赤池弘次

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赤池 弘次(あかいけ ひろつぐ、1927年11月5日 - 2009年8月4日)は、日本の数理統計学者静岡県富士宮市に生まれ、海軍兵学校第一高等学校を経て、東京大学数学を専攻した。1952年、統計数理研究所所員。1962年同研究所第一研究部第二研究室長、1973年同研究所第五研究部長、1985年同研究所予測制御研究系研究主幹を経て、1986年から1994年まで同研究所所長を務めた。1970年代に確立した赤池情報量規準(AIC)で知られる。

主要な貢献[編集]

1960年代までに携わった時系列解析因子分析で得た知見をもとに、モデル選択のための一般的な手法である赤池情報量規準(AIC)を発表した。この手法はその後、モデル選択の標準的な手法として広く用いられるとともに、ベイジアンの枠組みへの拡張など多数の理論的発展を生んだ[1]。1974年の彼の論文 "A new look at the statistical model identification"[2] は工学・技術分野でもっとも多く引用される文献のひとつに数えられる[3]

1972年の著書『ダイナミックシステムの統計的解析と制御』[4]において統計モデルに基づくシステム同定システム制御の方式を提案し、PID制御に代わる現代制御理論の実用化の道を開いた。この方式は、セメントのロータリーキルン火力発電所最適制御[5][6]など、産業界の様々なシステムの効率化を導いた[3]

略歴[編集]

受賞[編集]

著書と論文[編集]

  • Akaike, Hirotugu (1974). “A new look at the statistical model identification”. IEEE Transaction on Automatic Control 19 (6): 716-723. doi:10.1234/12345678. 
  • 赤池弘次、中川東一郎 『ダイナミックシステムの統計的解析と制御』 サイエンス社、1972年4月。ISBN 4781902537
    • 新版:赤池弘次、中川東一郎 『ダイナミックシステムの統計的解析と制御』 サイエンス社、2000年12月。ISBN 4781909728
    • 英訳:Akaike, Hirotugu; Nakagawa,Toichiro (1988). Statistical analysis and control of dynamic systems. ISBN 90-277-2786-4. 
  • Parzen, Emanuel; Tanabe, Kunio; Kitagawa, Genshiro, eds. (1998), Selected papers of Hirotugu Akaike, New York: Springer, ISBN ISBN 0-387-98355-4 

脚註と参考文献[編集]

  1. ^ deLeeuw, J. (1992), “Introduction to Akaike (1973) Information theory and an extension of the maximum likelihood principle”, Breakthroughs in Statistics: Foundations and basic theory, 1 (1 ed.), Springer, pp. 599-600, ISBN 978-0-387-94037-3 
  2. ^ #Akaike1974a
  3. ^ a b #FindleyParzen1995
  4. ^ #赤池中川1972
  5. ^ 木原彬殷 「セメントプロセスの統計的制御」『時系列解析の実際II』 赤池弘次、北川源四郎、1994年、p.1。
  6. ^ 中村秀雄 「統計モデルによる火力発電用ボイラの制御」『時系列解析の実際I』 赤池弘次、北川源四郎、1994年、p.2。
  7. ^ 博士論文書誌データベース
  8. ^ 赤池弘次氏死去 時事通信 2009年8月4日閲覧

外部リンク[編集]

先代:
林知己夫
統計数理研究所
第8代:1986年 - 1994年
次代:
清水良一