還元主義
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還元主義(かんげんしゅぎ、英:Reductionism、独:Reduktionismus) とは、複雑な物事は、それを構成する要素に分解し、それらの個別(一部)の要素だけを理解すれば、元の複雑な物事全体の性質や振る舞いもすべて理解できるはずだ、と想定する考え方[1]。 それに対する否定的な呼称。疑似科学の一種ともされる[2]。
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[編集] 歴史
還元主義を生むきっかけとなった考え方は、デカルトにより1637年に刊行された『方法序説』の第5部において提示された。デカルトは、世界を機械に譬え、世界は時計仕掛けのようであり、部品をひとつひとつ個別に研究した上で、最後に全体を大きな構図で見れば機械が理解できるように、世界も分かるだろう、という主旨のことを述べた。(ただし、デカルト自身は、正しく理解するためにはひとつたりとも要素を脱落させてはいけない、といった主旨のことも他のくだりで述べていることに注意する必要がある。)
デカルトが「分解し、網羅的に調べ、後に統合する」という考え方であったのに、後に別の人々によってこの前半の「分解」ばかりが強調され、しかも一部の要素だけに言及してそれだけで事足れりとする者が現れ、還元主義となってゆくことになった。
[編集] 成果
還元主義は、無機的な物事を対象とする物理学や化学においては有効であった。それらの分野での、17-20世紀における発展に大きく寄与した。
例えば、"物質の性質は、物質を小さく切り刻んだ要素を調べれば判るだろう" と考えることで、分子や原子の発見へとつながり、やがて素粒子の研究へとつながった。
還元主義により、膨大なデータから偏差を整理しながら近づいてゆき、ひとつの推察にたどりつく、という手法が生まれた。
[編集] 難点
統合的分析が見落とされる原因となった。デカルトは「分解の後に統合」を目指していたにもかかわらず、還元主義により分解の後に分解、できるだけ分解して統合しないという傾向が生まれていった。
還元主義は、そのプロセスの過程で、比較的目立たない要素の研究は放置した上で、目立つ要素をばかりを深堀りしてゆく傾向を生みがちで、結果としていつまでも、元の「全体」を理解するためのデータが出揃わないということになりがちだった。
還元主義による手法では理解し難い対象も存在するという考え方は、デカルトの時代以前からすでにあった。例えば、アリストテレスは「全体とは、部分の総和以上のなにかである 」と述べている。 全体性を見失わない考え方は「ホーリズム(Holism)」と呼ばれている。
様々なものは階層構造を持ち、(還元主義によって得られる)下層要素の情報だけでは、上層や全体の振る舞いが予想できないことが後にはっきりと認識されるようになった。そのような現象は「創発」と呼ばれている。
自然科学に携わる者の間でも化学や物理学分野で分解された要素の目覚ましい発見が一巡し、関心の中心が生体、集団、複合体といった複雑性や複合性を持つより複雑なものへと移り変わっていった。すると、還元主義の問題点は理解されはじめ、否定的な論調で扱われる事が多くなった。その為、"複雑系の科学"の考え方や、他の考え方が生まれ、現在も様々な試みが生まれている。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
- 対比
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| 科学と非科学 | 線引き問題 - 反証可能性 - プロトサイエンス - 科学における不正行為 - 病的科学 - 疑似科学 |
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| 科学理論 | パラダイム - 通約不可能性 - ハードコア - デュエム-クワイン・テーゼ |
| 観測 | 観測選択効果 - 人間原理 |
| 立場 | 科学的実在論 - 社会構成主義 - 道具主義 - 反実在論 |
| 人物 | ネルソン・グッドマン - トーマス・クーン - チャールズ・サンダース・パース - カール・ポパー |
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