落語シリーズ

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落語シリーズ』(らくごシリーズ)は、大倉崇裕による日本推理小説のシリーズ。

概要[編集]

デビュー短編「三人目の幽霊」から始まったシリーズ。第2作「七度狐」は、本格ミステリ大賞最終候補作となった。

落語専門誌『季刊落語』編集部の編集長・牧が探偵役を、新米編集者・間宮がワトソン役となり、身の回りで起こる事件などを解決していく。作中で起こる事件は、一門同士の諍いや、名跡を誰に継がせるかというような内輪の話まで様々。

『季刊落語』[編集]

年4回、落語に関する様々な話題を掲載する専門誌。真打の高座批評、名人へのインタビュー、全国各地で催される寄席の演しもの一覧など。

編集部は総勢2名の小さな部署。季刊なので、1冊の刊行を終えた後などは暇な時期もあるが、校正や取材など、残業が続く日々もある。

登場人物[編集]

間宮 緑(まみや みどり)
本に関わる仕事をしたくて、大学卒業後、憧れていた出版社「世界堂」に就職したが、研修を終えた後、「季刊落語」編集部配属の辞令が下る。それまで、落語というものを一度も聴いたことがなかったため、一度は辞職まで考えたが、牧の気さくな人柄で気持ちがほぐれ、迷いがなくなった。配属直後は、寄席で一日を過ごす日々が続いた。現在では毎日寄席に通い、落語漬けの日々を送っている。牧の鋭い洞察力に舌を巻く。
牧 大路(まき おおみち)
「季刊落語」編集長。入社以来30年間「季刊落語」一筋、55歳になるベテラン。おむすびのようにふっくらとした顔、笑うと一本線になる目、禿げ上がった頭部を隠すかのようなグレーのベレー帽が特徴的。白髪交じりの上品な口髭。痩せた福の神のような風貌。並外れた観察力と洞察力を持つ。自分が聴きたい噺があると、仕事を放り出して寄席巡りを始めてしまう。

シリーズ一覧[編集]

単行本は東京創元社創元クライム・クラブから、文庫本は創元推理文庫から刊行されている。

関連作品・関連シリーズ[編集]