課長島耕作の登場人物

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課長島耕作の登場人物(かちょう しまこうさくのとうじょうじんぶつ)とは弘兼憲史漫画作品『課長島耕作』シリーズに登場する架空の人物の一覧である。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


目次

[編集] 島 耕作 (しま こうさく)

島耕作の顔が描かれた岩国市交通局のバス
概要
本作の主人公。1947年9月9日生まれ、山口県岩国市出身。1970年3月 早稲田大学法学部卒(生年月日、出生地、最終学歴とも作者と同じ)であり、在学時代の所属サークルはESS等。現役の新卒で初芝電器産業株式会社に入社。現職はTECOT(テコット、旧社名:初芝五洋ホールディングス)代表取締役社長
広告課で自社カレンダー作りを担当、その後関西や九州をはじめアメリカフィリピンタイマレーシアベトナムヨーロッパ中国インドと世界各地を飛び回るスーパービジネスマンになる。また子会社への出向経歴もあり、ワイン事業や音楽産業といった異業種にも深く関わった。英語が堪能な為、海外赴任や通訳等への抜擢も多い。
会社員としての職務の他、取締役編からは中国の売春組織の壊滅(このエピソードには幽霊退治も含まれている)やインドにおけるテロ勃発の察知、取引先企業のオーナーの腹心の反社会的行為を突き止めたりと多方面に行動している。専務編においてはソムサンとの五洋電機をめぐるM&A合戦において中心的役割を果たした。その後初芝・五洋両社は経営統合される事となり、持株会社として「初芝五洋ホールディングス」が設立され、初代社長に就任する。なお、社名およびブランド名は2010年より「TECOT」に統一された。
モデル
著者はこの名を石田三成の家来島左近をイメージして名付けたとしている。また、2007年8月のラジオ番組[1]にて島耕作のモデルは加山雄三であり、加山のペンネームである「弾厚作」が主人公の名前のヒントとなったことを作者が明らかにした。東芝機械ココム違反事件で会長職を辞したキリスト者の佐波正一(現東芝顧問)がモデルという説もある。また、松下電器に勤務していた経営コンサルタントの中博がモデルの一人として紹介される場合もある[2]
ポリシー
座右の銘は「It's none of my business(俺には関係ないね).」。
シリーズを通して上司である中沢喜一を尊敬しており、部長編においては中沢の腹心となり会社を盛り立てていく。中沢亡き後は勝木清春社長就任のために尽力。その後郡山が社長に就任した際は他の役員抜きで、郡山と技術本部長である松橋を交えた密談に参加することもあるが、派閥に与することを嫌いニュートラルな立場でいることを身上としていることから、あくまで無派閥層である。
出張・赴任先の外国では、珍しい食材(いわゆるゲテモノ料理)も躊躇なくチャレンジする場面が何度か見られる。
女性関係
自分の部下や同僚、水商売の女性、出張先の外国人女性など、数多くの女性と肌を重ねてきた。
その他
作者である弘兼憲史による代表的キャラクターでもあり、出身地の岩国市では車体に島耕作が描かれた市営バスが運行されている。
(職歴)
1970年4月 初芝電器産業株式会社入社
1970年11月 本社営業本部 販売助成部屋外広告課
1971年11月 本社営業本部 販売助成部制作課
1976年1月 本社営業本部 販売助成部制作課 主任
1980年3月 本社営業本部 販売助成部制作課 係長
1983年5月 本社営業本部 販売助成部宣伝課 課長
1985年1月 ハツシバアメリカ NY支社宣伝部
1986年1月 本社営業本部 販売助成部宣伝課 課長
1987年5月 電熱器事業部 営業部宣伝助成課 課長
1988年5月 本社営業本部 販売助成部ショウルーム課 課長
1990年5月 フィリピンハツシバ マーケティングアドバイザー
1990年11月 本社営業本部 販売助成部総合宣伝課 課長
1992年2月 本社営業本部 総合宣伝部 部長
1999年1月 初芝電産貿易株式会社 代表取締役専務(出向)
1999年9月 サンライトレコード株式会社 代表取締役専務(出向)
2001年4月 本社市場調査室
2001年5月 福岡初芝販売センター 代表取締役専務(出向)
2001年10月 福岡初芝販売センター 代表取締役社長(出向)
2002年2月 本社取締役 九州地区担当役員
2002年6月 本社取締役 上海地区担当役員 上海初芝電産董事長
2005年2月 本社常務取締役 中国担当役員
2006年11月 本社専務取締役
2008年5月 初芝五洋ホールディングス株式会社(2010年1月 社名をTECOTに変更) 代表取締役社長

