退廃音楽

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退廃音楽(たいはいおんがく、 Entartete Musik)とは1930年代ナチス・ドイツが、「有害または退廃的である」とみなした音楽である。ナチスが「退廃芸術」を排除しようとしたことは有名であるが、退廃音楽はその音楽版である。

実例[編集]

ナチスが退廃音楽とみなした音楽には以下のものがあげられる。

排斥[編集]

これらの作品はナチスの圧力で上演が困難になったため、多数の音楽家が亡命、またはカール・アマデウス・ハルトマンボリス・ブラッハーのように国内亡命を余儀なくされた。バルトークは、自ら退廃音楽を自称して抗議した[1]上、アメリカに亡命している。またヴィクトル・ウルマンエルヴィン・シュルホフのように強制収容所で命を落とした者もいた。

その一方で、カール・オルフの『カルミナ・ブラーナ』(1937年)などの作品は称揚され、大いに人気を博した。

退廃音楽展[編集]

退廃音楽弾圧の歴史を解説するパネル展示

1938年には退廃芸術展にならい、これら音楽に関する資料を集めて観衆の前に晒す「退廃音楽展」がデュッセルドルフで開催された。主催者の一人であったヴァイマル国立劇場音楽監督のハンス・ゼヴェルス・ツィーグラーは開催の式辞で「音楽の荒廃はユダヤ人と資本主義の影響によるものである」と述べた。ツィーグラーは展示を7つのセクションに分けた。それは(1)ユダヤ人の影響、(2)シェーンベルク、(3)ワイルとクルシェネク、(4)その他の文化ボリシェヴィキ(ベルク、フランツ・シュレーカーエルンスト・トッホなど)、(5)レオ・ケステンベルク、(6)ヒンデミットのオペラオラトリオ、(7)イーゴリ・ストラヴィンスキーというものであった。

文献[編集]

  • Anon. 1938. "Musical Notes from Abroad" Musical Times 79, no. 1146 (August): 629–30.
  • Theo Stengel Lexikon der Juden in der Musik : Mit e. Titelverz. jüd. Werke. Zusgest. im Auftr. d. Reichsleitg d. NSDAP. auf Grund Behördl., parteiamtl. geprüfter Unterlagen in Verbindung mit Herbert Gerigk. Berlin : Hahnefeld Verlag, 1943 (Reihentitel: Veröffentlichungen des Instituts der NSDAP. zur Erforschung der Judenfrage, Frankfurt am Main ; [Bd. 2])
  • Das „Dritte Reich“ und die Musik, zur gleichnamigen Ausstellung im Schloss Neuhardenberg. Berlin : Nicolai, 2006 ISBN 3894793317.- Französische Ursprungsversion (Musée de la Musique, 2004): Übers. der Texte aus dem Dt. Bernard Banoun ISBN 2213621357
  • Bente-Helene van Lambalgen, Emanuel Overbeeke, Leo Samama: Entartete Musik: verboden muziek onder het nazi-bewind. Amsterdam University Press, 2004. ISBN 9053567151.
  • Albrecht Dümling/Peter Girth (Hrsg.): Entartete Musik. Dokumentation und Kommentar zur Düsseldorfer Ausstellung von 1938, Düsseldorf: der kleine verlag, 1./2. Auflage 1988, 3. überarbeitete und erweiterte Auflage 1993. ISBN 3-924166-29-3

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Michael Chanan From Handel to Hendrix: The Composer in the Public Sphere, Verso, 1999, p.230