フジ属
| フジ属 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||
| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| Wisteria Nutt. | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| フジ属(藤属) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 種 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
フジ属(フジぞく、学名: Wisteria)は、マメ科の属の一つで、フジ(藤)と総称する。ただし、「フジ」は Wisteria floribunda の和名でもある(別名ノダフジ)。
異名に「さのかたのはな」、「むらさきぐさ」、「まつみぐさ」、「ふたきぐさ」、「まつなぐさ」などがある。
目次 |
[編集] 特徴
毎年4月から5月にかけて淡紫色または白色の花を房状に垂れ下げて咲かせる。
[編集] 種
フジ属には8種前後が属する。
北アメリカ、東アジア、日本に自生する。フジ(ノダフジ)とヤマフジの2種が日本固有種で、中国でシナフジ、欧米でアメリカフジなどが栽培されている。
- ヤマフジ Wisteria brachybotrys Siebold[1] et Zucc.
- Wisteria brevidentata Rehder
- フジ(ノダフジ) Wisteria floribunda (Willd.) DC.
- アメリカフジ Wisteria frutescens (L.) Poir.
- ナツフジ Wisteria japonica Siebold[2] et Zucc. - W. floribunda に含めることもある。
- アケボノナツフジ W. j. f. alborosea (Sakata) Yonek.
- ヒメフジ W. j. f. microphylla (Makino) H.Ohashi
- Wisteria macrostachya (Torr. & Gray) Nutt. ex BL Robins. & Fern.
- シナフジ Wisteria sinensis (Sims) Sweet
- Wisteria venusta Rehder & Wils.
- Wisteria vilossa Rehder
- Wisteria × formosa
[編集] 利用
[編集] 食用・薬用
| ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 |
- 藤根:古い文献によると、飢きんになると根を食べたというほど、やせた土地でも成長できる。
- 藤瘤:胃癌薬
- 若芽:ゆでて和え物や炒め物
- 花:湯がいて三杯酢や天ぷら、塩漬けして「花茶」に用いる。
- 種子:花後に剪定すると、実がならない。入手が困難でもちもちした食感は珍味となっている。江戸時代には貴重な糖質として重宝された。
[編集] 蔓
- 家具(いすや籠など)
- 藤布(繊維から)
- 藤紙(茎皮の繊維から)
[編集] 日本のフジ
三重県津市の「福祉と環境を融合した花園かざはやの里」の「藤棚」はデザインされた10種の藤棚「9画3段円柱の藤棚」「扇の藤棚」「階段の藤棚」「通路の藤棚」に1800本以上の藤が咲き乱れる。
栃木県足利市のあしかがフラワーパーク内に存在する迫間のフジ(はさまのふじ)は樹齢約140年、枝の広がりは517平方メートル(500畳の広さ)に及ぶものもある。 園芸植物としては、日本では藤棚に仕立てられることが多い。白い品種もある。つる性であるため、樹木の上部を覆って光合成を妨げるほか、幹を変形させ木材の商品価値を損ねる。このため、植林地など手入れの行き届いた人工林では、フジのツルは刈り取られる。これは、逆にいえば、手入れのされていない山林で多く見られるということである。近年、日本の山林でフジの花が咲いている風景が増えてきた要因としては、木材の価格が下落したことによる管理放棄や、藤蔓を使った細工(籠など)を作れる人が減少したことが挙げられる。
[編集] 名木
- 国の特別天然記念物
- 国の天然記念物
- 藤島の藤(岩手県二戸郡一戸町 仁昌寺)[2]
- 熊野(ゆや)の長藤(静岡県磐田市 行興寺境内)[3]
- 黒木の大藤(福岡県八女市黒木町 素盞嗚神社境内)[4]
- 宮崎神宮のオオシラフジ(宮崎県宮崎市 宮崎神宮境内)[5]
- その他名所
- 池ノ内の藤(福島県石川郡古殿町 大杉に絡んだ珍しい一本藤))[6]
- あしかがフラワーパークの大藤(栃木県足利市 あしかがフラワーパーク)[7]
- 浅草初音小路飲食店街の藤棚(東京都台東区浅草)
- 亀戸天神社の藤(東京都江東区亀戸)[8]
- 岡崎公園の五万石藤(愛知県岡崎市)
- 曼陀羅寺の藤(愛知県江南市 曼陀羅寺境内)
- 岩崎の清流亭の藤(愛知県小牧市)
- 「福祉と環境を融合した花園かざはやの里」の「藤棚」(三重県津市)[9]
- 才ノ神の藤(京都府福知山市大江町 推定樹齢2000年)
- 春日大社の砂ずりの藤(奈良県奈良市 春日大社境内)[10]
- 藤公園(岡山県和気町)[11]
[編集] 市町村の花
- 市
- 茨城県:取手市
- 群馬県:藤岡市
- 埼玉県:春日部市、羽生市、富士見市
- 神奈川県:藤沢市
- 静岡県:藤枝市
- 愛知県:岡崎市、津島市、江南市
- 京都府:福知山市
- 岡山県:倉敷市
- 高知県:四万十市
- 福岡県:小郡市
- 佐賀県:唐津市
- 宮崎県:延岡市
- 区
- 大阪府:大阪市福島区
- 町
- 青森県:南津軽郡藤崎町
- 秋田県:山本郡藤里町
- 福島県:南会津郡下郷町
- 東京都:西多摩郡日の出町
- 滋賀県:犬上郡甲良町
- 徳島県:名西郡石井町
- 福岡県:朝倉郡筑前町
- 熊本県:上益城郡御船町
