金券

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金券(きんけん)とは、貨幣や補助貨幣ではないものの、貨幣に準じる形で流通している有価証券の別称。「金券ショップ」の「金券」など通常はこの意味で用いられ、以下、「古物営業法上の金券」の節で述べる。

このほか「金券」には以下のような意味もある。

  • 商法の有価証券法の分野で講学上用いられる概念で、私法上の権利を表章しているわけではなく法令によって証券そのものに当然に特定の価値が認められている証券。この意味の「金券」には銀行券等を含み、商法上の有価証券とは区別される。以下、「商法の講学上の金券」の節で述べる。
  • 金本位制(金地金本位制)において中央銀行が金地金との交換を保証した紙幣。兌換金券ともいう。

古物営業法上の金券[編集]

概説[編集]

古物営業法では、「金券類」として定義がされている。殆どの金券が「資金決済に関する法律」の規制に基づき運用されている。適用を受けないものについてもこの法律の適用除外を理由とされている。金券の売買は古物商リサイクルショップの一業種として行われており、金券ショップとも呼ばれる。

自社のみで使う券(自家型)は発行後の届け出制だが、共通ビール券など自社以外の店舗でも使える券(第三者型)は、発行前に登録しなければならない。自家型の場合は未使用残高が700万円を超えると各財務局への届け出義務が生じる。さらに1000万円を超えると、経営破綻(はたん)などに備え、残高の半分以上を法務局に供託しなければならない。登録義務があるのに登録をしないまま発行した場合は罰則は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金となっている。

発行者の破綻など、何らかの信用不安に陥り通用が不能になった場合、財務局により供託金の分配が行われる(例として、百貨店共通商品券が発行元百貨店の破綻によって利用できなくなるケースなど)。しかし、無届け業者が金券を売ったまま倒産した場合は金券の返金ができない問題がある(例として大阪の食品スーパー「サンエー」が無届けのまま商品券を販売して2010年に倒産したケースなど)。無届け発行者に対する監督権限が財務局にないなどの法の不備が存在する。

法改正による利用停止の増加[編集]

前払式証票の規制等に関する法律」に代わる「資金決済に関する法律」の施行(2010年4月)により、払い戻しに関する規定が明文化され、利用停止が容易になった。新聞や加盟店での事業終了・払戻期間の公告・掲示で済むようになり、使用中止に伴う払い戻し期間が最低60日に短縮されたため、需要の低下した文具券音楽ギフトカード花とみどりのギフト券ヘルスギフト券など使用停止になる金券(商品券)が増えており、払い戻し期間を過ぎて、知らない間に「紙くず」となる例が増えている。金融庁が使用停止された金券類の一覧を公開しているが(後述の#外部リンク参照)、一般への周知不足が指摘されている[1]

主な金券・商品券プリペイドカード[編集]

商法の講学上の金券[編集]

商法の手形・小切手法(有価証券法理)の分野で講学上用いられる「金券」の概念は、私法上の権利を表章する証券である商法上の有価証券とは区別され、法令によって証券そのものに特定の価値が認められている証券を指す(権利と証券が結合しているわけではなく、証券そのものが価値を有している証券である)。この意味の「金券」には銀行券収入印紙郵便切手などがある。

商法の講学上の金券は証券の中で最も流通機能が強く、証券の取得(善意取得)に無重過失が要件とされる手形や小切手などの有価証券とは異なり、証券の取得に関して何ら注意義務を必要としない。また、この意味の金券は証券そのものが価値をもつものであることから、権利と証券との結合を解く除権決定をとることはできず、証券の滅失は価値そのものの滅失ということになる。

注釈[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]