召集令状

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赤紙 から転送)

召集令状(しょうしゅうれいじょう)とは、軍隊が在郷将兵召集のために出した令状である。本記事では特記のない限り日本軍のそれについて記述する。

なお、自衛隊では予備自衛官等の動員については「招集」の語を用い[1]、その命令を伝達する命令書は「招集命令書」という。防衛招集命令書は淡紅色、国民保護等招集命令書は淡黄色、災害招集命令書は淡青色、訓練招集命令書は白色とされている。

目次

[編集] 日本陸軍における召集

[編集] 召集の区別

  • 充員召集
  • 臨時召集
  • 国民兵召集(昭和16年(1941年11月15日の陸軍召集規則改正により充員召集・臨時召集に統合)
  • 演習召集
  • 教育召集
  • 補欠召集
  • 防衛召集(昭和17年(1942年9月26日公布の陸軍防衛召集規則による)

[編集] 召集命令状の種類

戦時における陸軍の召集のうち召集令状等はその色[2]から赤紙などと呼ばれた。 以下は召集令状の各色・種類である。

  • 赤紙=充員召集、臨時召集、帰休兵召集、国民兵召集、補欠召集
  • 白紙=教育召集、演習召集、簡閲点呼 
  • 青紙=防衛召集

青紙の「防衛召集」とは、空襲などの際に国土防衛のため、予備役・補充兵役・国民兵役(在郷軍人と呼ぶ)を短期間召集すること[3]

赤紙の充員召集・臨時召集・国民兵召集令状は、昭和16年(1941年)11月15日の陸軍召集規則の改正により、国民兵召集の区分は廃止された。

用紙は、縦15.5cm、横25.7cm。黒のインク印刷され、の厚みが半紙のように薄い。召集令状(赤紙・白紙・青紙)は連隊区司令部で発行し、市区町村役場の兵事係(現在の戸籍係)の職員が応召者本人に直接手渡し(不在の場合はその家族に)交付した。その際受取人は受領日時(何時何分)を記入し押印する。令状は本記と受領証からなり、本記には応召者氏名、住所、召集部隊名、到着日時等が書かれ、これは部隊までの交通切符代わりになる。

受領証は、職員が市区町村役場に持ち帰り、「召集令状受領綴」という記録簿に保管する。 一般に赤紙が「一銭五厘」と呼ばれるのは、応召者本人が本籍地から離れて暮らしている場合、実家から郵便で令状が来たことを知らせたのが原因と考えられる[4]

令状表面には、召集される者の氏名、配属される部隊名、部隊に出頭する日時などが記載される。

裏面には、召集令状を提示することによる目的地までの交通費の割引(船舶は5割、鉄道は1等車及び3等車が5割、2等車が4割、南満州鉄道は一律5割引き)や、伝染病など理由あって期日までに部隊に出頭できない場合の連絡先、応召集員の心得などの備考及び注意事項が記載されていた。ちなみに運賃については、本人負担分は到着後配属部隊にて支給すると書かれている。また、その交通費が不足する場合は、事前に市町村役所に届け出れば全額前金で支給するとなっている。また、理由なく召集に応ぜられなかった場合、罰金刑もしくは拘留と書かれている。

召集令状は、役場の兵事係から本人や家族に直接渡され、召集された本人が兵営へ持参するため、現存するものは極めて少ない。

[編集] その他

特に東條英機内閣時代において、官憲の意にそわない者を懲罰的に充員召集若しくは臨時召集する、いわゆる「懲罰召集」がしばしば行われたとされる。松前重義は対象となった一人[5]。他にも竹槍事件新名丈夫や、昭和18年1月1日付の朝日新聞に「戦時宰相論」という東條を批判する論文を掲げた中野正剛に対する勾留請求の却下を可とした中村登音夫検事など、懲罰召集を受けたものは72名[6]にのぼったという。[7]

[編集] 日本海軍

[編集] 召集の区別

  • 充員召集
  • 演習召集
  • 補欠召集
  • 勤務召集
  • 防衛召集(昭和19年(1944年4月21日公布の海軍防衛招集規則による)

なお、第二次世界大戦頃の日本海軍の充員召集令状は「紅色」であった。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 脚注

  1. ^ 日本国憲法下においては、公的な場面での「召集」を用いる例は国会以外にはない。
  2. ^ 当初は真っ赤だったが、戦時の物資不足による染料の節約で次第に地色が薄くなり、実際に太平洋戦争で多くの人が目にしたのはピンク(淡紅色、桃色、鴇色)である。
  3. ^ 資料・加藤陽子著、吉川弘文館、1996年刊「徴兵制と近代日本」より。
  4. ^ 資料・小澤真人著、NHK取材班、創元社、1997年刊「赤紙」より。
  5. ^ 召集当時、従四位勲四等少将相当の勅任官であったが二等兵にされた。詳細はリンク先参照。
  6. ^ 新名に対する懲罰召集のとばっちりを食った人たちも数に入れると300名を越える。詳細は竹槍事件を参照。
  7. ^ 資料・「戦前・戦中」用語ものしり物語 光人社、北島恒信著、平成3年 ISBN 4-7698-0575-6
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