銀河英雄伝説の登場人物・自由惑星同盟

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銀河英雄伝説の登場人物・自由惑星同盟(ぎんがえいゆうでんせつのとうじょうじんぶつ・じゆうわくせいどうめい)は、田中芳樹の小説、およびそれを原作としたアニメ『銀河英雄伝説』に登場する、架空の人物の内、自由惑星同盟に所属・分類される人物の一覧である。

目次

[編集] ヤン・ウェンリー

同盟側主人公。ヤン・ウェンリーを参照。

[編集] ヤン艦隊(第13艦隊-イゼルローン革命軍)

[編集] ムライ(Murai

(声:青野武
ヤン艦隊参謀長。生真面目な性格であり、ヤン艦隊内では数少ない常識家であるため、アッテンボローポプランからは「歩く小言」と煙たがれている。ただし、根っからの石頭ではなく、柔軟な発想も持ち合わせているが、アウトロー気質の者が多いヤン艦隊では自らあえて常識的な意見を述べる憎まれ役の立場に徹していた。
ヤン自身が参謀タイプの天才的軍人であったため、いわゆる本来の意味の参謀としての活躍は無く(むしろユリアン、メルカッツのほうが、参謀的な助言をしている場合があった)、常識論、一般人としての意見を述べてヤンの作戦立案の手助けを主な役目としていた。ただ事務処理や作戦細部の実務面など、いささか特殊なタイプの軍人であるヤンに足りない部分を補うという意味では、広い意味での参謀役を果たした。特に司令官の悪影響で軍人として逸脱した言行の多いヤン艦隊のメンバーを、まがりなりにも軍隊組織としてまとめあげるために、必要不可欠な存在であった。ヤンの死で戦意喪失した者たちをまとめてイゼルローン要塞を離れたり(退役した理由の1つには、フィッシャーとパトリチェフの死もある。)、ロイエンタール叛乱時にあえてロイエンタールの使者役となるなど、ヤンの死後にようやく本当に参謀らしい参謀としての資質を発揮する機会を得たのは、ある意味皮肉でもある。ラグプール刑務所暴動に巻き込まれて負傷するも一命を取りとめる。ヤンとの出会いはエコニアの捕虜収容所の上部機関、タナトス警備管区の参事官として。そのときの第一印象として「秩序と規則が服を着て歩いている」と表現しているが、陰謀に巻き込まれたヤンとパトリチェフを事情聴取し、事態を収拾したその手並みはヤンをして「お見事」「軍隊にも尊敬や信頼に値する人物はいるものだ」と言わしめた。最終階級は中将。なお、彼の名前の発音は、いわゆる「村井」(アクセント無し)ではなく、「ム」にアクセントを置いたものである。
アニメ版の外見のモデルは、俳優の寺田農

[編集] フョードル・パトリチェフ(Fyodor Patirchev

(声:塩屋浩三
ヤン艦隊参謀長。巨漢で怪力、誠実。声量が豊かで、オペラ歌手なみの低音の持ち主。外見も発言も頼りない印象を与えるヤンに代わって、兵士の叱咤激励役、雰囲気作り(ヤンの作戦案に彼が真っ先に同意する事で、周囲を納得させ安心させる役)、艦隊全体への音声通信によってヤンの指示を伝える役目を果たしている。
ムライと同様、本来の参謀としての役目は果たしたとは言えないが、ヤンの能力不足の部分を補うという意味においては、広い意味でヤンの参謀として最適の人事であった。回廊の戦いの終結後に皇帝ラインハルトとの会見に向かうヤンの随員となるが、地球教に襲われヤン、ブルームハルトとともにテロに倒れる。最期の言葉は「よせよ、痛いじゃないかね」であり、その巨体でドアを塞ぐ事でテロリストたちの行動をわずかながらも遅らせた。
ヤンの少佐時代に惑星エコニアへ参事官補の大尉としてヤンを補佐している。なおこの時、前後の事情を要約して過不足なく説明する事に才能があると表現されており(外伝『螺旋回廊』)、指示の伝達には最適の人材とも考えられる。
イゼルローン要塞駐留時はフライング・ボールの対抗戦で司令部チームの監督を務め、得点王であるユリアンの活躍もあって準優勝に輝いた。
3次元チェスの腕前はヤンと互角(つまり下手)であり、ヤン暗殺事件の際に一緒に死んだブルームハルト同様に、天国でヤンのよい相手になるだろうと述懐されている。OVA版においては、回廊の戦いの後ラインハルトとの会見の随員の人選も、ヤンが3次元チェスで勝てそうな相手だけを選んだのでは無いかと推測されており、スールもそのメンバーに加わっている。ちなみにヤンは道中の勝負で12戦12勝している。また、ヤン暗殺事件の直前にトランプを楽しんでいたが、引いたカードはスペードエースであった。(スペードは「剣」エースは「死」を示すという説もある)最終階級は少将
建前とはいえ、政治家を公然と批判できる自由惑星同盟の体制には共感を示しており、それが職業軍人になる要素となったとヤンに語っている。
アニメ版の外見のモデルは、元力士の高見山大五郎

[編集] エドウィン・フィッシャー(Edwin Fischer

(声:鈴木泰明
ヤン艦隊副司令官。ヤン艦隊のメンバーにしては珍しく無口で自己主張をしない地味な人物で、ユリアンに「地味が軍服を着て物陰に黙って立っているような」と評されたりしたほど(ただし比較の対象がシェーンコップなので多少割り引いて受け取る必要はある)。メルカッツを除けば、ヤン艦隊の幕僚では最年長者であると思われる(チュン・ウーチェンから艦隊を預けられる際にはムライやパトリチェフをまとめて了承している)。
艦隊運用の名人で「生きた航路図」とまで言われた。ヤン艦隊の不敗神話はヤン自身の智謀とフィッシャーの艦隊運用の名人芸の完璧なまでのコンビネーションに支えられた所が大きい。その意味で、ヤン艦隊の片足、縁の下の力持ち、とも言える人物だった。そういった意味ではヤンの参謀と言えるのは彼であり、司令に万が一の際に代行を務めるべき(それゆえ司令と同じ艦に搭乗しない)副司令という職務は、彼には相応しい職務ではなかったと思われる。事実、細かい打ち合わせが必要な際は、わざわざフィッシャーを旗艦に呼び寄せる事もあった。イゼルローン回廊の戦いで戦死、アッテンボローが「これからはおちおちピクニックにも行けない」と冗談めかして嘆くほどヤン艦隊には深刻な打撃となった。彼の存在は、圧倒的に劣勢だったヤン艦隊の数少ないアドバンテージであり、ヤンが回廊の戦いで講和を受け入れる原因のひとつとなっている。
銀河英雄伝説の世界での一個艦隊は1万隻を超える規模であり、作中では(主に銀河帝国の場合)宇宙艦艇の一部が落伍して戦力が減少する、という描写が散見されるが、ヤン艦隊に関してはそれが一切見られない。正しく彼の功績である。
乗艦はアガートラムシヴァ(同盟脱出からイゼルローン合流までヒューベリオンにも搭乗、指揮をしていた)。死の直前ヤンに自分もアッテンボローに倣って本を書くと冗談口を言っていて、OVAでは直後の死を予感させる、いわゆる死亡フラグ成立を演出していた(原作ではこの台詞は死亡後の回想シーンで登場する)。なおフィッシャーに限らず、パトリチェフやイワン・コーネフなどヤンの部下にはこの演出が多い。最終階級は中将
同姓同名のスイス人ピアニストエトヴィン・フィッシャー)が存在したが、関連はない。
アニメ版の外見のモデルは、野球解説者の関根潤三

[編集] グエン・バン・ヒュー(Nguyen Van Thieu

(声:小室正幸
登場時は准将。後に少将に昇進。イゼルローン駐留機動艦隊分艦隊司令官。原作小説では、ドーリア星域の会戦において、救国軍事会議側第11艦隊を中央突破して分断する役で登場するが、アニメ版では、アムリッツァ星域会戦の後にヤンがイゼルローン要塞に赴任した様子を描いているシーンで、アッテンボローの直前のカットに登場している。帝国側で言えばビッテンフェルトに似た(原作小説の記述より)猛将タイプで攻勢に強い。
「司令官の冷静なコントロールの下でこそ絶大な破壊力を振るえるタイプ」であり、ドーリア星域では功を立てたが、ガイエスブルク要塞戦ではアラルコンと競う形でミュラーの敗残部隊を深追いするミスを犯し、救援に駆けつけたミッターマイヤーロイエンタールの待ち伏せにあって全滅してしまう。この時、敵のミッターマイヤーには力量面からヤンの部下である事を疑われ、ヤンからは退き際をわきまえず名将の条件が欠けていると酷評されるという、少々気の毒な最期となった。この追撃戦で無為に失われた艦艇は多数に上り(アニメ版ではヤンの元に『5,000隻を超える艦艇』が追撃していると言う発言がある)、ヤン艦隊の戦力を大きく減じた。
乗艦はマウリア。当初(ドーリア会戦等)のアニメ版では、他の同盟軍の戦闘艦艇と同じ深緑色に塗られていたが、ガイエスブルク要塞戦では柄の派手な塗装に変わっていた(原作小説にはマウリアの塗装に関する本件の記述はなく、アニメ上の演出に属する事項(物語的にはグエンの趣味)となっている)。
アニメ版では髪があるが、コミック版ではスキンヘッドのキャラクターとして描かれている(原作には特に描写はない)。

[編集] イワン・コーネフ(Ivan Konev

(声:鈴置洋孝
クラブエース」の称号を持ち、ポプランとコンビを組む撃墜王。イゼルローン要塞では第2空戦隊戦隊長を務めた。私生活はポプランと正反対で極めて淡泊、クロスワードパズルが趣味。温厚な性格だが、ポプランとの会話は毒舌の応酬となる(ヤンによれば「無害な化学物質でも、有害なのと化合させるとやはり有害になる」好例)。ポプランいわく「同盟で2番目の空戦の名手」(これに応じて「最高のパイロットは戦死して墓の中」だと切り返している)。弟または妹が計4人いる。バーミリオン会戦で戦死。OVA版では会戦直前のクロスワードの答えをFUNERAL(葬式)であることをポプランに明かし、死亡フラグを立てていた。ヤンの親友ボリス・コーネフとは従兄弟に当たるが、結局会うことはなかった。最終階級は中佐。なお、声優の鈴置洋孝は、(一人二役がほとんど無いことから)銀河声優伝説との異名を持つOVA版で、珍しく二人分の声(イワン・コーネフ、ルパート・ケッセルリンク)を担当している。本編より、外伝での方が出番が多い。
第二次世界大戦中のソ連軍人に同姓同名のイワン・コーネフがいるが、特に関連は無い。

[編集] ウォーレン・ヒューズ(Warren Hughes

(声:矢尾一樹[千])
大尉。「スペードのエース」の称号を持つ撃墜王。帝国領侵攻時のケンプ艦隊との戦いで戦死。道原かつみ版コミックにも登場する。妻子持ちのようで、娘が一人いることが確認されている。

[編集] サレ・アジズ・シェイクリ

(声:平野義和[千])
大尉。「ダイヤのエース」の称号を持つ撃墜王。帝国領侵攻時のケンプ艦隊との戦いで戦死。道原かつみ版コミックにも登場する。

[編集] カスパー・リンツ(Kasper Linz

(声:小杉十郎太
薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊の一員。シェーンコップイゼルローン要塞防御指揮官となり、将官に昇進した後を受けて第14代連隊長となる。連隊長就任後もシェーンコップの良き補佐役として活躍する。バーミリオン星域会戦後にメルカッツと共に落ち延びるが、その際ヤン個人への忠誠を宣言した事からキャゼルヌから「軍閥化」と皮肉られた。シヴァ会戦ではユリアン、シェーンコップ、ポプランらと共にブリュンヒルトに突入。負傷するが、とどめを刺される寸前に停戦命令が出されたため一命を取り留める。子供のころは画家志望で、スケッチブックに周囲の人物をモデルにした風刺画などの絵をよく書いている(ユリアンは「リンツ画伯の個展入場予約券ナンバー1」を貰ったが、その後実現したか否かは不明)。OVA版では、画才を生かし、ヤン艦隊及び旗下の部隊の部隊マークを、彼がデザインしていたと思しき描写がある。また、歌も上手く連隊一と言われている。最終階級は大佐。なお、OVA化に際してのリンツのデザインのモデルは佐々木小次郎であった。

[編集] ライナー・ブルームハルト(Rainer Blumhardt

(声:難波圭一
薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊の一員。のちに副連隊長。バーミリオン星域会戦後に連隊長代理となる。
回廊の戦い終結後にヤンの随員となり(OVA版では3次元チェスの腕前がヤンと同レベルのためとのパトリチェフは読んでいる)、地球教徒の襲撃からヤンを守り重傷を負い、救援にかけつけたシェーンコップらが見守る中死亡。だが、彼が逃がしたヤンも逃げ切れず死亡している。原作小説では天国でヤンのよき3次元チェスの相手になるだろうと述懐された。
上官のシェーンコップとは正反対の女性観・結婚観をもっており、女性関係にはかなり純な様子(外伝3巻)。ただし、第7次イゼルローン攻防戦においては幾分緩和されたかのような素振りを見せている(ただし外伝3巻のほうが執筆順として後になるため、女性に対して純という設定が後づけされた可能性がある)。

[編集] スーン・スール

(声:小野健一
本名(旧姓)はスーン・スールズカリッター。ビュコックの副官として登場。心臓発作で倒れたファイフェルに代わって副官となる。珍姓奇名をしばしば周囲からネタにされていたが、敬愛するビュコックから「スール」という通称で呼ばれてこれを気に入り、以後それを本名として正式に改名手続きまでしてしまう。帝国軍再侵攻の際ビュコックの命でムライ、フィッシャー、パトリチェフに同行しヤン艦隊の一員となる。皇帝ラインハルトとの会見に向かうヤンの随員となり、地球教に襲われるが随員の中で唯一生還する(彼だけでも救出できたことは、大きな慰めとなった)。ビュコック、ヤンの二人の司令官に先立たれたことを後悔し続けていた。アンドリュー・フォークとは士官学校の同期生で、彼についての印象をヤン達の死の直前に話している。
原作では3次元チェスの腕前が下手くそなトリオとして、ヤン・パトリチェフ・ブルームハルトが挙げられるが、OVA版においてはスールがこれに加わりカルテットとなっている(ヤンとラインハルトとの会見の随員として、ヤンが3次元チェスに勝てそうな相手が選ばれたと、パトリチェフから推測されている)。
なお、作者によれば、彼の名は全作品中で唯一、自分がオリジナルで創造した名前である(他の人物の名前は、国際年鑑などから拾った人名を組み合わせて命名している)。作者の夢の中に出てきた謎の人物の名であり、夢の中でこの『スールズカリッター氏』に散々追い回されたと語っている。

