請う。ルッソは弟子入りを許可するための試験を楯に課し、橿原十蔵と共に楯がその試験を見事やり遂げるのを見届けた後は、楯に「護り屋」としての力と心を伝授する。ルッソや楯が劇中で使う武術は中国拳法だが、門派名は無い。ルッソによれば、彼に技を教えた師曰く「名はただ技を縛るものにしか過ぎない」という事らしい。
- ミケーレ・マドニア
- コーサ・ノストラの大幹部で、「その眉が少し動いただけで、十人の裏切り者が舌を切取られる」と恐れられたゴッド・ファーザー。
- アナの母、アメーリアの父でもあり、孫のアナには子煩悩な顔を見せる。そのボディーガードを長く務めていたルッソには、強い親愛を示し、彼の弟子である楯も寛大に迎え入れる。また組織内で対立する勢力がコーサ・ノストラの組織を利用して、中南米系の組織「蛇(セルピエンテ)」の臓器売買に加担している事に激しい嫌悪感を抱いている。
- ミケーレ達の組織は、第二次大戦後の米国内で生き残らんがために「ゲイザー」を資金面で援助しており、そのためにミケーレの娘が「ゲイザー」の被験体となり、更に証拠の抹消のために暗殺されてしまう。ミケーレは自分の罪の報いを自分の娘に負わせたと、激しく悔いを持っていた。
- ルドルフ・カウフマン
- ドイツで五指に入る心臓外科医だが、工作員養成教官という裏の顔を持つ。さらに「ゲイザー」のメンバーで、人工的に天才児を生み出す実験に関わっていた。ルドルフによって、ゼロをはじめ多くの暗殺者、工作員が育てあげられ、彼らは「カウフマンの教え子」と呼ばれる。
- 「ゲイザー」による人工天才児の一人マリアを娘として引き取り、彼女を一流の外科医に育て上げた。
- しかしルドルフは、「ゲイザー」から実験の証である彼女を消す事を命じられる。ルドルフの出した決断は、ゼロに暗殺者訓練の最後の試験としてマリアを抹殺させる事であったが・・・。
- 「カウフマンの教え子」
- ルドルフ・カウフマンの教えを受けた工作員達で、冷戦当時西側の諜報機関に多くの「教え子」達が送り出された。
- 「教え子」達の結束は強く、その証として手のひらに収まる「円盤」をそれぞれ持っている。これは「宝島」の中に出てくる海賊同士だけで通じる符牒にちなんでいる。彼らは、たとえ「教え子」同士が敵対する組織に属していても、互いをターゲットとしないという不問律の掟があり、掟を破った裏切り者には絶縁状である黒い円盤「ブラック・サークル」が送り付けられ、世界中の「教え子」達から命を狙われることになる。
- 「オールドギース」橿原十蔵とはコネクションを持っているらしく、「教え子」の一人アルベルト・へスがゼロを陥れるために師の娘マリアを拉致した事件の際、橿原から連絡を受けた「教え子」達はヘスに「ブラックサークル」を送りつけ破門。楯達の援護を受けたゼロによりヘスは撃退され、「教え子」達は直接登場しないものの、ゼロとマリアが窮地から脱するのを間接的に助けた。
- その事件後「教え子」達は欧州に渡ったゼロとマリアを、「ゲイザー」から匿っている。
- ペイルライダー
- SAT(特殊急襲部隊)の装備に身を固めた殺し屋。マスクには巨大な眼が描かれている。法の網を逃れた犯罪者を次々と仕留めていき、その現場の壁に馬の絵を書くことから、「ペイルライダー(蒼ざめた馬)」と呼ばれる。
- やはりその正体は元SAT隊員で、初陣で楯が最初に「蝶」と対決した「海ほたる」に突入し、そこでの「蝶の軍隊」との戦闘で凄惨な体験をする。
- マックス・オブライエン
