豊似駅

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豊似駅
とよに
Toyoni
石坂 (6.3 km)
(5.1 km) 野塚
所在地 北海道広尾郡広尾町字豊似
北緯42度23分53.6秒 東経143度18分22.2秒 / 北緯42.398222度 東経143.306167度 / 42.398222; 143.306167座標: 北緯42度23分53.6秒 東経143度18分22.2秒 / 北緯42.398222度 東経143.306167度 / 42.398222; 143.306167
所属事業者 日本国有鉄道(国鉄)
所属路線 広尾線
キロ程 71.2 km(帯広起点)
電報略号 トニ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1932年昭和7年)11月5日[1]
廃止年月日 1987年昭和62年)2月2日[1]
備考 広尾線廃線に伴い廃駅
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1977年の豊似駅と周囲約500m範囲。下が広尾方面。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

豊似駅(とよにえき)は、北海道十勝支庁広尾郡広尾町字豊似にかつて設置されていた、日本国有鉄道(国鉄)広尾線廃駅)である。電報略号トニ事務管理コードは▲111513[2]

歴史[編集]

駅名の由来[編集]

所在地名より。現在の豊似川のアイヌ語名「トイオイ(toy-o-i)」(土・ある・ところ)に由来する[4]。ここでいう「トイ(toy)」とはアイヌが食用にしていた珪藻土(「チエトイ(cie-toy)」)のことともされているが[4][7]、単に泥水ばかり出る川であったためともされている[7]

また、アイヌ語研究者の山田秀三は「豊似」という当て字に着目し「トユニ(toy-un-i)」(土・ある・ところ)とも呼ばれていたのかもしれない、と考察している[7]

駅構造[編集]

廃止時点で、1面1線の単式ホームを有する地上駅であった。ホームは、線路の西側(広尾方面に向かって右手側)に存在した。[8]。かつては2面2線の相対式ホームを有する、列車交換可能な交換駅であった。使われなくなった駅舎と反対側の1線は、交換設備運用廃止後も側線として残っていた(但し1983年(昭和58年)時点では、プラットホームは撤去されていた[8])。その他、本線帯広方から駅舎側に分岐し駅舎北側のホーム切欠き部分の貨物ホームへの貨物側線を1線有していた[8]

無人駅となっていたが、有人駅時代の駅舎が残っていた。駅舎は構内の西側に位置し、ホームに接していた[8]

利用状況[編集]

1981年度(昭和56年度)の1日当たりの乗降客数は50人[8]

駅周辺[編集]

駅跡[編集]

1999年(平成11年)時点では鉄道関連施設は何も残っておらず、荒れ地になっている[10]。2010年(平成22年)時点でも同様であった[11]

隣の駅[編集]

日本国有鉄道
広尾線
石坂駅 - 豊似駅 - 野塚駅

脚注[編集]

  1. ^ a b c 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、891頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、236頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ a b 内閣印刷局, ed (1932-10-28). “鉄道省告示 第429号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (1750). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2958221. 
  4. ^ a b c 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、143頁。ASIN B000J9RBUY 
  5. ^ “日本国有鉄道公示第319号”. 官報. (1974年12月12日) 
  6. ^ 「通報 ●広尾線愛国駅ほか3駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報日本国有鉄道総裁室文書課、1974年12月12日、4面。
  7. ^ a b c 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、329頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  8. ^ a b c d e 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)140ページより。
  9. ^ a b c 書籍『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月発行)12ページより。
  10. ^ 書籍『鉄道廃線跡を歩くVI』(JTBパブリッシング1999年3月発行)40ページより。
  11. ^ 書籍『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』(JTBパブリッシング2010年4月発行)89ページより。

関連項目[編集]