薬師カブト

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薬師カブト(やくしカブト)は、岸本斉史作の漫画作品およびそれを原作としたアニメ『NARUTO -ナルト-』に登場する架空の人物。アニメでの声優神奈延年。少年期は水野マリコ

概要[編集]

大蛇丸の側近。音隠れの里の医療忍者で、大蛇丸の右腕として暗躍。銀色の髪を後ろに縛った髪型と眼鏡が特徴。対立後はナルト達に嫌味を込めて「眼鏡」と呼ばれている。一人称は「ボク」だが、目上の人には「私」と言う場合がある。

計算高く何重もの裏がある性格で、残虐・冷徹・辛辣な本性を、温和でお人好しな性格を演じることで隠してきた。物腰こそ柔らかいが慇懃無礼で情け容赦ない。大蛇丸も感心するほど分析力・情報収集能力に長ける。特に綱手との戦いにおいては、彼女の術によって脳から筋肉への電気信号をすべて狂わされたにも関わらず、一瞬で体の動きを把握するなど、頭の回転力は常人の域を遥かに超えている。自分のアイデンティティを求めることに執着し、ありとあらゆる力を集め完璧な存在になることで自分を証明しようとした。

その一方で中忍選抜試験会場で倒れた日向ヒナタを治療、九尾化したうずまきナルトに傷付けられた春野サクラも治療したりと医者としての心はどこかにある模様。後進の面倒見は良く、中忍試験の時のナルト達は勿論、君麻呂も「カブト先生」と慕っていた。

上述の性格のためか、先達に当たる赤胴ヨロイや剣ミスミとはあまり仲は良くなく、大蛇丸でさえ時として警戒したほど。各国にアジトを持っているようで、追跡を免れるため大蛇丸と共に数日単位で移動を繰り返していた模様。また、カブト自身も大蛇丸に対しては常に忠実に行動していたが、元サソリの部下でスパイとして各地を転々とした経歴からか、時折大蛇丸の行動に危険や疑問を感じていた描写が見受けられた。それでもカブト自身は、自分の見つけ方を教えてくれた大蛇丸には心底敬服しており彼を未だに「大蛇丸様」と呼び、彼の模倣をすることが多かった。また、長年スパイとして生きてきたためイタチ以上に嘘を付くのが上手く人を惑わし続けたが、本心では自分の存在を誰かに見てもらいたかっただけであった。イタチからはそのことで「嘘は自分自身も見えなくする」「ありのままの自分を認めてやることが大事だった」と言われている。なお、この自分を証明するという思想は「誰でもいたくない」と語ったトビ(うちはオビト)とは一種対極に位置するものとも言える。

大蛇丸の死後、その細胞を自らの身体に取り込み、大蛇丸を超える存在になるという新たなアイデンティティーを見出す。容姿は面影が無いまでに変わってしまったが、口寄せ・穢土転生を会得し、さらに音の五人衆やサスケたち「鷹」、大蛇丸の能力を吸収し、龍地洞にて仙術を身に付けた。

第一部以前[編集]

カブトは長年スパイとして生きてきた為に、偽りの経歴を数多く持っているが、元々は大戦中に傷を負っていたところを、孤児院のマザーである薬師ノノウに拾われた孤児であった。カブトという名は、名前を含めた記憶を持たない彼が他の子供たちから兜を被せられていた姿を見てノノウが命名したものであり、その時からつけている眼鏡も、彼女が視力の低い自分に与えてくれた物である。以来、ノノウに恩を返すべく元々持っていた医療忍術の才能を使い戦で傷ついた忍達の治療活動を行っていた。当時「根」に所属していた大蛇丸と出会ったのはこの頃で、忍としての才能を見出されていたが、一旦は誘いを断っている。

しかし、「根」の一員であったノノウが院の維持と引き換えに長期の潜入任務と人員の提供を要求されている場面を目撃し、彼女と院のために自ら志願して「根」に加入。雲隠れの里、霧隠れの里、砂隠れの里、岩隠れの里と、様々な里をスパイとして回り続けながら幼年期を過ごしていった。そんな中、岩隠れの里潜入中にミスを犯してしまい、囲まれたところに同じく里に潜入していたノノウに襲われ彼女に深手を負わせてしまう。必死に助けようとするも彼女が自分のことを覚えていなかったことに愕然として手を止めてしまい、自分自身を完全に見失ってしまったカブトは、そこで大蛇丸と再会する。自分に会いに来た大蛇丸から、自分達がスパイとして優秀すぎた故に共倒れによる抹殺が決定した真実を聞かされ、「根」の陰謀で自分を奪われたことに激昂するも、彼の「自分が知りたければこの世のありとあらゆる情報を集めつくせばいい」という言葉を受け、里から抜ける道を選ぶ。

