菱川勢一

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菱川 勢一(ひしかわ せいいち、1969年3月14日 - )は、日本映画監督映像作家アートディレクタークリエイティブディレクター写真家脚本家武蔵野美術大学教授。ドローイングアンドマニュアル株式会社 代表取締役会長。 長男は映像作家の菱川太壱[1][2]、長女は声優の菱川花菜[3]

経歴[編集]

東京都大田区出身。茨城県立水海道第一高等学校卒業。1989年からレコード会社に勤務後、1991年渡米、拠点をニューヨークへと移す。映像業界へ転身し、TV番組から映画製作まで撮影、編集、音声などのエンジニアとしてあらゆるジャンルの映像に関わる。帰国後、本格的に演出の道へ進み、映像演出、舞台演出、空間演出などを分野を越えて活躍。1997年デザインスタジオ DRAWING AND MANUALの設立に参画。2009年武蔵野美術大学基礎デザイン学科教授に就任。2011年監督を務めたNTTドコモのCM「森の木琴」が世界最大の広告賞であるカンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルにて三冠を受賞した。同年、写真家として初の写真展「存在しない映画、存在した光景」開催。巡回展として京都、東京、金沢、富山で展示した。映画は早くから短編映画を手がけ、短編映画の可能性を探っている。また、映画、ドラマのタイトルバック(オープニング映像)クリエイターとしても著名で『功名が辻』『坂の上の雲』『八重の桜』(3作品全てNHK)といった大作を手がけた。近年では作詞、脚本、コラム執筆なども手がけている。2017年、初の長編映画youth(ユース)」を手がけ、2018年は二作目の長編「ハモニカ太陽」、2020年は「新青春」を監督した。

映画[編集]

短編[編集]

  • 『砂漠のアキラ』1992年 撮影監督
  • 『In Between』1992年 監督・撮影・編集・脚本
  • 『砂時計がチクタク鳴ってる』1993年 監督・撮影・編集・脚本

ELECTRIC DRAGON 80000V』2001年(石井聰亙監督作品) タイトルバック監督

長編[編集]

  • 『#youth』2017年 監督・編集・脚本
  • 長編映画『ハモニカ太陽』2018年 監督・撮影・編集・脚本
  • 新青春』2020年 監督・編集

ブランデット・フィルム[編集]

映画祭[編集]

テレビ[編集]

  • NHK大河ドラマ功名が辻』タイトルバック制作
  • NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』タイトルバック制作、ドキュメンタリーパート制作、スチール撮影
  • NHK大河ドラマ『八重の桜』タイトルバック制作、スチール撮影
  • NHK土曜ドラマ『55歳からのハローライフ』タイトルバック制作、スチール撮影
  • NHK大河ファンタジー『精霊の守り人』、『精霊の守り人2 悲しき破壊神』タイトルバック制作、プロモーションアートディレクター、スチール撮影
  • NHK Eテレ 教育番組『JAPANGLE』映像監修
  • NHK 8Kスペシャルドラマ『Stranger』アートディレクター、スチール撮影
  • NHK リモートドラマ『Living』アートディレクター
  • NHK大河ドラマ『どうする家康』タイトルバック監督

空間演出[編集]

  • モーショングラフィックス展 1997-2000年 映像監修
  • シャネル Cambone line 新作コレクション発表会 空間デザイン
  • カルバン・クライン 2002-2004コレクション 空間デザイン
  • 金沢城プロジェクションマッピング 制作統括
  • 21 21 DESIGN SIGHT
    • 『動きのカガク展』展覧会ディレクター
    • 『土木展』展示作品 -DOBORELO(ドボレロ)- 映像監督
    • 『㊙︎展』展示映像監督
  • 第15回 ヴェネツィア・ビエンナーレ 国際建築展 映像監修
  • PLAY! Museum 『ONI展』空間構成クリエイティブディレクター

映画予告編[編集]

ミュージックビデオ他[編集]

CM[編集]

受賞歴[編集]

  • 2000年 ニューヨークADC賞
  • 2001年 ロンドン国際広告賞
  • 2002年 IBA-International Broadcast Award
  • iFデザイン賞
    • 2005年アトモスフィア賞
  • 2005年 アニメーション賞
  • 2005年 コーポレートデザイン賞
  • 2008年 アジア太平洋広告祭 銅賞
  • 2009年 One Show INTERACTIVE Merit賞
  • カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル
    • 2011年 Film部門 銀賞
    • 2011年 Film Craft部門 金賞
    • 2011年 Cyber部門 金賞
  • 2011年 Spikes Asia 3部門で金賞、銅賞
  • グッドデザイン賞
    • 2011年度 金賞
    • 2019年度
  • ACC CM FESTIVAL
    • 第51回
テレビCM部門 Gold
    • 第51回 次世代クリエイターたちが選ぶACC賞
  • ADFEST
    • 2012 FILM LOTUS Gold
    • 2012 FILM CRAFT LOTUS Gold
    • 2012 CYBER LOTUS Gold
    • 広告電通賞 第65回 インターネット ブラウザー・コミュニケーション部門最優秀賞
    • 第65回 環境広告賞
    • 第65回 テレビ 情報・通信部門優秀賞
  • 第49回 ギャラクシー奨励賞 CM部門
  • フジサンケイグループ広告大賞
    • 第41回 メディアミックス部門優秀賞
    • メディア部門テレビ最優秀賞
  • One Show
    • 2012年 Consumer TV 60秒/Non-broadcast online film Merit
    • 2012年  Cratf/Sound Design部門 Bronze
  • 2012年 TED Ads Worth Spreading 10選出
  • 2012年 TIAA 金賞
  • ヴェネツィア・ビエンナーレ 国際建築展
    • 2016年 第15回 特別表彰 (Special Mention)
    • 2016年 第15回 審査員特別賞
  • 2017年 第20回文化庁メディア芸術祭 審査委員会推薦作品選定
  • 2017年 ニューヨークフェスティバル 受賞
  • 環境コミュニケーション大賞 テレビ環境CM部 優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)
  • D&AD Professional Awards 2012 Nomination
  • プリ・ジュネス
    • 2016 11~15歳ノンフィクション部門 国際子ども審査員賞
    • 2018 11~15歳ノンフィクション部門
  • 2020 モントリオール・インディペンデント映画祭 監督賞
  • 2020 ロンドン・ディペンデント映画祭 最優秀外国作品賞
  • 2020 4K徳島映画祭 あわ文化振興賞大賞
  • 2020 ローマ=プリズマ・インディペンデント映画祭最優秀作品賞
  • 2021 フィレンツェ映画祭 Honorable Mention : Director
  • 2021 ベニス映画祭 Honorable Mention

著書[編集]

  • 『JAGDA教科書 コンピュータとデザイン』(六耀社
  • 『EARTHLING 地球人(アースリング)として生きるためのガイドブック』 (ソル・メディア)

写真集[編集]

  • Found Stories From A Movie That Doesn't exist 「存在しない映画、存在した光景」 ドローイングアンドマニュアル刊

脚注[編集]

外部リンク[編集]