閃光 (アルバム)

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閃光
ABWHスタジオ・アルバム
リリース
録音 1989年
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル アリスタ・レコード
プロデュース ジョン・アンダーソン
クリス・キムゼイ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 14位(イギリス[1]
  • 18位(ノルウェー[2]
  • 21位(スウェーデン[3]、ドイツ[4]
  • 24位(スイス[5]
  • 25位(オランダ[6]、日本[7]
  • 30位(アメリカ[8]
  • ABWH アルバム 年表
    閃光
    (1989年)
    イエス・ミュージックの夜
    (1993年)
    テンプレートを表示

    閃光』(せんこう、Anderson Bruford Wakeman Howe)は、1970年代のイエスの主要メンバーであるジョン・アンダーソンビル・ブルーフォードリック・ウェイクマンスティーヴ・ハウによって結成された「アンダーソン・ブルーフォード・ウェイクマン・ハウ」が発表した唯一のスタジオ・アルバム。

    経緯[編集]

    1987年リリースのアルバム『ビッグ・ジェネレイター』の後、バンドの在り様に失望したジョン・アンダーソンイエスを脱退し、いわゆる黄金期のサウンドの復活を画策、当時のメンバーに呼びかけた。しかし、イエスというバンド名の権利を保有するクリス・スクワイアが呼びかけに応じず、バンド名の使用も認めなかったため、ファミリー・ネームを並べてバンド名とし、アルバムの原題もそのまま使用した。

    日本盤CD (A32D-83)のオビには、「元YESの黄金のラインナップが勢ぞろい!」とある。また、このCDのライナー・ノーツには、1988年の夏のギリシャでの休暇から戻ったジョン・アンダーソンが、如何にしてABWHを成立させていったか…の過程が詳しく書かれている。市販ビデオ『イン・ザ・ビッグ・ドリーム』でも結成の経緯が語られている。

    内容[編集]

    サウンド面では『ビッグ・ジェネレイター』より1970年代のイエスのサウンドに近い[要出典]スティーヴ・ハウの高域の単音弾きや、リック・ウェイクマンのアナログ・シンセサイザー演奏も聴くことができる。ただし、録音機材や技術、メンバーの趣味や力量などの変遷は避けられず[要出典]、また、トニー・レヴィンのベースがクリス・スクワイア独特の高域まで伸びるリッケンバッカーでは無いため、全体的な構造は、1970年代とは別物となっている[要出典]

    録音は事前にジョン・アンダーソン&クリス・キムゼイがプログラミングしておいたものが元になっており、他のメンバーが入れ替わりスタジオにやってきて録音して構築されていった。キーボードのパートはリック・ウェイクマンが参加する以前にほとんどのパートがマット・クリフォードの手によって演奏・録音が完了されており、リック・ウェイクマンの演奏に差し替えられたのは全体の7割ほどである。「TEAKBOIS」という曲の間奏の金管系のサンプリング音でのソロもマット・クリフォードの演奏がそのまま残されているものである。ドラムに関しても、スタジオにやってきたビル・ブルーフォードのラフな演奏をフェアライトCMIに取り込んで、アンダーソン&キムゼイがフェアライトCMIの上で再構築し、それを後日にビル・ブルーフォードに聞かせて、その通り叩いてもらったという手順で作業が進められた。

    楽曲の共作者として、ヴァンゲリスジェフ・ダウンズらの名前もクレジットされている。

    なお、ジャケット・デザインはイエスのアート・ワークの多くを担当していたロジャー・ディーンによるものである。

    特記事項[編集]

    収録曲の「オーダー・オブ・ザ・ユニバース」のイントロ部分はテレビ朝日報道番組『ザ・スクープ』のオープニングとして長年にわたって使われてきた。

    後にスティーヴ・ハウのソロ・アルバムとして発表されたアウトテイク&デモ音源集『ホームブリュー1』において、『閃光』に使われた曲の原曲のデモ音源が収録されており、『閃光』での彼の貢献が大きかったことが窺える。

    収録曲[編集]

    1. テーマ (i)サウンド (ii)セカンド・アテンション (iii)ソウル・ウォーリアー
    2. フィスト・オブ・ファイアー
    3. ブラザー・オブ・マイン (i)ビッグ・ドリーム (ii)ナッシング・キャン・カム・ビトゥイーン・アス (iii)ロング・ロスト・ブラザー・オブ・マイン
    4. バースライト
    5. ザ・ミーティング
    6. クァルテット (i)アイ・ワナ・ラーン (ii)シー・ギヴス・ミー・ラヴ (iii)フー・ワス・ザ・ファースト (iv)アイム・アライヴ
    7. TEAKBOIS
    8. オーダー・オブ・ザ・ユニバース (i)オーダー・テーマ (ii)ロック・ギヴス・カリッジ (iii)イッツ・ソー・ハード・トゥ・グロウ (iv)ザ・ユニバース
    9. レッツ・プリテンド

    リイシュー盤[編集]

    2010年、シングル盤向けの編集バージョン、ライブ・バージョン、デモ・バージョンなどをボーナス・トラックとして追加して、CD2枚組にリニューアルしたものがGonzo Multimediaから発売された。CD1枚目は従来のものと同内容で、CD2枚目は以下の内容である。

    1. "Rick Wakeman Intro's" 2:52
    2. "Brother Of Mine (Edit)" 6:32
    3. "Brother Of Mine (Radio Edit)" 3:24
    4. "Vultures In The City" 5:55
    5. "Order Of The Universe (Edit)" 4:53
    6. "Order Of The Universe (Long Edit)" 6:03
    7. "Quartet (I'm Alive) (Single Edit)" 3:18
    8. "Brother Of Mine (Live)" 10:52
    9. "And You And I (Live)" 10:34
    10. "Order Of The Universe (Live)" 15:31

    メンバー[編集]

    サポート・メンバー[編集]

    脚注[編集]