言の葉の庭

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言の葉の庭
-The Garden of Words-
監督 新海誠
脚本 新海誠
原作 新海誠
製作 川口典孝
出演者 入野自由
花澤香菜
音楽 KASHIWA Daisuke
主題歌 秦基博
Rain
撮影 新海誠
編集 新海誠
製作会社 新海クリエイティブ
コミックス・ウェーブ・フィルム
配給 東宝映像事業部
公開 日本の旗 香港の旗 台湾の旗 2013年5月31日 / 韓国の旗 2013年8月14日 / 中華人民共和国の旗(LETV)
上映時間 46分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 1億5000万円(推定)[1]
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言の葉の庭』(ことのはのにわ The Garden of Words)は、新海誠監督の日本アニメーション映画作品。2013年5月31日公開[2][3]。キャッチコピーは"愛"よりも昔、"孤悲(こい)"のものがたり

概要[編集]

星を追う子ども』に続く、新海の2年ぶりとなる6作目の監督作品。新海の初めての「」の物語と銘打っており、万葉集を引用している。万葉集の表現の研究者である倉住薫(大妻女子大学・文学部・日本文学科 助教授)が協力している[4]

背景はが重要な要素を担っている。「雨は3人目のキャラクターといっていいくらいウエイトがある」と新海は語っていて[5]、シーンの約8割が雨のシーンで構成されている。2013年5月31日より日本全国・台湾香港中国(LETVのネットワーク放送)で同時公開となり、公開日より劇場限定でBlu-ray DiscDVDの先行発売が行われている。一般発売は6月21日[3]iTunes Storeでも公開日より配信されている。当初の予定では劇場公開する予定はなく、配信やDVDのみの小規模な短編作品の予定だったが、最終的には劇場公開という形になった。

月刊アフタヌーン』(講談社2013年6月号から12月号まで、本橋翠作画による漫画版が連載された(単行本は全1巻、2013年11月22日発売)。また、メディアファクトリー刊『ダ・ヴィンチ』2013年8月号から2014年4月号まで小説版が連載された。同誌は『秒速5センチメートル』の小説版も刊行しており、執筆も同様に新海誠自身が担当する。

2013年2月に野村不動産グループ『プラウドボックス感謝祭』にて公開された、新海が監督したショートフィルム『だれかのまなざし』が同時上映で公開[6]。このショートフィルムはDVDやBlu-ray Discには収録されていないが、2013年9月5日よりYouTubeで公開されている。

劇中でタカオがユキノのために作った靴は実物も製作されていて、劇場などに展示されている[7]。商品化の予定は不明。

7月6日にはアメリカロサンゼルス開催のアニメ・エキスポで、7月19日にはプチョン国際ファンタスティック映画祭でプレミア上映された[8]。2014年5月18日には英国映画協会(BFI)が主催のロンドンで開催されるアニメーション映画祭「Anime Weekend」にて上映予定。

あらすじ[編集]

職人を目指す高校生のタカオ(秋月孝雄)は、雨の日の1限は授業をサボって、庭園で靴のデザインを考えていた。ある日、タカオはそこで昼間からビールを飲んでいる女性、ユキノ(雪野百香里)に出会う。どこかで会ったかとタカオが尋ねると、ユキノは否定し、万葉集短歌 「雷神(なるかみ)の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」 を言い残して去っていった。

こうして、雨の日の午前だけの2人の交流がはじまる。タカオは靴職人になる夢を語り、味覚障害を患うユキノは、タカオの作る弁当の料理に味を感じられるようになる。ある日、ユキノはタカオに「靴作りの本」をプレゼントし、タカオは今作っている靴をユキノのために作ることにする。

その後、梅雨が明け、しばらくの間2人は逢わなくなる。2学期になった夏のある日、タカオは学校でユキノとすれ違い、ユキノが古文の教師だったこと、生徒の嫌がらせによって退職に追い込まれたことを知る。そして首謀者の3年生の女生徒・相沢に会いに行くが、からかわれたタカオは相沢の頬を叩き、その取り巻きの男子生徒に返り討ちにされる。

庭園に向かったタカオはユキノと出会い、万葉集の返し歌 「雷神(なるかみ)の 少し響みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば」 を口にする。互いの立場を知りとまどう2人だったが、急な土砂降りに遭って、2人でユキノのマンションへ行く。ユキノは濡れた服を乾かしながら、タカオは2人分の料理を作りながら、2人とも今が一番幸せだと感じる。そしてユキノへの好意を口に出したタカオに、ユキノは地元の四国に帰ることを告げる。ユキノは部屋を出たタカオを追いかけ、お互いの気持ちをぶつけ合う。

