自由粒子

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自由粒子 (: free particle) は束縛されていない粒子である。古典力学的には、の影響を受けていない ("field-free") 空間に存在する粒子を意味する(粒子は外力を受けない)。そのため、自由粒子のポテンシャルエネルギーはその位置によらず一定である[1]

古典的自由粒子[編集]

古典力学的な自由粒子は単純に一定の速度によって特徴付けられる。その運動量

\mathbf{p}=m\mathbf{v}

であり、そのエネルギー

E=\frac{1}{2}mv^2

である。ここで、m は粒子の質量、 v は粒子の速度ベクトルである。

非相対論的量子力学自由粒子[編集]

非相対論的量子力学の自由粒子のシュレーディンガー方程式は以下のとおり:


- \frac{\hbar^2}{2m} \nabla^2 \ \psi(\mathbf{r}, t) = 
i\hbar\frac{\partial}{\partial t} \psi (\mathbf{r}, t)

ある特定の運動量に対するその解は平面波によって与えられる:


\psi(\mathbf{r}, t) = e^{i(\mathbf{k}\cdot\mathbf{r}-\omega t)}

次の値は定数である:


\frac{\hbar^2 k^2}{2m}=\hbar \omega

ここで、r は位置ベクトル、t は時間、k波束、そしてω 角周波数である。ψψ* の全空間での積分は1でなくてはならないので、この波動関数ψ は最初に規格化されていなくてはならない。これは一般の自由粒子にとっては問題であるが、運動量と位置が少し局在しているわずかに非自由な粒子については問題ではない。(さらなる議論は箱中の粒子 (enを参照のこと)

運動量p の期待値は


\langle\mathbf{p}\rangle=\langle \psi |-i\hbar\nabla|\psi\rangle = \hbar\mathbf{k}

エネルギーE の期待値は


\langle E\rangle=\langle \psi |i\hbar\frac{\partial}{\partial t}|\psi\rangle = \hbar\omega

k および ω について解き、拘束方程式へ代入すると、非相対論的な質量を持つ粒子について、エネルギーと質量のよく知られている関係を算出できる:


\langle E \rangle =\frac{\langle p \rangle^2}{2m}

ここで、p=|p| である。この波の群速度は次のように定義される:

\left.\right.
v_g= \frac{d\omega}{dk} = \frac{dE}{dp} = v

ここで、v は粒子の古典速度である。この波の位相速度は次のように定義される:

\left.\right.
v_p=\frac{\omega}{k} = \frac{E}{p} = \frac{p}{2m} = \frac{v}{2}

一般的な自由粒子は特定の運動量やエネルギーを持つ必要はない。この場合、その自由粒子の波動関数は運動量固有関数重ね合わせによって表現されうる:

\left.\right.
\psi(\mathbf{r}, t) = \int
A(\mathbf{k})e^{i(\mathbf{k}\cdot\mathbf{r}-\omega t)}
d\mathbf{k}

ここでの積分は全k-空間での積分である。

相対論的自由粒子[編集]

相対論的な自由粒子を記述する方程式はさまざまある。自由粒子解の記述についてはそれぞれの記事を参照のこと。

脚注[編集]

  1. ^ A Free Particle

関連項目[編集]