[編集] カーテローゼ・フォン・クロイツェル(Katerose von Kreutzer

(声:三石琴乃
シェーンコップの娘。通称カリン。髪は「薄く入れた紅茶の色」、瞳は「青紫色」の美しい少女。自由惑星同盟軍空戦隊所属。階級は伍長。帝国軍とは違い実戦部隊にまで女性が参加しているという象徴的なキャラクター。年齢は初登場時15歳、本伝終了時は17歳。
正式な配属時期は記述が無いが、バーミリオン星域会戦後に離脱したメルカッツ艦隊にいた事から、母親の死後、バーミリオン会戦直前にはヤン艦隊に配属された事が判明している。初登場は本伝第六巻「飛翔編」でユリアンに将来有望なパイロットとして紹介されるシーンにおいてである。回廊の戦いからスパルタニアンのパイロットとして参戦。初陣でワルキューレ一機撃墜、無事生還する。その後、第11次イゼルローン攻防戦にも参加したが戦果については記述がない。
ユリアンに対してはライバル心や嫉妬を向けている節があり、初対面の頃から厳しい態度を取り続けるが、次第にその態度が緩和されて行き、宇宙暦801年の新年パーティーで初めて「ユリアン」とファースト・ネームで読んでいる。このユリアンとの関係は冷戦から友達以上恋人未満という具合に物語の中で発展していき、女性パイロット仲間からは公然の仲のように見られていた(落日篇第2章の記述より)。シヴァ星域会戦後(落日篇第9章の2)、シェーンコップの死に衝撃を受けた彼女をユリアンは慰めた。このとき、「(6月1日は)彼らの父親たちが亡くなった日であり、あたらしい個人史のページが開かれた日でもあるのだった」と二人が実質的に結ばれたともとれる記述がある。
シェーンコップとの関係は一般的な親子関係とはいえなかった。当初は父親を「女なら誰でもいい人」と評していたが物語後半ではそのように厳しい評価を下すことはしなくなる。彼女はフレデリカ・グリーンヒルを敬愛しており、フレデリカに「シェーンコップ中将は『卑怯』の二文字とは縁のない人よ」と言われたことが影響していたようで、彼に対しての悪感情は後半では薄れていたようである。父親に対して冷静で居られない自分に歯がゆさを感じている描写が後半は目立つ。シェーンコップが死ぬまでに「お父さん」と呼ぶことはなかったが、彼の死に際して「わたしの産んだ赤ん坊を目の前に突きつけて、あんたの孫よ、お祖父ちゃん、と言ってやるつもりだったのに。」と間接的ではあるが初めて父親を認め、直後にユリアンの胸を借り「お父さん」と泣き崩れる。
かなり気が強く、女性の扱いに慣れないユリアンと衝突することもあり、またヤンの死後ユリアンを責める兵士に対しては、ユリアンに代わって厳しく反論する場面もあった。シェーンコップとも衝突するが、口論では結局最後まで勝てずじまいであった。母親はローザライン・エリザベート・フォン・クロイツェル。それ以外の家族については記述が無い。

[編集] バグダッシュ(Bagdash

(声:神谷明
同盟軍中佐。情報工作を主に活動していて、ドーリア会戦に先立ち、救国軍事会議(おそらくはルグランジュ中将かブロンズ中将)からヤン艦隊の攪乱、および(攪乱に失敗した場合の)ヤン暗殺を命じられ、ヤン艦隊に潜入する。しかし、作戦はシェーンコップらに見抜かれ失敗、眠らされる(原作では特殊な睡眠薬、OVAではタンクベッドの冷凍睡眠モード)。第11艦隊敗北後に目覚め、クーデターの失敗を悟りヤンの元に転向する。その経緯ゆえ、ユリアンなどからは白眼視され、シェーンコップからはきつい皮肉を度々言われている。しかし、自身で「主義主張は方便に過ぎない」と言いながらも、ヤンの下では二度と裏切りや転向はしなかった。OVA版のみの描写であるが、自分を嫌っているユリアンがフェザーンの駐在武官として赴く際には、ご親切にも餞別として情報にはベクトルが働くことを教えている。案外ヤン艦隊の面々が気に入っていたのかもしれない。ハイネセンでのヤン逮捕事件以降の活躍で地歩を固めた。イゼルローン再奪取作戦の際に、ルッツに対して偽の命令を多く流し、疑心暗鬼にさせた。図々しく悪びれないキャラという面で帝国のフェルナーと似ていると原作で表現されている(ちなみに当人同士に面識は無い)。最終階級は大佐。OVA版の石黒監督の一番のお気に入りのキャラクターである。

[編集] ラオ(Lao)

(声:亀山助清
同盟軍少佐アスターテ会戦で第2艦隊の幕僚としてヤンを補佐する(小説、コミック版)。OVA版ではその出番と役割をアッテンボローに取られてしまう。ヤン艦隊結成後はアッテンボロー分艦隊の主任参謀にまわり、物語の最後までアッテンボローを支える。ヤンやアッテンボローらと付き合ううちに苦労症になってしまったらしい。最終階級は大佐

[編集] ルイ・マシュンゴ(Louis Machengo

(声:中尾隆聖
長身の黒人。卓越した白兵戦技の腕前と上官への強い忠誠心の持ち主で、ヤンが査問会で召還された際にシェーンコップが警護役に推薦(「片手で1個小隊は片付ける」と評されている)した。また、その時の実績から、ユリアンがフェザーンに赴く際にはヤンが警護役に任じている。その後はユリアンと一緒に地球やオーディンにまで赴き、ごく自然にユリアンの護衛として家族同然に付き従っている。最期はシヴァ星域会戦時ユリアンの盾となってブリュンヒルト艦内で戦死する。OVA版では第1期の救国軍事会議によるクーデターの終結後、グリーンヒル大将とエベンス大佐の遺体を運ぶ兵士として初登場している。
「人は運命には逆らえませんから」と、運命論者めいた口癖がある(本当にそう思ってるかは不明)。ポプラン達の冗談に冷静な観点から突っ込む発言が多い。酒豪で、ポプランに「象に飲ませるようなもの」と言わせた。

[編集] ベルンハルト・フォン・シュナイダー(Bernhard von Schneider

(声:目黒裕一
帝国軍時代からのメルカッツの副官。当時の階級は少佐。帝国にいた頃は「甘いマスクのハンサム」といわれた。リップシュタット戦役の後、メルカッツに自決を思いとどまらせて亡命を勧め、自身も同盟に亡命する。メルカッツやポプランからラインハルトの旗下でも出世は出来るだろうと言われている。メルカッツが亡命によって階級が下がったのに付き合い2階級降格を申し出るが1階級降格の大尉となった。
通常はメルカッツにつきそい補佐役に徹しているが、メルカッツを護る為に、時にブラウンシュヴァイク公やヤン艦隊の面々が相手でも食ってかかろうとする姿勢を見せたり、ユリアンとの会話で銀河帝国正統政府に対して冷笑的な論評を口にするなど、激情家であり毒舌家でもある一面を披露している(ただしこれについては、ヤン艦隊で朱に交わって赤くなった部分も少なくないと見られる)。メルカッツの最期を看取った後、メルカッツの遺族にその死を報告するためにユリアンと後の再会を約束して帝国に帰国した。なお本編で最後まで旧帝国の軍服を着た軍人である。

[編集] デッシュ(Desh

(声:宮田浩徳
同盟軍准将。宇宙暦799年12月2日、ルジアーナで新規に建造されていた駆逐艦や巡航艦を率いて脱出。約半数を失いながらも途中で兵員と物資を集めながら50日をかけてエル・ファシルに到着し、ヤン艦隊に合流する(OVA版では上司のバウンスゴールに脱出の指揮を託され、苦渋の表情で上司と別れる様子が描かれている)。その後は回廊の戦いにも艦隊の一部を率いて(おそらく率いて来た艦隊の分艦隊司令になったのであろう)参加する。

[編集] マリノ(Marino

(声:荒川太郎
大佐、後に准将に昇進。ヤンが第13艦隊の司令官となった時点でのヒューベリオンの艦長。その後回廊の戦いで分艦隊を指揮、伏兵として帝国軍を苦しめる。フィッシャーの死後、その後継者的役割を担う。勇猛にして豪胆な性格であり、「生きて華麗な皇帝を、もっとも華麗に死んだ皇帝にしてやるぞっ!」など、言動の端々に伺える。ボーステック社などのゲームでは、アッテンボローには譲るものの、有能な艦隊幕僚、司令としての能力値を設定されていることが多い。分艦隊司令に転じた際の旗艦はムフウエセ(シュモクザメの様な独特のシルエットを持つ戦艦)。

[編集] ニルソン(Nilson

(声:大林隆之介
同盟軍中佐、799年に大佐に昇進。戦艦ユリシーズ艦長第4次ティアマト星域会戦の時点で、既にユリシーズの艦長を務めていた。アムリッツァ星域会戦では艦隊の9割が失われるなか生還し、その後ヤン艦隊に配属されて以降も最後の最後まで生き残り、回廊の戦い以降は乗艦が艦隊総旗艦にまでなった同盟軍でも屈指の歴戦の艦長である…のは戦歴から言っても間違いないのだが、アムリッツァ会戦での軽微だが深刻な損害トイレの排水システムが破壊、汚水が艦内を流れた)から「トイレを壊された戦艦」と評され、散々ネタにされてしまった。ゆえに後年ユリシーズのクルーはひがみっぽくなった、とも評される。ニルソン自身もクルーから「実はユリアンに惚れていた」などと冗談のネタにされたりしていた。バーミリオン会戦の後、メルカッツらと共に行方をくらませているので、一時的にも戦死、もしくは行方不明扱いになったものと思われる。ちなみに彼曰く、ユリシーズは「じゃじゃ馬で他の人にはとてもじゃないが任せられない」とか。ちなみにどうして戦艦の艦長から、より上へと昇進しなかったのかは不明。

[編集] フィールズ(Fields

(声:島田敏
戦艦ユリシーズの航法士官で中尉。冗談口をたたくのが得意(というか趣味)で、艦長のニルソンを少年愛嗜好者とネタ(無論ガセである)にしたり、イゼルローン脱出時に艦に乳児と母親を載せる事に対して、クルーを励ましたりしている。

[編集] エダ(Eda

(声:山口晃
戦艦ユリシーズ副長。階級は少佐。イゼルローンからの脱出時、赤ん坊と母親600人を乗せろという指示を艦長のニルソンに伝えた。

[編集] トダ(Toda

(声:大森章督
技術大尉。帝国領侵攻作戦の際の、ヒューベリオンの整備主任。ケンプ艦隊との交戦に出撃したポプランから機銃の照準が9-12度狂っていた事から「味方殺し」と文句を言われて反論し、殴り合いを演じた(OVA版では整備中の女性兵にポプランが声をかけており、それをトダがとがめた直後に出撃している)。KOされる寸前にシェーンコップ(OVA版ではイワン・コーネフ)が制止に入り、その場は収まったが、ポプランはそれをいささか根に持っている様子。ちなみにOVA版では技術少佐。これは原作初版ではポプランの階級は中尉(後の版ではイワン・コーネフとともに大尉に修正)であってトダは上官であったことによるスライド処置。

[編集] ゼノ(Zeno

(声:アニメ未登場)
中佐。レダIIの艦長。査問会に向うヤンフレデリカを送り届ける途中、スパルタニアンと輸送艦の人為的ミスによる事故について触れ、後方管理の不備に対して怒りと不満を述べている。

[編集] ウノ(Uno

(声:アニメ未登場)
大佐同盟軍の帝国領侵攻の時に第13艦隊の補給を担当していた士官。帝国軍の焦土作戦で物資が逼迫した為、帝国人民を自分達が養う意味をヤンに問い、「我々がルドルフにならない為さ」と返答されている。

[編集] ブラッドジョー

(声:アニメ未登場)
大佐。参謀。原作小説で、帝国軍の戦艦ブロッケンが持ってきた捕虜交換の話を相談する幹部会議に出席している。

[編集] ハムディ・アシュール

 (声:中博史
少佐。艦隊戦術オペレーターとしての手腕に優れる。799年7月16日、レザヴィグ星域にて「バーラトの和約」に基づく同盟艦船の廃棄作業に従事していたが、ヤンの意を汲んだメルカッツ麾下の「動くシャーウッドの森艦隊」の襲撃に遭遇、「専制政治に抵抗する志のある者は我々と合流されたし」との呼びかけに応じそのままシャーウッドの森艦隊に合流する。総勢4,000余名から成る志を同じくして参加した「お調子者集団」の中で最も階級が上だったこともあり、合流直後に代表者としてメルカッツと面会をする。その際、メルカッツに艦隊の行動理念とそれに基づく艦隊総司令としての資格を臆する事無く問い質し、シュナイダーから「何と理屈の多い男だ」と評された。

[編集] その他軍人

[編集] アレクサンドル・ビュコック

[編集] チュン・ウー・チェン(Trung Yu Chang

(声:大塚明夫
帝国軍のフェザーン侵攻を前後して、士官学校の教授から宇宙艦隊の副参謀長に転任した。直後に参謀長のオスマン中将が倒れたので、そのまま総参謀長となる。バーラト和約以降、総参謀長兼宇宙艦隊司令長官代理となる。最終階級は大将。妻子がおり、第二次ラグナロック作戦直前に38歳と言っていることから、宇宙暦761年生まれと思われる。
戦略家で、卓越した識見と視野をもっており、ラグナロック作戦が発動された際、「焼きたてのパンを冷蔵庫の中で固めてしまうようなもの」としてヤンをイゼルローンから呼び戻し、自由に行動させることを提案した。(アニメのみの描写であるが)ミッターマイヤーすら手こずらせたビュコックの負けない事に徹した戦いぶりについても、具体的な戦法を提案したのはチェンであり、戦術面においても優れた能力を示した。さらにはビュコックの自決も未然に防いでいる。
第二次ラグナロック作戦が発動されると、迎撃の準備をしつつ、ムライらに貴重な残存兵力5千隻あまりを託してヤンの下に送った。その後、同盟軍最後の戦いとなるマル・アデッタ星域会戦にビュコックと共に向かい、民主共和制に殉じる。
卓越した能力に対して風貌は「パン屋の2代目」とあだ名されるほど軍人に見えない(ラグナロック作戦に対する会議にサンドイッチを携え参加。周囲が奇異の目で見ているのに「湯気をあてればおいしい」と見当違いな返答をしていた)。作中ではヤンとは違った意味で軍人らしくないと表記されているが、「軍人にしては頼り無く見える」という意味ではヤンと共通している。食事のマナーはかなり悪く、ヤンも食事マナーが悪い(ヤンは「私の方がマシだろう」とユリアンに弁解するも、「あまり低いレベルで満足しないでください」とマシなことは認めつつも窘めた。)所からも、似たもの同士である事がうかがえる。
なお、ボーステック社のゲームでは同盟軍一般士官中最高の防御力を誇る(ヤン・メルカッツ等司令官クラスは除く)チュン中将としての登場であるが、彼の名は漢字で書くと「淳于 建」。中国の、後漢末期(三国時代)の武将の淳于瓊や、春秋戦国時代の学者の淳于髠と同じ苗字。チュンウー・チェンと理解されたい。

[編集] クブルスリー

(声:田中信夫
第1艦隊司令官(座乗艦は、原作・OVA・ゲームのいずれでも不明)。第1艦隊は首都警備や治安維持を任務とする艦隊で、帝国領侵攻作戦には参加しなかった。そのため、アムリッツァ星域会戦後、首脳部の総退陣にともなって統合作戦本部長となるが、アンドリュー・フォークに銃撃され負傷、その後復帰するも、トリューニヒト派の軍部支配に嫌気が射し辞任。辞任はラグナロック作戦発動を前後してだが、おかげでバーラトの和約の際、帝国軍に収監されずに済んでいる。このとき辞任していなければ当然収監されていたのは彼であった。その後の消息は不明。

