聖爵

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聖爵(コストロマのイパチェフ修道院のもの・セルゲイ・プロクジン=ゴルスキーにより1911年撮影)

聖爵(せいしゃく、ポティール)とは、正教会聖体礼儀において用いられる金属製の杯。イイスス・ハリストスイエス・キリスト現代ギリシャ語スラヴ語読み)の聖体・尊血となるパン葡萄酒がここに入れられる。西方教会聖杯カリスチャリスとも)に相当する。

一応、聖爵との漢字表記が存在し、「せいしゃく」とも読めるが、日本正教会ではスラヴ語からそのまま転写して「ポティール」と呼ばれる事がより一般的であり、明治時代の文献にも「聖爵」の字に「ポティール」とのルビが付けられている。

聖爵には領聖時に信徒が接吻するのを除き、神品 (正教会の聖職)以外には触れる事は許されていない。

聖爵には十字架イコンが彫り込まれて装飾されている事が多い。

尊血となる葡萄酒のみを聖杯に入れる西方教会とは異なり、正教会では聖爵に聖体となったパンも入れられる(信徒の領聖に先立つ神品の領聖時には、まだ聖体は聖爵には入れられず、別途手を使って領聖される)。信徒の領聖にあたっては、主教もしくは司祭が聖爵に入れられた聖体を聖匙(せいひ、ルジーツァ)と呼ばれるスプーンのようなさじを使って尊血ごと掬い、これを信徒の口に入れ、信徒がこれを受ける。

聖体礼儀終了後、聖体と尊血となったパンと葡萄酒は、司祭もしくは輔祭によって余さず領食(りょうしょく)される。聖体を食べ尽くす任に当る司祭もしくは輔祭には、熱湯を用いて聖爵の内側に残った聖体尊血をきれいに溶かし込み、これを領食する事が義務付けられ、一片一滴も残すことは許されていない。

聖体礼儀の時に使用される時以外には、聖爵は聖堂至聖所内の奉献台に置かれ、「太気(たいき)」と呼ばれる布で覆われる。

参考文献[編集]

  • ミハイル・ソコロフ著、木村伊薩阿克訳『正教奉神礼』日本正教会(明治24年3月)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]