[編集] 歴代の初芝社長

吉原 初太郎(よしはら はつたろう)
初芝電産の創始者で初代社長および初代会長。関西出身。「経営の神様」と呼ばれ、初芝の基礎を築いた。ヤング編でも登場し、島と中沢を高く評価している。課長編で死去。その際、島は知らぬうちにインサイダー取引に巻き込まれた。
初芝電産を町工場から大手電機会社へと育て上げたカリスマ経営者である一方、私生活では愛人の大町愛子との間に娘・久美子をもうけ、この親子に正妻が産んだ娘・笙子以上の愛情を注ぎ、将来は久美子の夫に初芝の社長の座を用意しようと望んでいた。また、老齢となって性的能力が衰えると腹心であった木野が愛子と関係を持つよう計らい、2人のセックスを傍で見守るなど性に執着する世俗的人物の顔も併せ持つ。
課長編の連載開始時に初芝電産の創始者「初芝孫之助」という人物が登場した。当初は設定が確定していなかったものと思われる。
木野 穣(きの ゆたか)
初芝電産第2代社長。吉原時代は吉原の裏方に徹し、影の将軍といった存在で働き、吉原が会長となると社長に就任、吉原会長の死後、苫米地に社長を譲り会長となった。
会長就任後は吉原会長時代よりも会長権限を自ら縮小するなど、自らの実力への分析眼をそなえた人物。大泉も「木野あっての吉原だった」と木野には敬意を抱いていた。また吉原が大泉を好いていなかったことを承知していたが、苫米地が社長の器でないと悟ると大泉擁立に動くなど、感情に左右されずに会社の将来を考える人物としても描かれる。
大泉社長が脳梗塞で倒れた後、社長代行として初芝の指揮をとった。大泉と共に脱派閥の実現を図って中沢を社長に推薦、初芝の将来を中沢に託すが、課長編終盤で糖尿病のため死去。
企業人としては上記のように冷静さが際立つが、性的能力が衰えた吉原の勧めで吉原の愛人・大町愛子と肉体関係を持ち、吉原から彼亡き後の大町親子の行く末を託され、久美子の父親代わりを務めていた。久美子が愛した島にも好意的であった。
課長編では「木野 譲(穣)(きの ゆずる)」と表記している箇所もある。
苫米地 功(とまべち いさお)
初芝電産第3代社長。副社長から昇格。
登場当初は温和な雰囲気の初老の男性であったが、自分の時代が「大泉社長就任までの暫定」と見られていると知ると、大泉失脚を図って手を尽くした。自らの派閥入りを拒絶した島を大泉の走狗とみなし「気に入らないからクビだ」と馘首を言い渡したこともあり、派閥に固執する統率者として描かれる。その後島らによる報復工作により大泉派のクーデターを許し、最後は自派閥の役員からも裏切られ、本社取締役会にて社長解任を満場一致で決議され失脚した。
木野や大泉が寛大な度量をそなえた統率者として描かれるのとは対照的に、保身のために派閥工作する悪玉社長のイメージを背負った存在だが、大泉のように血統を後ろ盾に持たないため派閥工作に頼らざるをえない面があり、どこか悲哀を漂わせる人物でもある。作者の人物評では「おばさん顔」。
大泉 裕介(おおいずみ ゆうすけ)
初芝電産第4代社長。吉原の娘婿。東京大学法学部出身。四井銀行の銀行員だったが、吉原初太郎の娘・笙子と結婚し、将来の社長候補として初芝電産に入社する。初芝の個人筆頭株主である妻には公私共に頭が上がらず、そのこともあってかホステス・馬島典子を愛人として寵愛する。
ハツシバアメリカの社長から本社専務に、その後苫米地社長の就任時には宇佐美との争いを制して副社長に昇進し、着実にトップへの階段を登っていった。自他共に認める次期社長の筆頭候補であった故かややのんびり構え過ぎた一面もある。彼を牽制した苫米地派による追い落とし工作が水面下で進行したが、島や樫村の活躍で苫米地の解任に成功、晴れて社長に就任。社長就任までは血統の後ろ盾や周囲の助けでトップに登っており、環境・状況に恵まれていたが、社長就任後は後任に考えていた樫村がフィリピンで殺害され、自らも脳出血で倒れる悲運に見舞われた。樫村の死をきっかけに経営への情熱は衰えを見せ、病に倒れた後は会長に退き、木野とも協力の上後任社長として中沢を抜擢、初芝のご意見番に徹することになる。老いても典子の陰毛を愛でるなど性への執着は旺盛であり、病に倒れたときも典子と情事の最中であった。引退後も典子とは夫婦同然の暮らしを続けていたが、取締役編でゴルフのラウンド中にしりもちをついたことで骨折し入院。しかし手術後に吐血し治療の甲斐なく死去、最期も典子に看取られた。
豪傑で寛大な人物であり、また典子絡みの場面ではどこか可愛気を感じさせる男性としても描かれる。典子と島の関係を知った際も島に対する社会的なお咎めは一切無く、また対立勢力を破った後も派閥に関係なく人事を行うと公言して実行するなど、公正な人物である。
中沢 喜一(なかざわ きいち)
初芝電産第5代社長。大学院修了後に初芝電産へ入社。入社当初から長年営業を担当していた。派閥に縛られない自由奔放さを見込まれ社長に抜擢される。島が尊敬する唯一の人物で行動理念となっている。
「カカカ」という笑い方が特徴。長年連れ添った愛人がいたが病気のため死去。その愛人との間に生まれた子供は後にボクシングで世界チャンピオンになった。部長編でチャコママ(片桐久子)との情事[3]後にくも膜下出血のため倒れ、病院に運ばれるも脳死状態となっており回復の見込みはなく、家族の同意により生命維持装置が外され死去。
正妻との夫婦生活について、生前チャコママに「妻とは長年セックスレス」と告白したことがあり、脳死状態となった際も妻と娘が躊躇無く生命維持装置を外すことに同意したことから、家族間の情愛は冷え切っていたと考えられる。
会社員としてはきわめて有能であり、部下からの人望も厚い。卓越した先見の明もあり特定家庭用機器再商品化法によって、メーカーによる家電の回収が義務となる時代を1970年代に予見していた。取締役末席からの大抜擢は松下電器の山下俊彦元社長の就任時におけるエピソードがモデルとされる[4](ただし、山下は高卒である)。
万亀 健太郎(まんがめ けんたろう)
初芝電産第6代社長。初登場は課長編(広報室長)。
期待を受けて社長に就任したが思いのほか業績を伸ばすことができず、退任。その後初芝電産相談役・会長を経て初芝五洋ホールディングス会長に就任。島の良き理解者。
豊子という愛人がいたが、取締役編で万亀の中国出張同行中に死去。常務編では島の中国人秘書と交際する(その後社長編にて、正妻と離婚した上で結婚)。
攻めの経営を信条とし、義理人情に篤い性格であり大泉と中沢に「社長と女(豊子)、どちらを取るか?」と問われても迷わず「女をとります」と答えたり、自分が面倒を見た相手は、たとえ裏切られても最後まで面倒を見たりするなど非常に寛大な人物であった。大泉の社葬時には葬儀委員長を勤め、本来親族が位牌を持ち先頭に立つべきところを大泉の愛人である典子に任せるという粋な計らいを見せた。
岡林 栄一(おかやばし えいいち)
初芝電産第7代社長。慶應義塾大学経済学部出身。
万亀とは逆に守りの経営を得意とする。万亀社長が退任後初芝電産第7代社長に就任し、かねてより快く思っていなかった島を福岡へ左遷させた。その後は人員削減を推進していったが、業績は悪化の一途をたどり、責任を取って退陣した[5]
勝木 清春(かつき きよはる)
初芝電産第8代社長。初登場時は専務取締役経理本部長。
社長の座を岡林派の副社長と最後まで争い、大接戦の末初芝電産第8代社長に就任。本人も中沢社長を慕っていたため無派閥の島を容認し、万亀と共に経営者としての能力を見抜き取締役に抜擢する。基本的に温厚な性格で是々非々をモットーとしたバランス型の経営を進めるが、癌のため入院。病床でも執務していたが次第に衰弱し、社長の座を郡山専務に譲る。その後専務編終盤にて島の社長就任を見届けることなく死去。葬儀には首相を始め各界のトップが集まり、人脈の広さを象徴していた。
郡山 利郎(こおりやま としろう)
初芝電産第9代社長。初登場は部長編終盤(取締役・韓国ハツシバ社長)。
島同様に中沢を尊敬しており、その影響もあり社内ではどの派閥にも組せずニュートラルな立場を貫いていた。島との初対面時には勝木社長擁立に動いていた彼に走狗のようだと幻滅したが、島の弁明により同じ中沢イズムにある者同士だと納得、これに賛同した。その後はお互いをライバルと認め合いながらも強い信頼関係にあり、初芝を共に支えるようになる。
平取から専務へ一気に昇進し、その後も着実に実績を挙げていき、万亀会長と病気療養中であった勝木社長の推薦を受け、第9代社長に就任した。社長就任直後の記者会見では「大規模な人員削減」と「経営合理化」に着手することを宣言。かつての上司であった副社長にも退任を求めるなど、自分の動きやすい体制作りに着手する。その一方で愛人を社外取締役として初芝に迎えた。しかし、その愛人が五洋電機をめぐるM&A合戦において初芝の内部情報をソムサンにリークしていた事が判明した事への道義的責任から退陣を決意。
「経営統合で誕生する持株会社のトップは秀でたバランス感覚が必要」との認識からHGホールディングスの社長に島を指名し、自らは相談役に退いた。
松橋 葉一(まつはし よういち)
初芝電産第10代社長。初登場は常務編中盤(常務取締役・技術本部長)。
当初は登場頻度も少なく比較的影の薄いキャラクターであったが、五洋電機との経営統合に関する動きの中で島と行動を共にすることが増えてゆき、島がHGホールディングスの社長に就任した際、HGホールディングスの子会社となった初芝電産の社長に指名され、初めて初芝に技術畑出身の社長が誕生した。
初登場時は技術屋として介護ロボットの開発に取り組むも、人間の死という根源的な問題に向き合い悩む姿が描かれている。
専務編では専務取締役(技術フィールド担当)として登場。