- 『闇のイージス』の番外編『JESUS:兎の檻』に登場。かつてジーザスが「J・バウマン」と名乗っていた頃に所属していた、西側の傭兵部隊『砂漠の兎』の曹長。『砂漠の兎』は、北アフリカのカダス共和国において、アマルガム・ハジム将軍による独裁政権を倒すことに成功するが、その後ハジム政権の残党を掃討する名目の作戦“オペレーション・ジーザス”によって鉱山跡に誘い込まれ、『砂漠の兎』は精製マスタードガスの殲滅攻撃を受ける。マックスはただ一人ガスの猛威を逃れた「J」の前で事切れるが、その時点では生存しており、その後西側大国のバックアップによって生きながらえたハジム政権の収容所で「J」と対面し、「J」が「ジーザス」となる最後のきっかけを与えることになる。
[編集] その他、「暁のイージス」の登場人物
- ロザ・アルベニス
- メキシコとアメリカ合衆国南部の国境地帯に根を張り、合衆国への密入国斡旋や麻薬密輸などを生業にする組織「メサ・コヨーテ」を率いる一族の娘。ラテン系の色香が漂う情熱的な性格の美女で、自分達こそ国境地帯を治める者と、組織の長の一族としてのプライドを強く持っている。「蝶」の正体を求めてメキシコにやって来た楯と「メサ・コヨーテ」が関わる事件の中で出会う。楯がイレーネ・サルドーニから依頼された護衛対象と共に合衆国へ逃れようとするのを、メキシコ警察の刑事と共に狙う。
- レオン・ベルトラン
- メキシコ政府の要人暗殺現場を偶然目撃し、その証拠となるPDAを所持していたため命を狙われる事となり、イレーネ・サルドーニの元に匿われていた少年。当初は心を閉ざし護衛を引き受けた楯に対しても反抗的だったが、自分を守るために戦う楯達と行動を共にすることで、自分が置かれている境遇に立ち向かう姿勢になっていく。
- カーライル隊長
- ロサンゼルス市警の黒人のSWAT部隊長。実直な人物で自分の職務に強い誇りを持っている。秘密工作の証拠をレオン共々始末したいCIAの職員の指示でアメリカにたどり着いた楯とレオンを部隊で包囲するが、一方的に命令を出すCIA職員に強い不信感を示す
- サドル・アマルガム・ハジム
- かつてのカダス共和国の独裁者、アマルガム・ハジム将軍の子。ハジム将軍が倒れ、民主化したはずの後も混乱が続くカダスにおける様々な勢力の一つ「ハジム派」のリーダーとして、若年ながら擁立されている。
- アマルガム・ハジム将軍
- 冷戦時代、様々な氏族や派閥が争う歴史を辿ったカダス共和国を、大国の後ろ盾をもって力で制しようとした独裁者。当初ソ連の援助を受け恐怖政治を行っていたが、西側の傭兵部隊「砂漠の兎」の活躍によって、一度はカダスから追放される。しかし今度は西側大国の支援を受け、「砂漠の兎」を排除した上で再びカダスの独裁者に返り咲く。
- そして90年代半ば再び起こった革命戦争の際、ハジムは一人の傭兵に討ち取られる。ハジム将軍の人物像は、ただ大国に擦り寄り権力に座っていたというものではなく、国全体を思うがゆえにあえて大国の支援でもって力の政治を行っていた。自分を討とうとする傭兵に対し「大義をもつ“戦士”(フェダイーン)にしか、自分を討つことを許さない」と言い放ち、その傭兵の戦後のカダスに対する理念を聞き、その大義を認めた上で“戦士”として一対一の決闘を行った結果破れ、長年にわたったハジムの独裁政権は終焉した。
- アフマド
- CIAがカダス領内にもつ“ブラックサイト”「深淵(アビス)」の囚人。中東系ドイツ人。ルーデルの画策で「アビス」に収容された楯の隣の監房におり、楯に「アビス」の実態や、自分が休暇旅行中に訳も分からずにテロ容疑をかけられ連行されたことなどを話す。
- ミスバーフ
- 「深淵」のさらに最下層に拘留されている男。カダス人。背中に「蝶」の十字傷を持つ。騒ぎを起こしたために最下層に移送された楯と出会い、“自分を戦士として立ち上がらせた”「蝶」との出会いとその“言葉”を楯に語って聞かせる。