季節は変わって冬、四国でまた教師となったユキノからは、手紙が来るようになっていた。タカオは完成した靴を手に庭園を訪れ、雨の日々を「2人とも歩く練習をしていた」のだと回想し、「もっと遠くまで歩けるようになったら」ユキノに会いに行こうと思う。

登場人物[編集]

秋月 孝雄(あきづき たかお)【タカオ】
声 - 入野自由 / 関根航(子供時代)
主人公。高校1年生。15歳。靴職人を目指していて、手作りのモカシンを履いている。家庭環境のせいもあって、年齢よりやや大人びた性格で料理が得意。
声優の入野は前作『星を追う子ども』に続いて主演。
雪野 百香里(ゆきの ゆかり)【ユキノ】
声 - 花澤香菜
ヒロイン。タカオが雨の庭園で出逢う謎めいた女性。27歳。
ユキノ役は当初25歳以上という条件でキャスティングを行ったが、最終的には当時23歳の花澤香菜が自ら立候補し演じることとなった。新海曰く花澤の声は「一番よくわからなかった」ことが起用の理由だという[7]
なお漫画版では名前の表記が『由香里』となっている。
タカオの母
声 - 平野文
47歳。劇中では2シーンしか登場せず、そのうち一つは絵のみ。大学職員。
声優の平野は同時上映された『だれかのまなざし』にも出演している。
秋月 翔太
声 - 前田剛
タカオの兄。26歳。2歳年下の彼女と同棲を始めるため、タカオと母の住む家を出る。劇中では名前は登場せず「タカオの兄」としかクレジットされていない。
声優の前田は『雲のむこう、約束の場所』『星を追う子ども』に続いて出演。
寺本 梨花
声 - 寺崎裕香
翔太の彼女。24歳。劇中では1シーンしか登場しない。関西出身で、翔太と同棲を始める。劇中では名前は登場せず「タカオの兄の彼女」としかクレジットされていない。
声優の寺崎は『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』に続いて出演。
松本
声 - 井上優
タカオの友人。一学年上の佐藤と交際中。
佐藤
声 - 潘めぐみ
高校2年生で松本の彼女。友人は多いそうで学校内の事情に詳しい。
相沢
声 - 小松未可子
高校3年生でいつも取り巻きに囲まれている、プライドの高い女子生徒。
小説版では相澤 祥子
伊藤 宗一郎
声 - 星野貴紀
タカオの高校の体育教師。

スタッフ[編集]

これまでの新海作品とはややスタッフが異なっていて、前作までのメインスタッフだった作画監督の西村貴世は原画のみ、美術監督の丹治匠は美術背景のみで参加し、音楽の天門は参加していない。新海作品で天門以外が音楽を担当するのは自主制作時代を含め初である。『星を追う子ども』では土屋堅一は作画監督を共同担当、滝口比呂志は美術背景で参加した。

  • 監督・脚本・原作・絵コンテ・演出・撮影監督・色彩設計・編集 - 新海誠
  • 作画監督・キャラクターデザイン - 土屋堅一
  • 美術監督 - 滝口比呂志
  • 音楽 - KASHIWA Daisuke(柏大輔)
  • プロデューサー - 川口典孝
  • 制作プロデューサー - 伊藤耕一郎、酒井雄一
  • 制作・著作 - 新海クリエイティブ、コミックス・ウェーブ・フィルム
  • アニメーション制作協力 - アンサー・スタジオ
  • 配給 - 東宝映像事業部

音楽[編集]

イメージソング
言ノ葉
作詞・作曲・編曲・歌:秦基博[9]
秦基博が本作のために書き下ろした新曲。CDジャケットは新海が手掛けている。本編劇中では使用されない。
「言ノ葉」Music Video(-Makoto Shinkai / Director's Cut-)
ミュージック・ビデオ。新海が監督し、本編映像からの再編集だけでなくこのMVのために描かれた新規カットも含まれる。「言ノ葉」初回盤CDの購入者の中から抽選で528名に贈られた(受け付けは終了)。8月28日よりiTunesなどで販売開始。
エンディングテーマ
Rain
作詞・作曲:大江千里/編曲:皆川真人/歌:秦基博[9]
大江千里のカバー曲。エンディングで使用されたLong Ver.の編曲は皆川真人と多田彰文が共同で行っている。
BGM
「Swan Song」
作曲・編曲:KASHIWA Daisuke
KASHIWA Daisukeのアルバム『88』より使用された。