[編集] 初芝役員

宇佐美 欣三(うさみ きんぞう)
初芝電産常務取締役(後に専務取締役)兼営業本部長。初芝電産が町工場だった頃からのたたき上げで「初芝をここまで育て上げたのは宇佐美の力」と評されていた。
権謀術数に長け、ライバルの水野専務を失脚に追い込んだことで専務取締役にまで昇進した。吉原会長の死後、大泉が副社長となったことで失脚し、大阪支社監査役に左遷。
15年間生き別れになった隠し子がいる。癌に侵され病床にあったが、島の計らいで再会を果たすものの最後まで正体を明かさず、のちに死去した。
ヤング編ではカレンダー製作で多額の損失を出した榊原部長の後任として、販売助成部長として登場する。かつての上司であった竹野次長をただちに閑職へ追いやり、シンパの福田次長(当時)を後釜にすえるなど自らの勢力拡大には手段を選ばず、「恐怖の大王」という異名がついたほどであった。
福田 敬三(ふくだ けいぞう)
最終役職は常務取締役営業本部長。初登場時は販売助成部長で、島の上司であった。関西出身。
形成していた社内派閥のトップであった宇佐美専務が失脚後左遷させられるが、大泉の社長就任時に役員へ昇進する。今野輝常の仲人であるが、今野の妻は福田の元部下であり長期に渡り愛人関係にある。なお家族以外では唯一、読みきり編第1話から登場している。
当初は上司であり派閥トップでもあった宇佐美のご機嫌を伺いつつ、部下である島には時に厳しく接したり、権謀術数を駆使してライバルを蹴落とすなど典型的中間管理職として描かれていた。役員昇進後は徐々に島や中沢を疎ましく思うようになり、島に一方的な地方勤務命令を出すなど、今野とともに悪役として描写されるようになった。
致命的なまでに人望がない今野をバックアップする(今野の妻と愛人関係にあるところが大きい)など人を見る目はなかった。
小笠原 昌弘(おがさわら まさひろ)
初登場は課長編で、当時は初芝本社人事部の社員。現在はテコットの副社長で、島とは同期の間柄。
島に会社の裏実情など情報を提供していたが、島とは考え方の違いで対立するシーンもあった。
課長編以降長らく登場しなかったが、初芝電産人事本部長を経て社長編第1巻で専務として再登場した。
八木 尊(やぎ たかし)
初登場時は課長代理で、島が総合宣伝課を立ち上げた時の部下。ハーバード・ビジネス・スクール出身。
海外経験が豊富で数ヶ国語に精通している。合理主義的な考えの持ち主で、人情よりも数字と組織の利益を優先する。
課長編では総合宣伝課の優秀な部下として島を支え、島に対しても大局的な視点でアドバイスをすることが多かった。
部長編では島の後任として総合宣伝部長を務め、サンライトレコードに出向中の島のもとへ部下を送り込んだり、派閥抗争に与することに苦慮していた島にアドバイスするなどバックアップしていた。部長編終盤で島と同時に、そして島より若く40代で役員昇進を果たした。島の後任として上海地区を担当(役職は上海初芝電産董事長)したが、島の社長就任に伴い帰国、本社国内営業本部長に就任。
しかし、取締役編ラストで自ら島に「挑戦状を叩きつけた」と宣言し、島を越えて社長になることを決意する。島の後任として上海初芝電産董事長に就任した後は容貌も大きく変わったほか、権力志向も強まった。
また女性に対するセクハラ・差別発言も目立つようになり、郡山社長や国分総経理からたしなめられることもあった。
このため関係が悪化していた国分総経理を露骨に左遷させたり、労使間の問題も力ずくで排除しようと躍起になる。島を過剰なほどに敵対視するようになり、悪役的なキャラクターとして描かれるようになる。
社長編で白系ロシア人と日本人のハーフである愛人のクラブホステス・忍(立石カテリーナ和枝)と交際[6]しているところを島に発見されるが、その後さらにのめり込み、やがて自分の店を持ちたいと考えていた和枝を金でつなぎとめようと思うようになり、クラブ開店資金を調達させるためグループ企業の売却に関する情報を公式発表前に和枝へ流す[7]。クラブを開店した和枝は新しい恋人のミハイルと一緒に過ごすことが多くなり、八木とは距離を置き始める。和枝への固執がさらに強まった八木は仕事もほとんど手につかなくなり、ミハイルとロシアへ旅立った和枝をモスクワまで追いかけた挙句、和枝と口論になり首を絞めて殺害。その後、自身も遺体で発見される。経緯[8]を知った島らの思惑で、インサイダー取引と殺人の事実は闇に葬られた。
常務編までの切れ者ぶりがインサイダー取引に手を染めた頃から見る影もなくなり、その後ストーカーと化して殺人まで犯し、自らも命を絶たれてしまうという短期間でのジェットコースター並みの豹変・転落ぶりはとにかく衝撃的であり、頗る印象的な人物である。
赤松 敏夫(あかまつ としお)
初登場時は初芝電産常務取締役(後に副社長)。専務編では「赤松 実雄(あかまつ じつお)」に変わっている。
絶妙なバランス感覚を持つが、島のサラリーマン哲学とは対極にある存在であり、シリーズきってのこうもり男。これまでも理知的、狡猾に勢力分析を行い、従属勢力が劣勢と判断すれば即座に対抗勢力に乗り換え、出世街道を着実に歩み副社長にまで上り詰めた。
病床の勝木社長の退任後の座を同じ副社長である楠本と争うが、勝木が郡山専務を後継社長に指名した事で情勢が一変。郡山の社長就任後、これを打倒すべく("郡山派"とみなした)島のゴシップ集めに着手し、写真週刊誌に情報を流したが、直後に郡山から取締役会で指摘され、失脚した。
小栗 忠光(おぐり ただみつ)
初登場は取締役編終盤。島の常務昇進に伴い、上海担当取締役となった八木と共に郡山の後任として北京担当取締役に就任する。
語学堪能で合理主義、かつ中国嫌いな八木とは対照的に、性格は勤勉で真面目、また自ら工場の従業員と昼食を共にしたり仕事後に語学学校へ通い中国語を習得するなど「郷に入りては郷に従う」のごとく中国社会に溶け込もうと積極的に努力する。
その後、島の社長就任に伴いHGホールディングス専務取締役に就任。ロシアで客死した八木の処遇を相談するため島の指示でロシアに赴くなど、参謀役として島を支えている。自らを「島社長の懐刀」と考えており、多岐にわたってサポートすることを心がけている。
国分 圭太郎(こくぶん けいたろう)
初登場時は上海初芝電産総経理(社長)。上海初芝電産の董事長(会長)として赴任した島を補佐した。
高等専門学校出身だが中国の内情に詳しく、また前妻と離婚して中国人女性と結婚した。
島の後任として上海初芝電産の董事長に赴任した八木取締役と対立し、グループ会社のゴルフ場社長に左遷されていた。
島がHGホールディングスの社長に就任した際取締役に昇進し、上海初芝電産(現・上海TECOT)董事長に抜擢された。
剣道五段で若い頃から「武闘派」として鳴らしており、喧嘩も滅法強い。愛人をめぐって大立ち回りを演じたことも複数あった。
上海TECOTのPDP工場で起こったストライキにも冷静に対処し解決したため、島から「ポスト島」の候補に挙げられている。
四谷 嵐子(よつや らんこ)
初登場は常務編(本社取締役)。勝木清春の遠い親戚に当たる。初登場時は48歳。独身。
東大法学部卒業、イエール大学へ留学もしていた。通産省へ入省後埼玉県副知事を経て、初芝電産取締役に就任。
役所生活が長かったため派閥争いに嫌気が差しており、社内では中立的な立場を通していた。
陰で「四角四面」と呼ばれるほど曲がったことが大嫌いで、車から空き缶を路上に投げ捨てた男に空き缶をつき返すが、逆に投げつけられ鼻血を出すこともあった。
島にも好意を寄せたが関係は発展しなかった。島は名前で呼んだことが一度もないにもかかわらず「いつものように嵐子と呼んで」などと迫ったり、明るく愛嬌のあるキャラクターである。
専務編では首相に入閣を直談判し外務大臣に起用されるが、与野党逆転で政権が交代したため外務大臣を退任した。

