解析半群

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数学の分野における解析半群(かいせきはんぐん、: analytic semigroup)とは、強連続半群の一種である。解析半群は、偏微分方程式の解において用いられる。強連続半群と比較して解析半群は、初期値問題の解のより良い正則性や、無限小生成作用素の摂動に関するより良い結果や、その半群と、無限小生成作用素のスペクトルとの関係などを与える。

定義[編集]

Γ(t) = exp(At) を、無限小生成作用素 A を備えた、バナッハ空間 (X, ||·||) 上の強連続一パラメータ半群とする。Γ は次を満たすとき、解析半群と呼ばれる:

  • ある 0 < θ < π ⁄ 2 に対して、連続線型作用素 exp(At) : X → Xt ∈ Δθ へと拡張される。ここで
\Delta_{\theta} = \{ 0 \} \cup \{ t \in \mathbb{C} : | \mathrm{arg}(t) | < \theta \}
である。また、st ∈ Δθ に対して、通常の半群の条件 exp(A0) = id および exp(A(t + s)) = exp(At)exp(As) が成立し、各 x ∈ X に対して、exp(At)xt連続関数である。

特徴[編集]

解析半群の無限小生成作用素は、次に述べる特徴を持つ:

バナッハ空間 X 上で稠密に定義された線型作用素 A が解析半群の生成素であるための必要十分条件は、半平面 Re(λ) > ωAレゾルベント集合に含まれ、

\| R_{\lambda} (A) \| \leq \frac{C}{| \lambda - \omega |}

が Re(λ) > ω に対して成立する定数 C が存在するような、ある ω ∈ R が存在することである。このとき、そのようなレゾルベント集合は実際には、ある δ > 0 に対して、扇状の領域

\left\{ \lambda \in \mathbf{C} : | \mathrm{arg} (\lambda - \omega) | < \frac{\pi}{2} + \delta \right\}

を含んでいる。そして、上と同様の不等式がこの領域において成立する。このとき、半群は

\exp (At) = \frac1{2 \pi i} \int_{\gamma} e^{\lambda t} ( \lambda \mathrm{id} - A )^{-1} \, \mathrm{d} \lambda,

と表される。ここで γ は、扇状の領域

\big\{ \lambda \in \mathbf{C} : | \mathrm{arg} (\lambda - \omega) | \leq \theta \big\},

に含まれるような、e∞ から e+∞ への任意の曲線である。ただし π ⁄ 2 < θ < π ⁄ 2 + δ とする。

参考文献[編集]

  • Renardy, Michael; Rogers, Robert C. (2004). An introduction to partial differential equations. Texts in Applied Mathematics 13 (Second edition ed.). New York: Springer-Verlag. pp. xiv+434. ISBN 0-387-00444-0. MR2028503.