金益見
| 金 益見 | |
|---|---|
| 各種表記 | |
| ハングル: | 김익견 |
| 漢字: | 金益見 |
| 平仮名: (日本語読み仮名) |
きん・えきけん |
| 片仮名: (現地語読み仮名) |
キム・イッキョン |
| ラテン文字転写: | Kim Ikkyon |
| 金 益見 (김익견) |
|
|---|---|
| ペンネーム | 金 いっきょん(きむ いっきょん) |
| 誕生 | 김익견 1979年7月14日(32歳) |
| 職業 | 大学院生 |
| 国籍 | |
| 活動期間 | 2008年 - |
| 主題 | ルポタージュ、評論 |
| 主な受賞歴 | 橋本峰雄賞(2008年) |
| 処女作 | 『ラブホテル進化論』(2008年) |
| 公式サイト | まきずし大作戦 |
金 益見(キム・イッキョン、김익견、1979年7月14日 - )は、日本の民俗学者(地域文化論、ラブホテル研究)、博士(人間文化学[1])。コラムなどでは筆名として金 いっきょん(きむ いっきょん)名義を使用する場合もある。女性。
目次 |
[編集] 概要
在日韓国・朝鮮人三世として大阪府大阪市生野区[2]に生まれる。10代で父を心筋梗塞で亡くし[3]、母子家庭に育つ[4]。
神戸学院大学進学後、卒業論文のテーマに悩んでいた際、列車内の中吊り広告に発想を得てラブホテルの研究を開始する。人文学部長(当時)のトイレ研究専門家・水本浩典に卒業論文指導教員となってもらい、国立国会図書館などで文献調査を中心としたアプローチで研究を進め論文を完成させ卒業した。
しかし、神戸学院大学大学院人間文化学研究科に進むと、「卒論の時、自分はすごいことをしていると思ったが、当時は資料を集めているだけだった」[5]との思いから、フィールドワークを中心にしたアプローチで再度ラブホテルに取り組むことにした。出版社に「ただ働きでいいから、取材について行かせて欲しい」[5]と電話し、ラブホテル特集雑誌の記者に同行し、ホテル経営者にインタビューを申し入れる手法を採った。5年間で1000室超[5]のラブホテルを訪れ、「本来の目的にこだわるか、付加的なサービスを求めるか」[5]といった視点を交えつつ、日本のラブホテルの変遷を研究成果として纏めあげた。
また、参考文献として『「変態」の時代』[6]を購入する際、店頭で『マンガ嫌韓流』[7]や『「在日コリアン」ってなんでんねん?』[8]といった書籍を見かけたことから、在日韓国・朝鮮人と日本人との相互理解に関心を抱くようになった[9]。その後、在日韓国・朝鮮人へのインタビュー記事を掲載するウェブサイトの運営に携わることになり、大阪市立大学大学院経済学研究科教授の朴一らに取材を行っている[2]。
2008年、著書『ラブホテル進化論』により橋本峰雄賞を受賞した[10]。
[編集] 研究成果
- 回転ベッド
- 回転ベッドの発展について「ベッド自体を回転させたらどうだろう、鏡とセットにすれば自分たちの性行為も見られて、よりエロティックな雰囲気になるのではないか、とアイディアを出し合い、改良が進んだ」[11]と指摘している。
- 経営者
- 在日韓国・朝鮮人が経営者だと思われている 近畿地方のラブホテルの経営者には石川県出身者が多いことを主張している[要出典]。経営者のスキルパスの一例として、「大変で人がやりたがらない豆腐屋で資本をためて風呂屋をし、それを売ってホテル」[12]との石川県出身のラブホテル経営者の証言を紹介している。
- 関西人
- ラブホテルの利用の仕方には地域差があると指摘している。たとえば、近畿地方在住の女性客について「関西の女の子はかなりの確率で割引クーポンを使います。しかもワリカン。小銭がどうとか男の人とよくモメています」[3]とあくまで自身の体験を元に語っている。
[編集] 反響
キムの著書について、『讀賣新聞』紙上では「羞恥心という日本人の性意識を底流に、ホテルの持つ陰と陽を描いた」[5]作品とされ「一つの文化論にまで昇華した」[5]と評されている。国際日本文化研究センター教授の井上章一は、ラブホテル専門設計事務所に対するキムの論考について「現場へ力をそそぐあまり、日本を世界の中で相対化する目がうしなわれた」[13]と指摘しつつ、「主知的で現場取材をおっくうがる若い学徒も多い今日、この健脚ぶりは貴重」[13]であり「かしこげな社会学より、ずっと読みごたえがある」[13]と評している。また、「石川県とラブホテルのつながり」[13]を知り「台湾系、韓国系あたりの人々がかかわっている先入観もこれを読めばぬぐいされる」[13]と評している。著述家の青木るえかは「『はじめに』には蛇足を感じた」[14]と指摘し「こんなのはナシでさっさとラブホテル内部に切り込んでくれたらよかった」[14]と評しているが、「この本は『ラブホテルがいかに不思議な(しかし下世話な本能の求めるままに)工夫と進化をしていったか』を教えてくれる」[14]とも評している。
