蓮田岩槻バイパス

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一般国道
国道122号標識
蓮田岩槻バイパス
国道122号バイパス
開通年 2006年6月11日全線開通
起点 蓮田市閏戸
閏戸(南)交差点
終点 さいたま市岩槻区加倉
加倉(北)交差点
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
蓮田市馬込

蓮田岩槻バイパス(はすだいわつきバイパス)は、埼玉県蓮田市閏戸からさいたま市岩槻区加倉に至る、国道122号バイパス道路である。

起点・終点[編集]

  • 起点:蓮田市閏戸
  • 終点:さいたま市岩槻区加倉

概要[編集]

計画総延長は9.1 kmで、全線片側2車線で整備される計画である。1968年昭和43年)に事業化され、1992年平成4年)までは蓮田バイパスと呼ばれていた。2006年(平成18年)6月11日に全線開通した(未整備区間あり、後述)。

蓮田市「閏戸(南)」交差点で旧道を西に分け、数百メートル東側を南下する。「関山(北)」で埼玉県道3号さいたま栗橋線と交差し、JR東北本線宇都宮線、以下「宇都宮線」)をくぐる。進んでさいたま市岩槻区に入ると東北自動車道の側道となって並行し、「平林寺橋」で旧道と交差する。ここから片側1車線となり、旧道の1 kmほど西を南下する。東武野田線(東武アーバンパークライン)を跨いで、「加倉(北)」交差点で埼玉県道2号さいたま春日部線(旧国道16号)および122号本道に接続する。122号はこの先で片側2車線に戻り、岩槻インターチェンジから川口市川口ジャンクションまで、東北道の側道として南下する。

埼玉県道3号さいたま栗橋線との交差部分は高架によるオーバーパス(立体部は2車線、制限速度50 km/h、追い越し禁止規制)、JR宇都宮線との交差部分はトンネルによるアンダーパス(途中、非常電話を設置)で通している。

旧道は、蓮田市内において宇都宮線蓮田駅近辺の市街地を片側1車線で通過し、なおかつ宇都宮線と平面交差し、渋滞の要因となっていた。岩槻区(旧岩槻市)内も狭い道で、昔から住民の生活道路となっていた。なおかつ東武野田線と平面交差し、激しい渋滞と生活環境の著しい悪化をもたらしていた。これらの迂回路としての役割に加え、岩槻市街地で共用する旧国道16号区間の交通量削減や、東北道岩槻ICへのアクセス向上、短絡ルートの整備を主要な目的としている。

旧道区間のうち、閏戸(南)から平林寺交差点までは国道指定を解除され、それぞれ蓮田市・さいたま市道や埼玉県道311号蓮田鴻巣線埼玉県道322号東門前蓮田線へ降格されている。

課題[編集]

国道122号の他区間の改良およびバイパスの整備により、交通量が増加しており、片側1車線が残る岩槻区平林寺橋以南の区間では、夜間や年末年始、日曜等特定の曜日や時間を除いて、上下線ともに渋滞が慢性化している。下り(東京方面)では加倉(北)交差点で主に1 km程度、多ければ3 km程度。特に上り(館林方面)では加倉(南)交差点で片側2車線が1車線に減少(右車線が国道16号春日部方面への右折車線へ変わる)する上、加倉(北)交差点はクランクであり、下り線側へ右左折で向かう構造になっているため、これらの信号待ちなどで常に2 km以上の渋滞となる。

整備状況[編集]

蓮田市の宇都宮線以南から岩槻区内の区間で整備が進み、1972年(昭和47年)11月17日に、東北道の東側に設置した工事側道を相互通行の道路として転用する形で、平林寺橋 - 加倉(北)間が開通した。その後、1976年(昭和51年)6月1日に同じく側道として蓮田市・岩槻市(当時)境の馬込橋 - 平林寺橋間が、1982年(昭和57年)7月26日に埼玉県道154号蓮田杉戸線の東(二)[注釈 1] - 馬込橋間が蓮田駅東側の新興住宅地を貫く形で、いずれも片側1車線で開通した。これより北側の開通が遅れたため、蓮田駅の南側では、新旧の国道を離合する車両で慢性的な渋滞がしばらく続いた。

蓮田市北部の区間では、1989年(平成元年)3月31日に閏戸(南)から埼玉県道3号さいたま栗橋線の関山(北)間が片側1車線で開通した。JR宇都宮線との交差部分を含む関山(北)- 東(二)間の約1.3 kmの区間については、沿線に近接する蓮田中央小学校への影響が懸念され、工法の問題等で長く工事凍結状態にあったが、2006年6月11日にこの区間も開通し、これにより全線開通した。同時に、閏戸から馬込橋の手前までが片側2車線化された。