[編集] 初芝本社・グループ会社の社員

今野 輝常(こんの てるつね)
元大阪ショウルーム所長で、島のショウルーム課時代の部下(初登場時は主任)。和歌山県出身で、子沢山農家の末っ子として育つも、家族からはあまりかまってもらえなかった過去を持つ。
高卒で初芝に入社しており、大卒で6歳年下の島を、「私のが10年も長く会社に居るから、上司であることを忘れてしまう」と、当初より軽視していたが、実務能力そのものは高く、当初の位置づけは「小ずるいが、仕事はできる」タイプであった。
部下には厳しく当たる反面権力者には低姿勢で擦り寄るため人望がなく、悪役キャラとして定着。特に自身の仲人である福田敬三にゴマをする。また、中沢にも気に入られようと、典子の店で、彼のネクタイを、隠し子が初任給で買ってくれた大切なネクタイとは知らずに、有名ブランドの偽物だと指摘して目の前で切り、本物をプレゼントしようとしたため、激高した中沢に殴り飛ばされた。これを機に、中沢から見放される。
島のフィリピン勤務に伴いショウルーム課課長代理→課長と昇進するも、ショウルームでのセクハラ行為が発覚。それを問い詰めた島に報復を図るも返り討ちに遭い、通信部に左遷。島と中沢に恨みを抱くようになる。その後更に島に悪態をついたうえにお茶をかけたことで、島の部下である八木らに痛めつけられる。
福田常務が取締役に昇進した中沢を疎ましく思っていることを知ると、弱みを集めるため奔走するが、中沢が社長に昇進したことがわかり腰砕けになる。
部長編では島の出向先である子会社の社長として再登場。自分のまいた種で発生したトラブルの処理を島に押し付けようとするが、島は毅然として断った。
リストラによって役員の首を切った際、「自分たちを辞めさせるなら今野も辞めさせるべき」と本社に直談判した役員によって社長を島と交代し、自身は定年まで閑職で過ごすこととなった。島の謀略と邪推した今野は島に悪態をつくが、逆に強く叱責され最終的には和解するに至った。
新人社員時代に「ミス松原」となったこともある美人の妻と結婚するが、実は上司の福田と長年にわたり愛人関係であった。定年間際に妻の浮気が原因で離婚。慰謝料は一切要求しなかったうえ、定期預金も全て妻に譲渡した。
取締役編において子会社への出向のまま定年退職し、島は会社をさぼって祝福した。
樫村 健三(かしむら けんぞう)
島とは大学時代から友人、同期入社で国際事業部勤務。
仕事の能力は高く島も率直に認めており、大泉も自身の後任として次期社長に据えようと考えていた。表面上は妻子とともにごく普通の家庭生活を営んでいたが実は同性愛者であり、かねてより好意を寄せていた島に真実を告白したものの受け入れられなかった。
赴任先のフィリピンで島とゴルフを行った帰途、島に恨みを抱くテロリストの銃撃を受け死亡した。その後、大泉は中沢に目を掛けるようになる。
竹綱 博之(たけつな ひろゆき)
初登場は課長編(本社販売助成部社員)。現在は台湾テコット社長。
島が課長時代の部下にあたる。当時から仕事の能力は高く、優秀な人物であった。大町久美子と交際していたが、島が現れてからは急速に関係が冷めてゆき、久美子は島を選ぶこととなる。部長編でも、交際中の女性が島に惹かれてゆく描写がある。
その後は長らく登場していなかったが、社長編第7巻で台湾テコット社長として再登場した。
平井 均(ひらい ひとし)
初登場は課長編(本社AVソフト室長)。
最年少で部長職につくなど出世コースを歩んでいたが、家庭は崩壊状態。妻が暴力団幹部と肉体関係を持っていることをもとにゆすられ、さらに要求を断ったことで本社の正面玄関に妻のヌード写真を貼付された。この事件をきっかけに所属していた井上副社長の派閥からは追放されたが、島との結束は強くなった。結局妻とは離婚したものの、子供との関係は立て直した。
上記の騒動後は井上副社長の画策で異動させられそうになるが、中沢取締役が毅然として突っぱねた。
部長編で独立し、外食産業に進出。出向中の島がリストラのため退職させた部長の再就職を引き受けるなど、引き続きバックアップしていた。
陳 民生(ちん みんせい)
初登場は取締役編。上海初芝電産の現地社員(家電営業部拡販部長)だった。
仕事熱心で明晰な能力を持ち、島を側面からサポート。島の後任として赴任した八木に認められ、国分に代わって上海初芝電産総経理となった。
上海TECOT総経理として国分を補佐していたが、尖閣諸島中国漁船衝突事件において暗躍した民自党の国会議員、加治一明の中国国内での活動に島の指示で協力したことで中国政府に拘束される。政治取引により釈放されたが、人権活動家のため公安に監視されていた妻の希望もあり、以後は日本で暮らすこととなる。それを察した国分の計らいで本社の理事に昇格した。
白鳥 冬彦(しらとり ふゆひこ)
初登場は専務編(マーケティング本部テレビCMグループ・グループ長)。社長編ではHGホールディングスの秘書室長で、南村・多田・神奈川の上司に当たる。
妻は元女子プロレスラーでレディースにも所属していたことがあり、家庭ではまったく頭が上がらない。仕事中でも携帯を鳴らして飼い猫の餌を細かく指示するなどされていたが、様子を見かねた部下の神奈川が妻を倒した後はおさまっている。
ゴルフでは部下の多田や大町久美子にも歯が立たず、ラウンド後はぐったりしていることが多い。
南村 彩(みなみむら あや)
社長編から登場した島社長付秘書の一人で、島の専属である。実家は銀座にある創業二百年の老舗菓子屋「うまや」。バツイチ。
1992年に初芝電産入社、1996年に初芝電産貿易へ出向。外国語大学でスペイン語を専攻していたため、主に中南米の国々と契約交渉を担当。3年前に本社へ戻り、国際部で特許関係の仕事に携わっていた。
見た目はきつそうな性格に見えるが、細かいところに気が回る。グループ会社のMBOを察知した島が真意をただすべく向かった際には、実家の菓子を手土産に用意させたほか島の昼食におにぎりまで作らせていたこともあった。島社長付秘書の中で唯一、島とキスをした経験がある。
多田 かおり(ただ かおり)
社長編から登場した島社長付秘書の一人。初登場時は36歳。特技はジジ転がし。
航空会社のキャビンアテンダントをしていたため、英語とフランス語が堪能。その後五洋電機で植村会長や勝浦社長の秘書をしていた。
大学時代はゴルフ部に所属しており、ハンデキャップは10。五洋電機で勝浦社長の秘書もしていた関係で、ゴルフが上手い勝浦にも鍛えられた。
ニューヨーク滞在中にスタイリストが島に近づこうとした際には下着姿になり肉体関係をカモフラージュするなど、よからぬ女性から島を守ることを任務と考えている。
神奈川 恵子(かながわ けいこ)
社長編から登場した島社長付秘書の一人。初登場時は26歳。実家は老舗の佃煮屋。特技は歌って踊ること、先輩社員をヘコませること。体重は45kg。
空手の有段者でヌンチャクが得意であり、夫の仕事中でもたびたび携帯を鳴らしたり仕事場にまで押しかけて家事を押し付ける白鳥冬彦秘書室長の妻を頭脳プレーで倒した。
かつて外務省に勤務しておりロシア語が堪能なため、外務省への訪問やロシア出張にも同行している。
モデルは中川翔子で、中川がかねてより本作のファンだったことから生まれたキャラクター。
謝 萠縁(しゃ ぼうえん)
常務編で島の秘書として初登場。北京初芝電産に勤務していた。
慶應大学に2年間留学していたことがあり、中国の内情も外から見てきたため、日中関係については中間的な視点を持っている。
中国赴任時の島をサポートし、ストライキを始めた労働者を説得にきた島とともに生卵を投げつけられるも、ひるまず説得を続けストを中止させた。
また、島が日本で懇意にしていた中国人女性が西安で投身自殺を図った際には自らが怪我することも厭わず両腕で受け止めて命を助ける。
爺フェチを公言しており、万亀会長と恋仲になる。前述の怪我から退院したときには万亀会長がリムジンで迎えに来たほか、島が日本に滞在中は一緒に来日して万亀会長のアテンドをするようになった。その後、家族の反対を押し切り万亀会長と結婚し、中国籍を捨てて日本人となる(名前も日本名の万亀 萌と変わる)。