[編集] ジャン・ロベール・ラップ(Jean Robert Lapp

(声:田中秀幸
ヤンの士官学校時代からの親友にして、ジェシカ婚約者。ヤン曰く「いずれは将官の器」というほどの才能の持ち主。アスターテ星域会戦時には第6艦隊参謀で、階級は少佐。各個撃破される危険性を予見し、ヤンと同じ対抗策を上官のムーア司令官に進言するも退けられる。同会戦にて上官が愚行をする度に止めようとするが、全く聞き入れられず、その愚行に巻き込まれて不慮の死を遂げる。ジェシカは彼の死をきっかけに反戦運動に身を投じることとなる。
ヤンからその能力を高く評価されていた人物だったが、病気療養のために軍務を離れていた時期があったため、アスターテ星域会戦時の彼の階級は同期のヤン(准将)や後輩のアッテンボロー(中佐)よりも低い。

[編集] アンドリュー・フォーク(Andlew Fork

(声:古谷徹
准将。同盟滅亡の原因を作った一人。学業成績こそ優秀だが非常に視野が狭く、傲慢で、極めて独善的、才能を示すのに実績ではなく空疎な弁舌を用い、その才能も極めて乏しい。士官学校を首席で卒業(スーン・スールと同期)、その後もライバルを蹴落とす事に情熱を燃やしていた。ヤンのイゼルローン要塞奪取後、栄達心から戦略的に意味の無い帝国領土への侵攻を立案、政治的ルートで上層部に持ち込む。その後の対応も稚拙を極め、ついにアムリッツァでの大敗を招くが、彼自身はビュコックに譴責されて転換性ヒステリー解離性けいれん、あるいは解離性転換障害)による発作を起して倒れ、入院加療・予備役編入となる。敗戦の責任を問われる事はなかったが精神的異常は完治せず、ついには関係の無いクブルスリーをテロにより負傷させ辞任に追い込み(これに先立って救国軍事会議に参加しており、この凶行は実は彼らに利用されての事である)、軍人としての栄達の道は完全に断たれた。
同盟完全消滅後に起きた精神病院の火事により、死亡したとみなされていたが、実は地球教により拉致されて生存しており(火事はその偽装工作によると見られる)、回廊の戦い後、ヤンに対するテロの実行者になる。実際には囮として利用されたに過ぎず、乗艦ごと吹き飛ばされ、今度こそ本当に死亡するものの、ヤン達の視線を地球教からそらす囮としては成功し、結果的にヤン暗殺が実現されてしまう。
その驕慢な性格や無能さ、同盟にもたらした数々の悪影響により、ヤン艦隊メンバーのみならず、シトレやクブルスリーも彼を痛烈に批判している。作中には他にも嫌われ者キャラは多くいるが、他の登場人物(及び読者)から悪評が集中した人物という点においては、同盟サイドでは随一である。また、オーベルシュタイントリューニヒトらと異なり、才能、人格、実績などの面において評価に値すべきものが全く存在しないため、悪役としての魅力も乏しく、ファンもほぼ絶無である。OVAで声を演じた古谷も、2008年4月8日笑っていいともに出演した際、今まで声を担当した中で一番嫌いなキャラクターとしてフォークを挙げ、思い入れが全くないと発言している。
時系列上の初登場は第6次イゼルローン攻防戦(名前のみの登場)で、その頃から既にロボスから高く買われていたようで、第6次イゼルローン攻防戦においてホーランド少将と同じ作戦を提案し、提案者がフォークだったので採用された。この作戦はラインハルトに看破されたとはいえイゼルローン要塞に打撃を与えたことから当時は多少才気があった可能性がある。

[編集] ヤマムラ(Yamamura

(声:未登場)
軍医少佐。帝国領侵攻の際にはイゼルローンに所属し、フォークビュコックの糾弾によって転換性ヒステリーを起こした際に、その病状を説明した後、「治すためにはフォークの無謀な作戦を成功させて彼を満足させる必要がある」と発言し、ビュコックに対し暗にフォークの更迭を使嗾している。
OVAには登場せず、フォークの病状についてはグリーンヒルが説明している。また、原作小説では「壮年の男」となっているが、道原かつみのコミックス版では中年女性として描かれており、台詞も単にフォークの病状を説明するのみとなっている。

[編集] ファイフェル(Pfeiffel

(声:梅津秀行
少佐ビュコックの高級副官。基本的には忠実で与えられた指示を着実にこなすタイプの部下だが、ジェシカの演説を聞いた時、或いはウォルター・アイランズとビュコックの面会後に、軍国主義的な発言が見られる(だが、これは純粋に愛国心と愚痴からの発言であったらしい)。後に中佐に昇進。帝国のラグナロック作戦への対応準備のため、徹夜続きの激務に追われる。だが、同盟艦隊がバーラト星系から出発する前日、連日の徹夜がたたり心臓発作を起こして入院。職務はスールに引き継がれた。
なお、原作ではビュコックが大将の時には少佐だったが、ビュコックが元帥になった後は少将と記述されていた。

[編集] サンドル・アラルコン

(声:大友龍三郎
少将。査問会から解放されたヤンがイゼルローン要塞に戻る時に同行した独立艦隊のひとつの司令官。指揮官としてはまずまず有能ではあったが、軍国主義的志向が強く、民間人や捕虜を殺害した嫌疑が何度もかけられており、ヤンには密かに忌避されている。ガイエスブルク要塞戦が終結した後、グエン・バン・ヒューと競う形で帝国軍の敗残部隊を追撃し、ミッターマイヤーロイエンタールの待ち伏せにあって全滅してしまう。
アニメ版では、ケンプミュラーの艦隊を挟み撃ちにして撤退させたヤンに追撃を申し入れた。別の思惑があるヤンに却下されると、ヤンの指揮能力と性格に疑問を呈している。座乗艦はマルドゥーク
なお、狂信的軍国主義者であるのにもかかわらず救国軍事会議に参加しなかったのは、幹部の1人であるエベンス大佐と個人的に不仲だったからであり、思想的にはより過激でさえあったとされる。

[編集] マリネッティ

(声:岡和男
准将。査問会から解放されたヤンがイゼルローンに戻る時に同行した独立艦隊のひとつの司令官。OVA版では、第一次ランテマリオ星域会戦に参戦。その後、マル・アデッタ星域会戦にも少将として参戦している。マル・アデッタ以降の所在についての描写は無く不明。ザーニアルよりは台詞が多い。座乗艦はロスタム。

[編集] ザーニアル

(声:菅原正志
准将。査問会から解放されたヤンがイゼルローンに戻る時に同行した独立艦隊のひとつの司令官。OVA版では、第一次ランテマリオ星域会戦に参戦。その後、マル・アデッタ星域会戦にも少将として参戦している。マル・アデッタ以降の所在についての描写は無く不明。彼も台詞が少ないキャラ(「撃てー! 撃てー!」のみ)。座乗艦はベレノス。

[編集] バウンスゴール

(声:山賀教弘
技術中将。第二次ラグナロック作戦の際、惑星ルジアーナで建造していた艦艇を脱出させ、自身は時間稼ぎのために帝国軍と戦い、戦死。彼が脱出させた艦艇の約半数は、逃走に成功した。原作ではくだりが数行書かれただけだが、OVA版ではセリフが入るなど、扱いは増えていた。技術系の将官は彼と帝国のシャフトだけが登場した。

[編集] エマーソン(Emerson

(声:檀臣幸
自由惑星同盟軍最後の宇宙艦隊総旗艦となったリオ・グランテの艦長。最後の戦いとなったマル・アデッタ会戦で最後まで司令長官に従い、ビュコック、チュンらと共に乾杯しながら散っていった。

[編集] オスマン

(声:未登場)
中将。チュン・ウー・チェンの前任の宇宙艦隊総参謀長。帝国のラグナロック作戦への対応準備中に過労のために脳出血を起こして意識不明の重体となる。そのまま更迭されるが、その後は不明。

[編集] オーブリー・コクラン(Aubley Cochrane

(声:麦人
大佐。ラグナロック作戦時のリューカス星域同盟軍補給基地司令官。バーミリオン会戦において、帝国軍のミュラー艦隊が同基地を占拠しに来た際、民用物資であることを理由に一部の部下の(実力行使を伴う)反対をおしのけ、帝国軍に一戦もせず降伏した。ミュラーはここで一戦しなかったため、バーミリオン会戦において真っ先にラインハルトの救援に駆けつけることが出来た。彼なりの信念に基づく行動であったが、結果としてコクランの判断がヤンがラインハルトを倒すきっかけを失わせる事となった。なお、ミュラーは降伏のいきさつを知り、配下にしようとしたがコクランは断り、部下とハイネセンへ帰還の許可を申し出ていた。
その後、旧部下の告発により、利敵行為をなしたとして僻地の未決囚収容所に収監されるも、その後の自由惑星同盟の混乱の中で放置されてしまった。2年後になって餓死寸前の状態でミュラーに救出され、部下となる。

[編集] ブレツェリ

(声:アニメ未登場)
大佐。シュパーラ星系の通信基地JL77の基地司令官代行。
この通信基地は機能的集約化の拠点であり、ランテマリオの星域会戦直前に帝国軍の情報を集め伝達を続けた為、脱出不可能であった。JL77の戦闘要員は2,000名であり戦闘用艦艇さえない状況であり、多大な貢献をしたこの基地に対し統合作戦本部もただ見捨てるわけにもいかず、50,000名の戦闘要員と300隻の戦闘用艦艇を派遣する連絡をした。それに対し、ブレツェリは「せっかくですが」と断った。
これは増援されれば、帝国軍は黙って通過しないだろうというのがその理由であり、その通りに帝国軍のミッターマイヤー提督は攻撃せず、基地と人員は助かった。これは後漢末期、程昱が兵七百で鄄城を守っていた時のことを引用したものである。

[編集] 作品開始時の首脳陣

[編集] シドニー・シトレ

(声:内海賢二佐藤正治[黄])
作品開始時点での統合作戦本部長、同盟軍元帥。大柄な黒人。権力中心に近いため、政局抗争を繰り広げている面はあるものの、基本的に現実的・良識的な人物で、軍内外に広く人望がある。
ヤン士官学校にいた当時の士官学校校長で、彼にとって頭が上がらない人物、かつ数少ない理解者の一人。士官学校で戦史研究科が廃止されるにあたり、反対運動を展開したヤンらに対して、戦史研究科が所有する蔵書の整理を罰として課した。これによってヤンらは蔵書がどこに行ったのか知る事ができ、実に粋な計らいであった。その他にも実績があったらしく、名校長と評されている。
第5次イゼルローン攻略戦には総司令官兼第8艦隊司令官(大将)として参加。当時のドワイト・グリーンヒル中将、アレクサンドル・ビュコック中将らを指揮し、帝国軍艦隊を並行追撃する事により、要塞に肉薄する活躍を見せる。この作戦は結果的に失敗した(帝国軍が、味方の艦艇ごと同盟軍を要塞主砲でなぎ払うという暴挙に出たため)ものの、要塞に肉薄し、ほんの少しではあるが損傷を与えたことを評価されて、少し時間をおいてから元帥に昇進したようである。
同盟軍の帝国領侵攻が失敗に終わった後、(本人は無謀な出兵に反対であったにもかかわらず)総責任者としてその責任を取る形で統合作戦本部長を辞任。退役し、故郷の惑星カッシナに帰り養蜂を営む(ただし、仮に帝国領侵攻作戦が成功したとしてもシトレは遠征軍総司令官ロボス元帥に地位を譲らざるをえないため、どちらに転がっても自分の運命は同じであった。また当時の状況から考えて、作戦が成功しても同盟の益にはならないという理由から「最小限の失敗」になる事を祈っていた)。後に帝国軍が同盟領を占領した後、グエン・キム・ホア広場での騒乱の際、帝国軍に拘禁され、ラグプール刑務所暴動に巻き込まれて負傷するも、一命は取りとめる。艦隊司令当時の旗艦ヘクトル(PS・SS版に艦名記載、短編の「黄金の翼」に艦名の記載がある)。
(以下はOVAでの設定である)ジョアン・レベロとは旧知の仲である。レベロ曰く「たまたま家が近かっただけ」だそうだが、帝国遠征が決まった際、一人「すまんな、シトレ…」とつぶやいたことから、幼馴染というのは事実であろう。彼もまた帝国軍に収監される際、ビュコックヤンに同盟の命運を託し、両名を死なせ自分が生き残ったことに対して自責の念を述べている。

[編集] ラザール・ロボス

(声:大木民夫
作品開始時点での宇宙艦隊司令長官、同盟軍元帥。帝国からの亡命者の子孫。シトレとは逆に小太りな男。シトレとは四半世紀にわたるライバル。
やや大雑把なところがあるものの優れた戦術指揮能力を持ち、40代半ばまでは前線指揮官としても後方任務でも優れた業績を挙げていた。作中でも外伝「千億の星、千億の光」での第6次イゼルローン攻防戦まで優れた指揮官として描かれている。だが、それ以降は急速に衰えを見せる(事実、第三次ティアマト会戦の直前には命令ミスをしている)。その原因についてはいろいろ噂が飛び交い、「帝国の女スパイに性病を移された」という下品なものもある。帝国領侵攻作戦では遠征軍総司令官となるがその衰えのためフォークの専横を許す。作戦の危機についてのキャゼルヌの進言も聞いているようで聞いておらず、更にビュコックが面会を求めた時には昼寝をしており、さらにその時に出してあったとんでもない命令(「敵襲以外は起こすな」)のためビュコックは彼に面会出来なかった(帝国領遠征時は副司令官は置かれておらず、グリーンヒル総参謀長には総司令官代理の権限が与えられていなかった)。そして更に戦闘が開始されると、提督の戦死、味方の降伏、通信途絶など、最悪な事態になってしまったのにも関わらず、グリーンヒル総参謀長の撤退進言まで無視し、アムリッツァに部隊集結を命じ、更なる損害を味方に与えてしまう。結局作戦は失敗し司令長官職を辞する。シトレの辞任の原因は彼の項目の記述通りだがロボスの巻き添えを食って辞めさせられたと思われても仕方ない見方で世間から見られた。その後は登場していない。
自由惑星同盟は、このアムリッツァの戦いで受けた損害で、軍事的、経済的、社会的に回復不可能なほどの大打撃を受けた。その意味ではロボス元帥も、同盟滅亡の原因を作った人物の1人といえる。

