自立支援医療(精神通院医療)

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自立支援医療(精神通院医療)(じりつしえんいりょう せいしんつういんいりょう)とは、公費負担医療のひとつ[1]精神疾患てんかんを含む)の治療のため通院による精神医療を継続的に要する病状にある者に対して医療費の自己負担を軽減するものである。

概要[編集]

自立支援医療の受給者証と自己負担上限額管理表の例(神奈川県川崎市)

以前の精神科通院医療費の負担は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)第32条の「通院医療費公費負担制度」で全体の5%負担であった。自治体によっては残りの自己負担分も負担し、無料であった[2]第163回国会にて成立した障害者自立支援法第5条により2006年4月より精神通院医療費の全体の原則10%負担かつ患者の世帯収入に応じた応益負担に変更された。

制度の実施主体は都道府県又は指定都市。対象者は精神保健福祉法第5条に規定する統合失調症、精神作用物質による物質中毒、その他の精神疾患(てんかんを含む。)を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する病状にある者で、症状がほとんどなくても状態維持や再発防止目的の通院も対象となっている[3]

対象となるのは全ての精神疾患で、次のようなものが含まれる[4]

○医療費の軽減が受けられる医療の範囲[4]

精神疾患・精神障害や、精神障害のために生じた病態に対して、病院又は診療所に入院しないで行われる医療(外来、外来での投薬、デイ・ケア、訪問看護等が含まれまる)が対象となる。

(※精神障害のために生じた病態とは、精神障害の症状である躁状態、抑うつ状態、幻覚妄想情動障害行動障害、残遺状態等によって生じた病態のこと。)

○医療費の自己負担[4]

ア) 一般人であれば公的医療保険で3割の医療費を負担しているところを1割に軽減する。 (例:かかった医療費が7,000 円、医療保険による自己負担が2,100 円の場合、本制度による自己負担を700 円に軽減する。)

イ) この1割の負担が過大なものとならないよう、1 か月当たりの負担には上限を設けている。上限額は、世帯(※1)の所得に応じて異なっている。

この制度は都道府県又は指定都市が指定した「指定自立支援医療機関」(病院診療所薬局訪問看護ステーション)のみで利用できる[5]

区分[編集]

市町村税納税額によって、自己負担額に上限を設けている[6]

1ヶ月あたりの自己負担額の上限
所得区分 精神通院医療 重度かつ継続 備考
一定所得以上 対象外 20,000円(経過的特例)
中間所得2 10,000円
中間所得1 5,000円
低所得2 5,000円 5,000円
低所得1 2,500円 2,500円
生活保護 0円 0円

経過的特例の期限[編集]

「重度かつ継続の一定所得以上の者で自己負担上限額を2万円とする措置」及び「育成医療の中間所得1(市町村民税課税以上3万3千円未満)の自己負担上限額を5千円とする措置」と「育成医療の中間所得2(市町村民税3万3千円以上23万5千円未満)の自己負担上限額を1万円とする措置」の区分については、平成27年3月31日までの経過的特例となっている[7][8]

平成27年3月、平成30年3月31日までの経過的特例の再延長が発表された[9]

脚注[編集]

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  1. ^ 自立支援医療(精神通院医療)について (PDF)  厚生労働省 2014年1月19日閲覧
  2. ^ 通院医療費公費負担制度 国立病院機構賀茂精神医療センター 2010年3月16日閲覧
  3. ^ 自立支援医療(精神通院医療)の概要 厚生労働省 2014年1月19日閲覧
  4. ^ a b c 自立支援医療(精神通院医療)について (PDF)  厚生労働省 2014年2月2日閲覧
  5. ^ 自立支援医療(精神通院医療)について (PDF)  厚生労働省 2011年8月13日閲覧
  6. ^ 自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み (PDF)  厚生労働省 2015年2月4日閲覧
  7. ^ 自立支援医療制度の概要 厚生労働省 2015年2月5日閲覧
  8. ^ 自立支援医療(精神通院医療)を利用されている一定所得以上の「世帯」の方へ (PDF) 神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市 2015年2月4日閲覧
  9. ^ 自立支援医療(精神通院医療)を利用されている一定所得以上の「世帯」の方へ(経過的特例の延長決定のお知らせ) (PDF)

参考文献[編集]

関連項目[編集]