蝿の王

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『蝿の王』
(はえのおう)
Lord of the Flies
著者 ウィリアム・ゴールディング
訳者 平井正穂
発行日 新潮文庫版(1975年3月)
集英社文庫旧版(1978年1月)
集英社文庫新装版(2009年6月)
発行元 日本の旗 新潮社
日本の旗 集英社
ジャンル 英米文学
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
コード ISBN 978-4-10-214601-9
ISBN 978-4-08-760578-5
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蠅の王』(はえのおう、原題:Lord of the Flies)は、1954年出版のウィリアム・ゴールディング小説。題名の「蠅の王」とは、聖書に登場する悪魔であるベルゼブブを指しており、作品中では蠅が群がるの生首を「蠅の王」と形容している。また、生首が豚であるのは、七つの大罪のうちのベルゼブブが司る『暴食』を象徴する動物が、豚であるからと思われる。

1963年にはピーター・ブルック監督、1990年にはハリー・フック監督で映画化された。

概要[編集]

ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』やロバート・バランタイン英語版の『珊瑚礁の島英語版』など19世紀以前に流行した「孤島漂着もの」の派生形であるが、本作はこれらの作品とは正反対の悲劇的な展開となっている。

スティーブン・キング中上健次の作品には「蠅の王」というモチーフがたびたび登場する。

本作品は人が集団を営むには権威の存在が必要であり、それが無ければ人は容易にバラバラになる。これは大人も同様で権威は絶対的に必要な存在であり、我々のコモンウェルスがバラバラにならないのは、王室が存在しているからなのだという趣旨がこめられている。[要出典]

ストーリー[編集]

未来の大戦中、疎開地へ向かう飛行機が墜落し、乗員である少年たちは南太平洋の無人島に置き去りにされる。当初はラーフとピギーの二人を中心に規則を作り、烽火をあげ続けることで救援を待とうとする。

最初こそ協力し合っていた彼らであったが、元々ラーフと仲の悪かった少年・ジャックは、ラーフが中心である事を気に入らず、また食べ物等にも不自由しない島で自由に生きる事を望んでいた為に、独自に狩猟隊を結成するのだった。ジャックは狩猟隊のメンバーと共に毎日を好き勝手に漫遊し、豚を狩る事で上等なご馳走を得ており、やがてはラーフの一派の少年達もその魅力に引かれ始める。

そんな中、せっかく船が島の沖を通りかかったにも拘らず、その日の当番が烽火を怠ったのが原因で、自分達の存在に気付かないまま船は過ぎ去ってしまい、ラーフの一派では対立が巻き起こってしまう。その隙を突く様に、ジャックはラーフの仲間達を引き込んでいくまでのカリスマ性まで発揮していくも、次第に狩猟隊の少年達は、内面の獣性が目覚めていき、泥絵の具を顔に塗りたくった蛮族の様な姿となって、ついには仲間の一人であったサイモンを集団で手にかけるまでに至ってしまう。

仲間の殆どをジャックに奪われてしまったラーフは、唯一自分の味方でいてくれたピギーも、ジャックの取り巻きであるロジャーに岩を頭上に落とされ殺されてしまい、完全に孤立。その翌日、ジャックは自らが王でいられる楽園を脅かしうる一番目障りな存在であったラーフを排除すべく、狩猟隊に木の枝を槍の様に尖らせて、ラーフの殺害を指示する。ラーフは孤立してしまった恐怖や悲しみに苦しみながらも、森に火を放ったジャック達狩猟隊から、島中を逃げ回る事になる…。

日本語訳[編集]

2社から出版されているが、共に平井正穂の訳である。

関連文献[編集]

映画化[編集]

これまでに2回映画化されている。

1963年版[編集]

日本では劇場未公開。上映時間87分。イギリスが核攻撃を受けたため、陸軍幼年学校の生徒たちが飛行機で疎開先へと向かう途中で遭難したという設定になっている。

スタッフ
  • 監督・脚本:ピーター・ブルック
  • 製作:ルイス・アレン
  • 撮影:トム・ホリーマン
  • 音楽:レイモンド・レッパード
キャスト
  • ラルフ:ジェームズ・オーブリー
  • ピギー:ヒュー・エドワーズ
  • ジャック:トム・チェイピン
  • ロジャー:ロジャー・エルウィン
  • サイモン:トム・ゲイマン

1990年版[編集]

上映時間90分。

スタッフ
  • 監督:ハリー・フック
  • 製作:ロス・ミロイ、ルイス・アレン
  • 脚本:サラ・シフ
  • 製作総指揮:ルイス・アレン、ピーター・ニューマン
  • 撮影:マーティン・フューラー
  • 音楽:フィリップ・サルド
キャスト

外部リンク[編集]