胎児の干物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

胎児の干物』(たいじのひもの、Embryons desséchés)は、エリック・サティが発表した3曲からなるピアノ曲。『ひからびた胎児』としても知られ、作品に奇抜なタイトルを冠することの好きだったサティらしい、ユーモア溢れるものとなっている。楽譜の随所に様々な指示があり、パロディ精神に満ちている。 なお、各曲の標題からも推測されるように、ここでのEmbryonsとは、海生生物の卵や幼生の意味と考えられ、「胎児」という訳は適切ではない。かつて「はららごの干物」という訳が与えられたこともある。

  • 第1曲、「ナマコの胎児」(d'Holothurie)。
  • 第2曲、「甲殻類の胎児」(d'Edriophthalma)。
    • 重苦しく開始され、中間部にはショパン葬送行進曲のパロディが聴かれるが、作曲者本人は「シューベルトの有名なマズルカから」の引用であると譜面上にコメントしている(シューベルトの曲にマズルカはない)。
  • 第3曲、「柄眼類の胎児」(de Podophthalma)。
    • 中間部で狩りの角笛が響く。最後は完全終止の和音が18回繰り返されたあげく、「作曲者による強制的な終止形」(というコメント)で終わる。

1970年に作曲家・指揮者のフリードリヒ・ツェルハが「ひからびた胎児」を室内オーケストラ用に編曲し、自身の楽団「Die Reihe」を指揮して録音した。