小説版[編集]

『ダ・ヴィンチ』2013年8月号から2014年4月号まで連載された小説版の単行本。映画版では描かれなかった登場人物達の過去や心情を描いた内容となっていて、僅かしか登場しなかったキャラクターにも大きく焦点が当てられている。単行本化に伴い書き下ろしも追加されている。

小説 言の葉の庭
著者:新海誠
出版社:KADOKAWA メディアファクトリー
レーベル:ダ・ヴィンチブックス
発売日:2014年4月11日
ISBN 978-4040663999

反響[編集]

全国23館で料金は1000円均一ながら、公開3日間で興収3000万円というヒットを記録[10]CCOOの調査によると公開週のTwitterつぶやき数ランキングでは2位と大差をつけて1位になったという。以降、評判が広まり2007年の『秒速5センチメートル』の観客動員数を10日間で突破し、2011年の『星を追う子ども』の動員数も14日間で更新したことで、新海作品としては最大のヒットを記録している。6月27日付けで動員10万人を突破[8]

劇場上映は3週間の期間限定の予定だったが、多くの劇場で上映延長が決定した。7月の中旬から全国16館でセカンド興行も行われた。9月30日をもって劇場公開が終了し、トータル12万人以上を動員した。最終興収は推定1億5000万円[1]

カナダモントリオールにて7月19日から8月7日まで開催されたファンタジア映画祭にて、アニメーション作品における業績に対して贈られる今敏賞を『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』とタイ受賞し、劇場アニメーション部門の観客賞も受賞した。第18回アニメーション神戸賞にて作品賞・劇場部門を受賞。12月18日にはiTunes Storeにより「iTunes Best of 2013“今年のベストアニメーション”」に選出された。

2014年4月27日、ドイツシュトゥットガルト国際アニメーション映画祭「ITFS」長編映画部門にて、最優秀賞を受賞した。 

関連項目[編集]

  • 万葉集
  • 新宿御苑 - 本作の舞台の一つ。本来は庭園内での飲酒は禁止。(本作の最後で、新宿御苑がモデルであることと、実際は飲酒禁止という注意書きが表示される)
  • 『Handmade SHOES FOR MEN』 - ユキノがタカオに贈った靴の本。
著:Lazlo Vass / Magda Molnar
2008年2月20日 Ullmann Publishing出版 / ISBN 978-3833160455

脚注[編集]

  1. ^ a b 「2013年 日本映画・外国映画業界総決算」、『キネマ旬報(2月下旬決算特別号)』第1656号、キネマ旬報社2014年、 198-199頁。
  2. ^ 言の葉の庭”. 映画.com. 2013年3月14日閲覧。
  3. ^ a b 新海誠、原作・脚本・監督作『言の葉の庭』BD/DVD発売”. TOWER RECORDS ONLINE (2013年3月8日). 2013年3月14日閲覧。
  4. ^ 笠間書院 kasamashoin ONLINE:新海誠監督の映画『言の葉の庭』(5月31日公開)に倉住薫氏(大妻女子大学)が協力
  5. ^ 新海誠監督「3人目のキャラクターは雨」 新作『言の葉の庭』に込めた想い”. ORICON STYLE (2013年3月8日). 2013年6月1日閲覧。
  6. ^ 新海誠監督の短編『だれかのまなざし』 新作映画と同時上映”. ORICON STYLE (2013年3月8日). 2013年6月1日閲覧。
  7. ^ a b 「ダイアローグへと歩み出すこと」――『言の葉の庭』新海誠監督インタビュー(後編)”. AniFav (2013年5月16日). 2013年6月26日閲覧。
  8. ^ a b 新海誠監督「言の葉の庭」観客動員10万人突破で続映も決定”. 映画.com速報 (2013年7月3日). 2013年7月3日閲覧。
  9. ^ a b 秦基博、新海誠の新作「言の葉の庭」EDで大江千里カバー”. ナタリー (2013年2月21日). 2013年3月14日閲覧。
  10. ^ 鳥肌ものの美しさ!リアルすぎる風景描写に見るアニメの新次元”. MovieWalker (2013年6月7日). 2013年9月11日閲覧。

外部リンク[編集]