表徴の帝国
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表徴の帝国(ひょうちょうのていこく、L'Empire des signes )は、フランスの哲学者ロラン・バルトが独自の日本論を記した著書。1966年、バルトはフランスの文化使節の一員として日本を訪れ、そのときの印象を記号論の立場から同書にまとめ、1970年に発表した。
[編集] 概論
同書によれば、西洋が「意味の帝国」であるのに対し、日本は「表徴(記号)の帝国」である。ヨーロッパの精神世界が記号を意味で満たそうとするのに対し、日本では意味の欠如を伴う、あるいは意味で満たすことを拒否する記号が存在する。そしてそのような記号は、意味から切り離されることにより、独自の輝きを持つものとなるというのである。歌舞伎を例にとると、女形というものは、女の形をしていて、女ではない。隈取は、独特の形をしていながら、意味からは完全に切り離されている。他にも、天ぷら、石庭などといったエクリチュールの数々が例に取られている。またバルトは、大都会である東京の中心に、皇居という、空虚な、何もない森だけの空間が広がっていることに着目し、ヨーロッパの都市の中心には聖堂や広場が設けられていることと比較して、意味から解放された日本世界の自由さを説いた。
[編集] 日本語の主な訳書
訳者は宗左近。
- 『表徴の帝国』訳:新潮社(1974年 ISBN 4106015021)
- 『表徴の帝国』訳:筑摩書房(1996年 ISBN 4480083073)