- “爺さん”
- ミスバーフと同じく「アビス」の最下層に収容されている男。全身に包帯を巻いた姿をしている。名前の通り地獄のような「アビス」に実に一年以上も収容されているらしく、ミスバーフによると入ってきたばかりの頃はタフな男だったらしいが、錯乱し“アビー”という名前をうめき続ける姿に変わり果ててしまい、「アビス」の職員からも長くは持たないと思われている。
- 花沢 和夫(はなざわ かずお)
- 『暁のイージス』終盤より登場する内閣総理大臣。1970年代に防衛庁の官僚として米国に出向しており、「蝶」誕生の重大な秘密を握る人物でもある。最終章「東京戦争編」において、「完璧な世界を取り戻す」最後の戦いを進める「蝶」に対し花沢は、「蝶」誕生のきっかけとなった過去の秘密を共有する米国との合同で、楯をも“生贄”にした「蝶」を追い詰める作戦を進めるよう、火山に指示を下す。
[編集] 脚注
- ^ YSコミックス『暁のイージス』第1巻のあとがき「-暁に飛ぶ」より
- ^ 小学館-ヤングサンデー連載作品の今後についてのお知らせ 2008年7月31日
- ^ 小学館-ビッグコミックスピリッツ増刊「YSスペシャル」
- ^ YSスペシャルはVOL.5で最終号となり、それに合わせて他の作品と共に終了する形になった。そのため、増刊号終了のタイミングに合わせ移籍後から最終話までは、いささか駆け足のストーリー展開となった。
- ^ 警察官当時の階級は巡査部長で、殉職扱いにより2階級特進し警部となる。
- ^ 体感幻覚の一種。通常は体の一部を失った人間が「ない」筈の部分に痛みを感じるというもの。楯の場合は右腕が吹き飛ばされた際の痛みが蘇る。
- ^ いわゆるロシアンルーレット。互いに一発ずつ実弾を込めた銃を向け合い引き金を引く。
- ^ 自ら服を破いて、婦女暴行や痴漢、公務執行妨害の容疑で逮捕・拘束する。奇しくも楯と「蝶」に対して行った。
- ^ a b この行動姿勢により、当時の楯の依頼人であり、「紋章」の戦士になったアスラン・カディロフの幼馴染でもあるマリーカ・カザロヴァが命を落とし、捜査を通して楯に協力していた守渡陽子が瀕死の重傷を負い一時は生命の危機に陥る結果を招いた。また、楯を庇う為に火山に銃を向け命令違反を犯した甲斐彰一には懲罰の意味を込めてマーキュリーへの潜入捜査を命じ、これもまた一時は生命の危機に陥る結果を招いている。
- ^ 日本警察の階級では甲斐よりも1ランク下の警視であるが本作では一貫して甲斐の上司として描かれており、警視庁公安部外事第3課(国際テロ専門部署)を統率し警視内閣情報調査室や内閣総理大臣にも顔が利く事から、日本警察の実質的なトップとして描かれている。
- ^ “目には見えないけれど目の前にある。手で触れたときには別のものにかわってしまっていて、決して捕まえられない・・・これはなぁに?”
- ^ モデルは明確に公表されていないが、あとがき等で映画『レオン』において、ジャン・レノ演じる主人公レオンである事を暗示させる記載がある。
- ^ 後に五十鈴家に入り込んだ際には「雨宮真由」を名乗っているが、偽名を名乗ることも自らの「嘘」によって彼女を苦しめる。
- ^ この日は皮肉にも彼女の20歳の誕生日だった。
- ^ カディロフ自身の作り出した幻覚と思われていたが、スワロフも目撃した。
- ^ YSコミックス「闇のイージス」21巻あとがき を参照。
- ^ 『ジーザス』の舞台となった私立高校。当時の校舎は「24」との最終決戦で崩壊したため、面影は残っていない。