- 宮崎県:西臼杵郡高千穂町
- 消滅した自治体
- 岩手県:東磐井郡藤沢町
- 宮城県:栗原郡瀬峰町
- 山形県:東田川郡藤島町
- 茨城県:北相馬郡藤代町
- 栃木県:下都賀郡藤岡町
- 埼玉県:北埼玉郡騎西町
- 神奈川県:津久井郡藤野町
- 石川県:石川郡河内村
- 静岡県:磐田郡豊田町
- 愛知県:西加茂郡藤岡町
- 高知県:中村市
- 福岡県:甘木市、朝倉郡三輪町、山門郡三橋町、田川郡方城町、八女郡黒木町
- 佐賀県:藤津郡嬉野町
[編集] 文化
日本では古来より、花の鑑賞や籠などの道具の材料などに用いられてきたため、各所でフジに因んだ名称や意匠を目にすることができる。
[編集] 人名
- 日本人の姓
藤原氏を出自としてその流れを汲む十六藤(じゅうろくとう) - 佐藤、伊藤、斎藤、加藤、後藤、近藤、遠藤、工藤、安藤、内藤、須藤、武藤、進藤、新藤、神藤、春藤の名字(読みは「とう」または「どう」、人口の多い順)。 多くは旧国名・役職名+藤と言うパターンが多い。(例:佐藤は「佐渡」または「佐野」の藤原の意)
十六藤以外にも江藤、衛藤、斉藤、首藤などの姓もあり、「藤」で始まる姓としては藤田、藤井、藤原、藤本などがある。
平安時代の貴族であった藤原氏の「藤原」は本姓であり、その子孫は現在それぞれ家名(九条・冷泉など)を名字としているため、貴族の家系においての「藤原さん」は存在しない。詳しくは、藤原氏を参照。
- 日本人の名
「藤雄」、「藤子」、「藤枝」、「藤美」など「藤」の付く個人名もある。
[編集] 文学・芸術
- 藤衣(ふじごろも)
- 「藤浪の花は盛になりにけり ならのみやこを思ほすや君」 防人司佑(さきもりのつかさのすけ)大伴四綱(よつな)の歌
- 木の花は:「藤の花は、しなひ長く、色濃く咲きたる、いとめでたし」
- あてなるもの:「薄色に白襲の汗衫。かりのこ。削り氷にあまづら入れて 新しき金まりに入れたる。水晶の数珠。藤の花・・・」
- 俳諧
[編集] 絵画・工芸
[編集] 衣装
- 藤布(ふじぬの):庶民用布、ござの縁布
- 藤衣 (ふじごろも):公家の喪服にもちいられた
- 染色:
- 襲色目 藤(ふじ)[12]
- 淡紫から白のグラデーション:毎年3月から4月にかけての春に着用
- 着物の文様
- 花簪(かんざし):フジの花序をかたどったものがある[13][14]。
[編集] 家紋
藤紋(ふじもん)は日本の家紋の一種。ヤマフジのぶら下がって咲く花と葉を「藤の丸」として図案化したもので、元来は「下り藤」である。
家紋として文献に載ったのは、15世紀ごろに書かれた『見聞諸家紋』などである。『吾妻鏡』や『太平記』には登場しないことを根拠として武家の間では14世紀後半の室町時代末期に流行したと考えられており[3]、また江戸時代には武士における使用家が170家におよび[4]、五大紋の一つに数えられている。
図案には、上り藤、下り藤、一つ藤巴、藤輪、利久藤、三追い藤、黒田藤などがある。
[編集] その他
- 天道花・花折節供
- 自然暦・勧農鳥の止まる木
- 朝藤夕縄
[編集] フジと名のつく植物
つる性、花序が穂状、あるいは小さな花が寄り集まっているなど、形状がフジと似ているところから名づけられたものと考えられる場合が多い。
- マメ科
- キク科
- フジバカマ - 秋の七草のひとつ。
- ツヅラフジ科 - ミヤコジマツヅラフジやアオツヅラフジなど。
- フジウツギ科 - フジウツギやフサフジウツギ。
- ナデシコ科
- フジナデシコ(ハマナデシコ)
- バラ科
[編集] 脚注
- ^ フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト (1796-1866) or Karl Theodor Ernst von Siebold (1804-1885) physiologist and zoologist
- ^ フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト (1796-1866) or Karl Theodor Ernst von Siebold (1804-1885) physiologist and zoologist
- ^ 高澤等 『家紋の事典』 千鹿野茂監修、東京堂出版、2008年。ISBN 978-4-490-10738-8。
- ^ 『索引で自由に探せる家紋大図鑑』 新人物往来社〈別冊歴史読本〉、1999年。ISBN 4-404-02728-1。
[編集] 参考文献
- 茂木透写真 「フジ属 Wisteria」『樹に咲く花 離弁花2』 高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、94-99頁。ISBN 4-635-07004-2。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- “Wisteria Nutt.”. ITIS. 2012年2月11日閲覧。 (英語)
- Wisteria - National Center for Biotechnology Information (NCBI) (英語)
- Wisteria - Encyclopedia of Life (英語)
- 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2012年2月11日閲覧。
- 波田善夫. “フジ属”. 植物雑学事典. 岡山理科大学総合情報学部. 2012年2月11日閲覧。
- 青木繁伸 (2007年9月10日). “フジ(藤)”. Botanical Garden. 群馬大学社会情報学部. 2012年2月11日閲覧。
- 青木繁伸 (2007年9月10日). “ヤマフジ(山藤)”. Botanical Garden. 群馬大学社会情報学部. 2012年2月11日閲覧。
- 福原達人. “フジとマメ科の蝶形花”. 植物形態学. 福岡教育大学教育学部. 2012年2月11日閲覧。