蜜食動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
飛びながら花の蜜を吸うミドリハチドリ
蜜食動物(みつしょく どうぶつ、英語: nectarivore)とは、被子植物によって生産される糖分豊かな液体(花の蜜)を選択的に食物とする植物食動物の一群である。
蜜食を「花蜜食(かみつ しょく)」、蜜食動物を「花蜜食動物(かみつしょく どうぶつ)」とも称す。被子植物のかかわり方によって、送粉者あるいは盗蜜者に分けられる。
学名 nectarivore は、ギリシア語起源のラテン語「nectar (ネクタル、=神の飲料。転じてのち、nectar、蜜))」と、ラテン語「vore (ウォーレ、=eat、食う)」から合成された造語である。
特徴 [編集]
蜜食動物として挙げられるものの大多数は昆虫類であり、一部の鳥類と併せてほとんど全てと言えるほどであるが、爬虫類のヒルヤモリ属や、有袋類のフクロミツスイ、翼手目の小翼手亜目(コウモリ亜目)といった哺乳類もいる。
蜜食動物のうちのかなり多くの種は盗蜜者である。蜜を摂食するに際しては長い吻(ふん)や舌を用い、花粉との接触がほとんど無いため、植物が蜜の生産の主目的とする受粉に対して貢献しない。送粉者となるものの多くは、長い摂食器官を持たない種類の動物であるが、チョウ目昆虫を送粉者とするように進化した植物もある。
具体例 [編集]
蜜食動物とその関連で特筆に値するものをここに示す。
- クマ属 :哺乳綱- 食肉目(ネコ目)。クマ属の一部は蜂蜜を通じて蜜を食すのであるが、これをもって蜜食動物とは通常、呼ばない。それは他にさまざまの物を雑食するなかでの蜜食である。
- 小翼手亜目 :哺乳綱- 翼手目(コウモリ目)。果実や花蜜・花粉などを食べる種が多くいる。
- フクロミツスイ :哺乳綱- カンガルー目。蜜食をする有袋類。※右列に画像あり。
- ハチドリ科 :鳥綱- ハチドリ目(もしくは、アマツバメ目)。蜜食動物として特化した鳥類。蜜が高カロリーであるからこそ彼らは生存できる。※右列に画像あり。
- ミツスイ科 :鳥綱- スズメ目。中南米に多く分布する。
- タイヨウチョウ族とハナドリ族 :鳥綱- スズメ目。
- ヒインコ :鳥綱- オウム目。
- ヒルヤモリ属 :爬虫綱- 有鱗目。雑食性であるが、蜜もよく食べる。※右に画像あり。
- ミツバチ :昆虫綱- 膜翅目(ハチ目)。
- アゲハチョウ科 :昆虫綱- 鱗翅目(チョウ目)。アゲハチョウ科に限らず、鱗翅目は蜜食。
- ハナムグリ亜科 :昆虫綱- 鞘翅目(コウチュウ目)。
関連項目 [編集]
- 食性 :英語版は「List of feeding behaviours」