篠田桃紅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

篠田 桃紅(しのだ とうこう、本名:篠田満洲子大正2年(1913年3月28日 - )は、日本美術家。映画監督の篠田正浩は従弟にあたる。

満洲国大連に生まれる。五歳頃から父に書の手ほどきをうける。その後、女学校時代以外はほとんど独学で書を学ぶ。

1950年から数年、書道芸術院に所属して前衛書の作家たちと交流を持つが、1956年に渡米。抽象表現主義絵画が全盛期のニューヨークで、作品を制作する。文字の決まり事を離れた新しいの造形を試み、その作品は水墨抽象画墨象と呼ばれる。アメリカ滞在中、数回の個展を開き高い評価を得るが、乾いた気候が水墨に向かないと悟り、帰国。以後日本で制作し、各国で作品を発表している。

和紙に、金箔銀箔金泥銀泥朱泥といった日本画の画材を用い、限られた色彩で多様な表情を生み出す。

万葉集などをしるした文字による制作も続けるが、墨象との線引きは難しい。近年はリトグラフも手掛けている。エッセイストとしての彼女のファンも多い。

略歴[編集]

  • 1913年 3月28日 旧満州国大連に生まれる(本籍岐阜
  • 1914年 父の転勤で東京に移る
  • 1929年 この頃から女学校の師である下野雪堂に書の指導を受け、卒業後も二年ほど指導を受ける
  • 1935年 書を教え始める
  • 1936年 東京鳩居堂で最初の個展、「根なし草」と評される
  • 1947年 書の枠を出た抽象的な作品を制作し始める
  • 1951年 書道芸術院に所属 (1956年まで)
  • 1954年 日本現代書「展」(ニューヨーク近代美術館)/「サンパウロ市400年祭り」日本政府館のために壁書を制作 / 個展(銀座松坂屋、東京)
  • 1955年 「ワシントン州国際見本市」日本モデルルームに壁書「炎・水」を制作 /「ヘルシンボール生活文化展」日本館に壁書「詩」を制作(スウェーデン)
  • 1956年 渡米 (1958年までニューヨークで制作)
  • 1956年 個展 (スエゾフ・ギャラリー、ボストン)
  • 1957年 個展 (バーサ・シェイファーズ・ギャラリー、ニューヨーク)
  • 1958年 米国より帰国。一躍「時の人」となり、新聞・雑誌などの取材対応に追われる。
  • 1960年 フィラデルフィア美術館から来日した刷師アーサー・フローリーの勧めでリトグラフ制作を始める
  • 1964年 国立代々木競技場のために壁画を制作(東京)
  • 1965年 個展 (ベティ・パーソンズ・ギャラリー、ニューヨーク)
  • 1968年 この頃より時折、富士山麓のアトリエで制作するようになる
  • 1970年 京王プラザホテル貴賓室、次特別室、ロビー、客室に屏風とリトグラフを制作(東京)
  • 1974年 増上寺大本堂ロビーのために壁画、道場のために襖絵を制作(東京)
  • 1976年 個展 (トールマン・コレクション、東京)
  • 1977年 ワシントン駐米日本大使公邸のために壁画を制作
  • 1979年 随筆集『墨いろ』で第27回日本エッセイスト・クラブ賞受賞/トールマン・コレクションによるポートフォリオ「70年代終焉の日本版画の発展」のために版画を制作
  • 1980年 個展「創造と伝統:絵画と版画」 [トールマン・コレクション主催] (芝増上寺大本堂、東京)
  • 1981年 トールマン・コレクションによる5周年記念ポートフォリオに版画を制作
  • 1982年 メリー、ノーマン・トールマン共著「国際舞台に立つ日本の版画家」(叢文社)の表紙のために版画を制作
  • 1990年 トールマン・コレクション作品による回顧展 [絵画・版画](東京/シンガポール/香港/ハワイ)
  • 1992年 個展「篠田桃紅 時のかたち」岐阜県美術館
  • 1993年 トールマン・コレクションによる回顧展 : 版画集「篠田桃紅A New Appreciation」(メリー、ノーマン・トールマン編、タトル出版)刊行記念(銀座三越、東京)
  • 1994年 「新作抽象画展」[トールマン・コレクション主催] (草月会館、草月プラザ、東京)
  • 1996年 「TOKO SHINODA – VISUAL POETRY [トールマン・コレクション主催] (シンガポール国立近代美術館)、初の日本人作家による個展
  • 2001年 回顧展 25年間のトールマンコレクション発行版画 (草月会館、東京)
  • 2003年 90歳記念展「篠田桃紅 朱よ」宮内庁収蔵作品一点貸出展示 [トールマン・コレクション協賛](原美術館、東京)皇后陛下行啓
  • 2005年 個展「墨いろに心を託した作家のあゆみ」[トールマン・コレクション主催](新生銀行本店20階ホール、東京)/ 京都迎賓館の貴賓室に絵画を制作 / コンラッド東京のロビーに絵画を制作 / 雑誌「News Week』誌で「世界が尊敬する日本人100」に選出される
  • 2007年 皇室専用の新型車両の内装壁画を制作
  • 2009年 個展 [トールマン・コレクション主催](蘭クラブ、北京)/ ローマで個展(ローマ日本文化会館)
  • 2010年 ザ・キャピタルホテル東急、ロビーの作品を制作(開業時に描いた作品と新作を対にして展示)
  • 2011年 個展 「リヒテンシュタイン・グローバル・トラスト(LGT銀行)香港開業25周年記念展」[トールマン・コレクション主催](エクスチェンジ・スクエア内ロタンダ、香港)
  • 2012年 個展「Guided by the Brush」(トールマン・コレクション、ニューヨーク)
  • 2013年 回顧展「篠田桃紅 百の譜 1950 – 1960's (岐阜県美術館、岐阜現代美術館、桃紅美術空間、光芳堂画廊、岐阜)

篠田百歳を記念するトールマン・コレクション主催・協力の展覧会 :

個展「ポートランド日本庭園開園50周年記念特別展 (米国、オレゴン) / 個展「Trailblazer 」[ロックフェラー財団協賛](日本協会、ニューヨーク)/「百の記念 篠田桃紅の墨象」 (菊池寛実記念 智美術館、東京)/ 個展 日本研究センターの50周年記念展 (スタンフォード大学) / 個展 メルボルン、シドニーを巡回 / 個展(Club21、シンガポール)/ 個展 トールマン・コレクション、ロンドン開設記念 / エッセイ集「桃紅百歳」刊行(世界文化社)

著書[編集]

  • 『いろは四十八文字』 1976年11月 矢来書院
  • 『墨いろ』 1978年5月 PHP研究所
  • 『朱泥抄』 1979年11月 PHP研究所
  • 『その日の墨』 1983年4月 冬樹社
  • 『おもいのほかの』 1985年12月 冬樹社
  • 『きのうのゆくへ』 1990年4月 講談社
  • 『墨を読む』 1998年6月 小学館
  • 『桃紅 私というひとり』 2000年12月 世界文化社
  • 『桃紅えほん』 2002年4月 世界文化社
  • 『桃紅百歳』 2013年4月 世界文化社

主な作品展示先[編集]

関連項目[編集]