フィールドワークの際は(同胞である)経営者側から協力を断られることも多かったが、火災に遭ったホテルの経営者が著書を読んで勇気づけられ「一言お礼が言いたい」[5]と出版社に連絡してくることもあったという。
[編集] 人物
好きなミュージシャンとして小沢健二、好きな作家としてよしもとばなな、宮本輝[4]、好きなタイプの男性として朴一を挙げている。
研究を通じ「さげすまれる中、企業努力で、理想を形にするホテル作りにロマンを感じる」[5]とする一方、「ラブホテルの持つ卑わいさ」[5]には未だに抵抗を感じている。「(このテーマを続けていたら)嫁にいかれんかもしれん」[11]と心配し「あの人ラブホに行きまくってるらしいよ、なんて学部内で後ろ指さされるし、親にも卒論のテーマは最後まで内緒」[11]にしていた。雑誌記者とラブホテルを訪れた際は、男性2人にキム1人の3人組での取材だったため、廊下ですれ違う利用客のカップルが声を潜めて噂し合い、恥ずかしさで思わず柱の陰に隠れた逸話を持つ。なお、2008年3月現在、研究以外の目的でラブホテルを利用した経験はない[3]。
文春新書から初めて自著を出版した際、本に付けられた帯にキムのバストアップ写真が掲載された[15]。また、『讀賣新聞』紙上にて自著が取り上げられた際には、ラブホテルの客室で撮影されたポートレートが掲載された[5]。
[編集] 著作
[編集] 単著
- 『ラブホテル進化論』文春新書、2008年。ISBN 9784166606207
[編集] 論文
- 「『貸間』名称の変遷に関する一考察--連れ込み宿からラブホテルまで」人間文化(神戸学院大学人文学会)22号105頁(2007年)。
- 「ラブホテルとモーテルの研究」文藝春秋86巻7号342頁(2008年6月)。
[編集] 寄稿
- 都築響一・金益見「『怪しい』から『楽しい』スポットへ――ラブホテルここまできた!」『週刊朝日』朝日新聞出版、2008年4月11日。
- しりあがり寿・金益見「ドキドキ探訪ドキュメント 成熟世代に贈るラブホテル活用のススメ (特集 私を豊かにする性愛)」『婦人公論』中央公論新社,2009年2月22日
- 金益見・吉沢明歩「男と女の性愛学~格差社会の最新版~『ラブホ&セックス進化論』」『週間ポスト』「小学館」2009年6月26日
[編集] 連載
- 金益見稿「ラブホ大学院」『スポーツニッポン』スポーツニッポン新聞社、連載中。
[編集] 出演
[編集] 雑誌
[編集] テレビ
[編集] ラジオ
[編集] 脚注
- ^ 博士論文のタイトルは『「消費される女性・消費する女性」に関する風俗史的研究』2009年、神戸学院大学より学位授与。
- ^ a b 「在日著名人インタビューも――漫画で20~30代を視野に」『民団新聞』2007年5月30日。
- ^ a b c 「金益見――日本一のラブホ研究家」『ZAKZAK』産経デジタル、2008年3月17日。
- ^ a b 「[筆者が語るツボ]…金益見著『ラブホテル進化論』」『[筆者が語るツボ]…金益見著「ラブホテル進化論」:読書:スポーツ報知』報知新聞社、2008年3月3日。
- ^ a b c d e f g h i j 鷲見一郎「著者来店――『ラブホテル進化論』金益見さん――経営者のロマンに光」『讀賣新聞』47413号、読売新聞東京本社、2008年3月2日、15面。
- ^ 菅野聡美『「変態」の時代』講談社、2005年。
- ^ 山野車輪『マンガ嫌韓流』晋遊舎、2005年。
- ^ 朴一『「在日コリアン」ってなんでんねん?』講談社、2005年。
- ^ 金いっきょん「ホンとの出会い」『まきずし大作戦』2005年12月13日。
- ^ 「金益見さん(本学大学院人間文化学研究科博士課程)が第18回橋本峰雄賞を受賞!」『金益見さん(本学大学院人間文化学研究科博士課程)が第18回橋本峰雄賞を受賞!』神戸学院大学、2008年12月24日。
- ^ a b c 「神戸の女子大院生――『ラブホ研究論文』の中身」『J-CASTニュース : 神戸の女子大院生 「ラブホ研究論文」の中身』ジェイ・キャスト、2007年2月4日。
- ^ 「ラブホテル300軒取材、成果を出版――神戸学院大学院生」『asahi.com:ラブホテル300軒取材、成果を出版 神戸学院大学院生 - 関西』朝日新聞社、2008年2月25日。
- ^ a b c d e 井上章一「ラブホテル業界のウラ話と利用客の生態学」『文藝春秋|本の話より|私はこう読んだ』文藝春秋。
- ^ a b c 青木るえか「ラブホを見るのがわくわくしてくる」『週刊朝日』朝日新聞社、2008年3月14日。
- ^ 『Amazon.co.jp: ラブホテル進化論 (文春新書 620): 金 益見: 本』アマゾンジャパン。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 文藝春秋|「ラブホテル進化論」(金 益見)|写真でみるラブホテルの進化 - 文藝春秋による公式ウェブサイト。
- まきずし大作戦 - キムの公式ブログ。
- 文藝春秋|ラブホテル進化論(金 益見) - キムの著書を紹介する文藝春秋のウェブサイト。
