貧金属

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貧金属(poor metal)は、周期表上でPブロック元素内にある金属元素である。遷移金属と比べ、一般的に融点沸点は低く、電気陰性度は高く、軟らかい。金属と非金属の境界に近く、結晶構造共有結合的な傾向を示し、他の金属元素と比べて一般的に複雑さが増すか、隣り合う原子の数が少なくなる。半金属とは、電気伝導性が非常に高いことと密度が大きいことで区別される。

該当しうる元素[編集]

「貧金属」という用語は、国際純正・応用化学連合が厳密な定義を与えた用語ではないが、一般的にアルミニウムガリウムインジウムタリウムスズビスマスポロニウムを含むとされている[1]。通常は半金属と見なされるゲルマニウムアンチモンが加えられることもある。原子番号113番から116番のウンウントリウムフレロビウムウンウンペンチウムリバモリウムは、未だ化学的性質を決定するのに十分な量が合成されていないが、貧金属の性質を示すようである。

ポスト遷移金属[編集]

ポスト遷移金属という用語は、一般的に周期表上の第4族から第6族の金属元素に対して用いられる[2][3]。この定義では第3族のアルミニウムは除外されるため、ポスト遷移金属は貧金属の一部分となる。

元素がポスト遷移金属に分類されるかどうかは、周期表上で遷移金属がどこで終わるかに依存している。1950年代には、大部分の無機化学の教科書で、ニッケルパラジウム白金第10族で終わり、第11族第12族亜鉛カドミウム水銀を除外して定義している[4]。2003年に行われた教科書と論文の記述の調査では、遷移金属が第11族と第12族で終わると定義するものがほぼ同じ割合であった[4]。アルミニウム、ゲルマニウム、アンチモンが遷移金属とされることもあるが、後2者は通常は半金属に分類される[5]

出典[編集]

  1. ^ Hill, Graham; Holman, John (2000). Chemistry in context (5th ed.). Cheltenham: Thomas Nelson & Sons. pp. 39–41. ISBN 0-17-448276-0. 
  2. ^ Brady, James E. (1990). General Chemistry: Principles and Structure (5th ed.). Wiley. p. 96. ISBN 978-0-471-62131-7. http://books.google.com/?id=UVlGAAAAYAAJ&dq=post-transition+metal+brady&q=post-transition+%22just+to+the+right%22#search_anchor. 
  3. ^ Cox, P. A. (2004). Instant Notes in Inorganic Chemistry (2nd ed.). Garland Science/BIOS Scientific Publishers. pp. 185–186. ISBN 978-1-85996-289-3. http://books.google.com/books?id=8yQOhvD3tWcC&pg=PA185#v=onepage&q=&f=false. 
  4. ^ a b Jensen, William B. (2003). “The Place of Zinc, Cadmium, and Mercury in the Periodic Table”. Journal of Chemical Education 80 (8): 952–961. Bibcode 2003JChEd..80..952J. doi:10.1021/ed080p952. 
  5. ^ Egdell, R. G. (2007年). “Post Transition Metal Chemistry Lecture 1 (PDF)”. WebLearn – Oxford Campus, Department of Chemistry. 2007年12月2日閲覧。