自乗

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自然数に対する自乗

自乗(じじょう)、二乗(にじょう、じじょう)、平方(へいほう)は、ある数を自らと掛ける演算である。あるいは言い換えると、2乗、つまり、2を取る演算である。

記法[編集]

専用の記法はなく、冪の記法を使い、x の自乗を x2 と表す。

性質[編集]

整冪一般の性質[編集]

自乗に特有の性質[編集]

  • -1倍の自乗は元の数の自乗である。つまり、関数としての自乗は偶関数である。
    (-x)^2 = x^2\,
  • 実数の自乗は非負の実数である。また、0のみが自乗が0となるので、0以外の実数の自乗は正の実数である。
    x ^ 2 \ge 0 、等号は x = 0\, の場合のみ
  • 平方根定義より、平方根の自乗は元の数である。ただし、自乗の平方根は(非0の平方根は2つあるため)元の数とは限らない。
    \left( \sqrt x \right) ^ 2 = x
  • 単位関数を積分すると自乗の半分となる。
    \int xdx = \frac {x^2} 2

自然数の自乗の性質[編集]

自然数の自乗は平方数と呼ばれる。

応用[編集]

行列の自乗[編集]

行列に対しても、自乗は自らとの積として定義される。ただし、行列の乗算では左オペランドの列数と右オペランドの行数が一致しなければならないので、行列の自乗は正方行列に対してのみ定義できる。

自乗して0になるのは0のみであるのに対し、自乗して零行列 O になるのは零行列とは限らず、任意の x, y に対し

\begin{pmatrix}  xy & y^2 \\  -x^2 & -xy \end{pmatrix} ^ 2 = O

が成り立つ。なお、零行列に何をかけても零行列なので、この形の行列は自乗に限らず2以上の何乗しても零行列である。

コンピュータでの自乗[編集]

ほとんどのプロセッサは自乗専用の命令をもたず、自乗は乗算命令で実現される。

仮に自乗を冪関数を使って「2での冪」として計算すると、乗算として計算するより大幅に多くの計算コストを要する。最適化機能を備えたコンパイラは、「2での冪」を「自らとの積」に最適化する。