菊池誠 (大阪大学)

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菊池 誠
生誕 菊池 誠
(きくち まこと)
1958年(65 - 66歳)
日本の旗 日本京都府
居住 日本の旗 日本
国籍 日本の旗 日本
研究分野 物理学
統計力学
生物物理学
計算物理学
研究機関 大阪大学
出身校 東北大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了
プロジェクト:人物伝
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菊池 誠(きくち まこと、1958年 - )は、日本物理学者。専門は、統計力学生物物理学計算物理学学位は、理学博士東北大学・1986年)(学位論文「モンテカルロ法による臨界現象の研究」)。大阪大学大学院理学研究科物理学専攻及び同大学サイバーメディアセンター教授。「ニセ科学フォーラム」実行委員。と学会会員[1]日本SF作家クラブ会員。

京都府生まれ、青森県弘前市育ち。

略歴[編集]

京都府に生まれ、青森県弘前市で育つ。

学生時代からSFファンで、「仙台SFクラブ」「ESIF」「THATTA友の会」「BAMU」「科学魔界」など、多くのSFファングループに参加。

SFの翻訳に、フィリップ・K・ディック『ニックとグリマング』などがある。また、木口まこと名義で『SFマガジン』などでルーディ・ラッカーの短編などの翻訳を行っている。また、2008年に開催された日本SF大会「DAICON7」では顧問をつとめた。

また、疑似科学オカルトスピリチュアルなどの社会的な問題点を指摘している。

なお、2010年4月に自身のTwitterにおいて、「百科事典の項目としては無意味」として本項の削除を求めると発言したことがある[2]。2015年3月にも「wikipediaの僕の項目は全部消してもらいたい」と、再び発言[3]

プログレッシブ・ロック、ブリティッシュ・ハードロックなどを愛好し、セミプロテルミン奏者[4]児嶋佐織と「and_more..」というユニットを結成してライブ活動も行っている[5]

2023年、日経「星新一賞」一般部門優秀賞を受賞(受賞作品:木口まこと(きくち・まこと)「おじいちゃんの樹」)。

履歴[編集]

批判[編集]

日本原子力研究開発機構J-PARCセンター研究副主幹(当時は研究副主任)の井田真人は、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書の明らかな誤読・曲解例として、菊池誠のTwitterを挙げており、完全に誤読していると指摘している[11]。菊池誠は、2018年8月4日のTwitterで「最大でも50ミリシーベルト程度」と書いたり、8月7日では「甲状腺癌は増えません」と書いている[11]。2013年の報告書は75ページで「推定では、強制避難区域で地域平均で最大80mGy、避難区域外で地域平均最大50mGv」、253ページでは「推定では、その平均の2-3倍の被ばく量の人もいる」としているため菊池は平均値を最大値だと誤解しており、「チェルノブイリのような多数の甲状せんがんの発生は考慮しなくていい」とチェルノブイリ並みの多数の発生が否定されているだけである[11]。「研究者、教育者として大事な何かを忘れ始めているのではないだろうか」とコメントされている[11]

家族[編集]

父は園芸学者で弘前大学名誉教授の菊池卓郎[12]。伯父(父の兄)の菊池秀夫三井鉱山常務、河北新報取締役、東海大学名誉教授[13]

祖父は園芸学者で京都大学園芸学教室の初代の教授だった菊池秋雄[14]。祖母(秋雄の妻)のたけは、河北新報創業者一力健治郎の娘。曽祖父の菊池楯衛は、「青森りんごの始祖」と呼ばれる人物[15]

妻の菊池鈴々(菊池久美子)は、SF評論ファンジンTHATTA」の元副編集長。

著書[編集]

単著[編集]

  • 『科学と神秘のあいだ』筑摩書房〈双書zero〉、2010年3月。ISBN 978-4-480-86072-9 

共著[編集]

訳書[編集]

監修[編集]

日本語版編集委員[編集]

その他[編集]

  • 鈴木みそ『僕と日本が震えた日』 (リュウコミックス) 本人役として出演。

論文[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 2010年6月28日に、ツイッター上で伊藤剛からの質問に答える形で「〈と学会会員〉とは、2008年を最後に、自分のプロフィールにいれていない」「ただし、と学会のサイト上の、会員リンクには意図的に自サイトを残している」と表明。Togetter - まとめ「と学会の評価と菊池誠博士の関わりについて」
  2. ^ 菊池誠 2010年4月4日の発言、2014年6月2日閲覧。
  3. ^ https://twitter.com/kikumaco/status/576656921953882112
  4. ^ Personal Information 2012年2月13日参照。
  5. ^ テルミン・ユニット and_more.. 2012年2月13日参照。
  6. ^ 博士論文書誌データベース
  7. ^ 「大阪大学サイバーメディアセンター教員一覧」、大阪大学サイバーメディアセンター、2014年12月22日閲覧。
  8. ^ 「研究者詳細」、大阪大学、2014年12月22日閲覧。
  9. ^ 物理学専攻のスタッフ、大阪大学大学院理学研究科・物理学専攻、2014年12月22日閲覧。
  10. ^ 退職教授による記念講義大阪大学
  11. ^ a b c d 井田真人「曲解されたUNSCEARレポート : その2」『科学』第88巻第10号、2018年10月、1033-1038頁。 
  12. ^ http://www.47news.jp/localnews/aomori/2011/04/post_20110429094637.html# https://twitter.com/kikumaco/status/78497600046764032 https://twitter.com/kikumaco/status/81203654375383040
  13. ^ https://ameblo.jp/derbaumkuchen/entry-11799755602.html
  14. ^ https://twitter.com/kikumaco/status/55957843546869760 https://ameblo.jp/derbaumkuchen/entry-11799755602.html
  15. ^ https://ameblo.jp/derbaumkuchen/entry-11799755602.html http://www.hi-it.net/~ringo-kouen/ringo/human/kikuchi.html

関連項目[編集]

外部リンク[編集]