脱水 (医療)

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脱水
分類及び外部参照情報
ICD-10 E86.
ICD-9 276.5
プロジェクト:病気Portal:医学と医療
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医学における脱水(だっすい、dehydration)とは体内の水分量が不足した状態を言う。

原因[編集]

水分喪失量に対して水分摂取量が不足することによって起こる。したがって脱水の原因としては、水分の摂取が不足する状態あるいは水分の喪失が過剰となる状態の二つが考えられる。実際には、水分の摂取が不足すると同時に喪失も亢進することが珍しくない。

発熱
発熱により全身倦怠感が強くなると、水分の摂取が減少する。その一方で、発汗の亢進や呼吸数の増加などにより不感蒸泄(排尿によって意識されない水分の排泄)が亢進し、程度が強くなれば脱水となる。
下痢嘔吐
ウイルス性の腸炎食中毒コレラなど、急性の消化器疾患の症状としてしばしば同時にみられる。嘔吐により水分の摂取が低下するとともに、下痢により水分の喪失が増加する。下痢・嘔吐のいずれも電解質を喪失する症状(胃液にも電解質が含まれるため)であるため、水分だけでなく電解質も減少する。
高温の環境、重作業、激しい運動
発汗が亢進するため、十分な水分および電解質の摂取がなければ脱水の原因となる。これらの要因が重なり合って起こる重篤な疾患に熱中症があり、脱水は熱射病の主要な病態のひとつである。

分類[編集]

脱水は、血液(細胞外液)の電解質組成によって以下のように分類される。

低張性脱水
下痢・嘔吐などにより水分の喪失以上に電解質の喪失が著しい状態で、血漿中の電解質濃度および血漿浸透圧の低下を伴う。
発汗や下痢嘔吐などの体液喪失に対し水のみを補充し続けることで容易に陥ってしまう。
発熱や口渇感を伴いにくく、皮膚・粘膜の乾燥も少ないため、初期には自覚症状が少ないが、進行すると全身倦怠感や眠気がみられ、手足は冷たく脈拍が弱くなる。身体は体液の塩分濃度よりも体液量を保持することを優先するため塩分不足(+++)の所を水分不足だけ(++)となり踏み止まり、発症しやすいのである。主に細胞外液(循環血液量)の減少による症状である。
血清ナトリウム濃度140mEq/l以下、血清塩素濃度110mEq/l以下が目安となる。
等張性脱水
等張液の喪失による脱水。口渇感のため水分を摂取するのが普通のため、低張性脱水に変化しやすい。
ネフローゼなど。
高張性脱水
発汗の亢進、水分摂取の極端な低下などにより、もっぱら水分が不足した状態である。自分で水分摂取のできない乳幼児や高齢者に多い。
発熱と著しい口渇感を伴い、口腔などの粘膜が乾燥する。意識は保たれるが不隠・興奮の状態となる。手足は冷たくならず、脈拍もしっかりと触れる。
血清ナトリウム濃度150mEq/l以上、血清塩素濃度110mEq/l以上が目安となる。
糖尿病など。

治療[編集]

軽症であり経口摂取が可能な全身状態であれば、電解質を含んだ水分を経口で摂取させる。ただし、スポーツドリンクは、ナトリウム濃度が低いため、特に乳幼児の脱水時にこれを与えると、低ナトリウム血症から水中毒を惹起する危険性があるので、経口補水用の食品(経口補水塩参照)を使用すべきである。味噌汁などは血液とほぼ塩分濃度同一のため、発汗による塩分減少を補うには便利である。夏ばてなど電解質不足で起こることも多く、食塩補給にスープ類、カリウムの補給には果物などを利用することでコントロールしやすい。脱水が重度の場合や、全身状態が悪く経口摂取ができない場合、電解質代謝異常が著しく厳密なコントロールが必要な場合には輸液を行う。特に重度の脱水や電解質代謝異常が見られる場合、急激に補正を行うと脳浮腫心不全肺水腫や重篤な中枢神経合併症が起こる危険があるため、2~3日をかけて慎重に補正しなければならない。