2011年(平成23年)3月8日正午、馬込橋 - 平林寺橋間で東北道西側の側道が開通して上下車線が分離された。東側は蓮田方面から平林寺橋への一方通行となった[注釈 2]。しかし、開通後間もなく、旧道の岩槻市街側から平林寺橋交差点を誤って右折しようとする車が見られ、実際に上り線において誤進入車との正面衝突事故が発生したため、誤進入防止として道路に2車線分、交差点前に進入禁止のペイントが施された。

岩槻区内の東北道西側の約2.8 kmが、未完成区間として残っている。用地は早期(東北道の建設時)に確保されており、東武野田線との立体交差のために跨線橋用の高架柱が建てられたものの、岩槻区加倉地区の沿線住民からアンダーパスへの計画変更を求める運動が起こり、長く動きはなかった。2007年(平成19年)度から工事が開始されたが、住民との交渉のために2013年(平成25年)度に予定していた完全片側2車線化の完成を断念した。交渉の結果、騒音対策の緩衝地帯を設けることなどを条件にオーバーパスで通すことで2012年(平成24年)に合意し、高架柱の撤去・架け直しを行い、2017年(平成29年)度の完成予定に変更となった。しかし工事の遅れにより2017年度から跨線橋用の高架柱の撤去・架け直しを開始したため、跨線橋は2020年令和2年)度に完成[1]して、その後は調整池や遮音壁の設置を始めとする跨線橋の取付部の整備に着手し、北詰(館林方面)側は2021年(令和3年)度に完成し、現在は南詰(東京方面)側と加倉(北)交差点の整備が進められており、4車線化の供用開始は2024年(令和6年)度の予定としている。4車線化の際に、平林寺橋以南で現在使用されている道路は下り一方通行となる[2][3]。これに伴い、平林寺橋交差点の南側にある陸橋の前原橋(さいたま市道)の撤去が行われることになり、2023年5月8日から通行止めとなり[4]、2023年10月3日に撤去された[5]

地理[編集]

交差する道路[編集]

交差する道路 交差点名 最高速度 所在地
埼玉県道77号行田蓮田線 閏戸 法定速度 蓮田市 閏戸
国道122号旧道 閏戸南
(今宮けやき通り) 今宮橋西
埼玉県道3号さいたま栗橋線 関山北※立体交差 50
埼玉県道150号上尾蓮田線 関山3丁目 法定速度 関山
埼玉県道154号蓮田杉戸線 久台
国道122号 平林寺橋 50 さいたま市岩槻区 平林寺
埼玉県道2号さいたま春日部線 国道122号 加倉北 加倉

沿道にある主な施設[編集]

施設 所在地
蓮田市立蓮田中央小学校 蓮田市 関山
蓮田図書館
堂山公園
シャトレーゼ 蓮田店
サイゼリヤ 蓮田店
MEGAドン・キホーテ 蓮田
トラットリア
桜台防災広場 桜台
デンキチ蓮田店
クリニカル病院 さいたま市岩槻区 馬込
さいたま市立西原中学校 岩槻
さいたま市立西原小学校 西原

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「東(二)交差点」は2006年5月11日に蓮田杉戸線の経路変更により廃止され、南側に新設した「久台交差点」に変更した。
  2. ^ 500 mほど手前に、蓮田市道へ迂回するような案内標識がある。

出典[編集]

  1. ^ さいたま市/一般国道122号蓮田岩槻バイパス - さいたま市
  2. ^ 事業概要パンフレット(一般国道122号蓮田岩槻バイパス)(PDF)”. 一般国道122号蓮田岩槻バイパス (2022年1月6日). 2022年3月27日閲覧。
  3. ^ 「東北道の側道途切れて大渋滞」解消へ 国道122号「蓮田岩槻バイパス」未開通部はいつ開通?”. 乗りものニュース (2023年3月2日). 2023年3月4日閲覧。
  4. ^ 前原橋撤去のお知らせ”. さいたま市 (2023年3月29日). 2023年10月4日閲覧。
  5. ^ 東北道の側道つなげて“不合理渋滞”に終止符! 国道122号「蓮田岩槻バイパス」完成前の大工事まもなく”. 乗りものニュース (2023年9月28日). 2023年10月4日閲覧。

関連項目[編集]