[編集] ドワイト・グリーンヒル

(声:政宗一成
同盟軍大将。作品開始時点での統合作戦本部次長兼宇宙艦隊総参謀長で、アムリッツァ会戦の敗北まで同職にあった。フレデリカの父で、落ち着いて理知的かつ紳士的な人物。ヤンの理解者の一人。軍内部の良識派として、いずれは軍の首班(=統合作戦本部長)になると目されていた。また、娘のフレデリカの様子を娘の上司であるヤンに尋ね、その働きぶりを聞き笑顔を見せるなど、一人の父親としても温かみのある人物であった。軍内部でも人望は厚かったようである。なお、シトレ大将(当時)の指揮の下で第5次イゼルローン攻略戦にも第4艦隊司令官(当時は中将)として参戦しており、作戦会議でヤンとわずかながら会話している。
大雑把なところのあるロボス元帥とは反対に、細部まで気配りのできる人物で、ロボス元帥を補佐し、第6次イゼルローン攻防戦までは同盟軍宇宙艦隊を効果的に指揮していた。しかしロボス元帥の急速な衰えと、それに伴うフォークの専横もあって、帝国領侵攻作戦は完全に失敗。その責任を取って査閲部長に左遷されたのち、ラインハルトの策を授けられたリンチの策略にはまり、救国軍事会議の議長としてクーデターの首謀者となってしまう(西南戦争西郷隆盛のように、担がれたという一面もあった様子である)。最期はクーデターの失敗が明らかになった場でリンチに射殺される。ただし、公式には自殺とされている。
なお、この殺害直前リンチに「あんたに人を見る目がなかった」と評されているが、平和集会中のスタジアムにクリスチアン大佐を派遣し、結果的に「スタジアムの惨劇」の遠因を作ってしまうなど、部下に対する評価がやや甘くなる傾向があるのは否定できない。
妻に先立たれたものの(これはOVA版のみの設定らしい)、一人娘のフレデリカを深く愛し、またフレデリカも父を慕っているなど親子関係は良好だったが、クーデター以降は和解することはなかった(和解する機会もなかった)。その後フレデリカもバーラトの和約後のヤン逮捕・拘禁を受け、当時の同盟政府に対し叛旗を翻す立場になったのは皮肉といえる。
ヤンのことを高く評価していた向きがあり、第5次イゼルローン攻略戦では幕僚として周囲から贔屓してるのではないかと言われるほどだった。ただし全面的に贔屓してたわけではなく、自分の意と合わない意見は取り入れていない。また、同攻略戦終盤に意見を求めようとしたところ、当のヤンが寝ていたということがあり、いったんは失望して幕僚から外している。第13艦隊創設時にヤンの副官に娘フレデリカを推薦したのはグリーンヒルであり、OVA版ではシトレからヤンのイゼルローン攻略戦の作戦の成否について勝算の自信がシトレよりあるとも言われている。またフレデリカが軍人を目指すきっかけになったのを自分の影響だと考えていた(実際はヤンの影響である)。
OVAのオリジナルで、妻の墓に向かってクーデターを率いるに至った心境を語り掛ける場面や、リンチに銃を向けて話すうち激昂した口調になっていく場面がある。また、田中芳樹はこの墓参りのシーンを気に入っており、知人から「世界一墓参りのシーンの多いアニメだ」と評されたと「銀河英雄伝説」読本で述べている。
PCゲーム『銀河英雄伝説IV』でも救国軍事クーデターを再現することが出来るが、人望がかなりあるようで、高確率でクーデターが成功してしまうことも。

[編集] 各艦隊司令官

[編集] パエッタ(Paeta

(声:徳丸完
アスターテ星域会戦時第2艦隊司令官で、第4次ティアマト会戦頃からアスターテ会戦時までのヤンの上官だった。アスターテ星域会戦で重傷を負い、第2艦隊の指揮権をヤンに委譲している(その後第2艦隊の生き残りは第13艦隊に編入される)。アムリッツァ会戦後の再編時、クブルスリーの統合作戦本部長就任に伴い空位となった第1艦隊司令官に就任。第一次ランテマリオ会戦にビュコックの指揮の下で参加する。これが彼にとって最後の戦いとなり、戦後退役する(いつ退役したかは不明)。同盟消滅後、オーベルシュタイン「オーベルシュタインの草刈り」により逮捕されラグプール刑務所に収監された。その後、同刑務所の暴動で命を落とす。第2艦隊時代の座乗艦はパトロクロス(第1艦隊時代も、同じだと推定される)。
トリューニヒトの覚えがめでたい司令官で、勝てる戦いのはずのアスターテ会戦で彼の艦隊が出撃することが選ばれた(劇場版第2作の設定)。
部下の進言を聞かない独断専行型の提督であり、当然ながらヤンの進言もかなり却下されている。アスターテ会戦において自身が負傷した際、艦橋で無事な将校の中で階級が最上位であるという理由から、指揮権をヤンに移譲している。そのためヤンの能力は高く買っていないと思われる(本来なら別の艦にいる副司令官に指揮権を委譲すべきであり、この描写は疑問がある。ただし既に副司令官の艦は沈んでいたと考えれば辻褄はあう)。一応は「用兵家としての手腕に期待して(いる)」と言ってはいたが、その発言が真意なのかヤンは疑問視していた。艦隊司令官としての能力はある程度有していたようで惑星レグニッツァ上空の戦いではラインハルト艦隊を相手に、ヤンを感心させる用兵を行った(ただし劇場版第1作においては、体当たり攻撃という愚かな命令を下してヤンを呆れさせ、正反対の描写となっている)。ランテマリオ会戦まで第一艦隊司令官であったことを考えると、軍人としてある程度の評価はあったようだが、トリューニヒトに取り入っていた事、この当時の同盟軍は人材が枯渇してたという事情もある。
劇場版第1作では惑星レグニッツァ上空の戦い第4次ティアマト会戦においてヤンに救われたため、パエッタはヤンの能力を認める事になった。そのため、その続編となるOVA版においては、ヤンの進言を却下するにあたって、いささか描写が苦しくなっている。

[編集] ルフェーブル

(声:今西正男
帝国領侵攻作戦時第3艦隊司令官。アムリッツァ星域会戦の前哨戦の一つであるレーシング星域の戦いにてワーレン艦隊と交戦中、護衛の戦艦が被弾し、その艦と盾にしていた小惑星の間に座乗艦が挟まれて沈没、戦死した。OVAでも出番や台詞は少ない。座乗艦はク・ホリン
ゲームにより、その能力にばらつきがあり、有能であったり、無能とはいわないがパエッタや、ホーウッドらに多少劣る能力数値であることがある。

[編集] パストーレ

(声:佐藤正治[1]、石井康嗣[新])
アスターテ星域会戦時第4艦隊司令官。同会戦の緒戦、ラインハルトに急襲され乗艦が被弾し艦外に投げ出され戦死。友人のパエッタからすれば百戦錬磨の猛将だった。が、忠誠心の無い幕僚を抱えるラインハルト軍に対し、寡兵とは言え正面からぶつかりあってるのにも関わらず、あっさりと壊滅させられているところをみると、少なくとも戦術的に有能とは言い難い様だ。座乗艦はレオニダス。第11艦隊旗艦のレオニダスIIと同型艦。第4艦隊の残存艦はフィッシャーによって戦場を離脱した。(以下は劇場版第2作の設定)トリューニヒトの覚えがめでたい司令官で、勝てる戦いのはずのアスターテ会戦で彼の艦隊が出撃することが選ばれた。

[編集] ムーア(Moore

(声:平野正人
アスターテ星域会戦時第6艦隊司令官。ラップから各個撃破の危険性を警告されたにも関わらず聞き入れず、ラインハルトから側背を急襲をされ、更に攻撃に晒されながら敵前回頭するという愚行を侵し、艦隊はほぼ全滅させられ、無能ぶりを曝け出す。ただ軍人としては人格とプライドはそれなりにあったようで、降伏を勧告されるも「無能ではあっても卑怯者にはなれない」と、それを拒否して撃沈されている。OVA版では原作小説のこのわずかな描写すらカットされ、あっさりと回頭中に旗艦を撃沈され、扱いが酷くなっている。劇場版『新たなる戦い』において降伏拒否の描写は復活するが、むしろ頑迷ゆえの降伏拒否という形であり、より扱いが酷くなっている。座乗艦はペルガモン。(以下は劇場版第2作の設定)トリューニヒトの覚えがめでたい司令官で、勝てる戦いのはずのアスターテ会戦で彼の艦隊が出撃することが選ばれた。

[編集] ホーウッド

(声:小川真司
帝国領侵攻作戦時第7艦隊司令官。占領した惑星系で住民の暴動に手を焼く。OVAでは、部下のヴァーリモント少尉(OVAオリジナルキャラ)に食糧問題解決を指示するなど、出番が増えている。アムリッツァ星域会戦が始まる前にドヴェルグ星域にてキルヒアイスに降伏。座乗艦はケツァル・コァトル

[編集] アップルトン(Appleton

(声:石森達幸
帝国領侵攻作戦時第8艦隊司令官。アムリッツァ星域会戦の前哨戦にてメックリンガー艦隊に攻撃されるも、3割の損害でアムリッツァ星域まで撤退させ、同星域会戦にヤン、ビュコックらとともに参戦した。しかしビッテンフェルト艦隊に側面を突かれ、艦隊は壊滅、乗艦と運命を供にした。座乗艦はクリシュナ。第8艦隊で幸運にも生き残った戦艦が、後にヤンの旗艦となるユリシーズである。

[編集] アル・サレム(Al Salem

(声:北川米彦
帝国領侵攻作戦時第9艦隊司令官。アムリッツァ星域会戦の前哨戦にてミッターマイヤー(疾風ウォルフ)艦隊に急襲され、その時に重傷。指揮権をライオネル・モートンに委譲した。座乗艦はパラミデュース

[編集] ウランフ(Uranff

(声:大林隆之介
帝国領侵攻作戦時第10艦隊司令官。古代騎馬民族の血を引く勇将で、市民にも人気があった。姓はなく、これがフルネームである。アムリッツァ星域会戦の前哨戦で同じ猛将タイプのビッテンフェルトと惑星リューゲン軌道上で激突する。数と士気で勝るビッテンフェルト艦隊に同レベルの損害を与え、中央突破による脱出を成功させるも、殿(しんがり)となった自らの乗艦を撃沈され戦死。ビュコックとともに、帝国への「大侵攻」の危険性を作戦初期から察知したヤンの数少ない理解者であった。ヤンもビュコックに次ぐ信頼を彼に寄せており、後に彼が生きていればもっと楽ができた、とその死を惜しんだ。実際、ボーステック社のゲームではあらゆる能力が非常に高い水準で設定されており、(ヤンを別格とすれば)ビュコックと並んで同盟軍トップクラスの指揮官となっている。なお、生き残った彼の配下の提督らはその後ヤン艦隊に編入されている(原作小説・漫画版ではこの時アッテンボローがヤンの部下になっている)。座乗艦は盤古

[編集] ボロディン(Borodin

(声:池田勝
帝国領侵攻作戦時第12艦隊司令官。本編ではほとんど出番がなく、むしろ外伝で活躍する。アムリッツァ星域会戦の前哨戦の一つ、ボルソルン星系での戦いでルッツ艦隊と交戦。旗艦以下護衛艦8隻に討ち減らされるまで抵抗し、自決。ウランフと並びヤンやビュコックにその能力を惜しまれた人物であった。
ゲームでは、ビュコック、ウランフに並ぶ、極めて能力の高い指揮官として設定されており、ビュコックからの信頼も厚い。このことからもアムリッツァ会戦において、いかに同盟が人材を失ったかが表されているだろう。座乗艦はペルーン

[編集] ライオネル・モートン

(声:大木正司
アムリッツァ星域会戦時、第9艦隊副司令官(少将)。重傷を負った司令官から指揮権を委ねられ全面崩壊を防いだ。ガイエスブルグ要塞との攻防戦で救援としてヤンに率いられてイゼルローン回廊に赴いている。前線指揮官として有能な人材であり、その能力はヤンも認めていた。しかし士官学校を卒業しておらず、本人もそれを過剰に意識していた。ランテマリオ星域会戦に先立ち、新設の第14艦隊司令官に任じられ中将に昇進し、ビュコックらと共に迎撃にあたる。バーミリオン星域会戦でミュラーの猛攻を受け戦死する。座乗艦はアキレウス

[編集] ラルフ・カールセン

(声:新井量大
豪胆な偉丈夫で勇将として知られる。ランテマリオ星域会戦に先立ち新設の第15艦隊司令官に任じられ、ビュコックらと共に迎撃にあたる。バーミリオン星域会戦にも参加する。戦後も同盟軍に残り最後の戦いとなったマル・アデッタ星域会戦にも参加、別働隊を率いて小惑星帯に潜み、伏兵となってファ-レンハイトを攻撃、さらには鉄壁ミュラーの堅陣をも突破し、ラインハルト本陣に迫るが、衆寡敵せず戦死する。座乗艦はディオメデス。ヤンからは有能な指揮官と評されるが、OVA版では士官学校を出ておらず、同盟末期のような状況でなければ艦隊司令官までは出世できなかっただろう、と自らを述べている。
カールセンが士官学校に在籍しているかについてはメディアによって見解が違っており、OVA版ではカールセンの死の間際の台詞で士官学校にいけなかったことが述べられている。小説版では1997年刊行「銀河英雄伝説」読本収録の「外伝ダゴン星域会戦記」においてカールセンが士官学校に在籍していたことが記述されているが、2009年に刊行された創元SF文庫版「銀河英雄伝説外伝 5 黄金の翼」収録の同作品ではカールセンの名前が削除されている。

[編集] トリューニヒト派軍人

[編集] ドーソン

(声:島田彰
アッテンボローの士官学校時代の教官。その後は憲兵隊司令官、国防委員会情報部長、第一艦隊後方主任参謀を務める(順序不明)。救国軍事会議によるクーデターの直前は統合作戦本部次長。フォークのテロによって負傷したクブルスリー統合作戦本部長の代行に就任。この時点での地位は大将。クーデター終結後にいったんは次長に戻るが、後日クブルスリーが引退した為に正式に本部長となる。ラグナロック作戦の終盤で元帥となった。ラインハルトとヤンによる面談の内容から、ハイネセンが占領された時に帝国軍に収監された事が判明しているが、その後の消息は記述が無い。
性格は「小心で神経質な小役人タイプ。陰気。私怨を忘れない。統合作戦本部長になれたのは実力ではなく一部政治家とのコネによる」と評されており、実際にラグナロック作戦でフェザーンが帝国軍に占領された後は、職務を停滞させている。後方主任参謀時代、ゴミ箱を覗き込んでチェックを入れ、じゃがいもの廃棄する部分が多いと小言を言い、周囲をうんざりさせ、アッテンボローからは「じゃがいも士官」と陰口を叩かれていた。救国軍事会議メンバーからも「大将に昇進した事さえおかしい程度の男」と評されていた。
なお、ファン及び一部の研究者から「小心で神経質な小役人タイプ」「大した人望も軍功もないにもかかわらず、軍最上層部に立つ」そして「私怨を忘れない」という事柄から、東條英機を連想するという主張が提示される場合がある。公式にはそれに類するコメントは存在しないが、前述の「じゃがいも士官」のエピソードは、同じくゴミ箱を覗き込んで国民が贅沢していないかチェックをしていたという、東條英機の逸話(ゴシップ)を彷彿とさせる話である。

[編集] ロックウェル

(声:江原正士
後方勤務本部長だったころ、ヤンを非合法に指弾する査問会に登場。バーラトの和約以後は、帝国軍に収監されたドーソン元帥の後任として統合作戦本部長となる。その直後の7月に発生したヤンの逮捕とレベロの拉致に際してヤンの殺害を密かに命じたが、シェーンコップ達に阻止され、さらに部下のキャゼルヌにも(昇進を餌に引き止めたものの)去られるに至った。マル・アデッタ星域会戦で同盟軍の残存兵力が消滅したあと、保身を謀ってレベロを暗殺し、その「功」を以ってラインハルトに助命嘆願するが、ラインハルトはその卑劣さに激怒し、たまたま同席していて、変節者として同類呼ばわりされ、やはり怒り心頭に発したファーレンハイト(作品内の記述にもある通り、ファーレンハイトはロックウェルの様に上官を殺害したり味方を裏切ったわけではない)に始末をまかせた。

[編集] ベイ

(声:池田勝
大佐。表向きは救国軍事会議の賛同者として参加していたが、実はトリューニヒトに情報を漏らしていたスパイ。その為ベイはクーデターによる逮捕を免れている。クーデターが終結した後、この功績によって准将に昇進した(原作の一部などに、少将に昇進したという記述ミスがある)。ヤンが査問会に呼び出された時にはヤンを宙港でフレデリカとマシュンゴから引き離し、宿泊施設(軟禁場所)に連れて行く役を担当した。

