ナショナル・レール

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ナショナル・レールの駅。左側のロゴマークがナショナル・レールのもの。
キングス・クロス駅。
ナショナル・レールの駅。(ロンドン・パディントン駅
ナショナル・レールの駅。(エディンバラ・ウェーバリー駅

ナショナル・レール[1] (National Rail) は、アソシエーション・オブ・トレイン・オペレーティング・カンパニーズ(ATOC、イギリス旅客列車運行会社の代表団体)のブランド名であり、英国鉄道[2]と訳されることがある。

現在イギリス国内で広く運行されているナショナル・レール (National rail) は、このATOCのブランドであり、国鉄に由来する列車を指している。

このブランドは「National Rail英国鉄道の名を持つがイギリス国鉄のことではない(イギリス国鉄は「British Rail」) 。このブランドは、1994年までイギリスで列車を運行していたイギリス国鉄に由来する鉄道網を中心に、旅客列車を現在運行している複数の民間会社の統一ブランドであり、現在のイギリスにおける旅客列車の主要なブランドでもある。

このブランドは通常、イギリス国鉄に由来する旅客列車運行会社とそれ以外の運行会社とを区別するものとして使用される。この区別は重要である。ナショナル・レールは切符の発行システムと切符を共通化しているが、他の鉄道会社とは必ずしも共通化されていないからである。

「ナショナル・レール (National Rail)」と「ネットワーク・レール(Network Rail)」[編集]

「ナショナル・レール」は「ネットワーク・レール」と似ているが、異なるものである。ネットワーク・レールとは鉄道網のインフラ(線路、信号など)を保有し、維持管理する組織の名称であるのに対し、ナショナル・レールは鉄道サービスの促進のために使用されるブランドの名称である。

ネットワーク・レールの保有する路線を走行する列車がナショナル・レールの列車である、というわけではなく(そういう場合は多いが)、ネットワーク・レールの保有する路線を走行するいくつかの旅客列車(ユーロスターヒースロー・エクスプレスTyne and Wear Metroや、一部のロンドン地下鉄の列車など)、ナショナル・レールの路線網には含まれない。ロンドン・オーバーグラウンドもナショナル・レールのブランドではないが、実質的にはロンドン交通局に代わりネットワーク・レールの線路上を運行されている。

その逆に、いくつかのナショナル・レールの列車は、ネットワーク・レールではない線路(例えばロンドン地下鉄の線路など)を走る。

また、ナショナル・レールのブランドは旅客列車のブランドであるが、ほとんどのネットワーク・レールの路線は貨物輸送も行い、またいくつかの路線は貨物専用路線である。

列車運行会社[編集]

ナショナル・レールの列車は24社の民間の列車運行会社(Train Operating Companies、TOCs)によって運行されている(各社の一覧はイギリスの列車運行会社の一覧を参照)。

ATOCはTOCsの共通の告知およびいくらかの中央の調整を行う。例えば、全国時刻表や旅行プランナー、情報サービスの提供についてである。

他のイギリスの旅客列車運行会社[編集]

イギリス国鉄 (BR) は1949年に設立された北アイルランド政府に、北アイルランドの路線資産(元LMS(NCC)線)を売却した。同政府は北アイルランドの他の鉄道事業者を国有化し、アルスター・トランスポート・オーソリティー、UTAを設立した後に、1966年に改編により現在の鉄道事業主体であるノーザン・アイルランド・レイルウェイズ (NIR) が成立した。結果として、NIRはイギリス国鉄の鉄道網の一部ではない。

いくつかのイギリスの都市には公営の地下鉄路面電車があり、これらのほとんどはナショナル・レールには属していない。これらにはロンドン地下鉄ドックランズ・ライト・レイルウェイブラックプール・トラムウェイトラムリンクグラスゴー地下鉄Tyne and Wear Metroマンチェスター・メトロリンクシェフィールド・スーパートラムミッドランド・メトロおよびノッティンガム・エクスプレス・トランジットなどがある。

他方、大部分が自社路線であるMerseyrailはナショナル・レールの一部であり、またカーディフ(Valley Lines)、グラスゴー(Strathclyde Partnership for Transport)およびウェスト・ヨークシャーWest Yorkshire Passenger Transport Executive)の地方路線の列車は完全にナショナル・レールの列車のみが運行されている。

また、最近開業したヒースロー・エクスプレスおよびユーロスターもまたナショナル・レールには属さない。

さらに、イギリスの保存鉄道と私有鉄道の一覧に挙げられている、相当数の個人所有の鉄道もしくは保存鉄道は、ナショナル・レールには属さない。

ナショナル・レールの切符

切符[編集]

ナショナル・レールは、イギリス国鉄から切符発売システムを引き継いでいる。

切符はナショナル・レールのどの駅間でも通用し、どの駅の切符売り場でも購入可能である。

また、ほとんどの切符は適正な乗車ルートであれば、全ての列車運行会社の列車で相互利用が可能である。例外はロンドンとガトウィック空港の間を乗車する場合で、2006年3時点では3社が自社の列車以外は有効ではない切符を発券している(ガトウィック・エクスプレス以外の列車なら有効なロンドン・ガトウィック切符(London-Gatwick ticket)というのもある)。また、いくらかの他の区間では、相互利用可能な切符より安い、その運行会社専用の切符を発売している。

オイスター・カードでの支払い・乗車は、ATOCは最終的にはトラベルカードの計画に全路線を対応させることを発表しているが([1]Chiltern Railwaysc2c)、大ロンドンのナショナル・レールの限られた数で使用できるだけである。

切符購入設備が利用可能な駅から切符を持たずに乗車した乗客は、片道の最大料金または往復料金の支払いを請求される。いくつかの路線では罰金(切符を持たない乗客は最大20ポンドもしくは次の駅までの最大往復料金を請求される)を支払わなければならない。罰金の徴収は通常の検札員はできず、認可されたRevenue Protection Inspectorsのみが可能である。

ナショナル・レールは多くのイギリス鉄道旅行に関するテクニカル・マニュアルを配布しており、また各鉄道会社もそれぞれのウェブサイトでナショナル・レールの運行情報の提供を行っている。

時刻表[編集]

個別の路線のポケット時刻表は多くの駅で無料配布されている。ナショナル・レールの時刻表は、3000ページを越えるもので、購入可能であるが、2007年5月発行の版をもって冊子体の提供は終了した。 購入可能な代替手段はOAG Rail guide (ISSN 1365 6112)である。

時刻表および切符の予約を含む旅行プランナーのオンライン版ウェブサイトはナショナル・レールのウェブサイトからアクセスしやすい。このウェブサイトはまた選択した路線の運行情報をリアルタイムに提供している。

出典[編集]

  1. ^ 英国政府観光庁ウェブサイトでは、ナショナル・レールの他にナショナル・レイルという表記も用いている。また、『イギリス鉄道の旅』ISBN 4478051313 ISBN 4478059802 ならびに『英国』ISBN 4840108218 も「ナショナル・レイル」と表記している
  2. ^ 英国政府観光庁

関連項目[編集]

外部リンク[編集]