被災者生活再建支援法
| 被災者生活再建支援法 | |
|---|---|
日本の法令 |
|
| 通称・略称 | なし |
| 法令番号 | 平成10年法律第66号 |
| 効力 | 現行法 |
| 種類 | 法律 |
| 主な内容 | 被災者の生活再建時の支援 |
| 関連法令 | 災害救助法、災害弔慰金支給法など |
| 条文リンク | 総務省法令データ提供システム |
被災者生活再建支援法(ひさいしゃせいかつさいけんしえんほう)は、自然災害の被災者への支援を目的とした法律である。
目次 |
[編集] 目的
自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者であって経済的理由等によって自立して生活を再建することが困難なものに対し、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めることにより、その自立した生活の開始を支援することを目的とする。
[編集] 成立の背景
本法律は、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災をきっかけに制定された法律である。
1996年9月、神戸市にあるコープこうべが、積極的な被災者支援策を政府に対して要求、全国の生協とともに「地震災害等に対する国民的保障制度を求める署名推進運動」を開始。
目標の2,500万人は達成できなかったが、コープこうべだけでも356万7,731人、全国では約2,400万人の署名を集めた。これは1997年2月に首相に提出され、政府による自然災害の被災者への支援や保障を検討する審議会の設置を要請。翌1998年5月に議員立法により成立した。
[編集] 構成
- 第1章 総則(第1条・第2条)
- 第2章 被災者生活再建支援金の支給(第3条―第5条)
- 第3章 被災者生活再建支援法人(第6条―第17条)
- 第4章 国の補助等(第18条―第20条)
- 第5章 雑則(第21条・第22条)
- 第6章 罰則(第23条―第25条)
- 附則
[編集] 制度の概要
自然災害により、住宅がいずれかの被害となった世帯を対象としている。
- 全壊
- 半壊、又は住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体
- 災害による危険な状態が継続し、住宅に居住不能な状態が長期間継続
- 半壊し、大規模補修を行わなければ居住困難
自然災害により住家が全壊した世帯に対し、生活必需品や引越し費用として最高100万円の支給がなされる。また、2004年3月には法の一部が改正され、被災家屋のガレキ撤去費用や住宅ローン利子等として最高200万円が支給される「居住安定支援制度」が創設された。
旧制度下では、限度額の範囲内において
- 生活に必要な物品の購入・修理費
- 医療費
- 住居の移転費・移転のための交通費
- 住宅賃借の礼金
- 家賃・仮住まいの経費(50万円が限度)
- 住宅の解体
- 住宅の建設・購入・補修のための借入金等の利息
- ローン保証料・住宅の建て替え等にかかる諸経費
というように、支援金の使途は制限されていたが、2007年11月の法改正により、使途を定めない定額渡し切り方式になり、年齢・収入要件も撤廃された。
[編集] 東日本大震災における動向
本法律は2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に際してクローズアップされることとなった。
福島県・宮城県・岩手県・青森県の太平洋側沿岸の各自治体では津波により甚大な被害受けた家屋が多数存在することから、4月13日、政府は本法律に基づく支援金の支払い手続きを簡素化することを決定した[1]。具体的には、市町村職員が家屋の損壊度合いを調べ、全壊・半壊の認定をした罹災証明書の発行が前提となっていたものを、航空写真や衛星写真で家屋の流失が確認され、道路や水道などのインフラも破壊された地域の世帯に対しては、一律「全壊」扱いとして調査手続きを省いて罹災証明書を不要にし、それ以外の津波被災地でも、サンプル調査で1階天井まで浸水したことが一見して明らかな場合には、市町村の判断でその地域の家屋すべてを「全壊」扱いにできるようにするものである。
また、建物の被災について、建物の被災判定基準が液状化現象による被災に対応していない(多くの家屋が「一部損壊」と判定される)ことが指摘され、液状化被害の大きかった浦安市、千葉市、香取市など千葉県内16市の市長が松本龍防災担当相に要望を行っており[2]、内閣府は「建物の傾き」「建物の基礎の潜り込み」による判定基準を追加し、液状化被害を受けた家屋の判断基準を事実上引き上げる救済措置を発表している[3]。
震災復興関連の2011年度第一次補正予算案においては、本法律に基づいて被災者に渡される支援金への国の補助分として500億円が計上されている[4]が、4月29日の衆院予算委員会での高橋千鶴子議員の「補正予算の規模では基金の残高と合わせても足りなくなる」との指摘に対し、松本龍防災担当相は第二次補正予算で増額する考えを明らかにした[5]。
[編集] 関連項目
- 災害救助法
- 災害弔慰金の支給等に関する法律(災害弔慰金法)
[編集] 脚注
- ^ “被害認定を簡素化、支援金は1世帯最高300万円支給”. asahi.com (朝日新聞社). (2011年4月14日) 2011年5月7日閲覧。
- ^ “液状化 住宅被害 近く基準見直し”. asahi.com マイタウン千葉 (朝日新聞社). (2011年4月29日) 2011年5月7日閲覧。
- ^ “液状化認定基準見直し「一部損壊」→「半壊」も”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2011年5月4日) 2011年5月7日閲覧。
- ^ “生活再建重視、雇用支援に500億円 1次補正予算案”. asahi.com (朝日新聞社). (2011年4月12日) 2011年5月7日閲覧。
- ^ “生活再建・原発被害 全面的な補償要求 衆院予算委 高橋議員が質問”. しんぶん赤旗. (2011年4月29日) 2011年5月7日閲覧。
[編集] 外部リンク
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