[編集] 主なライバル・提携先企業関係者

イ・カブス(李 甲寿)
初登場は専務編(ソムサンHD副社長・ソムサングループCOO・ソムサンアメリカ会長)。現在はソムサングループCEO。
自社の弱点である液晶と電池部門を強化すべく、五洋電機の買収を画策し指揮を執る。ホワイトナイトとして名乗りを上げた初芝とのM&A合戦では社外取締役からの情報を入手するも敗れ失敗に終わったが、ソラーと業務提携したり日本人の技術者を高額報酬で引き抜いたりして自社部門を強化している。韓国政府とのパイプも太く、必要に応じてバックアップも受けている。
幼少時は大阪で在日韓国人の子として育ち、差別やいじめも経験。その後ベトナム戦争に参戦し、アメリカ国籍も取得した。
日本や日本企業に対する強烈な対抗意識の持ち主であるが、私人としての島耕作には一目置いている面もある。
孫 鋭(そん えい)
中国の大手家電メーカー・出発集団のCEO。初登場は取締役編。
島が上海担当取締役として赴任していたときに出会う。その後初芝との包括的業務提携や合弁事業などビジネスで深くかかわるほか、プライベートでも親密な関係を築いている。
中国・精華大学で日本語を専攻、その後は同志社大学(京都大学へも留学していた模様)へ留学もした。当時の下宿近くに「お金がなくても食べさせてくれるが、代金の代わりに皿洗いをする」という食堂があり、来日した際20年ぶりに訪れ島と皿洗いをする。現在は息子が切り盛りしているが、当時の店主とも再会し、涙を流して喜ぶ。
大泉の死後北京へやってきた馬島典子と偶然出会い一目ぼれするが、関係は発展しなかった。その後は男全マキと愛人関係になり、男の子をもうける。
北京で遊びほうけたり体調を崩して入院したりするが、社内の力関係はしっかりと把握しており、対抗勢力が現れても力で抑え込むなど社内での影響力は絶大。その一方で初芝の創始者・吉原初太郎を尊敬しており、吉原の経営哲学も多少影響を与えている。

[編集] その他の登場人物

主要な登場人物の多くは老若男女問わず不倫の当事者であることが多く、しばしば愛人同伴で海外出張に出かける初芝役員もいる。
また「太目の女」がコミカルに描かれているが、それらの登場人物は島と肉体関係を持つことがない(試みた例もあるが、概ね未遂に終わっている)。