里を抜けた後は、大蛇丸の行った音の四忍衆や君麻呂、重吾、水月、香燐といった者達の実験に立会い続け、うちはイタチの肉体を手に入れるべく、大蛇丸と共に傭兵組織である「暁」に加入するも、表向きは大蛇丸とは赤の他人を演じ、自身は大蛇丸とコンビを組んでいた赤砂のサソリの部下として行動。サソリによって一定の時期が来るまで記憶を封印する「潜脳操砂の術」を掛けられるも、大蛇丸によって術はすぐに解かれている。暁のメンバーをも騙し通したカブトは、当時の上司であったサソリから働きを認められており、自分の作った傀儡のようだと評されているが、カブト自身は暁のメンバーの事を元から嫌っており、特にサソリに対しては「傀儡に隠れた陰気な奴」と手厳しく評している(ただし、これは大蛇丸の「サソリの部下だったのに本当の顔も知らなかったのか」という旨の言葉への返答であり、本心かどうかは定かではない)。

大蛇丸に洗脳を解かれた後も、表向きはサソリに服従する姿勢を見せており、サソリからは仲間であるイタチの襲撃に失敗して暁から脱走した大蛇丸のスパイ役を任されている。そして、本来の上司でダンゾウと手を結んでいた大蛇丸からは「木ノ葉の医療上忍薬師ノノウに桔梗城で拾われた」という偽りの経歴を与えられ、木ノ葉隠れに下忍として所属する形で、ヨロイやミスミと共に里内外でのスパイ行為を命じられ、従事する事になる。

その後、カブトはヨロイやミスミと共に、うちは一族の生き残りであるサスケの肉体を入手すべく、木ノ葉の下忍として、中忍選抜試験に参加。うずまきナルト達と関わっていく事になった。

プロフィール[編集]

  • 忍者登録番号:012140
  • 忍者学校卒業年齢:10歳
  • 誕生日:2月29日
  • 星座:うお座
  • 血液型:AB型
  • 好きな食べ物:あじの塩焼き、鯛の塩焼き
  • 嫌いな食べ物:生肉
  • 好きな言葉:千変万化
  • 趣味:メスの手入れ
  • 戦ってみたい相手:うずまきナルト、うちはサスケ(第一部)、大蛇丸(第二部)

第一部[編集]

20歳。身長177cm。体重65kg。血液型AB型。第一の試験開始前に素性を隠してナルト達に接触し、第二の試験では後半の行動を共にしゴールを目指した。このことからナルトには信用され、「カブトさん」または「カブトの兄ちゃん」と呼ばれていた。第三の試験予選では大蛇丸が直接サスケの品定めをすることを知り、自分の役目は終わったと判断し棄権する(ナルト達には「第一の試験直前に音隠れのドスに負わされた聴覚のケガ」を理由にしていた)。

その後は風影暗殺、砂隠れとの密約等、「木ノ葉崩し」の準備を着々と進め、決行日である本戦では暗部の一人を殺して装束を奪い、試験会場にて待機していた。ナルト対ネジの試合の最中には、後遺症で吐血していたヒナタを治療、付き添っていた犬塚キバを気絶させている。サスケ対我愛羅の試合では、会場全体に効果を及ぼす高等幻術で観客達を昏倒させ、「木ノ葉崩し」決行の合図を出す。カカシやガイと一戦交えるが決着はつかず、大蛇丸の撤退を悟ると自らも戦線を離脱した。

音隠れのアジトに戻ってからは、三代目の呪いに苦しむ大蛇丸を救うために、医療スペシャリストの綱手と交戦。伝説の三忍を相手に優勢に立ち、綱手が「全盛期の自分を超える」と認めるほどの腕前を見せる。その後、綱手の側近の医療上忍シズネとも交戦し、難なくあしらう。最後にナルトと交戦。終始圧倒しながらも、ナルトの捨て身の螺旋丸をその身に受け重傷を負う。人並み外れた回復能力を持つ彼であっても螺旋丸の威力を耐え切ることはできなかった。ナルトの螺旋丸をその身に受けた最初の相手。この際も技をまともに食らいながらナルトの経絡系を正確に切り裂く離れ業を演じ、彼を戦闘不能に追い込んでいる。

第二部[編集]

