角島大橋

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角島大橋
基本情報
日本
所在地 山口県下関市本土 - 角島[1]
交差物件 海士ヶ瀬戸
座標 北緯34度21分9.98秒 東経130度53分10.17秒 / 北緯34.3527722度 東経130.8861583度 / 34.3527722; 130.8861583座標: 北緯34度21分9.98秒 東経130度53分10.17秒 / 北緯34.3527722度 東経130.8861583度 / 34.3527722; 130.8861583
構造諸元
形式 21(=7+8+6)径間連続PC箱桁 + 3径間連続鋼床版箱桁 + 5径間連続PC箱桁
全長 1,780m[1]
6.5 m(2車線)
高さ 航路高18 m
最大支間長 102 m(橋脚:28基)
関連項目
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式
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山口県道276号標識

角島大橋(つのしまおおはし)は、山口県下関市豊北町神田と同市豊北町角島間の海士ヶ瀬戸に架かる[1]。全長1780メートル[1]

概要[編集]

1993年平成5年)9月6日に着工し、2000年(平成12年)11月3日に開通した。総工費149億円。山口県道276号角島神田線の一部。かつて、角島へは渡船による交通が主であったが、完成により陸路でつながった。当初は(県道ではなく)、下関市と合併する前の旧豊北町町道として建設された(過疎代行道路整備事業として山口県が発注した)。こうした背景から、道路構造令の第三種第四級で設計が行われた。このため、最高速度は40 km/hに制限されており、強風時には一般車両が通行止めになる。

北長門海岸国定公園内に位置することから、橋脚の高さを抑え、周囲の景観に配慮した構造となっている。また、架橋ルートの選定にあたっては、本土と角島の中間に位置する鳩島に橋脚を建設する案も検討されたが、自然景観保護の観点から島を迂回する現在のルートが採用された。このような取り組みが評価され、2003年(平成15年)には「土木学会デザイン賞2003」の優秀賞を受賞している[2]

橋の両側の海はエメラルドグリーンコバルトブルーの美しい色をしている日も多く、完成後はその景観から山口県の新たな観光名所となっている[1]テレビCM[3]、特に自動車のCM(レクサス・GS450h三菱・ギャランフォルティススズキ・スイフト日産・ノートなど)のロケ地として多く採用されている。

また、完成当初は通行料金が無料の離島架橋としては日本最長であったが、2005年古宇利大橋沖縄県・全長1,960m)、2006年新北九州空港連絡橋福岡県・全長2,100m)、2015年伊良部大橋(沖縄県・全長3,540m)と、本橋梁よりも長い通行料無料の離島架橋が建設されている。

沿革[編集]

  • 1991年(平成3年)
    • 4月1日 - 市町村道補助事業として事業採択。
    • 7月6日 - 海上部地質調査に着手。
  • 1992年(平成4年)
    • 4月1日 - 県事業・市町村道代行橋梁整備事業に移管。
    • 7月2日 - 架橋ルート発表。
  • 1993年(平成5年)9月6日 - 角島大橋建設工事起工式。
  • 2000年(平成12年)11月3日 - 開通。
  • 2003年(平成15年) - 土木学会デザイン賞優秀賞受賞。
  • 2015年 - 旅行サイト「トリップアドバイザー」の「口コミで選ぶ 日本の橋ランキング」で1位に選出[4]

地理[編集]

本州の西端、日本海上の山口県角島へと渡る位置にある[3]。かつて角島とフェリーでの往来しかできなかった角島大橋周辺の海は、貝殻が砕け散った残骸が海底に堆積した白い砂で、そのうえ海水が澄み切っているため、太陽光の加減でエメラルドグリーンから紺碧色まで微妙に色合いが変化していく[5]

本州側の海土ヶ瀬公園と角島の瀬崎陽の公園の2カ所は、角島大橋が眺められる格好の展望所となっている[3]。ロケーションの良さから2000年開通後は、映画『四日間の奇跡』の舞台になったほか、テレビドラマ・CMロケ地として話題を集め、年間約90万人が訪れる観光地となっている[5]

橋を渡った先にある角島北西端の角島灯台までは、約5 kmの距離がある[6]

アクセス[編集]

公共交通機関[編集]

最寄りのバス停留所は「ホテル西長門リゾート入口」となる。

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中国自動車道 美祢インターチェンジから国道435号国道191号山口県道275号を経由 約60分

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 日本経済新聞』土曜朝刊別刷り「NIKKEIプラス1」【何でもランキング】ドライブ爽快 海と空を渡る橋:1位 角島大橋(山口県)心を奪う青の美しさ
  2. ^ 優秀賞:角島大橋”. 土木学会. 2020年5月19日閲覧。
  3. ^ a b c 中村淳一編 2018, pp. 104–105.
  4. ^ 渡っても眺めても楽しい!「口コミで選ぶ日本の橋ランキング」tripadvisor(2015年10月22日)
  5. ^ a b 佐々木・石野・伊藤 2015, p. 102.
  6. ^ 佐々木・石野・伊藤 2015, p. 103.

参考文献[編集]

  • 佐々木節、石野哲也、伊藤もずく 著、松井謙介編 編『絶景ドライブ100選[新装版]』学研パブリッシング〈GAKKEN MOOK〉、2015年9月30日。ISBN 978-4-05-610907-8 
  • 中村淳一編 編『日本の絶景ロード100』枻出版社、2018年4月20日。ISBN 978-4-7779-5088-1 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]