島 怜子(しま れいこ)
島の元妻で奈美の母。耕作と離婚したため、旧姓の「岩田 怜子(いわた れいこ)」に戻る。福島県会津若松市出身で白虎隊の家系。
耕作とは同じ大学の同じサークルで先輩と後輩の間柄。島が主任時代に半ばだまし討ちの形で強引に結婚。
そのため初登場時にはすでに夫婦の仲が冷めており、耕作のアメリカ赴任をきっかけに別居、その後離婚する。離婚前から広告代理店「電報堂」の社員であった奥本と交際していた。
島 奈美(しま なみ)
島と怜子の一人娘。短大卒業後広告代理店(博通エージェンシイ)に就職、父の出向先であったサンライトレコードと組んで「ニャッコ」を歌手として売り出す。
幼少時は純真な性格だったが、両親の影響から成長するにつれてはっきりと自己主張するようになった。採用は「親の七光り」だと告げられ博通エージェンシイを退社、渡米してマネージメント業を学んでいた際に黒人男性との間に耕太郎を出産。当初は不倫の関係であったが、その後父親の離婚が成立し結婚した。ヤング編では誕生直後に両親から「将来肌の色の違う男と結ばれる」と予言されている。
島 耕太郎(しま こうたろう)
奈美とアメリカ人男性(黒人)の間の子供でニューヨーク州の生まれ。ベビーシッターであるマギーに預けられていた。
島耕作の孫であり、ナンシーの甥に当たる。
ニャッコ(にゃっこ)
英語表記は「Nyacco」。本名はナンシー・アレン。島の隠し子であり奈美の異母妹にあたるが、最期まで認知されなかった。
母親は課長編で島がハツシバアメリカに出向していた時の不倫相手・アイリーン。妊娠が発覚した時、アイリーンは島のほかにネグロイドの男性グラフィックデザイナー・ボブとも関係しており、どちらが実父なのか出産まで不明であった。出産時は島がその街から離れており、帰国直前に電話で確認したところ、ボブから「肌の黒い男の子」(「ボブの子」の意)と告げられ安堵するも、そばにいたパメラから「私だったら嘘つくわよ」と言われる。
10数年後、部長編で類稀なる才能を秘めた天才シンガーとして(偶然にも初芝系列のサンライトレコードに出向していた)島の前に現れる。
サンライトレコードからデビューさせるべく島はアイリーンにコンタクトを取るが、「自分が父親であることを明かさない」という条件のもと、島に預けられることになった。その後、奈美のプロデュースによって「ニャッコ」の芸名で歌手として売り出される。発売した曲は大ヒットした。
その後アメリカに帰国するが、18歳ごろから人気に陰りが見え始め、酒や薬物に溺れるなど自堕落な生活を送り、妊娠や流産など男性関係でもゴシップを大衆紙に書かれたりした。「歌うことで実父が名乗り出てくれるかもしれない」という期待感が歌手活動のモチベーションとなっていたが、数年経ってもその兆しが無いことで強く落胆する。
いつしか公私共に強く干渉してくる島やアイリーンの反応から、「実父は島ではないか」と考えるようになる。数年ぶりに再会した島に再度問いただすも島はアイリーンとの約束を守り真実を語らなかったが、後日ナンシーの住むアパートに小型飛行機が突っ込み、片腕と両足を喪失する重傷を負う。集中治療室に駆けつけた島は「私がナンシーの父親だ」と告白、「Thank you DADDY」の言葉を残し死去。享年20。
サンライトレコードのライバルであったソラー系のレコード会社はニャッコのデビュー時に同様のイメージを持たせた「プシィ」[9]という歌手をデビューさせたが、どちらもネーミングの意図は判然としない。
馬島 典子(まじま のりこ)
初登場時は銀座でスナックのママをしていた。決まり文句は「私は銀座の女よ」。「馬場典子」と記載されている箇所もある。
大泉の愛人であったが、島にも好意を抱き肉体関係を持っていた。のちに大泉の知るところとなるが、その後も大泉の愛人として従前どおりの関係を続け、晩年にかけては妻同然に尽くし、最期も看取った。大泉の社葬では葬儀委員長の万亀に促され、「事実上の喪主」として先頭で位牌を手にした。
職業柄各界の要人と広くつながり、数々の男を手玉に取ってきた強みを生かして島のスパイになるなど、島を窮地から救うこともあった。島が苫米地社長よりクビを言い渡されると、スパイとして送り込まれた苫米地派の松本常務を色仕掛けで虜にして骨抜きにしたが、その後松本が典子を思いつめるあまりうつ病を発症したため、松本の妻に連絡を取り九州へ連れ帰した。
取締役編以降は北京にスナック「鬼やんま」を開き、出発集団CEOの孫鋭と親密になるなど新たな人脈を築いており、精力的な動きを見せている。
大町 久美子(おおまち くみこ)
島がショールーム課の課長に就任した際、20歳の新入社員として初登場。
吉原初太郎と愛人・大町愛子の間に生まれた娘。島の部署に配属され、その後セックスフレンドとなる。島との関係を「結婚を前提としない真面目なお付き合い」と評している。
英語が堪能であり、初芝電産退社後も島のブレーンとして活躍している。
セックスに関しては非常に大胆であり、これは少女時代に両親と木野穣の3Pを見てしまった体験が影響を与えている。
パンティストッキングブラジャーの代わりにして胸を縛る描写がたびたびされている。
大町 愛子(おおまち あいこ)
久美子の母。元芸者で、吉原に身請けされた愛人。久美子よりもさらに大胆な人物で、さまざまな思惑から島を誘惑したが、一度も肉体関係には到っていない。
課長編で娘の久美子を社交界へデビューさせるべく島と別れさせ見合いをさせるが、結納の当日にキャンセルして島のもとへ戻った久美子をみて、交際を認めるようになる。
吉原の遺産として初芝電産の株を多数譲り受けており、個人としては大泉笙子に次ぐ大株主。このため、資産家として海外で豪遊するなどの描写が随所に見られる。
専務編では初芝の株を一部売却し五洋電機の株を購入したことで、「M&Aのキーマン」として海外滞在中にソムサンから狙われるが、島から依頼を受けた木暮の進言により日本へ連れ戻すことに成功する。
大泉 笙子(おおいずみ しょうこ)
大泉裕介の妻。吉原初太郎の娘であり、初芝電産の個人筆頭株主でもあるため、夫の裕介も頭が上がらなかった。
非常に気が強く、かなりの高齢にも関わらず大町愛子と人前で全裸になりスポーツクラブのプールで水泳対決をしたほど。
夫・裕介の浮気には気づいていたが、事実上黙認していた。取締役編で死去。臨終間際には裕介に対し「ありがとう」と言ったとされている。子供はいなかった。
鈴鴨 かつ子(すずかも かつこ)
島が京都に赴任していたときに付き合っていた女性(その当時の部下の実姉)。元芸妓だったが、引退後祇園で小料理屋を営んでいたときに島と知り合った。初芝が寄贈する「京都フェスティバルホール」の緞帳を島が手がけていた際、手描き友禅の大家である松本瑞鶴に依頼するも断られたが、自らの身体を松本に差し出して承諾を取る。しかし、皮肉にもこの実績が社内で評価され、島が本社に戻ることとなり別れた。