[編集] 救国軍事会議のメンバー

[編集] エベンス

(声:池水通洋
大佐。ブロンズとルグランジュより階級が下だったが(2人は中将)、救国軍事会議の事実上のナンバー2だった。グリーンヒルとリンチの死後にヤンに通信を送っている。その時、ヤンから自分達のやった事を痛烈に非難され反論できなかったが、それでも自分達が正しいと頑なに主張した。ヤンとの通信が終わった後に自決。なお、同盟軍の軍隊至上主義者であるアラルコン少将が救国軍事会議に参加しなかったのは、このエベンス大佐と個人的に反目していたからである。

[編集] ブロンズ

(声:水鳥鉄夫
中将。同盟軍情報部部長。自らの地位を利用し、クーデター派の暗躍に関する情報を全て握りつぶしていた。道原かつみのコミック版では救国軍事会議の降伏後、高官代表として裁判にかかることを選択する。

[編集] ルグランジュ

(声:嶋俊介
中将。アムリッツァ星域会戦時第11艦隊司令官。第3次ティアマト会戦で戦死したホーランド中将の後任として第11艦隊司令官に就任し、壊滅した艦隊を再編成した。帝国領土への「大侵攻」には加わらなかったが、その後の救国軍事会議のクーデターにクーデター側として参加。その為、内戦でヤン艦隊と同盟軍同士の戦いをすることになった。ヤン艦隊との戦いでは、ヤンの元に工作員としてバグダッシュを送り込み、偽の情報でヤン艦隊を混乱させようとする。バグダッシュには、情報操作に失敗した場合、ヤンを暗殺する命令も出されていた。だが、バグダッシュは任務に失敗し、逆に第11艦隊が情報操作を逆手にとられて奇襲を受けてしまう。戦闘では、部隊を分断されつつも粘り強く戦うが破れ、彼自身は自決。艦隊は全滅し、同盟軍に残る貴重な機動戦力を消耗させてしまった。艦隊指揮官としては有能な(少なくとも無能ではない)人物だったが、ヤンを相手にするには力不足であった。旗艦はレオニダスII(原作では、第4艦隊旗艦と同じレオニダスと記述されていた)。

[編集] クリスチアン

(声:曽我部和恭
大佐。救国軍事会議のメンバーの一人。宇宙暦797年6月22日、ハイネセン記念スタジアムで開かれた無許可の市民集会に3,000人の武装兵を従えて突入し、いわゆる「スタジアムの虐殺」を引き起こした。ジェシカ・エドワーズを撲殺した後、怒り狂って暴徒と化した市民の暴走に巻き込まれて踏み殺される。OVA版では、グリーンヒル大将の「くれぐれも穏便に」という言葉を見事に裏切った。

[編集] アーサー・リンチ(Arthur Lynch

(声:広瀬正志
元・少将。ヤンを有名にした「エル・ファシル事件」において、民間人を置いて艦隊だけ脱出しようとしたが、帝国軍に包囲され降伏捕虜となる。この醜聞のために捕虜収容所内でも相当に肩身の狭い思いを強いられていた。また、彼より後に捕虜となった者から、妻子は住んでいた官舎から出て籍を抜いてしまったという噂を耳にしている。それらのことから、酒に溺れる自堕落な生活を送っていた。その後、帝国と同盟での捕虜交換の機会においてラインハルトの走狗となり同盟内で救国軍事会議のクーデターを起す。救国軍事会議の中にあっても酒瓶を手放さず、その態度は会議のメンバーからも白眼視されていた事は想像に難く無いが、グリーンヒルがかばっていたようである。クーデターの失敗が決定的になると、その唯一の理解者だったグリーンヒルを射殺し、自らも葬られた。
「エル・ファシル事件」前までは、前線でも後方でも一定以上の実績を挙げており評価も高かった。その事を覚えており、名誉挽回の機会を与えようと考えていたグリーンヒルは、リンチがラインハルトの走狗だった事実を知り、当然の事ながら激怒した。しかしリンチは冷然と、彼に見る目が無かっただけだ、と言い放ち、逆にグリーンヒルを返り討ちにした。

[編集] ストークス

(声:岸野幸正[21])
少将。第11艦隊副司令官。OVAオリジナルキャラ。救国軍事会議メンバーだが、本心から参加したか、たまたま第11艦隊の副司令官だったから参加したかどうかは不明。上官のルグランジュ中将と共にヤン艦隊と戦った。第11艦隊の作戦が失敗し、逆に奇襲を受けて艦隊が分断された際に、ルグランジュ中将が指揮を執れなくなった(中将と連絡が取れなくなった)前衛部隊を指揮した。前衛部隊の戦力で本隊を援護しようとするが、アッテンボロー准将の時間稼ぎ戦法に手こずらされ、本隊を援護することはできなかった。その後、第11艦隊本隊を壊滅させたヤン艦隊の各個撃破にあい、戦死したものと思われる。座乗艦はアバイ・ゲセル。

[編集] 外伝

[編集] オットー・フランク・フォン・ヴァーンシャッフェ

(声:仲野裕[千])
大佐。ローゼンリッターの第12代連隊長で、シェーンコップ達の上官。第11代連隊長リューネブルクが帝国へ逆亡命した後を受けて隊長に就任した。ヴァンフリート4=2の後方基地でセレブレッゼの命令により偵察に赴いたが、途中で装甲車が故障して動けなくなり、後から来たシェーンコップの提案によって基地に帰還する途中、リューネブルク率いる帝国軍の陸戦隊に急襲され重症を負う。戦場からは脱出し、基地に到着して手術を受けるが、既に体力が落ちていた為、手術中に死亡した。
元々は有能な軍人で人望もあったが、連隊長に就任してからはその利点が失われた。シェーンコップは、地位の向上と権限の拡大に耐えるだけの精神的な骨格が不足していたと評している。

[編集] バーナビー・コステア

(声:坂下光一郎[螺])
大佐惑星エコニアにある捕虜収容所の所長。当時59歳。一兵卒からの叩き上げであり、第二次ティアマト会戦ではフレデリック・ジャスパー艦隊に所属していた。初対面の時ヤンが受けた印象は「ややかたくるしい(原作小説)」と「思ったよりも偉ぶらない(アニメ)」というものだった。長年に渡って公金横領していたが、ヤンがそれを調査に来たと勘違いして謀殺を画策、ヤンが赴任した夜に捕虜の脱走/立てこもり事件を引き起こす。事件の調査に来たムライに公金横領の罪で逮捕され、収容所の管理責任と合わせて軍法会議にかけられることになった。

[編集] ジェニングス

中佐惑星エコニアにある捕虜収容所の副所長。当時36歳。官僚的な能力では一兵卒からの叩き上げであるコステア所長を上回っており、それがゆえに所長との仲はあまり良くない。当人の主観では勤勉と義務感から、所長の偏見では不眠症であるがため、深夜3時の巡回を毎日欠かさない。

[編集] チャン・タオ

(声:たてかべ和也[螺])
一等兵。惑星エコニアにある捕虜収容所でのヤンの従卒。従卒ひとすじ35年のベテランで、ウォリス・ウォーリックの従卒を務めた経験がある。

[編集] ザンバーグ

(声:稲田徹[千])
少佐。ヴァンフリート4=2の後方基地でセレブレッゼの副官を担当している。

[編集] シンクレア・セレブレッゼ

(声:朝戸鉄也[千])
中将。後方勤務のスペシャリストだが、戦闘指揮能力は皆無に等しい。ヴァンフリートの会戦時に、戦場とならないと思われた衛星ヴァンフリート4=2の基地にいたところ、帝国軍首脳部に邪魔者扱いされたグリンメルスハウゼン艦隊が来襲(ただしグリンメルスハウゼン艦隊は最初立ち寄るつもりだっただけで同盟軍の基地があることはしらなかった)。陸戦の最中、ラインハルトキルヒアイスによって捕虜となる。この功績によってラインハルトは少将に昇進、また、同盟でも後方担当の専門家が抜けた為、キャゼルヌの昇進が早まったと考えられる。シェーンコップを将来クーデターも起こしかねない反骨心のある人物と評している。

[編集] カール・フォン・デア・デッケン

(声:西凛太郎
薔薇の騎士(ローゼンリッター)の一員。ローゼンリッターがヴァンフリート4=2に配属されていた時、当時副連隊長だったシェーンコップ、リンツ、ブルームハルトと共に「薔薇の騎士の最強カルテット」と言われた。巨体と温和な性格、そして帝国亡命者(ドイツ系)の子弟とは思えない容貌の持ち主(アニメ版)。帝国軍の襲撃時に元連隊長のリューネブルクと鉢合わせになり、「リューネブルクには手を出すな」というシェーンコップの命令に背き、怒りに任せてリューネブルクに闘いを挑み、敗死する。

[編集] ヴァレリー・リン・フィッツシモンズ

(声:土井美加
ヴァンフリート4=2のオペレーターの女性兵士。階級は中尉シェーンコップの当時の愛人だった。離婚暦がある。帝国軍の基地襲撃時に戦死する(27歳)。その後の様子から、彼女の死はシェーンコップにとって大きな損失だったと思われる。作中で名前が挙げられる唯一の女性戦死者でもある。
OVAでは、シェーンコップとの強烈なベッドシーンがある。作者の田中芳樹は、執筆作品においてこの種の具体的な描写をしないタイプの作家であり、本作の原作小説に於いても、このシーンには具体的な描写は存在しない。なお、シェーンコップ役の羽佐間は後に「すごいシーンだった」と語っていたと伝えられている。

[編集] ウィレム・ホーランド

(声:堀川仁[千])
第6次イゼルローン攻防戦に少将として参加。要塞攻略作戦計画を提案して(同じ作戦をロボスの覚えがめでたいフォークも提案していたため)採用された。作戦自体はラインハルトに看破され失敗するが、その後の活躍により名誉を回復。戦闘後に中将に昇進し、第11艦隊の司令官に就任する。その後の第3次ティアマト会戦では、同僚のビュコックやウランフの制止を振り切って独断で前線を縦横に移動し、4時間に渡って戦場を支配する。だが、攻勢の限界点を迎えて「息切れ」し、全艦隊が立ち往生した所で待機していたラインハルトの艦隊から斉射三連を2度受け、旗艦もろとも四散した(32歳)。ビュコックからは「擬似天才」、ラインハルトからは「理論を無視する事が奇策だと思っているような低能」と評された。自信過剰(自分の事をアッシュビーの再来と妄想していた)のため、身を滅ぼしたといえる人物。OVA版ではさらに調子に乗り、「リン・パオもアッシュビーも守っただけ。俺はオーディンまで攻めてやる」とまで放言していた。座乗艦はエピメテウス(ギリシャ神話に登場する巨人プロメテウスの弟。意味が「後知恵」「後悔する者」であるのは運命の皮肉のなせる業か)。

[編集] ミンツ

(声:なし[螺])
大尉。宇宙暦788年10月2日、無役のヤンがキャゼルヌの執務室に呼び出された時、ブルース・アッシュビー謀殺疑惑に関する資料を持ってきた士官。年齢は30代半ばで、髪の色は亜麻色。物語の流れから、ユリアンの父親ではないかと推察される(ユリアンをヤンに斡旋したのはキャゼルヌであり、彼の関係者である事は十分考えられる。なお道原かつみによるコミックス版では、明確にユリアンの実父であると描写されている)。ファーストネームは不明。
なお、原作小説第1巻では、ユリアンが12歳の時に死んだ父親は宇宙艦隊の大尉で、ヤン以上の茶道楽であり、息子に紅茶の種類や淹れ方の極意を伝授したとされている。

[編集] ラムゼイ・ワーツ

(声:菅原淳一[千])
少将。第6次イゼルローン攻防戦の前哨戦に分艦隊司令官として参加。アニメ版では、命令系統は実質的に主客転倒して、参謀長のマルコム・ワイドボーン(後述)が提案する作戦指示をそのまま繰り返すだけ、という様子が描かれている。同会戦でラインハルト艦隊により艦隊中央を突破された挙句指揮下の兵力のほぼ全てを殲滅されるという完敗を喫し、戦死。参謀長のワイドボーンもこのとき戦死している。

[編集] マルコム・ワイドボーン

(声:関智一[螺][千])
ヤンの士官学校での同期生。学年首席で10年来の秀才と称されていたが、戦略戦術シミュレーションでは戦術思考の硬直性(補給を軽視し兵站線の確保を怠った)からヤンに完敗した。しかし、負けた事に納得できずヤンを罵り反論したが、その後のヤンの転科から結局は彼の意見は受け入れられなかった模様。人柄は「他人の欠点や失敗をえぐるような一面がある」とヤンに論評されていた。第6次イゼルローン攻防戦で、ラムゼイ・ワーツ少将の分艦隊の参謀長大佐)を務めていたが、ラインハルトの艦隊に攻撃され戦死した(27歳)。死後、少将に2階級特進。「2人の銀河英雄伝説主人公双方に負けた男」

[編集] サックス

(原作 外伝2)
少将。宇宙暦797年の捕虜交換の際、帝国軍がイゼルローンへ運んできた捕虜をハイネセンへ送還するため、臨時に編成された輸送船団の指揮官。部隊の序列や自身及び他者の指揮権限の行使に厳格な一方、重要な任務(航法)を部下に丸投げして政治家との交流を図る、銀英伝に登場する典型的な「小物」として描かれている。

[編集] イヴリン・ドールトン

(原作 外伝2)
大尉。797年の捕虜交換の際ハイネセンに帰還するための船団でヤン達と同じ船に乗った船団航法士。フレデリカ・グリーンヒルと同室だった。なかなかの美貌の持ち主のようで、オリビエ・ポプラン曰く「唇が薄ければ完璧」。捕虜の中にかつて自分をだました元恋人の姿を認めて逆上。航法データを改ざんして200万人の捕虜もろとも自殺しようとした。あわや恒星突入と言う段階になってヤンが一計を案じ、無人のシャトルをとばして恋人がシャトルで逃げた事を伝えたため、シャトルを撃沈してピストル自殺した。死後、フレデリカによって死化粧を施され、宇宙葬にされた。

[編集] ラン・ホー

(原作 外伝2)
少佐。惑星ハイネセンからイゼルローン要塞に戻る際に搭乗した新造駆逐艦『カルデア66号』の艦長。やや胆力にかけるが善良な人物。予定通りにイゼルローンに到着し、ヤンから『名艦長』と賞された。その後は乗艦ごと要塞に留まり哨戒や巡視の任に就いた。

[編集] 政治家・官僚

[編集] ヨブ・トリューニヒト

[編集] ロイヤル・サンフォード

(声:阪脩[12])
帝国領侵攻作戦時の同盟国家元首最高評議会議長。政界の権力争いの中で漁夫の利を得て最高評議会議長になったとされ、「誰からも選ばれなかった」と揶揄されるほどだった。政権の支持率低下を打開し、おそらくは来たる選挙も見据えて帝国領侵攻作戦を提唱した、政治的には最も安易で無能とされる政策を執った人物。作戦立案者であるフォークは私的ルートを通してこの話をサンフォードに持ち込んだとされる。作戦失敗後責任を取って辞任し、抜群の嗅覚で作戦案に反対したトリューニヒト政権の誕生につながった。
声を担当した阪脩フリードリヒ4世役でもある。従って阪氏は作品開始時の両陣営の最高権力者を演じた事になる。