23⇒24歳。元上司のサソリから5年後のある日に天地橋で落ち合うことを指示されていたようで、大蛇丸と2人がかりで天地橋にてサソリを待ち伏せし、罠に嵌めて始末する予定だった。サソリはすでにサクラと実の祖母であるチヨに抹殺されており、ヤマトを隊長とする第七班との交戦となる。その後、アジトに帰還する際は、カムフラージュのために死体を用いてサイの身代わりをいとも簡単に作り上げ、医療忍者としての技量の高さを見せつけた。

暁とは険悪な仲にあるようで、木ノ葉の忍が暁のメンバーを一人でも多く倒してくれることを望んでいた。大蛇丸からは全幅の信頼を寄せられているも、音の四人衆を失い、サスケが大蛇丸の元に来てからというもの大蛇丸の関心は彼に向いており、古参としてはあまりいい気分ではない様子。サスケが大蛇丸に横柄な態度や言葉遣いをするのでよく注意しているが、肉体改造や禁術により強化されていた彼には実力では追い抜かれていたようである。

アニメオリジナルストーリー三尾出現の章では、何かと裏側から暗躍しており、紅蓮とは仲が悪く、幽鬼丸を三尾コントロールのために生贄にする等、かなりの腹黒さが強調された。自分から大蛇丸に仕えると発言した麟児を邪魔者だとその場で殺害して成りすまし、紅蓮が幽鬼丸の母親を殺害したことを本人に言及して怒りを買ったナルトと戦闘になるも、三尾が暴走してる隙に逃亡を図ったため決着はつかなかったが、やや劣勢を強いていた。

大蛇丸に献身的に仕える彼であったが、大蛇丸がサスケに敗れた後、自分としてのアイデンティティーを見失い、大蛇丸の亡骸の一部を自分に移植し共存することで「大蛇丸を超えた存在になる」事を決意し、自身の孤独についてナルトに共感している。そのナルト達に接触し、現在の立場を明かし蓄積していた暁の情報を譲渡した。その後、ナルト達に取り押さえられそうになるが、サスケを倒すためその場を退いた。なお、移植した大蛇丸の亡骸の一部はカブト本人を乗っ取ろうとしており、この時点では3割程侵食している(ヒナタの白眼による分析より)。

その後、本編にしばらく登場していなかった間、カブトはかつて大蛇丸から教えられた言葉を元に暗躍を開始。穢土転生の使用が可能になったことで、忍界大戦時に活躍し死んでいった前任の五影や英雄達の肉体の一部等を手に入れて、穢土転生で次々と自らの手駒に加えることに成功する。穢土転生の素材集めだけでなく、自分自身をも強化させるべく、独力で妙朴山と同じ秘境の一つである「龍地洞」を探しあて、そこの主である白蛇仙人に師事。厳しい修行の末に、ナルトとは異なる「仙人モード」の体得に成功し、自然エネルギーのコントロールも可能になった。更には、自らや大蛇丸の研究データを元に、音の五人衆や水月といった大蛇丸の傘下にいた者達や、大蛇丸自身の能力を自らの肉体に付加させるという無茶な強化処置を行い、まさに大蛇丸をも超えた実力者になっていった。このカブトの予想外の成長には、暗躍を重ねてきたトビですらも驚愕している。
大蛇丸を失って以降のカブト曰く「純粋に忍術の追求」を求めており、特に忍者の祖となる六道仙人の力に強い興味を示している。その研究や調査の最中で、うちはマダラの経緯についても知ったらしく、彼が初代火影・柱間との戦いの時点では死んでおらず、柱間の細胞を入手して輪廻眼を開眼したと予測している。写輪眼や万華鏡写輪眼、輪廻眼が無ければ解読出来ない「うちはの碑石」の秘密に関しても、大蛇丸や自身の長年の研究データを元に仮説を立て、ある程度解析している。

サスケがダンゾウを殺害した後、滝隠れの施設を襲撃して暁のボスであるトビに単独で接触、協定を持ちかける。その時には、既に容姿が大きく変貌してしまう程までに大蛇丸の細胞に全身を侵され、白い蛇が尾の様に生えた状態であった。既に亡き暁のメンバーであるうちはイタチ、サソリ、デイダラ、角都、長門を穢土転生の口寄せで呼び出し、戦力として提供することを提案。彼が本物のうちはマダラではない事実をいち早く見破っていたカブトは、協定を断れない様にすべく、ゼツの手引きで入手した「本物のうちはマダラ」を穢土転生させて盾にし、暁への協力の見返りとしてサスケを得るという条件を同意させる。

トビが長門の遺体ごと輪廻眼を入手した後、八尾と九尾を捕らえに口寄せしたデイダラと共に雲隠れの巨大亀へ向かい、待ち伏せしていた土影たちの奇襲を受けるが、予定変更によりヤマトを捕縛しヤマトだけを連れて暁のアジトに撤退。そしてヤマトの力でゼツを強化させた後、新たに他の凄腕の忍達を穢土転生で蘇生させ、トビに提供する。