その後は松本の愛人となるが、死後に上京し部長編で島と再会する。島は後にこの一件を自己の実績として職務経歴に組み入れている。
その後は島との関係をしばらく続けていたが、島に結婚の意志がないことから雇用していた板前に惹かれるようになり、結婚を決意した。
片桐 久子(かたぎり ひさこ)
初登場は部長編第2巻で、新宿ゴールデン街のスナック「CHACO」のママだった。通称は「チャコママ」、または「女狐」。
課長編で島が中沢の社長就任を説得した際に訪れた店で、当時は母親が経営する一杯飲み屋だった。母の死後店を引き継ぎ、名前はそのままにリニューアルした。
若い頃にロンドンへ渡り、そこで知り合ったワイン評論家のロバート・ベイカーと恋仲になる。ワインの知識もそのときに習得し、日本へ戻ってきた。島にも好意を寄せ、取締役編で肉体関係に発展した。島が初芝電産貿易に出向した後は中沢相談役と愛人関係になるが、中沢の死後に新宿の店を閉め再びロンドンに渡り、島が買い付けたワインをロバートに紹介するなど協力する。
帰国後、島が福岡へ左遷されると高市千鶴と共同で福岡にワインバー「トンコ」をオープン。福岡で生活する島とその仲間たちで繁盛した。高市の結婚式では、島とともに仲人を引き受けた。
常務編では島を追うように上海へ渡り、かつての恋人であったロバートとワインバー「ビクセン」を開く。しかし現地の経営パートナーである中国人は裏社会ともつながっており、ロバートとともに麻薬を始めてしまう。異変をいち早く察知した島の計らいで入院して治療を受け麻薬中毒から抜け出し「ビクセン」の経営も撤退、ロバートからロンドンに保管してあるワインを譲り受ける。しかしロバートは完全な麻薬中毒者となり、退院後に自宅マンションで襲われるところを島と国分に助けられる。その後、ロバートは上海の路上でマフィアに射殺された。
高市 千鶴(たかいち ちづる)
初芝電産貿易の秘書として初登場、その後サンライトレコードに異動し島を支えた。通称「白豚」。
父は高市組の組長で「極道の娘」。当初後継ぎにしようと考えていた父により刺青を背中に彫られている。しかし自らは極道の道を望まずカタギの道を選び、極道の娘であることを隠しながら就職した。
登場当初は島に好意を寄せ、何度もベッドインをもくろむがすべてすんでのところで未遂に終わる。その後は島の行きつけの割烹料理店の板前に思いを寄せるがラブレターを破られたりするなど失恋してしまい、島のあとを追って福岡に引っ越した。福岡ではチャコママと共同で「トンコ」を経営する(前述)。そこで島の取引先である家電量販店社長・三郎丸と恋仲になり、父親の反対を押し切って結婚に到った(最終的には父親も結婚を認め祝福した)。結婚後は社長夫人として、不正経理を暴いたりもした。
島の秘書として働いていたことから情報管理がしやすい立場にあったため、島の女性関係やニャッコの生い立ち、ニャッコと島の関係についてもある程度突き止めていた。
部長編においては島の救世主的存在であり、「カタギではあるが極道の娘」という絶妙な立場で極道とのコネクションを駆使し数々の問題を解決するが、手法が荒いためそのたびに島から叱責された。
八ッ橋 新子(やつはし しんこ)
島がサンライトレコード専務として出向時に担当した演歌歌手。兵庫県出身。年増の女性としては珍しく島と肉体関係を持ち、その相性の良さは島に「感動しました」と言わしめたほどである。
島と出会った当時は「落ち目の元大物演歌歌手」だったが、起死回生を狙って三枚目路線に転向、発売した新曲の『東京タワータンゴ』が大ヒットして復活したものの、出場が決定した紅白歌合戦に向けてレッスンを続けるさなかに癌が発見される。既に全身に転移しており手術も焼け石に水の状態であったため、周囲が真実を隠そうとするなか島に直接問いただし、告知を受ける。
「最期に大輪の花を咲かせたい」との強い意志から入院せず、痛み止めなどの薬を飲みながら紅白に向けて活動を再開するも体調は次第に悪化。大晦日には日本CD大賞を最後まで争い、紅白歌合戦でもトリを勤めるなどハードなスケジュールをこなしていたが、紅白の後に東京タワーで行ったカウントダウンイベントの最中に大量吐血し病院に搬送。一時は病状が落ち着くものの、CD大賞の選考委員に癌であることを公表し大賞受賞を画策していたことを知り激高したことが引き金で再び吐血し、そのまま死去。享年50。
パメラ
初登場は課長編。島が出張先のラスベガスで出会った美人シューター。ファーストネームはフランクリン。
気に入った島を勝たせようとして、島を見るか見ないかの合図で赤・黒を分けてシュートしていた。その後、島にサインを送っていたのがバレてカジノをクビになるが、島が偶然入った店でシューターをしており阿吽の呼吸で店から大量の金を島に獲らせた。その金でサン・フランシスコに行き子供と再会しようとするが、夫がほかの女を持っていたのを知り、島にどこか他へいくよう催促する。そして橋で島と別れる。
セックスの際に「これは夢だ」と島に思わせた女性は、全シリーズを通じてパメラのみ。
専務編ではハツシバアメリカ社長の秘書として再登場し(このときは45歳になっていた)、再び島と肉体関係を持っている。元シューターであったことから勘が鋭く、自身の事以外は全て勘で読める能力の持ち主。交際していたピアニストが重度の麻薬中毒者で、何度もやめさせようとしたが上手くいかなかった。このピアニストはチャイニーズマフィアの手により監禁されるが、島らの手で助けられたものの再び捕らえられ殺された。その後、パメラは再び旅に出た。
本作のストーリー構成上はあまり意味のないキャラだが、作者の友人がカジノでひどいめにあったと書かれている。
木暮 久作(こぐれ きゅうさく)
島の大学時代からの旧友であり、探偵業を営んでいる。島からは「グレさん」「グレちゃん」と呼ばれている。事務所の看板は初期の頃が「アーバンリサーチ」、後に「木暮探偵事務所」と変わっている。
シリーズを通じて公私にわたり島をサポートする。高市千鶴同様幾度も島の窮地を救っており、とりわけアンダーグラウンドな世界やアウトローな人種への調査はいつも彼を通して行われる。それゆえ危険な活動も多く、パリでは携帯を守ったことで階段から突き落とされ重傷を負ったこともあった。
専務編以降は「週刊金融タイムズ」記者の作田らと協力して仕事を行うことも増えた。
仕事の成功率は極めて高く、島のもとには概ね吉報が入ってくる。ただ、課長編でニューヨーク滞在中の島から妻・玲子の素行調査を依頼されるが、玲子に愛人がいたという事実を伝えることはできなかった。
本作とは関係ないが、同じ弘兼の作品である『ハロー張りネズミ』にも、主人公の相棒として同名の人物が登場している。