[編集] コーネリア・ウィンザー

(声:松島みのり[12])
帝国領侵攻作戦時の同盟最高評議会議員の一人で、情報交通委員長。優雅で知的な美しさと音楽的な響きのある声を持つ魅力的な女性であり、最高評議会で唯一の女性評議員(コミック版ではホアン・ルイも女性)。前任者が汚職によって辞任したことで評議員の座を射止めた。しかし、就任から一週間後の最高評議会でサンフォード議長の提唱した帝国領侵攻作戦を強烈に支持。その後、作戦失敗の責任を取って辞任する。自己陶酔気味の性格で、辞任の時に犠牲の多さの責任を問われ、同盟の全市民が死んでも行うべき崇高な義務があると発言してレベロらに非難される。同盟滅亡の遠因を作った1人である。

[編集] ジョアン・レベロ

(声:家弓家正
同盟の最高評議会議員の一人で、作品開始時点で財政委員長。帝国領侵攻作戦の議題でホアン・ルイトリューニヒトと共に出兵に反対する(ただしホアンと彼は本心からだが、トリューニヒトは自らの打算のため)。ラグナロック作戦により同盟が帝国に敗北した後、トリューニヒトの後任として最高評議会議長となる。
同盟の腐敗に心を痛めているが、若い頃は彼もその腐敗の誘惑に身を任せていた。だが決して悪人ではなく、相応の政治能力もあり、ヤンと協力すれば最高の組み合わせであろうと言われていたが、実現することはなかった。
敗戦前においては有能な政治家であったが、敗戦後という混乱期を乗り切っていくタイプの人物ではなかったとされ、同盟の存続のみに固執する言動をとり、視野の狭さを露呈する。結果として帝国弁務官レンネンカンプの干渉に抗しきれず、自分に似合わない権謀に手を染めてしまった。彼が以前より、ヤンルドルフのようになってしまうのではないか、という強迫観念を有していたのも原因と考えられる。平和な時代であれば、その能力を十分に発揮できた「平時の人材」であるとされる(原作において、「平時の人材」が「有事の人材」に劣るという意味ではないことが、繰り返し強調されている)。
OVA版ではレンネンカンプ誘拐後、一気に心身とも憔悴しきった様子が描写されているが、後述の通り、最期においてはその様子を一切見せなかった。
最期は第2次ラグナロク作戦の際、自己保身を図ったロックウェルら軍部に射殺された。自分が歴史上の悪役になった、と自覚しており、己の最期もヤンを謀殺しようとした報い、と自業自得として受け入れ、その態度にロックウェルたちは圧倒されていた。ヤンはレベロの謀殺という手段を受け入れずに叛旗を翻してしまったが、それがレベロの私利私欲でなくあくまで同盟存続の為の行動であった、とそのような立場に追い込まれたことに対して同情はしていた。作中における「後世の歴史家」の評判も悪くはなく、逆に「レベロを捨ててロムスキー医師の下に走った」ヤンを非難する者すら存在する。

[編集] ホアン・ルイ

(声:肝付兼太
トリューニヒトレベロと同じく同盟の最高評議会議員の一人で、作品開始時点で人的資源委員長。レベロとは友人関係。帝国領侵攻の議題でレベロ、トリューニヒトと共に出兵に反対する(ただしレベロと彼は本心からだが、トリューニヒトは自らの打算のため)。その後ヤンの査問会に参加するが間接、あるいは直接的にヤンを弁護している。ラグナロック作戦での同盟の敗北後、同盟存続を優先させようとするレベロと意見が合わず(ヤンの処遇など)、ヤン脱出後に彼との面会を試みるが拒否され、長年の同志だったレベロと事実上絶交してしまった。そのまま引退したが、のちにオーベルシュタインによって旧同盟の主要人物として逮捕、ラグプール刑務所に収容された。その後起こったラグプール刑務所の暴動でどうなったかは言及されておらず、その後の消息は不明となっている(ちなみにオリベイラパエッタは死亡し、ムライシトレは負傷しながらも助かっている)。
道原かつみのコミック版では、ルビンスキー(ルビンスカヤ)と共に女性にされている。

[編集] ジェシカ・エドワーズ(Jessica Edwards

(声:小山茉美
ヤンと彼の親友であるラップにとってマドンナ的存在だった女性。アスターテ会戦の戦没慰霊祭で、トリューニヒト国防委員長を糾弾、命を憂国騎士団に狙われるが危ういところをヤンに助けられる。もとは学校で音楽教師をしていた。ラップと婚約するものの彼が戦死し、それがきっかけで反戦運動に身を投じる。テルヌーゼンの補欠選挙に立候補し議員となる。以来、反戦政治家の急先鋒として活動する。
救国軍事会議のクーデターの際、ハイネセンスタジアムで平和集会を開くが、乱入してきたクリスチアン大佐に顔面を銃のグリップで滅多打ちにされて死亡するという悲惨な最期を遂げた。またこの時、救国軍事会議は集会の参加者2万人以上を殺しており、市民から見放された(スタジアムの虐殺)。
アニメ版での描写では、第4次ティアマト会戦からヤンが帰還した頃までは、ヤンとラップとの間で心が揺らいでいる様子が描かれていた。結局は彼女に積極的にアプローチをかけたラップと婚約したが、その直後のアスターテ星域会戦でラップが戦死し、婚前未亡人となる。劇場版アニメ第2作ではこの関係が詳細に描かれており、ヤンの目の前でラップにプロポーズされたジェシカがヤンの表情を見てから受諾したり、その直後のチーク・ダンスではヤンの胸で泣き崩れたり、アスターテ星域会戦に向う二人に最後に声をかける時はラップよりヤンの名前を先に呼ぶなど、随所にその心情を描いたシーンが存在する。
一方原作小説(外伝4巻)の描写では、士官学校卒業直後の頃から、ラップとジェシカは恋仲になっているように思われる。ジェシカはヤンに対し「私もあなたの親友のつもりよ」と言いそれに対してヤンは、おそらくジェシカに恋心を抱いていたのであろうか、返答に窮している。
なお、原作小説(外伝2巻)の描写では、 ラップ死後において、ジェシカとヤンの間には一度「おとなどうしの話」があったと思われる(ユリアンの推測)。OVA版においてはヤンがラップのために身を引いた事がわかり、ジェシカとヤンが関係を作る(唇を重ねる)寸前までいったのだが、この時は妨害(憂国騎士団のテロ)が入った。
死後、ハイネセンスタジアム前には彼女の銅像が建てられている。ただし、当時の政治状況を考えると政治利用のため、建てられたものと推測される。

[編集] ネグロポンティ

(声:穂積隆信
トリューニヒト派の政治家で、トリューニヒトの下で国防委員長を務めた。要塞対要塞の戦いの際に、フェザーンの策略にひっかかりヤンを査問会にかける。その後イゼルローン要塞が帝国軍に急襲されたため、査問会は中止。この後、ヤンを要塞から引き離した責任を取らされて辞任。後に国営水素エネルギー公社総裁に転じた。

[編集] ウォルター・アイランズ

(声:田中康郎
ネグロポンティの後を受け同盟の国防委員長となった。就任当初はトリューニヒトの子分であり「企業からリベートをとるだけしか能のない小者」であったが、ラグナロック作戦による同盟の危機に際し政治家として覚醒。議会を取りまとめたり軍部に全面的な協力を約束したりと、それまでとは別人のように精力的に職務をこなした。ヤンによる起死回生に望みを託していた。帝国軍が首都星ハイネセンに迫った際、全面降伏を主張するトリューニヒトに反旗を翻して徹底抗戦を主張するが、地球教徒により押さえ込まれ、その後、病に倒れる。しかしその名は「半世紀の惰眠よりも半年間の覚醒によって」後世に記憶される事となった。それ以前の所業が無条件で免罪されるべきではないにせよ、ある種「有事の人材」といえる人物であり、その意味でジョアン・レベロとは対を成すものであった。なお、原作には「失った頭髪」と記述されているが、アニメ版のキャラクターは一般的な髪型の頭髪が存在する。

[編集] エンリケ・マルチノ・ボルジェス・デ・アランテス・エ・オリベイラ(Enrique Martino Borges de Arantes e Oribeira

(声:山内雅人
歴代の同盟政権のブレーンを務めた同盟自治大学学長ヤンの査問会で初登場し副査問員となる(首席査問員は当時の国防委員長ネグロポンティ)。自身は安全な後方にいながら、戦争は文明の発展を促すなどとして戦争肯定論を開陳し、ヤンに非難される。第2次ラグナロク作戦の直前、レベロにヤンの謀殺を説いたが、それが失敗すると保身に走った。名前が異常に長いのでヤンは「エンリケなんとかオリベイラ」と覚えている。その長い名前を正確に記憶しているというただ一点のみにおいてヤンの敬意に値する人物。読者や視聴者もフルネームを知らない(覚え切れない)人が多く「名前の長すぎるキャラ」という方がピンと来るくらいである。同盟崩壊後にオーベルシュタインによって拘束され、ラグプール刑務所暴動で死亡する。

[編集] ヘンスロー

(声:増岡弘
フェザーン駐在自由惑星同盟高等弁務官。実力ではなく政治バランスによって地位を得たとされており(高等弁務官職そのものが、自由惑星同盟においては名誉はあれど軽視されていたようだ)、事実、ケッセルリンクとの折衝の場面では相手のペースで話を進められ、後に帝国軍がフェザーンを占領した局面においても全くなすすべがなく、駐在武官として赴任していたユリアンの足手まといの役割しか演じられなかった。(ただし彼が管理していた金銭は脱出のために大いに役立った。)ベリョースカ号でフェザーンを脱出した後の消息は不明。その立場上オーベルシュタインの草刈りの犠牲となった可能性があるが、作品には記述が無い。

[編集] ウィリアム・オーデッツ

(声:谷口節[67])
キャスター。弁舌と事実を都合良く解釈出来る思考原理を備えており、大親征を前に自由惑星同盟がラインハルトに弁明のために送った特使として登場。最初にビッテンフェルト艦隊に遭遇するが、ビッテンフェルトはそのまま進軍を続けて後続のミッターマイヤー艦隊が対応する。交渉は不調に終わり、続けてラインハルトに面会を求めるが無視された為、そのままフェザーンまでたどり着く。そこで(アニメ版では密かに接触して来たルビンスキーに入れ知恵されて)ロイエンタールが叛意を持っていると声高に触れ回り、ラングから注目される。その後の消息は不明。アニメ版ではルビンスキーが「用済みのオーデッツは始末する」とドミニク・サン・ピエールに告げている。

[編集] フランチェスク・ロムスキー

(声:仲村秀生
エル・ファシル革命政府の首班。医師であり、ヤンエル・ファシル脱出行でも行動を共にしている(フレデリカの母も治療を受けたことがある)。バーラトの和約以降、帝国の隷属状態になった同盟政府を見限り独立を宣言するが、確固な成算があったわけではなかった。その為、他に行く所がないのでやむなく合流したヤン以外は後が続かず、帝国軍からは事実上ヤン・ウェンリー軍にかかったおまけみたいな扱いを受けていた(ミッターマイヤーには「ヤンという鶏のとさか程度の存在」と評されている)。
ヤンが帝国と和睦して共存しようと提案した時、専制政治との共存など有り得ないと嫌悪感を示し、思想的な純粋性と同時に政治的センスや駆け引きなどの才覚が乏しい事(帝国と和睦しないのであればどのようにして帝国と接していくのか…といった構想や展望も提示していない)を、ヤンやその幕僚に露呈して失望を与えている(この時シェーンコップはユリアン等に、ロムスキーに対する叛意を告げている)。ただしその一方で、政府幹部達がヤンを捕らえて帝国に差出して講和しよう、と提案した時も、ロックウェルらの前例を挙げつつ、同時に感情的に嫌悪感を示してはっきりと拒絶しており、そのお陰でヤンが救われた事も描かれている。また、ヤンは文民統制的志向から何かにつけて「政治面の指導者は自分ではなくロムスキー」とロムスキーを立てようとしていた。
最期は回廊の戦いのヤンとラインハルトの会見について行き、地球教徒のテロに巻き込まれ、真っ先に殺されてしまった(その際に銃をつきつけられた時の態度からも、人間としては善良ではあるが、危機対処能力が皆無であった事を示している)。その遺体は回収されず、この点に関してはユリアン達は批判を受ける結果となる。
なお、彼が死んだ為(ただし実際にはヤンが死んだ為)エル・ファシル革命政府は解散してしまうが、その時幹部達は「革命政府はロムスキーの独断的行動の結果だった」と責任転嫁し、ユリアンから非難された。

[編集] グローブナー

(声:石川ひろあき[螺])
国防委員会人事局長。エル・ファシルから凱旋帰還したヤン少佐昇進の辞令を手渡した。手渡す際に類型的かつアーレ・ハイネセンを引き合いに出した発言を口にして、ヤンを辟易させている。


[編集] ビジアス・アドーラー

(声:梶原善
ハイネセン首都政庁参事官。自由惑星同盟滅亡時、帝国軍からの皇帝への忠誠の誓約書を提出するようにという命令を公然と拒否し、獄中の人となるが、その行為に美を感じたラインハルトの命により釈放される。

[編集] クロード・モンテイユ

(声:阿南健治
財政委員会事務局国庫課長。自由惑星同盟滅亡時、帝国軍から国有財産の全リストを提出するようにという命令を、公僕としての義務を果たす為に拒否し、獄中の人となるが、その行為に美を感じたラインハルトの命により釈放される。  

[編集] グレアム・エバート・ノエルバーカー

(声:小林隆
最高評議会書記局二等書記官。自由惑星同盟滅亡時、議場を見学しようとしたラインハルトに対し、その公式記録に資格がないのに見学の申請すると記し、帝国軍から削除を求められても拒否する。獄中の人となるが、その行為に美を感じたラインハルトの命により釈放される。

[編集] その他民間人

[編集] ヤン・タイロン

(声:宗矢樹頼 [螺])
自由惑星同盟の交易商人。2度目の妻との間にヤン・ウェンリーをもうける。ウェンリーが5歳の時に妻と死別。教育的な理由で親類が息子を引き離そうと画策している事を察し(後年、親類はヤン親子がひたすらつぼを眺めては磨いていると心配していたことを語っている)、息子を連れて恒星商船に乗り込み、その後の人生のほとんどをウェンリーとすごした。商人として有能であると同時に、独特の哲学を有しており、後のヤン・ウェンリーの思想に多大な影響を与えたと思われる。宇宙暦783年5月10日、ヤン・ウェンリーの16歳の誕生日の直前に、宇宙船の核融合炉事故で死亡。48歳。
生前の趣味は美術品の収集だったが、集めた美術品は唯一万暦赤絵の壷(これは後に憂国騎士団の襲撃の際に壊れてしまうが)を除いて全てが偽物で「1ディナールの価値も無い(政府公認鑑定家の見解)」ものだった。ヤン・ウェンリーは父親が偽物と承知でわざと集めていたのではないか、とも推測し、それならそれでヤン・タイロンらしいとも評していた(真相はヤン・タイロンが亡くなってるため、不明)。また息子が自分の跡を継がずにハイネセン記念大学の歴史学科への進学を希望したことについても「歴史で金儲けした奴が一人もいなかったわけじゃない」と述べてそれを認めている(この直後に事故で死亡)。
 また会社の権利は抵当に入っており、ヤン・ウェンリーは結局無一文で放り出される事になる。彼の死がウェンリーが不本意ながら軍人になるきっかけを生み出したため、ある意味重要な人物である。中国語版の表記では「楊泰隆」となっている。

[編集] カトリーヌ・ルクレール・ヤン

(声:アニメ未登場)
ヤン・ウェンリーの実母。宇宙暦772年6月30日、ヤンが5歳の時に死亡。33歳。
原作小説(外伝=螺旋迷宮)にだけヤンが両親の墓参りをする場面があり、墓碑に名前と生没年月日が記されている。暖かくて優しい…といった印象のみ記されており、それ以上の具体的な人柄は記されていない。

