膣分泌液

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膣分泌液

膣分泌液(ちつぶんぴつえき)、もしくは膣液(ちつえき)とは、女性膣壁から分泌される無色透明で粘性のある液体である。特に外陰部に刺激を受けたり、性的興奮した際などに顕著に分泌され、性交時の潤滑剤の役割を果たすが、平常時でも一定量が分泌され膣の粘膜を湿潤に保ち、膣の自浄作用を担っている。平常時に分泌され膣口から排出される膣分泌液(および女性内性器由来のその他の粘液)は下り物と呼ばれる。ウィリアム・ハウエル・マスターズにより他の分泌物とは別に独立して分泌されていることが確認された。 女性器からの分泌液は、俗に愛液マン汁などと呼ばれ、実際に流れ出る液体には膣分泌液に他の分泌物も交じり合っている。

成分[編集]

膣分泌液の主成分は血漿だとされ、分、ピリジンスクワレン尿素酢酸乳酸アルコールグリコールケトン、及びアルデヒドを含んでいる[1]。液は通常透明で、 粘度、手ざわり、、においについては、性的興奮、月経周期、病気の有無、食事などで変化する。

pHは通常3.8-4.5の弱酸性であり、特定の性感染症によってより酸性に変化する[2][3]。なお、男性精液のpHは通常7.2-8.0である。

多くの場合、バルトリン腺液やスキーン腺液、子宮頚管粘液などの分泌物と交じり合う。子宮頚管粘液は、その名の通り粘度があり、色は白色で、排卵日前後にはさらに粘度が強くなることが知られている。

膣分泌液の変化[編集]

糖尿病妊娠授乳期、更年期、加齢、病気などの生活上の出来事や体調などで変化するほか、市販の抗ヒスタミン薬など特定の薬の使用でも、膣分泌液が抑制される場合がある。また、抗コリン性がある薬や交感神経興奮薬は、膣粘膜が乾く効果がある。 そのような成分は、アレルギー心臓血管障害、精神疾患など、さまざまな病状のための治療薬に含まれている。

病気の媒介[編集]

セーフセックス教育者は、HIVを含む性感染症に感染している女性の膣分泌液が病気を移す場合があることを警告している。陰茎と膣による性交のみならず、膣分泌液に直接触れるのは避けたほうがよいとされる。

人工的な潤滑[編集]

分泌が不十分なまま、または体質に起因して分泌量が少ないまま性交すると挿入が困難になったり、不快感や痛みを伴う場合がある。市販の潤滑剤などを使用すると、膣口および陰茎の不快感や痛みを防ぐことができる。

坐薬の潤滑剤は性交渉の前に挿入する必要がある。オイルベースのローションは、ラテックスコンドームを脆くし、避妊や性感染症防止の有効性を弱める。よって水やシリコンベースのローションが主に使用される。

脚注[編集]

  1. ^ Woman Health: Female Body Fluids”. 2007年10月18日閲覧。
  2. ^ Device and Method for Identifying and Treating Vaginal Affections”. 2007年10月18日閲覧。
  3. ^ Moses, Scott, MD (2000年). “Vaginal Fluid pH”. Family Practice Notebook, LLC. 2007年2月4日閲覧。

関連項目[編集]