胸腺腫

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被嚢性の胸腺腫

胸腺腫(きょうせんしゅ、: thymoma)は、Tリンパ球の成熟に重要な役割を果たす胸腺上皮に由来する腫瘍のうち細胞異型のある胸腺癌(きょうせんがん、: thymic carcinoma)を除いたものである。分葉状構造、非腫瘍性未熟Tリンパ球の混在、血管周囲腔(perivascular space)、豊富なリンパ球の中に疎なリンパ球の領域が認められる髄質分化(medullary differentiation)等、正常胸腺への分化傾向が見られる[1]

疫学[編集]

症状[編集]

関連疾患[編集]

病理診断[編集]

  • 分類:卵円形および紡錘形腫瘍細胞からなるA型胸腺腫と類円形および多角腫瘍細胞からなるB型胸腺腫、それらの混在するAB型胸腺腫に分類され、B型胸腺腫はさらにその腫瘍細胞の形態と随伴する未熟Tリンパ球の多寡により、B1、 B2、 B3型に細分類される。
  • 免疫染色。
    • 未熟Tリンパ球の同定---CD1a, TdT
    • 胸腺上皮細胞---p63, cytokeratin (AE1/AE3, CK5/6), EMA

鑑別診断[編集]

治療[編集]

予後[編集]

文献[編集]

  1. ^ 立山尚 胸腺腫瘍の病理診断-針生検標本を含めて外科病理診断の手引き 外部リンク参照
  2. ^ Fornasiero A, et al. Chemotherapy for invasive thymoma. A 13-year experience. Cancer. 1991; 68(1): 30-3.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]