[編集] パトリック・アッテンボロー

(声:配役表記無しだが、ダスティ役の井上和彦による一人二役と推測される[螺])
ジャーナリスト。軍隊の批判記事が得意。有能だが協調性に欠けるためしばしば職場を異動する。職業軍人の娘と結婚して(その際、100回以上の口論と3回の殴り合いの末に生涯の伴侶を獲得したと記述がある)少なくとも4人の子供をもうける。その4番目の子供で最初の息子がダスティ・アッテンボロー。義父との生前の約束でジャーナリスト志望の息子を無理やり軍人の道に進ませた為、怒りと恨みを買っているが、どこか憎み切れない性格の持ち主で、息子も半ば諦めて軍人の道を歩んでいる。後にユリアンに贈られることになる、錆びついた青銅製の「幸運の鍵」を息子に譲ったが、彼にとっての幸運とは息子が軍人になる事であった。その為、ダスティの受験する大学の不合格を熱心にその鍵に祈ったという。

[編集] オルタンス・キャゼルヌ

(声:松尾佳子
アレックス・キャゼルヌの妻。本編中では単にキャゼルヌ夫人と記述される例が多い。旧姓は「ミルベール」。シャルロット・フィリスとその妹の母親。ヤンがエコニアの捕虜収容所参事官職を解かれてハイネセンに帰還した時に婚約者として初めて紹介され、第8艦隊司令部作戦課に勤務する直前に結婚式をあげる。この時点で23歳。父親はキャゼルヌの上官だったが、それほど栄達せず退役し、この時点では在郷軍人会の事務をしていたので、出世目当てにキャゼルヌが結婚したのでは無い事が物語に明記されている。
料理の腕前と夫をも凌駕する論客ぶりに定評があり、実質的なキャゼルヌ家の支配者である。ヤン陣営の中でも1、2を争う毒舌家であるキャゼルヌも彼女の前では精彩を欠き、「女房を立てるのが家庭円満の秘訣だから、勝ちを譲ったのだ」と娘に言い訳するのが精一杯である。また、他者の性格や行動原理を見抜く能力があり、夫からしばしば「予言者」呼ばわりされる。母親らしい優しさと同時に厳しさも備えており、ユリアンからヤンの訃報をフレデリカに伝える役を頼まれた時にきっぱりと拒絶し、ユリアン自身が伝えなければならない事を諭している。イゼルローン1の実力者とも言われ、夫はもちろんヤンユリアンも頭が上がらず、人物評の厳しいシェーンコップですら、ヤンの死をフレデリカに誰が伝えるか決める際には彼女が適任かもしれないなと言ったくらいである(前述したとおり、ユリアンが伝えることになったが)。

[編集] シャルロット・フィリス・キャゼルヌ

(声:天野由梨
アレックス・キャゼルヌとオルタンス・キャゼルヌ夫妻の長女。登場時は8歳。アニメでは母親と同じ髪の色をしている。バーラトの和約以降監視される事になったキャゼルヌ夫妻とヤン夫妻の家を、妹と一緒に往来し、ラズベリーパイに隠したメモの伝令役を務めた事がある(本人は意識していなかった様子)。父親が勝手にユリアン結婚させる事を考えていたが、当のユリアンがカリンと恋仲になってしまったため、その計画は頓挫した。しばしばヤンを「おじちゃま」呼ばわりして、ヤンの心を傷つけている(フレデリカはちゃんと「おねえちゃま」と呼ばれている)。OVA版ではヤン家で飼われていた猫をヤンから預かっている。

[編集] キャゼルヌ家次女(ファーストネーム不明)

(声:配役表記無し)
シャルロット・フィリスの妹。原作には何故か名前を始め具体的な描写が一切無い。アニメでは父親と同じ髪の色をしている。

[編集] ビュコック夫人

(声:沼波輝枝[32]他)
専業主婦と推定。ヤンが査問会に呼び出された時、フレデリカとマシュンゴが襲撃され、その後ビュコックの家に避難/逗留した。その時にフレデリカと話をしている。OVA版でラインハルトが再度宣戦布告した時、退役していたビュコックが決意の表情を浮かべるのと同時にその意図を察し、軍服を出して手渡している。なお、息子が2人いたらしいが、どちらも戦死している。

[編集] ミリアム・ローザス

(声:かかずゆみ [螺])
アルフレッド・ローザスの孫。挑発的な言動がしばしばである。ブルース・アッシュビーが祖父の功績を横取りしたと思いこんでおり憎んでいる。当初は調査に来たヤン憲兵呼ばわりする等、非好意的な態度を示したが、葬儀の席で和解している。15歳年上の商船の機関士と婚約している。ヤンに手紙を送った後の消息は不明。

[編集] イブン・シャーマ

(声:笹原大 [56])
ユリアン・ミンツが親不孝号で地球に向かう途中で見ていた歴史のビデオに登場して解説を担当する歴史家。専門は宇宙開拓史。

[編集] アニメ版オリジナルの登場人物

[編集] 軍人

[編集] エド

(声:田中和実[5][7])
ヒューベリオンの乗組員。艦橋勤務。ハズキ、サイモンととも艦隊乗組員の心情を表現する役まわりを演じている。第13艦隊結成時はヤンに対して懐疑的だったが、イゼルローン攻略後はヤンに心酔した様子が描かれている。イゼルローンではトゥール・ハンマーのエネルギーチャージ関係のセクションを務めた。

[編集] サイモン

(声:飛田展男[5][7])
ヒューベリオンの乗組員。艦橋勤務。

[編集] ハズキ

(声:草尾毅[5][7])
ヒューベリオンの乗組員。艦橋勤務。イゼルローンではトゥール・ハンマーの照準関係のセクションを務めた。

[編集] フランツ・ヴァーリモント

(声:中原茂[14])
第七艦隊所属の技術将校。階級は少尉。艦隊司令官のホーウッド中将より、進駐した惑星農業の改善を直々に命じられるが、成果を得る前に帝国側の焦土作戦が効果を発揮し、その努力は無駄に終わる。同盟軍と帝国の民衆との間に不和が生じる中、状況に幻滅を感じてテレーゼ・ワーグナーと逃亡した。その後の消息は不明だが、テレーゼとの会話で、辺境惑星に身を隠すと発言している。

[編集] アムルタートの整備士

(声:屋良有作[27])
イゼルローン要塞駐留艦隊に所属する宇宙母艦アムルタートの老整備士。ガイエスブルク要塞戦に先立つイゼルローン回廊哨戒中の遭遇戦において、ユリアンたちの搭乗するスパルタニアンの整備を行った。戦闘の終盤にアムルタートが被弾して撃沈確実となった状況下、彼はユリアンの機体にできる限りのメンテナンスを施し、「生き延びろよ」と言って送り出した。その直後、彼は爆散するアムルタートと運命を共にした。
名も無き人物だが、艦と共に死にゆく運命ながら最期まで職務を全うし、また年少者のユリアンを気遣う彼との別れは、悲しいシーンながら、人気がある。

[編集] グッドウィン

(声:小山剛志[螺])
軍広報部の大尉。エル・ファシルから凱旋帰還して少佐に昇進したヤンの手伝い(マネージャー)を務めた。

[編集] 民間人

[編集] レイモンド・トリアチ
(声:北村弘一[10])
国民平和会議テルヌーゼン支部長。主戦論者であり、テルヌーゼン選挙区での代議員補欠選挙におけるジェイムズ・ソーンダイクの対立候補。士官学校創立日記念式典に出席するため、テルヌーゼンにやって来たヤンを、報道関係者を伴い空港で出迎える。その場で戦災孤児の少女を使った花束贈呈と選挙演説を行い、事情がわからぬヤンと並んで撮影された写真は新聞の紙面を飾る。イゼルローン要塞を攻略し、英雄となったヤンの人気を利用しようとする姑息な選挙戦略であった。これはソーンダイク派の運動員を激怒させ、ヤンはホテルの部屋に襲撃を受け、ジェシカと思わぬ再会を果たす事になる。
ソーンダイクを狙った爆弾テロに、トリアチ本人が関わっていたかどうかは不明。倒れたソーンダイクに代わり立候補したジェシカが当選を果たし選挙に敗れた。

[編集] ジェイムズ・ソーンダイク
(声:丸山詠二[10])
テルヌーゼン選挙区での代議員補欠選挙において、反戦市民連合が擁立した候補。運動員の中に、反戦運動に身を投じたジェシカ・エドワーズがおり、ヤンは思わぬ再会を果たす。運動員が憂国騎士団に襲撃されていた処をヤンが助け、選挙本部まで送り届けた際にヤンと面会。好印象を持った事をヤンはジェシカに話している。しかしその夜、選挙本部で発生した爆弾テロにより重傷を負い死亡。代わってジェシカが立候補し、同情票も集める形で当選、ジェシカは政界に身を投じる事になる。

[編集] 劇中ビデオのナレーター
(声:久米明 [40])
ユリアンがフェザーンの駐在武官として赴任する為、軍艦に乗艦してイゼルローンからハイネセンに向かう途中、歴史のビデオを視聴する場面があり、原作小説では作者或いは後世の歴史家の発言として記されていた箇所が、このビデオによって語られている。

[編集] D. シンクレア
(声:伊藤克 [40][])
上記のビデオに登場して解説を担当する歴史家。専門はmodern history(現代史)。原作にもその名は出ているが、歴史家としての見解が紹介されているに留まり、本人の登場はない。

[編集] E. J. マッケンジー
(声:千葉繁 [40])
上記のビデオに登場して解説を担当する歴史家。専門はideological history(思想史)。

[編集] 資料の声
(声:日下武史 [56])
ユリアン・ミンツが親不孝号で地球に向かう途中、歴史のビデオを視聴する場面があり、原作小説では作者或いは後世の歴史家の発言として記されていた箇所が、このビデオによって語られている。

[編集] ウィルマ・ヴァン・クロフト
(声:配役表記無し[螺])
週刊プリティー・ウーマンの編集者。エル・ファシルの英雄になったヤン・ウェンリーに「今週のナイス・ガイ」というコーナーの取材を申し込んだが、ヤンに無視された。申し込みの過程で、ヤンが同誌の読者アンケートで「結婚したい男性ナンバー1」になった事が判明している。

[編集] ジョン・マーティン
(声:配役表記無し[螺])
テレビ・ハイネセンのディレクター。リンチ夫人との対談番組をヤンに申し込んだが、怒りと嫌悪の表情を浮かべたヤンに無言で拒否された。ただしヤンは多少気になった様子で、そばにいたグッドウィン大尉にリンチの家族の消息を尋ねている。原作小説では、そういう出来事があった事のみ記述されている。

[編集] RTVハイネセンの番組制作者
(声:配役表記無し[螺])
ヤン・タイロンの最初の夫人(氏名不詳)との対面をヤンに申し込んだ。尚、この夫人は、自由惑星同盟の相続法がどうなっているかは不明だが、ヤン・ウェンリー、或いはヤンの死後のフレデリカやユリアンに対して財産分与を主張できる立場にある可能性がある。ただし血統上はヤン・ウェンリーと赤の他人。

[編集] アンリ・ルクレール
(声:配役表記無し[螺])
ヤンの実母の従姉弟(或いは従兄妹)。ファースト・ネームはアンディーの可能性あり。原作小説の「螺旋迷宮」に描かれている「親族と称する人々」を具体化したキャラクターで、ヤン・ウェンリーがエル・ファシルの英雄になった後の会食で馴れ馴れしく話しかけてきた男。

[編集] 元帥
ユリアンがトラバース法によってヤン家に来たときに一緒に連れてきた猫。そのときは子猫であったが数年のうちに肥満体となった。ユリアンがフェザーンに武官として派遣された後、ヤンに一方的に話しかけられ無視したりもしている。ヤンはイゼルローン要塞を放棄するさいにキャゼルヌ家に預けようとするが、バーラトの和約後、逮捕されるまでの時点はヤン家で飼われていた。ヤンの逮捕を経てハイネセンを脱出する際は、シャルロットにバスケットケースに入れられ連れられていた。ウィークリービデオ第2期特典の「銀河英雄伝説第1期・第2期設定資料集」に、名付け親はアッテンボローである旨の記述がある(命名理由は「どうせヤン先輩は元帥になれないから」)。原作には登場しない。

[編集] 歴史上の人物

[編集] 長征1万光年

[編集] アーレ・ハイネセン

同盟建国の父。帝国の奴隷階級に生まれ、辺境の流刑地で強制労働をしていたが、ドライアイス宇宙船『イオン・ファゼカス号』を作って40万人の人々と共に帝国から逃走。いったん無名の鉱物惑星に身を隠しつつ、そこで多数の外宇宙用宇宙船を建造。その後、『長征1万光年』(ロンゲスト・マーチ)の旅に出る。新天地(バーラト星系)を見つける前に事故死。彼の遺志はグェン・キム・ホアらによって継がれた。ようやく居住可能な惑星を見つけた時、その惑星の名前にはハイネセンとつけられた。この惑星こそが、自由惑星同盟首都星ハイネセンである。
惑星ハイネセンには彼の巨大な像があったが、同盟滅亡後、ラインハルトによって取り壊された。「彼が真に同盟市民の敬意に値する人物であるならば、この措置を是とするであろう。巨大な像など、まともな人間の神経なら耐えうるものではない」とはラインハルトの言(なお、ラインハルトはハイネセンの墓所や記念館には不干渉であった)。

[編集] グエン・キム・ホア

アーレ・ハイネセンの親友で、事故死したハイネセンの遺志を受け継ぎ『長征1万光年』の旅を続ける。バーラト星系の惑星ハイネセンを見つけ、自由惑星同盟を建国。この時、40万人いた人々は16万人に減り、グエン・キム・ホアは失明していた。自由惑星同盟の建国後は、高齢と失明を理由に政府の要職などには就任せず(名誉職にのみついた様子)、しずかに過ごした。
彼の名前はグエン・キム・ホア広場に残っている。

[編集] イオン・ファゼカス

アーレ・ハイネセンの、ドライアイスの宇宙船を造って脱出する、という発想のきっかけを作った少年(本人は純粋に遊んでいただけの様子だが)。ドライアイス船に名前が採用されたことから、彼もアーレ・ハイネセンたちと共に『長征1万光年』の旅に出たと思われるが、その後の消息については作中に記述がない。

[編集] ダゴン星域会戦

[編集] リン・パオ

登場時の階級は30代にして中将。ダゴン星域会戦における同盟軍の総司令官。旗艦は『サンタイザベル』。好色で酒豪で大食漢。関係した女性の数は4桁に上ると言われる強者。毒舌家で、お世辞にも人格者とは言い難く、同僚からも総司令官就任に対し不平不満のオンパレード状態であった(評議会議長らが彼らを連日なだめなければ、継戦意欲を失ったかもしれないとまで言われる)。しかしこと用兵にかけては天才的な人物で、ユースフ・トパロウルと共にダゴン星域の会戦で帝国軍を包囲撃破した。容姿に関しては、気難しいトパロウルをして「まあ悪くない方」と言わしめるほどなので、かなりの美形だったと思われる。後に元帥にまで昇進するが、同盟軍の組織の中で馴染めず、孤立し、幸福とは言えない晩年であったと言われる。