第四次忍界大戦開戦後は、自分を追跡していたアンコを、わざと暁のアジトに導いて捕らえ、その肉体に宿る大蛇丸のチャクラを吸収し穢土転生した魂達の縛りを強化。戦闘中もそのデータを取り続ける。その代償として、トビに穢土転生の術の全てを説明し、トルネを穢土転生してみせた。
ナルトとビーが戦場に現れるとイタチと長門を使いトビに内緒で人柱力を捕まえようとするも、うちはイタチがナルトに仕込んでいた万華鏡写輪眼の瞳術・別天神によって穢土転生の呪縛を破るという、予想外の事態により失敗。切り札を出すことを決意し、三代目雷影達を使い時間稼ぎをさせる中、切り札である本物のマダラを戦場に投入するという、トビとの協定を破るに等しい行動に出る。その後自分を追ってきたイタチと彼を追ってきたサスケと戦い、二人を追い詰めるも「イザナミ」の無限ループに閉じ込められてしまい、幻術の中で終わることのないイタチとサスケとの戦いを続けることになった。

直後、復活した大蛇丸にチャクラのほとんどを回収され、外見は侵食前の状態に戻った。そしてほどなくして、己を見つめ直し受け入れることに成功し、無限ループから脱出。人柱力になったマダラが猛威を振るう戦場に到着し、瀕死のサスケを発見、傍にいた扉間の助言を受け、仙人モードによる蘇生を試みる。この時、かつての自分やオビトの過ちを認め、かつての居場所である孤児院に帰りたいと願うようになっている。

能力[編集]

性質変化は主に水遁系を使用する。高度な医療忍術を巧みに使いこなし、攻撃に応用する。人並み外れた回復力を持ち、細胞を活性化し、新しく作り替えていく事で傷を治癒する事が出来る(ただしこの回復能力は、香燐の体からうずまき一族の強靭な生命力を調べ得た技術である)。本人曰く体術は得意でないが、周囲に居る大勢の人間を一度に眠らせる高等な幻術を使用できる。

大蛇丸の細胞を取り込んでからは、その力も己のものにしており、大蛇を意のままに操ったり、【口寄せ・穢土転生】で多数の死者を蘇生することが可能になった。アンコを捕らえ、大蛇丸に刻み込まれた呪印のチャクラを吸収する事で、穢土転生の縛りを強化させる事にも成功している。また、秘境の一つである竜地洞に住む白蛇仙人を師事して修行を行っていた結果、ナルトの「蛙の仙人モード」とは異なる「蛇の仙人モード」を体得。更に大蛇丸と共に行った実験の被験体達である水月、香燐、音の五人衆や大蛇丸の能力すらも取り込んでいった結果、最終的にはサスケやイタチをも凌駕する実力者となった。

これらの高等忍術を扱える点も優れているが、それ以上に驚異的なのは、時に大蛇丸をも超えた計算力や分析力を見せるその頭脳であり、六道仙人の力についての解明に関しても、ある程度成功させている。

使用術一覧[編集]

  • 水遁
    • 水化の術
    • 水龍弾の術
    • 大瀑布の術
  • 土遁
    • 土中映魚の術(うずまき列伝)
    • 土陸返し(※)
  • 医療忍術
    • 死魂の術
    • 陰癒傷滅
    • 掌仙術
    • チャクラ解剖刀
    • 死術・帰魂遊戯(ナルティメットアクセル2)
  • 幻術
    • 涅槃精舎の術
    • 魔笛・夢幻音鎖(※)
  • 禁術(ナルティメットヒーロー2)
    • 外道ノ印・封
    • 外道ノ印・乱
  • 呪印術(カブト自身が開発したものはアニメのみ)
  • 口寄せ
    • 口寄せ・穢土転生
  • 鬼童丸
    • 蜘蛛巣開(※)
  • 仙術
    • 仙法・白激の術
    • 仙法・無機転生
  • 血継限界
    • 双魔の攻(使用時は「双魔の術」)(※)
    • 屍骨脈(※)
      • 早蕨の舞(※)

※は他人の細胞を取り込んで得た術で、双魔の攻(双魔の術)の発動により本来の術者の上半身が発生して使用可能になる。

登場映画[編集]

余談[編集]

アニメにてサスケ役を担当している杉山紀彰はアニメ化以前から原作を読んでおり、『オー!NARUTOニッポン』内で「サスケも気に入っているが、最初はカブトを演じてみたかった」と話している。