メンパ族

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メンパ族
チベット語 མོན་པ་
ヒンディー語 मोनपा
中国語 门巴族
総人口
78,000人
居住地域
インドの旗 インド(アルナーチャル・プラデーシュ州)50,000人
中華人民共和国の旗 中国(チベット自治区)25,000人
ブータンの旗 ブータン3,000人
言語
メンパ語英語版を中心とする東ボディッシュ諸語ツァンラ語チベット語リンブー語
宗教
チベット仏教ボン教
関連する民族
チベット民族Sharchops族英語版メンバ族英語版リンブー族英語版Sherdukpen族英語版

メンパ族チベット語: མོན་པ)は、チベット系民族である。主にインドアルナーチャル・プラデーシュ州に住んでいるが、チベット自治区メトクニンティツォナなどにも居住している。一部はメド地区に住んでいる。

概要[編集]

シナ・チベット語族チベット・ビルマ語派に属するメンパ語を話す。メンパ語は大きく“ツォナ・メンパ語”と“メトク・メンパ語”の2方言に分けられる。“ツォナ・メンパ語”は、タワングを中心とした門墨地区で使われる4方言の1つであり、“メトク・メンパ語”は、おもに主目と自称するメンパ族が話す倉洛語に属している。これらの言語は、音声、語彙や語法の構造がそれぞれ異なり、互いの日常会話は不可能。自民族の文字がなく、チベット文字が通用している。

メンパ(門巴)族の総人口は4万人余りだが、大部分は中国インド国境地帯の東部マクマホン・ライン以南のインド側に居住しているため、現在中国領内に居住するメンパ族は7498人しかいない。

メンパとは“門隅に住む人”という意味で、その意味のとおりメンパ族の祖先が住んでいた地域は、チベット自治区門隅南部の門隔地区で、約200年前、一部の人々がチベット自治区メトク県まで東へ移動した。

西暦800年頃、ラサチョカン寺に建てられた石碑に記されている“孟族”がメンパ族の祖先とされている。 門隔地区は、7世紀吐蕃王国の支配下に入り、13世紀にチベットの一部分となり中国の版図に組み込まれた。 メンパ族は封建農奴制度の下でチベット族の制圧を受け、経済や宗教、文化など多方面に影響が及んでいる。

メンパ族では、伝統的には焼畑農業が行われていたが、現在は常畑農業に従事し、牧畜や手工芸も兼業している。

メンパ族はチベット族同様、チベット仏教を厚く信仰しており、僧侶として出家する人も多い。これまでにダライ・ラマ6世ツァンヤンギャムツォなど高僧を出したこともある。

中国の自治地方[編集]

民族郷[編集]

関連項目[編集]