[編集] ユースフ・トパロウル

登場時の階級は中将。ダゴン星域会戦における同盟軍の参謀長。気難しい性格で、リン・パオと並ぶ毒舌家でさらに不平屋で、事あるごとに「なぜ俺だけがこんな苦労を強いられるのか」とぼやくことから、「ぼやきのユースフ」と呼ばれる。だが、前述のぼやきはまだ生易しいほうで、同時代人にとっては彼の毒舌と不平は、ぼやきで済ませるレベルではなく、リン・パオ同様に同僚の受けは良く無かった。同じ嫌われ者である「リン・パオと良いコンビ」と言われると、本気で怒ったと伝えられる。しかし事軍事面の才覚においては、「呼吸する戦術コンピュータ」とも言われる緻密な理論家で、リン・パオと共にダゴン星域の会戦で帝国軍を包囲撃破する。女嫌いで有名であったが、交際していた女性がおり、通信のやり取りをしていた(あまりにも散文的な文章であったため、後年、その通信の内容を知ったヤンは「今週の努力目標」と称した)。リン・パオ同様に後に元帥に昇進し、そして同じく同盟軍に居場所が無く、幸福とは言えない晩年であった。

[編集] ネイスミス・ウォード

ダゴン星域会戦に参加した同盟軍の提督の1人。中将。有能な軍人であり、総司令官であるリン・パオに毒舌を以って応じる胆力の持ち主。

[編集] オレウィンスキー

ダゴン星域会戦に参加した同盟軍の提督の1人。中将。初戦で帝国軍に戦術的な敗北を喫したが、リン・パオは特に咎めなかった。

[編集] アンドラーシュ

ダゴン星域会戦に参加した同盟軍の提督の1人。中将。戦いの最終局面で、「第一命令、突進せよ!第二命令、突進せよ。第三命令、ただ突進せよ!」 と言う過激な命令を放ったことで有名。慎重派と言われていた彼の名は、一転して猛将として知られることになった。

[編集] ムンガイ

ダゴン星域会戦に参加した同盟軍の提督の1人。中将。

[編集] ヒュー・エルステッド

ダゴン星域会戦に参加した同盟軍の提督の1人。少将。帝国軍の側面と後背を「ねずみ花火のように飛び回って」攪乱した。

[編集] オルトリッチ

ダゴン星域会戦に参加した同盟軍の幕僚の1人。少佐。温和で公正な人柄で知られ、問題児とされるリン・パオ、ユースフ・トパロウルに対しても、客観的な評を下している。同盟において孤立した両者に何かとつくしたが、単なる個人レベルの努力に留まった。後に統合作戦本部長を務め、人材育成に努めた。回想録を残したことでも知られ、そこでは天才を組織内でどう扱うかの問題について述べている。

[編集] コーネル・ヤングブラッド

ダゴン星域会戦時の国防委員長。野心と行動力に満ちた若手の政治家。最高評議会議長戦ではパトリシオと争って敗れたが、パトリシオから国防委員長への就任を要請されると、悪びれもせず引き受ける器量と胆力の持ち主。強力な指導者というイメージは、パトリシオよりもむしろ彼のほうにこそ強かった。しかしリン・パオとトパロウルを大胆に起用したのはパトリシオであり、ヤングブラッドは当初は懸念を表明していた。しかし納得して以降は精力的に活動し、彼に「ぼやきのユースフ」の説得役を命じられた国防委員のひとりは「パトリシオ議長に洗脳された」と評した。

[編集] マヌエル・ジョアン・パトリシオ

ダゴン星域会戦時の最高評議会議長。温厚で冷静な人物として知られる。強力な指導者と言うタイプではなく、おそらく銀河帝国軍の侵攻という事態が事前にわかっていれば、議長選出は無かったであろうと言われる。かつての政敵であるヤングブラッドを閣僚として迎え入れる度量の大きさや、人の能力を的確に見抜く眼力の持ち主。リン・パオ、トパロウルの両者を問題児と知りつつも起用し、ダゴン星域会戦に勝利を収め、巨大な危機に頼りにならない人物であるという悪評を覆した。

[編集] フロリンダ・ウェアハウザー

ダゴン星域会戦時、リン・パオと同棲していた女性。リン・パオの愛人の中で、最も有名と言われる5人の内の1人。結婚こそしなかったが、リン・パオの臨終を看取り、葬儀を行ったことで有名。

[編集] 第2次ティアマト会戦

[編集] ブルース・アッシュビー

(声:風間杜夫[螺])
第2次ティアマト会戦における同盟側の宇宙艦隊司令長官。この時点での階級は大将。宇宙暦710年生まれ。同730年6月士官学校を首席卒業。同期の卒業生の優等生グループがそのまま彼の幕僚となった為、この一群を「730年マフィア」と呼ぶ場合がある。第2次ティアマト会戦の終盤に旗艦ハードラックの艦橋が被弾し死亡。35歳。死後、(生きていれば)36歳で元帥に昇進した。彼の戦死した12月11日は「戦勝記念日」として休日となっている。
アルフレッド・ローザスによると、戦機を見るのが比類ないほど巧みであった。後世から見ると、「乏しい情報でよくもあれだけの戦術的判断を下したものだ」と、評されている。戦争では連戦連勝を重ねたが、それらはあくまでも戦術上の功績によるものであり、戦略的/政略的に意義のある功績は無く、アッシュビーの活躍が帝国と同盟の関係に何らかの影響を及ぼしたとは言えないとされている。また、イゼルローン回廊に要塞を建設する構想があり、基本計画案を国防委員会に提出したことがあったが、艦隊の強化案と引き換えに要塞構想を破棄した(その後、帝国軍によって同回廊にイゼルローン要塞が建設された)。そのためローザスは戦略家ではなく、戦術家と評している。
帝国との長年にわたる戦争の中で出現した軍人の中でも、とりわけ英雄として扱われており、数々の伝記や映画が製作されている。アニメ版では、ヤンがコンピューター検索を実行したら、書籍で123件、テレビドラマと映画で12件が該当した事になっている。
かなり長身で均整の取れた外見を有しているとされている。具体的な数値は、原作小説では身長186センチ、とだけ記されているが、アニメ版ではヤンの見ているディスプレイに「体重76キロ、瞳の色は青」といったデータが表示されている(なお、アニメ版では赤毛)。
天才ではあったが非常に尊大で態度の悪い性格だったようで、勝つたびに挑発的な電文を発しては帝国軍からの憎悪を招いた(個人的な憎悪を招くことで帝国軍幹部を挑発、理性的な対応をないがしろにさせていたとヤンは評している)。
しかしその性格の悪さは味方にも向けられ、政府や軍上層部には評判が悪く、第2次ティアマト会戦直前においては730年マフィアの仲間たちでさえ我慢できなくなっていた。
女性関係が派手で、2度結婚し、2度離婚している。その他、愛人や情人は一個中隊の人数ではきかないとこと。
外伝「螺旋迷宮」では、ブルース・アッシュビーが謀殺されたという投書があり、ヤンが調査を行ったがその矢先調査が中止になってしまう。一方、元帝国軍人で同盟の捕虜(そして本会戦の生き証人)のケーフェンヒラー大佐は、独自の立場から単身調査を進めていた。その結果、大佐はアッシュビーが帝国軍内の秘密組織から情報を得て功績を立てていた可能性を突き止めた。玉石混淆というより石の方が多い屑ネタの山から「玉」を見抜き、それを元に的確な判断を下す「情報という生き物を扱う天才」という結論である。しかしその資料を見たヤンの見解は「蓋然性は高く、説得力もあるが、証拠がない。あくまで大佐の仮説にすぎない(断定するにはもっと情報が必要)」という慎重なものであった。
そしてヤンの「活躍」もむなしく、結局すべては軍事機密として封印されてしまった。

[編集] アデレード・(アッシュビー。結婚前の姓は不明)

(声:日野由利加[螺])
ブルース・アッシュビーの最初の結婚相手。アッシュビーと同い年で「730年マフィア」の他の提督たちとも旧知の間柄であった。23歳の時に結婚したが、26歳の時に離婚。宇宙歴796年に86歳で存命中。自分が書き写した60年以上も前の夫の恋文を自分宛に差し出し、届いてくる手紙を読む毎日を過ごしている。

[編集] ルシンダ・(アッシュビー。結婚前の姓は不明)

(声:アニメ未登場)
ブルース・アッシュビーの二番目の結婚相手。アッシュビーが29歳の時に結婚し30歳の時に離婚。離婚後もアッシュビーの姓を名乗った為、ブルース・アッシュビーと軋轢が生じている。ヤンがブルース・アッシュビー謀殺説の調査を始めたきっかけとなった投書の差出人の名前だが、調査の時点(宇宙暦788年)でルシンダは9年前に59歳で死亡していると記されている。逆算すると宇宙暦720年生まれ(誕生日前に亡くなったならば719年生まれ)、同779年死亡となる。

[編集] アルフレッド・ローザス

(声:井上倫宏(青年時)/瑳川哲朗[螺] )
中将。同盟軍総参謀長。 「730年マフィア」の一員。本人の将才は「平均よりまし」程度だったが、個性的な幕僚の中にあって人身掌握と温和な人柄による仲裁役を自らに課す。OVA版では、アッシュビーと「ブルース」、「アルフレッド」と呼び合う仲。万事控えめだったためか、孫のミリアムによると、アッシュビーに功績を横取りされたと評されている。アッシュビーの離婚の際にも自らも知り合いである彼の妻との間で調整役となった。第二次ティアマト会戦の直前に妻を亡くしており、出征していて死を看取る事が出来なかった為に虚脱状態に陥った事がある。宇宙歴788年アッシュビー謀殺疑惑の件でヤンと面談した直後、睡眠薬の量を誤って死亡。78歳での逝去は、他の730年マフィアのメンバーよりかなり長命であったが、退役軍人は身体壮健なため医学的平均寿命よりも長生きする例が多いため、葬儀の参列者からも「天寿を全うできなかった」と囁かれた。当初は死因の不自然さにヤンもキャゼルヌも不審を抱いたが、後日に孫のミリアム・ローザスがヤンに送った手紙で、半ば自殺(死ぬもよし死なぬもよしと、古くなった睡眠薬を大量服用)である事が判明した。

[編集] フレデリック・ジャスパー

(声:藤原啓治[螺] )
中将。同盟軍第4艦隊司令官。旗艦は『ブリジット』。「730年マフィア」の一員。ニックネームはマーチ・ジャスパー行進曲)。勝つときは完勝、負けるときは完敗というわかりやすい戦績の持ち主で、「彼の辞書に快勝はあっても辛勝は無く、惨敗はあっても惜敗は無い」と言われた。2回勝つと次は必ず負けるというジンクスを有する。なお第二次ティアマト会戦は彼が勝つ順番であった。
本会戦の後も仲間の中でもっとも長く軍にとどまりつづけた。753年に宇宙艦隊司令長官に就任。その後も帝国軍を相手に勝敗を重ね、17年間にわたる宇宙艦隊司令長官の在任最長記録を作った。770年に統合作戦本部長に就任するが、結局730年マフィア時代ほどの業績はなかった。翌年退役して妻と旧婚旅行に出かけ、宇宙船の事故で死亡。61歳。

[編集] ウォリス・ウォーリック

(声:小山力也[螺] )
中将。同盟軍第5艦隊司令官。旗艦は『ルーカイラン』。「730年マフィア」の一員。「バロン(男爵)」の異名は、貴族的な容姿と気障で芝居がかった言動から周囲がつけたものであったが、本人も気に入っており、自己紹介のときに「バロン」と名乗るほどであった。もっとも「伯爵公爵にはなれっこない。せいぜい男爵どまり」という揶揄も含まれているが、本人もそれで十分と諦念していた。
本会戦の後751年に宇宙艦隊司令長官に就任。2年後に退役し大学学長知事を務めた後、国防委員長に就任。同時に元帥号を授与され、社交界でも名士として鳴らしたが、在任中に汚職事件が発生。事件自体に本人は関わっていなかったものの、責任を取って委員長の座を辞職せざるを得なくなった。国防委員長辞職後は自身の女性関係をめぐるスキャンダルが起こり、政界からも社交界からも完全に身を引くことになる。766年に心臓発作で死亡。56歳。
私人としては非常に多彩な芸をもっていたが、アルフレッド・ローザスは「何をやっても一流の寸前まではいけた男だった」と評し、一流になろうとしなかった彼を惜しんでいる。ウォーリック本人も「アッシュビーの下でいつも『上手なアマチュア』でいたい」との言葉を残しているが、この発言の真意は、アッシュビーを超えられないこと対する韜晦ではなかったかとヤンは推測している。
酒に対する強いアレルギーがあるジョン・ドリンカー・コープにいたずらで酒を飲ませ、蕁麻疹を起こさせ大騒動になったため、同盟軍内で唯一蕁麻疹を理由に始末書を書かされた提督となった。

[編集] ファン・チューリン

(声:菅生隆之[螺] )
中将。同盟軍第8艦隊司令官。旗艦は『ゴラ・ダイレン』。「730年マフィア」の一員。冗談を全く解さない、気難しく堅苦しい性格で、手堅くて大崩れしない戦い方を得意とする。OVA版では協調性や愛想もないような性格描写がされていた。その堅苦しい性格から上司にも部下にも人気はなかったが、アッシュビーが仲間の中で最も信頼していたのは彼ではないかという見方もある。
本会戦の後、750年に大将に昇進し宇宙艦隊総参謀長に就任。755年に統合作戦本部長に就任。761年に退役するまでの6年間、730年マフィアの1人で宇宙艦隊司令長官のジャスパーとコンビを組んだが、私的な交遊は途絶えていたという。773年に63歳で病死(事実上の孤独死)。上記のような性格の為に730年マフィア以外の交友関係は皆無に等しく、退役後は公園で鳩に餌をやる毎日を送るという孤独な晩年であった。

[編集] ヴィットリオ・ディ・ベルティーニ

(声:乃村健次[螺] )
中将。同盟軍第9艦隊司令官。旗艦は『トラウィスカルバンテクートリ』。「730年マフィア」の一員。勇猛な戦闘指揮でその破壊力はアッシュビーにも勝るものであった。粗野な外見とは裏腹に気の優しい男で愛妻家。同僚の名前の付いた熱帯魚を飼っているという噂があった。
本会戦では、旗艦が護衛艦の爆発に巻き込まれ誘爆したため戦死。35歳。政治的な思惑(アッシュビーに対する配慮)のため元帥号授与は死後6年経ってからだった。
原作では台詞がなく(作戦会議の際は、妻を初めて怒鳴り付けた自責の念が原因で沈黙を守る)、OVA版でも一度突撃を命じただけだった。

[編集] ジョン・ドリンカー・コープ

(声:佐古正人[螺] )
中将。同盟軍第11艦隊司令官。旗艦は『ヴィヴァスヴァット』。「730年マフィア」の一員。追撃戦の名手で、後退する敵を追撃して戦力を削ぐのが巧みであったと評される。名前とは裏腹にアルコールを一切受け付けない体質で、1滴でも飲むと倒れてしまう。このため悪戯で飲ませたウォーリックが処罰される羽目になった事もある。第2次ティアマト会戦までは黙々と的確に軍務をこなしていたが、本会戦直前の作戦会議で初めてアッシュビーに猛反発、730年マフィア解散の一端となる。
本会戦後750年に宇宙艦隊副司令長官に就任。翌年パランティア星域会戦でほぼ一方的に惨敗、戦死。41歳。会戦自体は、コープの戦死後、援軍を率いて到着したジャスパーが敵に一矢報いたが、ジャスパーには「功績を独り占めするためにわざとコープを見殺しにした」という疑惑がかかってしまい、それを信じたコープ夫人がジャスパーを非難するなど、彼の名声を傷つける結果となってしまった。

[編集] 関連項目