部分多様体

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部分多様体とは多様体M部分集合S であって、それ自体も多様体構造を持つものを指す。この時、包含写像 i: MS の性質によって、部分多様体はいくつかの種類に分けられる。

定義[編集]

以下では多様体といえばCr級可微分多様体 (r ≥ 1) のことであると仮定する。

正則でない部分多様体[編集]

広義の正則でない部分多様体は、はめ込み f : NM による像S のことを指す。ただし、このS は一般には部分多様体ではなく、はめ込みf単射ではない(単射はめ込みのことを(正則でない)埋め込みという)からS 自己交差を持つことを許容する。

より狭義には包含写像i: NM単射はめ込みであるときに、多様体NM の正則でない部分多様体と呼ぶ。この時、包含写像iが可微分同相であることを仮定するが、この際、Niによる像S に入っている位相M からの相対位相であるとは限らない。この意味で、NM の部分多様体でないとする流儀もある。

もし単射はめ込みf :NM が与えられれば、Nf による像f (N )は一意に決まる。このときf は可微分同相であるように取る。このことから正則でない部分多様体は単射はめ込みの作る像そのものであるという見方もできる。

前述の通り、この場合の部分多様体に入る位相M からの相対位相でなくてもよい。この意味で位相空間部分空間の定義よりも緩やかな定義であると見ることもできる。

この正則でない部分多様体はリー群の理論の中に登場するもので、部分リー群は自然な正則でない部分多様体である。

正則な部分多様体[編集]

正則な部分多様体、あるいは単に部分多様体というときには、(正則な)埋め込みにより定義された部分多様体を指すのが一般的である。具体的には多様体MNM について、包含写像i:NM埋め込みである時にNM の正則な部分多様体という。この時、N に入っている位相M からの相対位相となる。

もし埋め込みf :NM が与えられれば、多様体NM は自然にM の部分多様体となる。この意味で、正則な部分多様体とは埋め込みによる像であると見ることができる。

これとは別に座標近傍を用いた部分多様体の定義もある。MN 次元多様体とし、0 ≤ kN は整数とする。このとき、多様体Mk次元部分多様体とはSM で、任意のpS について以下の性質が満たされることをいう。

  1. p まわりの座標近傍UM , φ: URnについて像φ(SU )がk次元平面φ(U )と交わる
  2. 上のSU, φ|SUS の座標近傍系をなす