説得的定義

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説得的定義(せっとくてきていぎ、persuasive definition)とは、メタ倫理学者のチャールズ・スティーブンソンが提唱した概念で、ある対象を定義する際になんらかの議論や見解を支持する目的で、特定の感情を呼び覚ますような語を選んで定義することをいう。

説得的定義でしばしば使われるのは、「自由」「テロリズム」「民主主義」など、指し示す対象があいまいだが一定の評価が結びついているような語(二次的評価語)である。そうした特定の言葉に限らず、多くの言葉について記述的意味と情緒的意味という二つの意味があるとスティーブンソンは考え、それが説得的定義に使われると考えた。

たとえば、「従軍慰安婦」にあたる英語として comfort woman (「慰める女性」)という言葉と sex slave(「性的奴隷」)という言葉がある。外国のメディアでは sex slave が使われることが多いが、slave という言葉を使うことにより奴隷制の一種としてとらえられ、従軍慰安婦の存在を許容することが非常に難しくなる。逆に日本のメディアや政府は「慰安」という肯定的な情緒的意味を伴う言葉を使うことで、慰安婦制度について肯定的な態度を取ることを可能にしている。これはそれぞれの立場に応じた説得的定義を行うことでその対象に対する評価を左右しようとしているといえる。

スティーブンソンによれば、倫理的判断というものはすべて自分の態度を表明することで相手の態度を変化させようという言語行為であり、説得的定義はその手段の一つである、という。(情緒主義も参照)

文献[編集]

  • Stevensen, C.L. "Persuasive Definitions." Mind Vol. 47, No. 187. (July 1938), pp. 331-350
  • Stevenson, C.L., Ethics and Language, Connecticut 1944 (C. L. スティーヴンソン、『倫理と言語』、島田四郎訳、内田老鶴圃、1976)。特に第9章。

関連項目[編集]

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