釈日本紀

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釈日本紀(しゃくにほんぎ)は、鎌倉時代末期の『日本書紀』の注釈書。「釈紀」の略がある。全28巻。

成立[編集]

著者は卜部兼方(懐賢)。著作年代は未詳だが、平野社卜部家であった兼方の父兼文が、文永元年(1264年)または建治元年(1275年)に前関白一条実経らに講義を行った[1]。このときの説話に、奈良時代以降の数々の『日本書紀』注釈史料を参照して編集したとする。正安3年(1301年)には写本が確認でき[2]、つまりはこの20余年の間に編まれたと考えられる。

評価[編集]

史料には『上宮記』、『日本紀私記』、『風土記』、『古語拾遺』、『天書』、『安斗智徳日記』、『調連淡海日記』、『先代旧事本紀』等、現在では散逸している書物を参照しており、これらを逸文として残している。『日本紀私記』などは、奈良から平安初期の朝廷でしばしば行われた『日本書紀』の訓み方の講書記録にすぎなかったが、兼方は卜部家に伝わる家説に諸種の私記を併せ、解題・注音・乱脱・帝王系図・述義・秘訓・和歌の7部門に分け、兼方の厳密な書紀原文解釈の集大成とした。このため『古事記』、『日本書紀』の欠を補う史料として評価が高い。

刊行本[編集]

参照[編集]

  1. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典。
  2. ^ 世界大百科事典 第2版。

関連項目[編集]