[編集] 初芝電産について

大正15年に創業。当初は町工場であったが「経営の神様」と呼ばれた創設者吉原のカリスマ性もあって、世界有数の家電メーカーへと成長する。本社は東京の丸の内地区にあり、湘南と熱海に研修所を設けている。

[編集] 歴代社長及び会長

初芝電産の歴代社長には営業や経理出身者が多く、技術系出身者が少数である点は電機メーカーとして異例である。

第10代社長の松橋は創業者の吉原を除けば唯一の技術畑(技術本部長経験者)出身者。苫米地(ヤング編では専務取締役営業本部長)・中沢は営業畑、岡林・勝木は経理畑(それぞれ経理本部長経験者)出身。大泉は元銀行員、万亀も元広報室長であったため、初芝電産は理系が主流とはみられていない。

なお、初芝電産社長ではないが島は広告・宣伝畑出身、五洋電機(統合時)社長の勝浦は技術畑出身である。

TECOT(初芝五洋ホールディングス)歴代社長
  • 初代 島耕作(しま こうさく)
TECOT(初芝五洋ホールディングス)歴代会長
  • 初代 万亀健太郎(まんがめ けんたろう)
初芝電産歴代社長
#歴代の初芝社長」を参照
初芝電産歴代会長
  • 初代 吉原初太郎(よしはら はつたろう)
  • 2代 木野穣(きの みのる)
  • 3代 大泉裕介(おおいずみ ゆうすけ)
  • 4代 万亀健太郎(まんがめ けんたろう)
五洋電機社長
  • 2008年5月連載時 勝浦大喜(かつうら だいき)

[編集] 脚注

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  1. ^ NHKラジオ第1音楽熱中倶楽部サマースペシャル』(2007年8月7日
  2. ^ 社長のための経営コラム 中博(なかひろし) ※日本経営合理化協会ホームページ内。プロフィールを参照。
  3. ^ チャコママは取締役編で島とも関係を持っている。
  4. ^ 2008年5月31日放送の『サントリー・サタデー・ウェイティング・バー』(JFN系)での弘兼の発言より。
  5. ^ ただし、業績の悪化については反岡林派からも「誰が社長でも結果は同じだった」との声が上がっていた。
  6. ^ 初登場時も既に2度離婚しており、このときも少なくとも3人めとなる正妻がいた。
  7. ^ 和枝はロシア大使館員のミハイルから資金提供を受け安値で株を買いあさり、八木の情報をもとに高値で売り抜け多額の売却益を手にした。
  8. ^ 真相を闇に葬ろうとしたロシア当局の人間に八木は入国時からマークされており、真冬の川へ落とされ殺害された。
  9. ^ プッシーとは幼いネコを意味するが、を指すスラングでもある。
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